オーディナリー± (サンデーGXコミックス)
オーディナリー± (サンデーGXコミックス)


つい先日あふれる原作愛が感じられる見事な最終回を迎えたヨルムンガンドというアニメがあるんですが、こちらはその作者高橋慶太郎がヨルムンガンドよりも前に描いていた短編。

ヨルムンガンドと同じように血煙と硝煙でむせかえるようなマンガ。ただあちらが部隊単位でのスペシャリストの戦闘が主だたっが、こちらはたった一人の戦闘が主。

学校とそこに属する人間の間で芽吹く悪を、文部省が擁する非合法工作が武力で制圧する、というマンガらしい設定。主人公はそんな正体を伏せながら学生として学校に通う少女、的場伊万里で、彼女は特出した技能をもち、一度仕事になれば感傷も懊悩ももちあわせていないかのように圧倒的な戦闘能力を発揮しひとつの武力として任を果たすが、一方私生活では周りに溶け込めず真っ当な道をあることができない自分に嫌気がさしている。

みんな目が死んでるとかいわれちゃうぐらい生気ない登場人物がテーマとよくあっていて読んでいてゾクゾクする。

今連載している高橋慶太郎の最新作デストロ246では準主役級の位置で伊万里が再登場してる。ヨルムンガンドが成功するまで単行本化もされずずっと塩漬け状態だった作品だけにこれは嬉しい。