恋ふ森野郎の研究日誌

こうもり博物館とその周辺で起きる活動報告です。

バットディテクター製作教室の開催

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ここ数年、毎年夏にはバットディテクターを手作りしてみようという教室を開催しています。コウモリ観察にバットディテクターはもはや欠かせないアイテムですが、それを作るところから始めて、観察のイチから自分の手によるものにするという達成感をも楽しむのです。
半田付けの練習から始めますので、まったく電子工作は初めてという方でも大丈夫なように進めて行きます。親子で力を合わせて完成させた方もいらっしゃり、今回も参加者全員、ちゃんと作動するところまで確認して解散しました。
例年より終わったのが早かったので、まだコウモリが飛び始める前に終わってしまい、本物のコウモリでの作動確認は持ち帰って自宅でやってみたことでしょう。
意外と世の中に超音波は飛びかっているので、昼間にはコウモリ以外でもどんな所で聞こえない音が出ているかを探してみるのも楽しいと思います。

8月の観察会

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毎月一度の観察会を、今年度は奈良市街地の県立図書情報館の周辺でおこなっていますが、今月の日程が今日でした。
7月と比べると、日が暮れるのがずいぶん早まったように感じられますが、それ以上にコウモリの飛び方が6月とも違い、7月からは数が落ち着き、前後の天候との関係もあるのでしょうが、毎回異なった飛びっぷりが見られるのも、同じ場所で毎月見ていく楽しみなのかもしれません。
いよいよ今年度の観察会も来月で終わりになりますが、こうした観察会で体験したコウモリの見方というものを、自宅の周りでもやってみて、住宅街で人家に住むコウモリというのはどういった生活をしているのかに、各々で迫ってみてもらいたいものだと思っています。
そんな、導入部分のお手伝いができたらと願ってこれからも企画をしていきます。

皮膚の露出

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授乳中の母コウモリで、子供に吸われた乳頭の周囲だけ脱毛しているのを観察することはよくあります。ですが、こんなに広範囲に体毛が無いのは異常です。もしかしたら、皮膚病のようなものが流行し始めたのかもしれません。毎年観察していて、この生息地でこうした個体が観察されたのは初めてです。今後が気になるところなので、更に観察を続けたいと思います。
それにしても、あらわになった両胸には、まだまだしっかり発達した乳腺が白く見えています。もう8月、子育てするのもあと僅かな期間を残すのみです。この母乳を一ヶ月飲むと、生まれた仔コウモリが空を飛べるようになるとは、コウモリのすごさを感じずにはいられません。

秋のクロホオヒゲ教室開幕

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今年の子育てを終えたメスがやってくるのが、クロホオヒゲコウモリでも確認されました。これからオスとの出会いまでをどう過ごすのか、楽しみな観察が始まります。
ちょっと早めですが、これからオスの動向も気にかけつつ、秋の集中観察を開始したいと思います。

肘を使って隙間に入る

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同じ種のコウモリでも、住んでいる地域や場所によって身体の特徴に差が出る場合があります。広い場所を住処にしている個体には出ない色の差が出るのが、このコウモリです。
狭い隙間がねぐらの群れでは、多くの個体が肘の部分を見てみると、皮の色が白くなっています。きっとここを使って入り込むためにそうなったのでしょう。
そういった、一頭一頭に現れる特徴を記録して、経年変化を追ったり、地域差を比較したりと、希少種に限らないモニタリングを続けています。
そうして、各地のコウモリそれぞれの生き方、暮らし方を見届けるコウモリ観察が始まってきたところなのです。
コウモリと一口に言っても、本当にそれぞれだと感じています。

生まれ年の分かる雄

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近畿地方で見つかった雄のノレンコウモリは、9年前に生まれた個体でした。雌と違って、雄は生まれた年の秋から単独で暮らし始めるので、それぞれがどこへ行ってしまうか追跡が難しいものなのです。
一部は生まれた場所の近くに残って暮らし続けるのですが、大多数はどこへ行ってしまうのか、なかなかその後が不明なままになってしまうことがあるので、広い範囲を探索し続けます。
そして今年、久々に捕まったその標識を見ると、確かに9年前に飛び始めた頃に捕まえた個体でした。
もちろん寿命はもっと長く、近畿でも10年以上生きている個体が雌では数多く確認できているのですが、再捕獲が少ない雄での寿命の記録は、こうして数少ない例を地道に増やしていかないと把握が困難なのです。
また新たに知見が増えました。

出会い洞への移動

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コウモリも種によって繁殖時期の早いもの遅いものがいますが、もう今年の子育てが完全に終わり、子育て場所から次のステップへと移動し始めたものが確認されました。
秋になると雌雄の出会いのために集まる場所へ、今年最初にたどり着いたのは1組の母親と娘コウモリでした。ここで例年なら先にやってきて待っている雄と出会うはずなのですが、今年は雄の姿が見えません。それも近くで始まった道路工事の影響ではないかと考えているのですが、なかなか環境配慮をするための事前調査がおこなわれないので、実のところははっきりしないまま事業が進んでしまっています。
もしかしたら、この秋は出会いが不完全に終わるかもしれません。ただコウモリの寿命は長いので、10年20年の出産可能年齢のうちの幾年かがそんな年になることも、人の影響の大きな場所で暮らすコウモリにとっては、割と起きる事であるのかもしれません。
それでも、できるだけ良い機会に恵まれるよう、願いたいものです。

ヤマの日

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今年も祝日で大型連休の幕開けとなったヤマの日でしたが、ヤマコウモリの子育ても一段落して、親も子も外に飛び出す時期を迎えました。
既に授乳を終えた母コウモリの胸も膨らみが小さくなりつつあり、一度は露出した肌も、再び生えてきた体毛に覆われてきました。
今年の子育てシーズンも終わりを迎えて、これから観察は一回り広い範囲を対象に移行します。
夏の子育てから、秋の行動へとの、研究の転換をするのも、数日前に迎えた立秋の頃にあたるのです。生物の季節は、二十四節気に沿っているのが多いというのも、面白いものですね。

夕焼け空を見上げる

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まるで秋空が広がったような夕空になりました。
8月10日、バットの日を迎えると、今年生まれたコウモリも加わって、空に舞い立つ数はいっそう多くなります。
飛び立つコウモリを見るには最高の季節がやってきました。
これから秋まで、楽しいコウモリ観察のベストシーズンの到来です。

地形を覚える

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いよいよねぐらのある洞穴の外へと飛ぶようになった今年生まれの幼獣たちも毎晩外に出るようになって、周辺の地形を頭の中に記憶したようです。
ねぐらから少し離れた場所へ連れ出して計測作業をおこなった後に自力で飛べるかどうか確認のため手のひらから放します。飛び立ってからまず数度くるくると上空を飛んで、自分の位置を知ると、あと洞口へと一直線です。脳内3Dマップが完成していないと、こうはいきませんね。そんな自分の知っている地形を増やして、行動圏を拡大させていくのでしょう。
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