2025年07月01日
生成AIと知財業界~弁理士の日記念ブログ企画2025~
毎年恒例、7月1日の弁理士の日の特別企画、ドクガク先生の「弁理士の日記念ブログ企画2025」(弁理士の日記念ブログ企画2025 | 独学の弁理士講座 -弁理士内田浩輔監修-)の記事となります。
今年のお題は、タイトルのとおり、「生成AIと知財業界」ということです。
ということでまとめてみました。
1. 業務効率化・高度化の可能性(ポジティブな側面)
- 特許調査・分析の効率化:
- AIが膨大な特許文献を高速で分析し、関連性の高い先行技術を抽出。
- 特定の技術分野のトレンド分析や競合他社の特許戦略の把握を支援。
- これにより、特許出願前の調査時間を大幅に短縮し、質の高い先行技術調査を可能にします。
- 明細書・書類作成の支援:
- 特許明細書や出願書類のドラフト作成、要約、専門用語の提案などをAIが支援。
- これにより、弁理士や知財担当者の作業負担を軽減し、より戦略的な業務に集中できる時間を生み出します。ただし、特許文書は法的文書であり、正確性が極めて重要であるため、AI生成物をそのまま使用することはできません。人の厳格なチェックと修正が必須です。
- 商標調査・審査の効率化:
- 商標の類否検索や、図形商標の審査におけるAIの活用(例:中国では一部導入済み)。
- 出願された商標が既存の商標に類似していないかをAIが分析し、審査プロセスを迅速化します。
- 契約書・法務文書のレビュー・作成支援:
- 知財関連契約書(ライセンス契約、共同開発契約など)のレビュー、リスク特定、ドラフト作成支援。
- 翻訳業務の効率化:
- 外国出願時の特許明細書や各種書類の翻訳において、生成AIが高品質な翻訳を提供し、効率を大幅に向上させます。
2. 新たな法的・倫理的課題(ネガティブな側面)
- 著作権の帰属と侵害:
- AI生成物の著作権: AIが生成した小説、絵画、楽曲などが著作権保護の対象となるか、そしてその権利は誰に帰属するのかが最大の論点です。現行の多くの国の著作権法は「人間」による創作を前提としており、AI単独の生成物には著作権が認められない傾向にあります(例:米国におけるThaler事件)。しかし、人間がどの程度関与すれば著作物性が認められるのか、その線引きは依然として曖昧です。
- AI学習データの著作権侵害: 生成AIの学習に用いられる大量の既存データ(テキスト、画像、音楽など)が無許諾で収集・利用されることが著作権侵害にあたるかどうかが問題となっています。日本では著作権法第30条の4で一定の条件下で情報解析目的での利用が認められていますが、その範囲や、学習成果物が既存の著作物と類似した場合の侵害の有無などが議論の対象です(例:NYタイムズ対OpenAI訴訟、画像生成AIをめぐる訴訟など)。
- AIによる発明の特許性:
- AIが自律的に新しい技術や手法を発明した場合、その発明者は誰とみなされるのか、特許権は誰に帰属するのかが問われています。現行の特許法では「自然人(人)」が発明者であることが前提であり、AIを「発明者」として特許出願した事例(DABUS事件など)は、多くの国で却下されています。
- 機密情報の漏洩リスク:
- 生成AIに機密情報や営業秘密を含むデータを入力して利用する際に、そのデータがAIの学習データとして再利用されたり、第三者に漏洩したりするリスクがあります。特にクラウドベースの生成AIを利用する際には、データガバナンスとセキュリティ対策が重要になります。
- ハルシネーション(AIの嘘)と正確性の問題:
- 生成AIは、あたかも事実であるかのように虚偽の情報を生成する「ハルシネーション」を起こすことがあります。知財業務、特に特許明細書のように極めて正確性が求められる文書において、このハルシネーションは致命的な問題となり得ます。AIの出力を鵜呑みにせず、厳密なファクトチェックが不可欠です。
- 法的・倫理的責任の所在:
- AIが生成したコンテンツやアドバイスによって損害が発生した場合、その責任は誰(AI開発者、AI利用者、データ提供者など)が負うべきなのか、法的な責任の所在が不明確な点が課題です。
知財業界の今後の展望
生成AIの登場により、知財業界は大きな変革期を迎えています。
- 知財専門家の役割の変化:
- 単純な調査や書類作成といった定型業務はAIに代替される可能性が高まります。
- 一方で、AIが生成した情報を基にした高度な分析、戦略立案、法的判断、複雑な交渉、顧客とのコミュニケーションといった、人間ならではの創造性や判断力が求められる業務の重要性が増します。
