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2020年12月10日

セルジオ・ペレス初優勝、ジョージ・ラッセル不運に次ぐ不運、ドラマチックなサキールGP:ブランドルのコラム

F1 column - Martin Brundle: 2020 Sakhir GP

セルジオ・ペレスの初優勝をチーム全員で祝記念写真:2020年F1サキールGP

スカイF1のマーティン・ブランドルが、とても面白かったバーレーンの2回目のレースを分析し、最新のレース優勝者を称える一方で、惜しくもF1初優勝を逃したドライバーの主役級のパフォーマンスを振り返る。

グランプリ初優勝を果たしたセルジオ・ペレスと、見事なダブル表彰台のレーシング・ポイント、おめでとう。どんなレーシング・パドックでも、ペレスほど親切で堅実で、優勝に値するドライバーはいないだろう。

今年は、F1の歴史の中で最も記憶に残るシーズンのひとつになった。このコラムは、アブダビのヤス島の注意深く管理された区域で書いているが、7月にやっと始まった今シーズンの17戦が、もうすぐ終わろうとしている。

ほぼ欧州でのチャンピオンシップだったが、それでも70年の歴史の多くのシーズンよりも、レース数が多かった。

照明で照らされたバーレーンは、2週にわたり、興奮、感動、驚き、そしてホイール・トゥ・ホイールのレーシングを十分に提供した。

ルイス・ハミルトンほどCOVID-19対策に熱心な人間はいないようだったので、彼がセルジオ・ぺレス、ランス・ストロールに続いて3人目の陽性ドライバーとなったと聞いて、ショックを受けた。彼は、バーレーンに向かう途中のドバイでウイルスに感染したらしく、それが正しければ、この嘆かわしいパンデミックがどれほどくじ引きのようなものかがわかる。そして、レース日は彼がまだ検査陰性だったことも憂慮される。

ドライバーは、自身のスペースでヘッドフォンを使ってエンジニアリング・ミーティングを行なっているが、それでも彼のエンジニアやマシンのクルーが感染しなかったこと、そしてモータースポーツで最高のシートにジョージ・ラッセルを迎えることができたのは幸いだった。

いずれにしろチームの公式テスト・ドライバーであるストフェル・ヴァンドールンではなく、ラッセルを起用したことは、トト・ヴォルフの大きな戦術的決断だったことは間違いない。

ハミルトンが新契約の署名に関して強気な態度をとり、ヴァルテリ・ボタスが最近の不運にもかかわらず本当にやる気満々なのかが疑問視されるなか、ラッセルはいくつかの問いに答えを出してくれるはずだった。

ラッセルは完璧なスタートでボタスを抜き、確実にレースを先導し、すぐに証明しだした。マシンの中で完全にはくつろげず、あらゆるシステムを把握しきれなかったが、ラッセルはドラマチックに自らの価値とチャンスを劇的に高め、ハミルトンを抑え、ボタスをへこませていった。

2020年12月07日
F1サキールGP決勝

スタート
ボタス、トップを維持できず、ラッセルがトップに
ライコネン、スピン | 車列トップ左が2位ボタス
キミ・ライコネン、スピン:2020年F1サキールGP

オープニングラップでラッセルが離れていくと、2週連続で苦戦しているボタスは、渋滞の原因をつくり、後続マシンが互いにつまずき始めた。ターン4までのドラッグ・レースでは、ボタス、マックス・フェルスタッペン、ペレス、シャルル・ルクレールが接近する一方で、後方のキミ・ライコネンがスピンして一瞬だが「グロージャン・ウォール」に向かった。

フェルスタッペンはトラブルの気配を感じ、珍しくブレーキを早目に踏んだので、ペレスがアウトサイドに入り、ルクレールはブレーキを遅らせ、砂だらけのトラックのインサイドを目指したが、これは最終的にあまりに無謀だった。ペレスはボタスの後ろを横切ろうとしてアペックスに切り込んだが、ルクレールをミラーで見る時間がなかった。スパのラ・ソースや、バーレーンのターン1などは、スタート時は誰かがそこにいると仮定する方が有益だ。

ルクレールはアブダビでグリッド3番降格ペナルティを受ける。各種のカメラ・アングルからも、彼があまりに攻撃的で、マシンを完全にコントロールしていなかったことがわかる。一番悲惨だったのは、非常に防御的に走っていたフェルスタッペンだった。彼は急ブレーキをかける代わりに、アウトサイドに逃げたのだが、そこにはグラベル・トラップがあった。それを知っていたドライバーはほとんどいないのではないかと思う。

フェルスタッペンは、インシデントをうまく避けたはずだったのに、タイヤ・バリアでフロント・ホイールが外れてしまった。チャンスを無駄にしたフェルスタッペンにとっては、大きな苦痛だった。

2020年12月07日
F1サキールGP決勝

1周目
ルクレールとフェルスタッペン、レース終了
ルクレールとフェルスタッペン、リタイヤ:2020年F1サキールGP

ルクレールとフェルスタッペンは、障壁のそばで中古車展示場の車のような角度でマシンを止め、ペレスは激しい接触のあと、反対方向を向いていた。優勝候補3人がリタイヤしたように見えたので、わたしは、解説をしながら心が沈んだ。こういう場合、長くて平穏なレースになることがあるからだ。

