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2019年07月12日

シルバーストンでは空力学的効率が重要である理由:F1技術解説

Why aerodynamic efficiency now rules at Silverstone

セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)2018年F1イギリスGP

シルバーストンには、コプス、マゴッツ/ベケッツ、アビーなどの一連の超高速コーナーがある、かつてはマシンの高速ダウンフォースのリトマス試験紙だった。ダウンフォースとスピードが組み合わさると、空力学的アドバンテージがあるマシンは、シルバーストンのレイアウトによって、そのアドバンテージが増幅されるので、これまではラップタイムが短縮されるというメリットがあった。しかし、ダウンフォースを生成する表面が増加するようマシンの幅を広げることを規定した2017年空力学規約によって、それがすべて変わった...

それ以降、これらの伝説的コーナーは、マシンに関する限りストレートを繋ぐ「ねじれ」になってしまった。例えば、どのマシンもコプスをトップギアで走ることができるので、そこでラップタイムを短縮できないのだ。

これらのコーナーに近づくときにマシンを減速させなければならなかった頃は、高ダウンフォースのマシンと低ダウンフォースのマシンでは、大きな速度差があった。しかし今やマシンはすべてほぼ全速力なので、最も速いマシンと最も遅いマシンの差はあまりなくなっている。あるのは、細かい違いだけである。例えば、ルイス・ハミルトンはコプスを8速ではなく7速で走る方が速いことを見つけた。これは、マシンがコーナーを通過するとき、低いギアの方がエンジンのパワーバンドがよいため、タイヤのグリップを引き出すことができるからだ。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)2019年F1イギリスGP

しかし、これらのコーナーはマシンを大きく差別化するものとして全盛期があった。これからは、マシンの違いはトラックの低速部分で現れるようになるだろう。コプスやアビーでは実際、低ダウンフォースのマシンの方が高ダウンフォースのマシンよりも速い。なぜなら、低ダウンフォースは低ドラッグなので、コーナーに速く到着し、そのターンを全速力で走るだけのダウンフォースがあるからだ。

したがって、シルバーストンでの空力学的チャレンジは、過去数年間でわずかに変化している。かつては高速のダウンフォースがすべてだったのが、今では空力学的効率が重要になっている。つまり、一定のダウンフォースでどのくらいのドラッグが生成するか、あるいは逆に、一定のドラッグでどのくらいのダウンフォースが生成するか、である。

メルセデスは、過去2年間のマシンは高速コーナーでは超絶に強いが、低速コーナーがあまり得意ではないと感じ、今年のメルセデスW10を考案するときに、シーズン中の全サーキットでパフォーマンスがより均一に分布するようにした。今年のマシンは、低速での特にリアのダウンフォースを優先したので、ライバルのフェラーリに対する最大のアドバンテージは低速コーナーであることを示している。しかし、そのデメリットは、空力学的効率の低下である。今やフェラーリの方が空力学的効率の高いマシンになっているが、メルセデスに比べると低速コーナーでひどく苦労している。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)2019年F1フランスGP

シルバーストンに関しては、オーストリアでのパフォーマンスを制限したメルセデスの冷却問題は忘れてよい。気温がオーストリアと同じくらいに高くなる異例の事態になっても、その影響はレッドブル・リンクのように標高によって増幅されない。さらに重要なことに、サーキットのレイアウトには、冷却を十分管理できるほど長いストレートがある。

となると、問題は次のようになる。すべてのマシンが高速コーナーを高速で走るトラックで、フェラーリの優れた空力学的効率は、低速コーナーでロスしたタイムをストレートで取り戻し、ラップタイム短縮を助けることができるだろうか? これは、フェラーリが大きく後れをとったバルセロナやポール・リカールで直面したのと同様のチャレンジである。しかし、シルバーストンでは、フェラーリの低ダウンフォースは、先ほどのトラックのように高速コーナーでデメリットになることはない。また、レッドブルは、空力学的効率はそれほどよくないが、低速コーナーで非常に速い。

表面的には、シルバーストンはメルセデスにとってのスラムダンクのように見えるかもしれない。しかし、おそらく話はそれほど簡単ではないだろう。

2018年07月08日
F1イギリスGP動画:ルイス・ハミルトンのポール・ラップ(車載カメラ)
ルイス・ハミルトンのポール・ラップ:2018年F1イギリスGP予選

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-Source: The Official Formula 1 Website



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