東洋経済2007年1月20号でハーバードビジネススクールのマイケル・ポーター教授のインタビューが掲載されていた。

要約すると以下のとおり。
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よい戦略というものは、適切なゴールを持つことから始まる。

日本企業は、あらゆる製品をつくり、あらゆる産業に進出することで需要を満たそうとしていた。

しかし、ゴールは、利益を生み出すことになった。

また、よい戦略にはイノベーションがある。

よい戦略とは、一つしかない分野を創り出すことが含まれている。

日本企業は「しなくてもよいことは何か」という考えが一気に広がった。

その点でよい方向に向かっていることは疑いの余地はない。

もっとも、世界経済は、製造業中心よりもますますサービスに依存するようになってきている(アメリカ経済は、少なくとも3分の2は、コンサル・ファイナンス・エンジニアリング等のサービス業になっている)。

しかし、日本は、こうした分野で国際的に通用する企業を創り出す能力を持っていない。
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ポーターが指摘しているとおり、日本のサービス業は、世界と比べ、お寒い。

といのは、日本は「ものづくり」が重要ということで、何かというと「製造業」だった。

しかし、どうだろう。

一概には言えないものの、特に、同じ製品を大量に生産するいわば「コモディティ」生産の製造業は、いずれ労働力の豊富な国に取って代わられるだろう。

(最近の製造業のM&At等の見ていると、「利益」よりも「継続」させることに精一杯なような気がしてならない・・・もちろんそれが重要でないとは言わないが・・・)


では、どうするか?

よく言われる模範国は、イギリス。

一人当たりのGDPは、EUの中でもポルトガルやギリシャと並んで下位に甘んじている。

しかし、政治的、経済的、社会的には、世界の主要国の地位を維持している。

それはなぜか可能か?

「金融」の力なのである。

実際、1980年代に停滞した経済が、現在目覚しい発展を遂げている。

これは、製造業が復活したのではなく、サッチャー改革以降、金融の収益性が高まったから。


そもそも、国にも人間と同じサイクル、幼少期、青年期、壮年期、老年期がある。

イギリスはどうか?

間違いなく、老年期であろう。

青年期、壮年期に蓄えた資金を諸外国の資産に投資・運用することによって、自らの老後の生活を豊かにするとともに、投資先に対して影響力を持ち続けている。

すなわち、過去の遺産で食べていける年金生活国、いわゆる「投資立国」なのである。

日本も「高齢化」のピーク。

「貿易立国(国際収支)」から「投資立国(所得収支)」へ。

イギリスに学ぶべき点は多い。

しかし、金融技術は1970年代に革新的な進歩を遂げたものの、日本はそれを使いこなしていない。

製造業の「裏方」といわれる金融も、そろそろ「表」舞台に出るべきではないだろうか。

もちろん世界と戦う経験が大いに必要だが・・・。


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