- AIを効果的に使いこなせる「AIリテラシー」を持つ知財専門家が求められるようになるでしょう。
- 新しいビジネスモデルの創出:
- AIを活用した知財サービス(例:AIによる特許ポートフォリオ分析サービス、AIによるブランド名提案サービスなど)が生まれる可能性があります。
- 法整備の加速:
- 生成AIをめぐる知的財産権の課題に対応するため、各国で法改正や新たなガイドラインの策定が進められるでしょう。国際的なルールの調和も重要な課題となります。
- 企業における知財戦略の再構築:
- 企業は、自社の生成AIの利用方針、AI生成物の取り扱い、AI学習データの管理など、生成AI時代に対応した知財戦略を再構築する必要があります。
さて、ここまでお読み頂きましてありがとうございます。
上記のまとめ文章は生成AIにて5秒ほどで作成したものをそのままコピペしたものです。
(とは言っても、もちろん、生成AIにて作成された文章が、著作権法違反にならないか、事実と相違することはないかのファクトチェックはしています。)
生成AIと知財については、WEB上に非常に多くの資料があることから、私のような専門家が読んでも違和感のない文章を簡単に作成することができます。
自分自身も、特許出願等の出願書面を作成する際には、生成AIを一部活用していますが、分野や技術内容によってはWEB上の情報が少ないことから「ハルシネーション」が起こることも散見され、ファクトチェックが欠かせません(もちろん、クラウド上の生成AIを用いているので、当然機密情報に関するデータは入力せずその周辺の一般的な情報しか入力しません)。
よく言われることですが、もはや生成AIの使用を止めることはできないので、知財業界においても作成されたテキスト等の真贋を見極める目利きが重要となってくるでしょう。そうすると、そのような能力を有する人材をどのように育てていくか(結局は地道にアナログ的に基礎知識を習得させていくしかないのでしょうが)、あるいはどのように評価していくかが重要になってきますが、まだまだ手探り状態ではないでしょうか。
生成AIは簡単に結果を示してくれますが、なぜそのような結果になったかは示してくれません。知財業界においても、これまでの業務の一部が生成AIによって支援してもらえる恩恵はあり、業務効率が上がるようにも感じられますが、鵜呑みすると足元がすくわれるおそれもありますし結局は戦略立案などより高度な業務の比重が増えてくることから、いずれにしてもしっかり自分の頭で考えられる力を鍛えることを疎かにしてはならないと感じる日々です。
2023年07月01日
知財がテーマのコンテンツ~弁理士の日記念ブログ企画2023~
毎年恒例、7月1日の弁理士の日の特別企画、ドクガク先生の「弁理士の日記念ブログ企画2023」(https://benrishikoza.com/blog/benrishinohi2023/)の記事となります。
今年のお題は、タイトルのとおり、「知財がテーマのコンテンツ」ということです。
ここ数年、第20回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作である「特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来」、同著者による商標を巡る「ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来」や、2023年の春ドラマとして放送された「それってパクリじゃないですか?」など知財分野を舞台とするコンテンツが注目されています。私も職業柄それらには一通り目を通しており、エンターテインメントとして面白かったです。
さて、今回のテーマで何を書こうかと考えたときに、ふと10年ほど前にtwitterやブログでプチバズリをしたネタを元に書籍化してみませんかという依頼があったことを思い出しました。当時はまだ駆け出しで仕事の要領も得ずお受けできず実現できなかったのですが...
特許出願とは異性への告白であるとのコンセプトとのもと、知財に詳しくない方でも特許がどのように拒絶されるのかということをかなり茶化してまとめたものです。
弁理士という生き方:女性に告白して発せられる拒絶理由。 (livedoor.jp)
とかく難しい知財を身近に感じられるように、漫画を入れつつ入門書としてまとめたらそこそこ面白いものになるような、ならないような?!
