「クレイジー… あんな火災は見たことがない」メディカルカーチーム、グロージャンのクラッシュ現場について:F1バーレーンGP
‘Crazy… I’ve not seen fire like that before’ – Medical Car team describe scene that awaited them after Grosjean crash

バーレーンGPのスタートで、アラン・ファン・デル・メルヴェとイアン・ロバーツ博士は慌てて行動を起こした。ロマン・グロージャンを助けるために、レース週末ごとに乗っているメルセデス・メディカル・カーに向かった。グロージャンの乗るハースが、障壁に突き刺さり、炎に包まれたのだ。ふたりはクラッシュ後に目にした火災の現場について語った。
FIAメディカル・カーチームがグロージャンのレスキューについて説明
YouTube <動画2分31秒>
Dr Ian Roberts and F1 Medical Car driver Alan van der Merwe discuss those crucial few seconds following @RGrosjean's crash in Bahrain
— Formula 1 (@F1) November 29, 2020
An amazing response by all involved #BahrainGP 🇧🇭 #F1 pic.twitter.com/oY2TDffBR3
グロージャンはアルファタウリのダニール・クビアトと接触してまっすぐ障壁にぶつかった。グロージャンのハースは真っ二つになり、マシンの前半分はガードレールを貫通して火の玉になった。グロージャンは炎に包まれたコックピットから逃れようともがいていた。
F1安全性の第一人者であるシド・ワトキンス教授が最初に始めた習慣として、ロバーツ博士は、ファン・デル・メルヴェがハンドルを握るメディカル・カーに乗って、レースの1周目、車列を追いかけていた。そして、ターン3のクラッシュ現場に到着したときの状況を次のように説明した。
「1周目、いつものように車列の最後を走ってると、大きな炎が見えた。我々が到着すると非常に奇妙な光景があった。マシンの半分が障壁を越えて逆方向を向き、大変な熱さだった」
「ロマンが立ち上がろうとしているのが見えた。彼に近づくための方法を見つける必要があった。消火器を持ったマーシャルがいた。消火器が炎を抑えたので、ロマンは立ち上がって手を伸ばし、障壁を越えることができた」
2020年11月30日
グロージャン、炎からの脱出 - 動画:F1バーレーンGP
We are so thankful that Romain Grosjean was able to walk away from this. We did not need a reminder of the bravery and brilliance of our drivers, marshals, and medical teams, nor of the advances in safety in our sport, but we truly got one today#BahrainGP 🇧🇭 #F1 pic.twitter.com/z8OeTU5Nem
— Formula 1 (@F1) November 29, 2020
アラン・ファン・デル・メルヴェによると、彼とイアン・ロバーツ博士は、レース週末は毎日、アクション前に、遭遇するかもしれない理論的な医療シナリオをリハーサルするという。しかし、2009年にメディカル・カーのドライバーになった元レーシング・ドライバーのファン・デル・メルヴェは、バーレーンで目にしたものは、これまで見たものとは全く違っていたという。
彼は「多くの準備をしているが、このようなことが起きるとは。この組み合わせは見たことがない」と述べた。
「メディカル・カーのドライバーとして、このような火災は見たことがない。だから、まだ未知の新領域がたくさんあるが、我々は自分たちの考えられる準備をすることしかできない」
「たくさんのチェックリストがあるし、たくさんの現場準備もしている。シナリオについても話し合っているが、今回はクレイジーだった。正直、現場についてマシンの半分があり、残り半分がどこにも見えず、巨大な炎の塊を目にすると、文字通り数秒間で決断を下さなくてはならない。そこまでは準備が重要だが、そのあとは、いろいろな種類の本能と機転の出番だ」
グロージャンはサーキットの医療センターに運ばれ、その後ヘリコプターでバーレーン国防軍病院に移送された。そして、ファンに大丈夫だと伝えるビデオを録画できるほどだった。両手に火傷を負ったが、レントゲン検査では骨折していないことが確認された。
2020年11月30日
ロマン・グロージャン、病院からコメント - 動画:F1バーレーンGP
The best video we've seen today?
— Formula 1 (@F1) November 29, 2020
THIS 🙂 👊#BahrainGP 🇧🇭 #F1 @RGrosjean pic.twitter.com/TbGblznMBv
イアン・ロバーツ博士は、クラッシュ直後のグロージャンの状態を次のように説明した。
「明らかに彼はとてもふらふらしていたし、彼のバイザーは溶けて完全に不透明になっていた」
「ヘルメットを脱がせて、それ以外のすべてが大丈夫かどうかを確認した。彼は足と手に痛みがあったが、メディカル・カーのなかで多少の保護をすれば車での移動も安全だとわかった。すぐに火傷にジェルを塗り、救急車に乗せ、医療センターに送った」
「ヘルメットには何も当たっていなかった。臨床的に彼を診断すると、生きるか死ぬかの観点からすると彼の状態はかなり満足のいくものだった。あとは実際に見える火傷が痛まないようにすればよかった」
一方、ロバーツ博士は炎に近づいたことで「いい色に日焼けした」とジョークを飛ばしたが、アラン・ファン・デル・メルヴェは炎からの脱出を手助けした博士と、グロージャン本人を称賛した。
彼はロバーツ博士の行動について「正直なところ、あれは勇敢だった」と述べた。
「これはチームワークだし、最終的にイアンは僕を頼りにしているし、僕はイアンを頼りにしている。今日は誰もが、ロマンさえ、自分の役目を果たした」
「ロマンは大仕事をした。自分自身で脱出できたということ、片方のシューズが脱げていたこと、そういった細かいことのひとつが変わっていれば、全く違う結果になっていたかもしれない。だから今日は、すべてのチームワーク、すべての準備は価値があったのだと感じている」
2020年11月30日-Source: The Official Formula 1 Website
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