S60チルドレン 1 (イブニングKC)
S60チルドレン 1 (イブニングKC)

S60年、たびたび噴火する不気味で巨大な桜島が見える小学校に通う、大人たちが考えるよりも大人で、子どもたちが思っているよりも子どもな、小学生たちのはなし。

子どもたちが主人公で、キャラクターは2頭身で描かれているのに、雰囲気はどこか暗い部分が見え隠れして読んでいてドキドキしてしまう。(そしてそれは実際に主人公とその弟に振りかかるある事態として結実する)

主人公とそのクラスの友人の間にある微妙なパラーバランスとか、親しい友人に感じる距離感だとか、いちいちああこんな感じだったなぁと思い出してしまうほど、子どもの頃の視点が丁寧に描かれていて、理性ではわかっているのに恐怖だったり欲望だったりにあっさり負けてしまう特有のエピソードが心に刺さる。

作者はガンのために30歳の若さで逝去しているためこれがきちんとした連載デビュー作で絶筆。 この人の作品、もっともっと読んでいたかった。