時代に即した変更は必要ですが興味を持ってくださる出版社様がいらっしゃれば前向きに検討したいと思います(爆)
このようなおちゃらけ方向ではなく小説へと進んで入れば、また違った人生があったのかもしれないなぁと思いつつ、この10年ほどを振り返るのでありました。
今年のお題は、タイトルのとおり、「知財がテーマのコンテンツ」ということです。
ここ数年、第20回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作である「特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来」、同著者による商標を巡る「ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来」や、2023年の春ドラマとして放送された「それってパクリじゃないですか?」など知財分野を舞台とするコンテンツが注目されています。私も職業柄それらには一通り目を通しており、エンターテインメントとして面白かったです。
さて、今回のテーマで何を書こうかと考えたときに、ふと10年ほど前にtwitterやブログでプチバズリをしたネタを元に書籍化してみませんかという依頼があったことを思い出しました。当時はまだ駆け出しで仕事の要領も得ずお受けできず実現できなかったのですが...
特許出願とは異性への告白であるとのコンセプトとのもと、知財に詳しくない方でも特許がどのように拒絶されるのかということをかなり茶化してまとめたものです。
弁理士という生き方:女性に告白して発せられる拒絶理由。 (livedoor.jp)
とかく難しい知財を身近に感じられるように、漫画を入れつつ入門書としてまとめたらそこそこ面白いものになるような、ならないような?!
時代に即した変更は必要ですが興味を持ってくださる出版社様がいらっしゃれば前向きに検討したいと思います(爆)
このようなおちゃらけ方向ではなく小説へと進んで入れば、また違った人生があったのかもしれないなぁと思いつつ、この10年ほどを振り返るのでありました。
2022年07月01日
知財業界での大ピンチ~弁理士の日記念ブログ企画2022~
毎年恒例、7月1日の弁理士の日の特別企画、ドクガク先生の「弁理士の日記念ブログ企画2022」(https://benrishikoza.com/blog/benrishinohi2022/)の記事となります。
今年のお題は、タイトルのとおり、「知財業界での大ピンチ」ということなのですが、私自身としては幸か不幸か大ピンチに陥ったことがありません。
うーん、想像する中で最大のピンチは、審査請求の期限を落としてしまうことでしょうか...(ピンチというかアウトですね)
ということで、A先生から聞いた話をご紹介しましょう。
A先生にお客さんから連絡があり、特許出願している出願人(以下、相手方)から、補償金請求権に関する警告書が届いたとのこと(特許法第65条)。
でも、相手方の出願内容や経過を調べてみると、審査請求をしているものの、特許請求の範囲が結構広く、先行文献如何によっては拒絶又は範囲を限定する必要がありそう。
ということで、A先生が先行調査したところ、少なくとも広い範囲では権利化することができなさそうであり、権利化したとしてもお客さんの商品は権利範囲から外れそう。
このため、A先生は、特許庁へ調査して得られた先行文献を情報提供するとともに、お客さんに対して継続して販売しても問題ない旨を助言しました。
その後、A先生の判断のとおり、提出した刊行物をもとに拒絶理由が通知され、お客さんの商品が外れる形で手続補正され特許査定となり、相手方からはその後何も言ってくることはありませんでした。
もし、A先生の判断に誤りがあり、お客さんの商品が含まれる形で権利化されていたら、補償金請求権だけでなく権利侵害にも当たることから大ピンチとなる訳です。無難な判断としては、特許出願の審査の内容が確定するまで一旦製造販売を中止してくださいとアドバイスすることですが、お客さんにとって数か月ストップさせられると大きな痛手となります。
A先生の慧眼によって、お客さんは何の支障もなく製造販売できたのでありました。(あまりお客さんにはA先生のすごさが伝わってないだろうなぁ)
