トップ | レース結果 | コメント | 技術解説 | チーム分析 | サーキット・ガイド | 動画 | コラム | インタビュー | データ | レース動画 | タイヤ | レース写真 | GP恋人写真 | マシン写真動画 | 特集 | ヘルメット | テスト
2019年11月07日

オースティンで技術的な競争が白熱した理由:F1技術解説

Why the technical battleground was white-hot in Austin

マイケル・マシ(FIAのレース・ディレクター)

アメリカGP週末の土曜日、FIAによって発表された技術指令はF1パドックに波紋を広げた。しかし技術指令とは何なのか、そしてFIAが発表する理由は何なのか? マーク・ヒューズが、ジョルジオ・ピオラの技術図面の助けを借りて、深堀りする… 上の写真はマイケル・マシ(FIAのレース・ディレクター)

ドライバーズ・チャンピオンシップは先週のアメリカGPで決着がついたが、チーム間で解決するべき技術的問題が残った。

白熱した競争環境に置かれたチームは、ラップタイム短縮の可能性があれば常に規約の抜け穴を探している。チームが規約の文言を回避する方法を見つけたと信じた場合、まずFIAに説明するか、あるいは単にその方法を追求するだろう。チームが承認を求めた場合、FIAは(そのチームだけに)認めるか、拒否するだろう。拒否する場合は、FIAは技術指令を全チームに発表し、申請と拒否の理由を伝える。

ライバルチームが他チームを疑う場合、レース週末中に抗議することもできるし、ライバルチームが使っていると思われる解釈の使用について、FIAに許可を求めることもできる。FIAはそれが有効あるいは無効な解釈かを伝えるが、この場合も技術指令が発表される。

レッドブルの問い合わせ

そしてオースティンの土曜日午前に、技術指令が発表された。これは、FIAの燃料流量計を妨害するパルス電気信号を使用することは合法かどうかについてのレッドブルの問い合わせに対する回答だった。

レッドブルは、周波数2,000Hz台の計測点の間で燃料流量計を妨害するパルス電気信号を使えば、燃料流量上限が一時的(かつ反復的に)増加する(時速70マイル上限で時速80マイルになっても、2点間で計測した平均値は時速70マイル内に留まる)と仮定した。<70マイル=112.654km、80マイル=128.748km>

クリスチャン・ホーナー、レッドブルのピット:2019年F1アメリカGP

こうすれば、FIAの燃料流量計が計測する燃料流量は、2時点で計測するので上限を超えない。しかし、その間の流量は上限を超える可能性がある。平均は同じであっても、燃料流量が多ければエンジンはより多くのパワーを出せるだろう。このようなシステムは明確なアドバンテージをもたらすだろう。しかしFIAは、下記のふたつの規約を引用し、違反と判断した。

第5条10項3:全マシンには単一の燃料流量センサーが、燃料タンクにその全体が配置される状態で取り付けられなければならない。そのセンサーはFIAが規定する仕様通りにFIA指定供給業者によって製造され、FIAが規定する方法によってのみ使用することができる。さらに、パワーユニットに供給されたすべての燃料は、この公認されたセンサーを通過しなければならず、第5条10項2に記載された燃料噴射装置によってすべて燃焼室に供給されなければならない。

第5条10項5:計測点通過後の流量を増加させる、あるいは燃料を貯蔵およびリサイクルする、目的および/あるいは効果のある一切の装置、システム、手順は禁止される。

メルセデスの技術にフェラーリが問い合わせ

これ以前に、メルセデスのリア・ブレーキダクトおよびサスペンションの特徴をフェラーリが問い合わせたとみられている。技術規約は、ブレーキダクトに利用できるリアホイール内側部分を規定している。メルセデスのダクト(カーボンファイバー製のダクトは、ブレーキディスクを囲むカーボンファイバー製ドラムの内側に取り付けられている)、この規定範囲に収まっている。

メルセデスW10:リア・ブレーキダクトおよびサスペンション

しかし、上部ウィッシュボーンが取り付けられているハブ延長部分内に、さらなる金属製の吸気口がある(上図の赤い矢印)。この部品内の三角形の吸気口は、ブレーキダクトの吸気口のすぐ上に並んでおり、規約の規定範囲の外側にある。

だが、青い矢印が示すように、この吸気口はブレーキディスクに向かっているのではなく、カーボンファイバー製ドラムとホイールリムの間に空気を導いている。これはホイールリムの冷却を高め、それゆえリア・タイヤ温度のコントロールを高めている。

これは、規約順守と見なされたので、他のチームも同様の配置構成にすると予想される。

フェラーリSF90 技術解説
メルセデスW10 技術解説
レッドブル・ホンダRB15 技術解説

-Source: The Official Formula 1 Website

+関連記事<レーシング・ポイントの抗議でルノー失格>
2019年10月24日
ルノー、F1日本GP失格
レーシング・ポイントの抗議は「事前にセットした自動ブレーキバイアスシステム」に関する競技規約および技術規約、FIA国際競技コードに違反するというものであった。<詳細は本文で>
スチュワードは、ルノーは「ある曖昧さにつけ込む革新的なソリューション」を使用したが、それはF1技術規約に違反しないと判断した。

しかし、ルノーは、ドライバー補助装置に関して、F1競技規約に違反したと判断された。F1規約は、ドライバーはマシンを単独・補助なしでドライブしなければならないとしているが、スチュワードは、当該システムはドライバーの技術や反射の代替ではないとしても、ドライバーはそのシステムを使うことで1周走行中にいくつかの調整を省くことができると判断した。<詳細は本文で>




2日間アクセスランキング
    10日間アクセスランキング
      30日間アクセスランキング


         誤字脱字誤訳誤変換その他間違いご指摘お願いします
        名前:
         
         

        ↑このページのトップヘ