しかし、ペレスはピットに戻り、ソフト・タイヤをミディアムに交換することができた。彼はミディアムを47周目まで使うことになる。先ほどの事故で出動したセーフティカー先導中、彼は18番、つまり最下位でトラックに戻った。

ジョージ・ラッセルは、7周目のレース再開のスタートもしっかり決め、ボタスに対して3秒差をつけて見事に首位を走っていた。残りのマシンは激しく競り合い、ペレスは1周ごとに素晴らしいオーバーテイクをしていた。

ラッセルは45周目にピットインし、最後まで無理なく走れそうなハード・タイヤに交換した。ボタスは49周目にピットインし、チームメイトに対する8秒差を縮め始めた。終盤は接戦になると予想されたが、ラッセルはメルセデスでの初優勝という運命を握っているように見えた。

不運かつ皮肉なことに、彼の本来のチーム、ウィリアムズのジャック・エイトケンが、最終コーナーのアウトサイドでスピンし、障壁に当たってレーシング・ラインにフロント・ウィングが散らばった。バーチャル・セーフティカーが出動したが、非常に短いトラックにマシンが均等に分散しているため、低速走行でもマーシャルが破片を片付ける余裕がないことがすぐに明らかになった。

その結果、本物のセーフティカーが出動したので、後続に大きな差をつけていたメルセデスの2台は、予防的なピットストップでタイヤを交換しようとした。無線プロトコルの優先順位の衝突により、重要な情報が見落とされたため、いつもは冷静で完璧なチームが、とても珍しいことにドタバタ劇を演じることになった。

ラッセルは、ボタス用のフロント・タイヤを取りつけられたため、再度ピットインせざるを得なかった。ボタスは、待たされたあげく、古いハード・タイヤを取りつけられた。いやいや戻ったラッセルはグリップのある新しいタイヤに交換し、終盤に優勝も狙えるはずだった。しかし、スロー・パンクチャーが発生し、結局のところ彼は9位となり、初得点だが最も嬉しくないであろう2ポイントと最速ラップタイムの1ポイントを獲得した。

イモラでのセーフティカー・クラッシュもそうだが、若いジョージ・ラッセルは今年いくつかボディブローを受けた。しかし、全体的に彼にとってはとても有意義な週末だったし、彼はこれを乗り越えるだけの自信を持っているように見える。

2020年12月07日
F1サキールGP決勝

ハミルトンの代役ジョージ・ラッセルは、スタートでボタスを抜いてトップに立ち、安定したトップ走行で初優勝かと思われたが、トップチームとしてあり得ないタイヤ交換で「間違ったタイヤを交換」したため、余分なピットインをさせられ、ボタスの後ろ5位に、だが彼は鮮やかにボタスを抜いて順位を上げていき2位に、さらにトップのぺレスを射程圏内にとらえたところで、今度はタイヤがパンクでピットイン、15位まで下げ、初優勝から初得点のためにオーバーテイク連発で9位でゴール。しかし、タイヤ交換ミスがレース後の審議対象になっている。ラッセルにとって不運に次ぐ不運のレースだった。

チームがラッセルに謝っている

メルセデスが自滅するなか、フェルスタッペンのような重要なプレイヤーがすでにリタイヤしているので、意外で新しい優勝者の可能性が出てきた。バトルをくぐり抜けてきたのは、粘り強さと素晴らしいオーバーテイク、そしてもちろん速いマシンがあるペレスだった。

ルノーのダニエル・リチャルドは、最下位から追い上げてきたペレスを優勝させるべきではなかったと言ったが、それがこのレースを要約していた。ペレスに追いかけられてロックアップしたランス・ストロールや、バーチャル・セーフティカーが終わった時に不運にもピットインしたサインツ(彼は少なくとも表彰台に立った)など、自分が優勝できたはずだと感じたドライバーも大勢いた。

55周目の短期間のVSCモードとタイヤ交換、さらに57周目のぺレスのオーバーテイクが、後々87周のレース結果に大きな意味があった。

2020年12月07日
F1サキールGP決勝

55周目
4位クビアト、ピットイン、ハードに

ラティフィが止まっている
ラティフィが止まっている:2020年F1サキールGP

順位
2020年F1サキールGP 55周目順位 1位ラッセル、2位ボタス、3位サインツ、4位リチャルド、5位オコン、6位ストロール、7位ぺレス、8位アルボン、9位ノリス、10位クビアト

バーチャル・セーフティカー(VSC)モードに

続々ピットイン

56周目
グリーン・フラッグ、レース再開

3位サインツ、4位リチャルド、ピットイン
この2台がピットに向かったときはVSCモードだった。

57周目
ぺレス、ストロールを抜いて4位に
ぺレス、オコンを抜いて3位に

レース前、わたしは2週末連続で違うトラック構成を使うというコンセプトを受け入れていたが、いつものバーレーンのレイアウトの方が、非常に短いがチャレンジングな「外側ループ(アウタートラック)」よりもはるかに好ましいと感じていた。しかし、これほどクレイジーなレースのあとでは、自信がなくなった。

ハミルトンのCOVID-19検査陰性の発表を待ちながら、アブダビが何をもたらしてくるか様子を見よう。ところで、我々はふたつの気まずい真実を受け入れなければならない。それは、ペレスには来年のシートがないこと、半分のマシンに常に周回遅れにされていたドライバーがマシンを交換すると7日間でレースに優勝する可能性があること、である。

-Source: Sky Sports

2020年12月07日
F1サキールGP決勝



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