審査官が拒絶理由を通知してくれ、相手方が権利化するためにはお客さんの商品を外さざるを得ないということを見極められないとA先生の判断はできないので、話をお聞きするだけではなかなかに冷や冷やものです。
剣の達人が相手との間合いを見切って切っ先をかわすかのごときA先生の英断でしたが、もし自分に同じような相談がまわってきたとき、果たしてどのように対応できるかを考えると...心拍数が上がってしまいます。
(なお、上記内容は、A先生の了解を得ており、また、A先生が特定されないよう一部を脚色しています)
今年のお題は、タイトルのとおり、「知財業界での大ピンチ」ということなのですが、私自身としては幸か不幸か大ピンチに陥ったことがありません。
うーん、想像する中で最大のピンチは、審査請求の期限を落としてしまうことでしょうか...(ピンチというかアウトですね)
ということで、A先生から聞いた話をご紹介しましょう。
A先生にお客さんから連絡があり、特許出願している出願人(以下、相手方)から、補償金請求権に関する警告書が届いたとのこと(特許法第65条)。
でも、相手方の出願内容や経過を調べてみると、審査請求をしているものの、特許請求の範囲が結構広く、先行文献如何によっては拒絶又は範囲を限定する必要がありそう。
ということで、A先生が先行調査したところ、少なくとも広い範囲では権利化することができなさそうであり、権利化したとしてもお客さんの商品は権利範囲から外れそう。
このため、A先生は、特許庁へ調査して得られた先行文献を情報提供するとともに、お客さんに対して継続して販売しても問題ない旨を助言しました。
その後、A先生の判断のとおり、提出した刊行物をもとに拒絶理由が通知され、お客さんの商品が外れる形で手続補正され特許査定となり、相手方からはその後何も言ってくることはありませんでした。
もし、A先生の判断に誤りがあり、お客さんの商品が含まれる形で権利化されていたら、補償金請求権だけでなく権利侵害にも当たることから大ピンチとなる訳です。無難な判断としては、特許出願の審査の内容が確定するまで一旦製造販売を中止してくださいとアドバイスすることですが、お客さんにとって数か月ストップさせられると大きな痛手となります。
A先生の慧眼によって、お客さんは何の支障もなく製造販売できたのでありました。(あまりお客さんにはA先生のすごさが伝わってないだろうなぁ)
審査官が拒絶理由を通知してくれ、相手方が権利化するためにはお客さんの商品を外さざるを得ないということを見極められないとA先生の判断はできないので、話をお聞きするだけではなかなかに冷や冷やものです。
剣の達人が相手との間合いを見切って切っ先をかわすかのごときA先生の英断でしたが、もし自分に同じような相談がまわってきたとき、果たしてどのように対応できるかを考えると...心拍数が上がってしまいます。
(なお、上記内容は、A先生の了解を得ており、また、A先生が特定されないよう一部を脚色しています)
2021年07月01日
知財業界での夢と希望~弁理士の日記念ブログ企画2021~
今年も、7月1日の弁理士の日に際して、ドクガク先生の「弁理士の日記念ブログ企画2021」(https://benrishikoza.com/blog/benrishinohi2021/)に乗っからせて頂きます。
今年は40名くらいの方が執筆されるようなので、興味ある方は上記リンクから他の方の記事も読んでみてください。
毎年執筆者が増えており、もうすっかり夏の風物詩となっているような感じです。
今年のお題は、タイトルのとおり、「知財業界での夢と希望」です。
コロナ禍での一般企業での様子は、業務体系の見直し、テレワークの推奨などテレビ等で報道されているとおりですが、特許業界、とりわけ特許事務所においても同様な感じです。
コロナ禍を機にうつになり事務所を畳まれた弁理士の方のお話も聞いたりしており、多かれ少なかれ転機が訪れているような状況なので、今年は上記のような明るい未来志向のお題を設定して頂いたのだと感じました。人は将来に夢や希望を抱けないと健康に生きていけない生き物であることを改めて痛感します。
ところが、唐突に夢と希望と言われても、パッと頭によぎる事柄がない....
