(つづき)

登場したSさんは、若手外科医のイメージがぴったりな、普通に格好良い方でした。


スマートなジャケットに、気取らないシャツ、細身のパンツ。鞄は仕事道具が入ってるのでビジネスバッグでしたが、高そうな黒い革の鞄でした。もちろん靴も素敵なローファー。

こういう外見の男医者は女医と付き合うとしても、キラキラした妖精女医さんしか想像できない。。。

きっと私が〇〇病院と聞いて、そういうタイプの女医を想像させてしまったに違いない。

途端に申し訳なさにいっぱいになりました。


Sさんも、あ、違うと思ったと思います。


少し空気がゆっくりになり、探り合うようにお話を始めました。
しかしさすがスペックの高い方です。少しすると、合コンの気まずい空気ではなく、同業者の先輩後輩の雰囲気になりました。

ああ、よく知った空気だ。医局の先輩と話している感じ。

Sさんの大人の対応に感謝しながら、少しほっとした気持ちで食事をすることができました。
医局の仲間との食事に高級なコース料理はそぐわない感じでしたが、お料理はは前菜、野菜料理、ステーキ各種など、どれも本当に美味しかったです。




慣れた雰囲気の中でお話ししたことは、仕事のことや、共通の医師の話などです。

お話を聞いてみると、Sさんは随分とアグレッシブな将来像を描いているらしく、将来的には海外で外科診療に携わりたいと思い現在お金を貯めながら海外の資格を取っている途中らしく、だから毎週関東まで来てアルバイトしているんだと納得しました。近いうちに海外留学をするそうです。

同じ外科医でも私とは理想とする将来像が随分と違う。私は海外で医療をすることは考えたこともありませんでした。
共通の知人の話題でも盛り上がり、その先輩の現在の彼女(私が知っている最終情報とは違い、更新されました・笑)の話など、色々と楽しい話を聞くことができました。



食事はつつがなく終わり、お支払いはSさんがカード一括で奢ってくださいました。
Sさんには割に合わない出費だったかもしれませんが、ご厚意に甘えさせていただきました。

「そのうち学会で会うかもね。留学から帰ってきたらまた飲もうねー」

と、お別れしました。

勿論、こうしてあったことは、先輩には秘密ですとお約束して。


そのうちに期せずとも学会などでお会いすることになるかもしれません。



予想外の出会いでしたが、今後どこかで同僚になるかもしれない方でした。

恋愛関係には発展しそうにありませんでしたが、そんな中でも同じ仕事の話をできることや、お互いに話を聞こうという姿勢があることは、とても人間関係を潤滑にしてくれるものだなと実感しました。
そして、医師としてもタイプも全く方向性の違う方でしたが、それでも仕事に対する姿勢は素敵で、尊敬と共感のできる時間でした。自分の関わっている仕事は本当に良いもので自分は幸せだと思います。