蒼い蝠物の館日記

こうもり博物館とその周辺で起きる日常です

春休みコウモリ調査ツアー

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いよいよ暖かくなって、自然の中に住むコウモリたちの活動も始まりました。
春休みシーズンで人が動きやすいこともあり、そんな冬眠明けの様子を集中的に観察していきます。
雪の中で丸くなって冬眠する姿が相次いで見つかった事で話題のコテングコウモリは、さて雪があまり積もらない地方ではどこでどのように冬越しするのでしょうか。よく見つかるのは洞窟のような場所の、岩のとても細い場所に潜り込んでの冬眠です。ただし、冬の間ずっと眠っているわけでもなく、年末年始に立て続けに活動している様子が見られたように、目を覚ます頻度は他のコウモリよりも高いようです。
そして春に飛び立つと夏の間に洞窟のような場所はあまり使わないので、この春先がねぐらで過ごす様子を観察するチャンスなわけなのです。
長野県では、雪の多い地域から雪の少ない地域まで、あちこちで観察する機会がある、数は少ないものの分布が広いコウモリです。

動き出す

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長らく姿を見せなかった春〜秋のねぐらへと、コウモリたちが続々帰ってきつつあります。
ただ、まだ寒い日には夕方になっても全部が飛び出すわけではないようです。
洞窟の出口付近で待ち構えていると、暗くなるころに一つまた一つと飛んで出てきます。
そうして今夜の出洞が終わったころ、中に残ったものを観察してみると、まだ半数ほどが眠ったまま過ごしていました。
全部が毎晩の活動を始めるまでには、もう少し暖かくなる必要がありそうです。

寒さの峠

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一年の内でもっとも寒い季節になって初めて姿を現す、長野県西部のチチブコウモリが、今年久々にやってきました。さらに下流の岐阜県ではもっと早い時期に姿を見せたこともあるのに、この地域差はどういったことなのかというのが疑問ですが、なかなか数の多くないコウモリの生態を調べるのは難しいものです。
外部寄生虫を見ていると、数十キロ離れた地域の個体群とは別系統の動きをして交流もなさそうに思えるのですが、こうした観点からの観察も、もっと長期にわたって続けていかないと、早急に結論は出ないと考えています。夏に見られる個体群との関係も明らかになっていないので、力を入れていく必要性の高い種として扱っていこうと思います。

お鼻を揚げましょモモの鼻

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今年は季節の進みが早いのか遅いのか、冬の分布が例年と比べて異なる生息地が多いようです。
そんなわけでヒナまつり2017は、いつもの越冬地にヒナコウモリを探しに行ったはずが、冬はいなくて春から秋までやってくるモモジロコウモリを観察してきてしまいました。
そろそろ春の調査準備をした方がよさそうな季節の進み具合に、戸惑っているわけにもいきません。科学は、ありのままの記録をしていく必要があるのです。今年、2017年はこうであったと記していきましょう。
次の調査会は春分を迎える20日ごろに予定しています。それまでは個人ごとの調査を進めるとしますかね。

まだ目覚めず

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それでは街のコウモリも活動を始めるのだろうかと、コンクリ構造物のねぐらの様子を見に行ってみました。
まだ目覚めた形跡も認められず、奥の方でじっと眠っていたようです。ただ、冬でも少しは起きてくることがあるので、少数は前回いた場所から移動していたりはしたようです。
やはり夕方の気温が高くなってこないことには、春の目覚めにはならないようです。
さて、そうこうしている内に、今年も3月になりました。そんなわけで、明日は恒例ヒナ祭りです。みなさんは、どこのヒナコウモリを見に行きますか?

寒い風の中

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まだまだ寒い風が吹きますが、そんな中でも飛んでくるのは、やっぱりモモジロコウモリでした。
寒さに強いのは定評があるコウモリです。
いったいどんな餌を求めているのかと川面を見ても、あまり虫の姿は見られない感じですが、だからこそいつもは行かないような遠くまで飛んで行っているのかも知れません。
いつもの行動圏はせいぜい1、2km以内といった非常に狭い範囲でしか飛んでいないモモジロコウモリも、春先や秋遅くには、ずっと遠くまで飛んだという記録が出ているのです。
コウモリ追跡のシーズン開始です。

春一番が吹いて

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だんだん南から季節が動き出したようです。
紀伊半島の南部で、今年最初に飛び始めたのはウサギコウモリでした。
よくよく空を見上げてみると、細かい虫がライトに照らされてきらきら光っています。そんな餌が飛び始めたのに呼応するように、昆虫食のコウモリも、いよいよ活動開始です。

広域追跡計画

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先日行った研究会で、この20年くらいのユビナガコウモリ調査の経緯のまとめと、最近10年内の成果を報告しましたが、次の10年に向けての計画も考えています。
だいぶん近畿が網羅されるようなユビナガコウモリの移動が見えてきたのに加え、中部地方との行き来で東へも移動のラインがつながってきました。
このラインは果たして、より東から来てつながっているのか、長野以西の福井や滋賀へどう動いているかを突き止めていくことが課題かと、なかなか成果の上がらない北陸方面に力を入れて調査する必要がありそうだと思う一方、非常に広い地域からユビナガコウモリが集まることが明らかになった福井県へ、西からの移動がないわけもないだろうと、中国地方を視野に入れた調査をする必要性も感じています。
広域で、しかもコウモリの寿命を考えて長期にカバーできる体制を整えていくのが、今後の課題になりそうです。
画像は富山県のユビナガコウモリです。

テングコウモリの越冬洞

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福井県には冬眠前にいた個体が、同じ場所から動かず一冬を過ごして、冬眠明けの春に再び確認された場所が2か所あります。
しかしこの冬は雪が深く、もしかしたら人が近づくことのできるようになる前に季節が動き出して、飛び出し始めるかもしれません。そうなると、越冬したかどうかの確認は難しくなりそうです。
そんな年は時々あるので、例えいたとしても、毎年必ず確認できるわけでもないのが、山奥に住むコウモリを調べる難しさです。
雪崩さえなくなれば、雪の上を歩いていくのもいいのですが、4月になるか5月になるか、だいぶ先になりそうです。
日が長くなったのを実感しますが、春が待ち遠しいのも強く感じます。

新たな一年の開始

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冬の間はしばらくお休みの、コウモリ調査です。
山に入っても雪で進むのも難しい場所へは冬眠明けから再開の予定で、現在は今シーズンどんな研究をするかの下準備をしています。
いつも通りのカレンダーに従って進める調査のほか、新たなプロジェクトとして調査地を増やしていく計画や、今年だけ特に力を入れる場所や地域、また他団体との協力でおこなう調査イベントの打診を受けているものもあります。
ともかく、寒いうちはコウモリを起こしてしまってもうまく放せないこともあるので、もうしばらく暖かくなるまでは、たまに目を覚ますものを待ってみるような、そんな季節なのです。
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