今年のお題も困ったぞと、少々放置していました。
お風呂で何となくお題についてぼんやり考えていると、前職で薬品・化学系の企業で研究開発の仕事をしていたときに、一念発起して弁理士試験にチャレンジし、いろいろな苦労の末に今があるのだなと改めて思い至りました。弁理士試験の受験生のころは、合格できたら化学系だけでなく機械系やソフトウエア系の出願も取り扱って自分の幅を広げてみたいし、侵害訴訟にも携わってみたいし、実務に精通し頼りにされる弁理士になってバリバリ仕事したいという溢れんばかりの夢と希望を抱いていました。
そして、晴れて弁理士となり十数年が経過して振り返ってみると、化学系、機械系、ソフトウエア系の出願はもちろん、電気系や日用品に関する出願などかなり幅広く担当し、外国での権利化業務、拒絶理由通知に対する中間処理や拒絶査定不服審判は言わずもがな、単なるアイデアを発明として昇華するための相談や他社の権利回避案の検討などのコンサルティング的な業務や、そして無効審判や侵害訴訟も担当し、さらには大学では授業を受け持ち、そして何よりそのような様々な仕事を通じていろんな業界のいろんな人との繋がりを持てたことなど、かつて思い描いていたよりもたくさんのことが叶ってきました。そう思うと、今の自分は昔の自分の夢や希望の中にあり、しかもその状態が現在も進行中なんだということに気づかされます。
そうすると、今後の夢と希望として、目の前の仕事をひとつひとつに真摯に向き合う中でクライアントと共に笑い、自分自身も成長でき、そして、たくさんのクライアントに感謝され惜しまれながらこの仕事を引退することができれば最高ですね。
このことはたどり着いた真理なのか単なる老いゆえの諦めなのかは分かりませんが、自分にとっては地に足のついた感じで割りとしっくりきており、コロナ禍であろうがなかろうが自分の中のポラリスとしてこれからの人生というまだまだ長い航海を照らし続けてくれるでしょう。
今年は40名くらいの方が執筆されるようなので、興味ある方は上記リンクから他の方の記事も読んでみてください。
毎年執筆者が増えており、もうすっかり夏の風物詩となっているような感じです。
今年のお題は、タイトルのとおり、「知財業界での夢と希望」です。
コロナ禍での一般企業での様子は、業務体系の見直し、テレワークの推奨などテレビ等で報道されているとおりですが、特許業界、とりわけ特許事務所においても同様な感じです。
コロナ禍を機にうつになり事務所を畳まれた弁理士の方のお話も聞いたりしており、多かれ少なかれ転機が訪れているような状況なので、今年は上記のような明るい未来志向のお題を設定して頂いたのだと感じました。人は将来に夢や希望を抱けないと健康に生きていけない生き物であることを改めて痛感します。
ところが、唐突に夢と希望と言われても、パッと頭によぎる事柄がない....
今年のお題も困ったぞと、少々放置していました。
お風呂で何となくお題についてぼんやり考えていると、前職で薬品・化学系の企業で研究開発の仕事をしていたときに、一念発起して弁理士試験にチャレンジし、いろいろな苦労の末に今があるのだなと改めて思い至りました。弁理士試験の受験生のころは、合格できたら化学系だけでなく機械系やソフトウエア系の出願も取り扱って自分の幅を広げてみたいし、侵害訴訟にも携わってみたいし、実務に精通し頼りにされる弁理士になってバリバリ仕事したいという溢れんばかりの夢と希望を抱いていました。
そして、晴れて弁理士となり十数年が経過して振り返ってみると、化学系、機械系、ソフトウエア系の出願はもちろん、電気系や日用品に関する出願などかなり幅広く担当し、外国での権利化業務、拒絶理由通知に対する中間処理や拒絶査定不服審判は言わずもがな、単なるアイデアを発明として昇華するための相談や他社の権利回避案の検討などのコンサルティング的な業務や、そして無効審判や侵害訴訟も担当し、さらには大学では授業を受け持ち、そして何よりそのような様々な仕事を通じていろんな業界のいろんな人との繋がりを持てたことなど、かつて思い描いていたよりもたくさんのことが叶ってきました。そう思うと、今の自分は昔の自分の夢や希望の中にあり、しかもその状態が現在も進行中なんだということに気づかされます。
そうすると、今後の夢と希望として、目の前の仕事をひとつひとつに真摯に向き合う中でクライアントと共に笑い、自分自身も成長でき、そして、たくさんのクライアントに感謝され惜しまれながらこの仕事を引退することができれば最高ですね。
このことはたどり着いた真理なのか単なる老いゆえの諦めなのかは分かりませんが、自分にとっては地に足のついた感じで割りとしっくりきており、コロナ禍であろうがなかろうが自分の中のポラリスとしてこれからの人生というまだまだ長い航海を照らし続けてくれるでしょう。