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2019年08月13日

レッドブルがドライバーを入れ替えた理由

Why Red Bull made their latest blockbuster driver swap

ピエール・ガスリー、アレックス・アルボン、レッドブルがドライバー交代

レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ハンガリーGPでのピエール・ガスリーの調子について厳しく評価したが、年末まで彼をマシンに乗せるのがチームの「意図」だと述べていた。では、この8日間で何が変わったのだろうか?

レッドブルがシーズン中にドライバーを変更させたからといって、驚くべきではない。彼らは何しろ前例がある。2016年、チームはダニール・クビアトをトロ・ロッソに降格し、マックス・フェルスタッペンと交代させ、これが実際にうまく行った。そして2017年シーズン末には、クビアトの代わりにブレンドン・ハートレイとガスリーが登場し、このふたりが2018年トロ・ロッソのフルタイム・ラインアップを構成することになった。

発表時にチームが述べたように、エネルギー飲料会社は、2チーム4つのシートに対して4人のドライバーと契約を結ぶという「ユニーク」な立場にある。そのため、いつでも好きなようにドライバーを交換することができるのだ。

ピエール・ガスリーは昨年、シーズン2戦目に4位になり、ハートレイよりも25ポイント多い29ポイントを獲得して、トロ・ロッソで好印象を与えた。彼は一晩で突然下手になったわけではない。彼はレッドブルに素早く適応できなかっただけだ。レッドブルにはにらみを利かせているモータースポーツ責任者のヘルムート・マルコがおり、彼はほとんど忍耐力がないことで有名である。

マックス・フェルスタッペンのセンセーショナルな走りもガスリーの不利に働いた。フェルスタッペンは昨年の日本GPから好調を続けているが、おそらくこれは昨年5月のモナコでのクラッシュに対する反応だろう。今年、彼は2回の優勝と3回の表彰台を含む181ポイントを獲得しており、別格のメルセデスのヴァルテリ・ボタスを7ポイント差で追いかけている。同じ期間、ガスリーが獲得したポイントは、その3分の1に過ぎない。

フェルスタッペンが今シーズンのワールドチャンピオンシップ9戦目(4戦前)から始めたとしても、それでもガスリーよりも多くのポイントを獲得していることになる。同様に、フェルスタッペンの5回の表彰台をなかったことにしても、それでもガスリーよりもポイントが多い。

フェルスタッペン優勝、ベッテル、クビアト:2019年F1ドイツGP

コンストラクターズ・チャンピオンシップについても考えなければならない。レッドブルは、2位争いでフェラーリを44ポイント差で追っている。そしてこれは、このような高いレベルで戦っているのがドライバーひとりだけだからだ。レッドブルが、ダニエル・リチャルドを説得してもう1年残留させていたら、どうなっていたか考えてほしい。レッドブルは今年、少なくとも2位の可能性をうかがっているので、ガスリーを外してアレクサンダー・アルボンにチャンスを与えるのは、冒す価値のあるリスクなのだ。

フェルスタッペンとチャンピオンシップ首位のルイス・ハミルトンが、今シーズンこれまでの二傑だとすれば、カルロス・サインツ(昨年末までレッドブル・ジュニア・プログラムの一員)は、トップ3に加われるほど好調である。マクラーレンでの開幕3戦は厳しかったものの、サインツはミスを犯していない。その後の9戦で8回ポイントを獲得しているので、当然ベスト・オブ・ザ・レストの枠に入るだろう。ドライバーズ順位では7位、8位との差は27ポイント、6位のガスリーとの差はわずか5ポイントである。

レッドブルが、サインツを手放すミスを犯したことを認める可能性は低いが、彼が中段マシンで好調であり、前回のハンガリーでガスリーよりも上位でフィニッシュし、ドライバーズ順位でもガスリーを抜きそうになっていることは認めるだろう。

こういった要素と、アルボンのトロ・ロッソでの見事なデビューが組み合わさって、レッドブルは今は目をつぶることにしたのだ。フェルスタッペンあるいはサインツがこれほど印象的でなければ、あるいはフェラーリがメルセデスと接戦を演じて、レッドブルの手が届かないようであれば、ガスリーはチームと、自信を持てるようなセットアップにするのに苦労しているマシンに慣れるために、もっと時間をかけることができただろう。

ガスリーはレッドブルの後輩に追いかけられなかったので、他のドライバーよりも長い時間をかけたとの反論もあるだろう。それでも、彼が今後スピードを証明できないことは残念だが、F1の競争相手ではなかった若手にドアが開かれることになった。

アレックス・アルボン(トロ・ロッソ・ホンダ)2019年F1ドイツGP

アレックス・アルボンは、2012年レッドブルのドライバー・プログラムから外されたが、その後努力してポテンシャルを発揮し、競争の激しいF2で昨年3位になった。レッドブルのリザーブ・ドライバーはかなり少なかったので、彼をトロ・ロッソで走らせることにした。彼はそのチャンスを両手でつかんだ。ロンドン生まれのタイ人ドライバーは、2戦目にしてポイントを獲得し、さらに4回トップ10でフィニッシュした。彼は経験豊富なルノーのドライバー、ニコ・ヒュルケンベルグにあと1ポイントと迫っている。

理想的な世界では、レッドブルはシーズンの残りも彼をトロ・ロッソで走らせ、来年フェルスタッペンとペアを組ませる方を選んだだろう。そうすれば、トップチームのひとつで走るというプレッシャーなしに、もっと経験を積むことができるからだ。

しかし、明らかに彼らはアルボンを今レッドブルに乗せるリスクを冒す価値があると感じている。彼に有利な点は、すぐに新しいマシンに適応できそうなことだ。スピードが出るまでに時間がかかっても、一貫してポイントを獲得すれば、マシンのテストなしに移籍したので、理解を得られるだろう。しかし、最初から印象的な走りをすれば、彼とレッドブルは天才のように見えるだろう。

もちろん、プレッシャーに負け、ガスリーと同様、あるいはガスリー以上に苦労するという危険もある。そうなるとレッドブルは、F1経験があるドライバーとしては、ダニール・クビアトしかいないという苦境に陥るだろう。1年間出走しなかった彼は今年、新たな成熟ぶりを見せ、トロ・ロッソの有能なドライバーを務めているが、今回見過ごされたという事実は、レッドブルが彼が復帰に耐えられると納得していないことを示唆している。

だが、今のところレッドブルはその心配をする必要はない。これによって彼らは一息つけるのだ。うまく行けば、今後数年間は強力なドライバー・ラインアップを持ち、トロ・ロッソにはそこそこのドライバーを持つことになる。リチャルド、ガスリー、サインツって誰、となるかもしれない。

彼らはサイコロを振った。どんな目が出るのか楽しみだ。

-Source: The Official Formula 1 Website

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