恋ふ森野郎の研究日誌

こうもり博物館とその周辺で起きる活動報告です。

雨の日のコウモリは寝起きが悪い?

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ついにメスがねぐらから出ない晩がやってきました。今夜あたり、出産ラッシュなのかもしれません。
そんなのとは関係のないオスは、普段通り出てきても良いはずなのですが、やっぱり出て来ません。街中に住む人家をねぐらにしている種ならば、とりあえず飛び出してきて、雨なのでさっさと帰るだとか、出口付近まで顔を出してからやっぱり戻っていくなんてことをする姿が見えたりすることもあるのですが・・・
意を決して、いつもの眠っている場所まで行ってみると、腕をそろえた間に顔をうずめて、大きな耳も背中に畳んでしまったままの、今夜はとてつもなく眠たそうな姿で、まだ起きる気配がありません。かと言って体調が悪いわけでもなく、起こせば起きるし飛んでいくので、どうした日だったということなのでしょうか。
そんな日もある、梅雨の間の一夜のことでした。

出産準備

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夜に飛んでいるコウモリを待ち構えていると、大きなお腹でもう数日内には出産しそうなメスがやってきました。
重くて俊敏に飛べないのか、立ててある網を避けられずにかかってしまいます。
乳腺の発達は、実際に授乳が始まってからほど見られませんが、もう乳頭はしっかり大きくなり、子供が吸い付くのを待つばかりです。
ここのコウモリ達にとって、いよいよ子育てのシーズンが始まります。

コウモリ予知

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ここ数年、毎年繁殖コロニーとして使われていた場所で、夕方になってもコウモリがさっぱり出てきません。
そこにいれば出てくる時間帯を過ぎて、中の様子をうかがうと、いくらかの種類の、雄が残っていただけで、雌コウモリは一頭もいなくなっていました。

やはり、土の中にできた空洞に住んでいると、先に分かる事があるのかもしれません。子育てするために場所選びは重要でしょうし、より安定した場所へと移動したのでしょう。

硫化水素臭が続く(1~2年)→臭い消える(半年程度)→コウモリ集団姿を消す(数日)→噴火または地震という、王滝村のパターンはこれで2例目になりました。
やっぱり、地面の下のことを洞窟にいる者に教えてもらうのは、あながち外れていないのではないかと思えてきました。

愛知のノレンコウモリ

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特に変わった話題もありませんが、今月も元気に生きているのを確認できました。月例の体重測定をおこなって、放獣です。
こうした、なんでもない状態が続くのが、一番いいと思うのです。

帰洞

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出産や子育てをしているこの季節、コウモリを脅かさないよう、洞窟の中に入るのを極力控えているのですが、どうしても内部の状況を知る必要がある時があります。
そんな時、夕方にコウモリたちがすべて飛び出し終わってから内部調査をおこなうわけですが、ぼやぼやしていると一晩中外に出ておらず、早めに帰って来る個体もいる季節でもあるので、滞在時間にもリミットがあります。
洞窟内部観察とすべての測定を終えた頃、早くも帰ってきた個体の姿が見えました。
今夜の作業はこれまでです。洞窟を後にして、退散する時間になりました。
来年も、またその次の年も、同じくコウモリがこの洞窟を使い続けられるように、そっと見守る体制作りも、コウモリ研究には必要なのです。

出産ラッシュ

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分布の広いコウモリは、県ごとに、またその中でも生息地毎に出産シーズンの傾向が違うので、地方ごとの季節の進み具合が比較できます。
ただ、それぞれが年によって前後するので、そのピークを掴むのは、案外難しいものです。
奈良県ではこれまでモモジロコウモリについて小規模な繁殖集団は見つかっていたのですが、数百頭規模の大コロニーが初めて確認できました。これを観察してみた結果、他県と違って、出産期の同期性がやや低いのかな?という印象でした。
今、授乳が始まってから既に日数がたち、順調に大きくなっている子供コウモリもいれば、まだ出産していない母コウモリも残っています。規模が大きいコロニーでは他県でもこうしたばらつきは起きるものですが、より幅が大きいようなのです。
モモジロコウモリ自体は分布も広く個体数も多いので、どちらかと言うと希少性は低くどこにでもいるコウモリですが、こうして生まれ育つ場所というのは、長く探索を続けてきても、なかなか見つからなかった大切な生息地なので、これからも注目していきたいものです。

夜の生き物

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こうもり博物館の自然観察会を、今年は奈良市街地にある図書情報館で毎月開催しているので、今月はせっかくホタルが飛ぶ季節になったのですが、観察する機会を作ることができませんでした。
そこで、コウモリをはじめとして、自然観察の情報交換会として、バットカフェを急きょ開催してみました。
突然の企画でしたので多くは集まれなかったものの、最近の調査の状況と、そこから見込める今後のターゲットについて話し合うことができました。
終了後には外で飛ぶゲンジボタルを眺めつつ、夜は更けていきました。
7月のバットカフェは、もしも参加希望者があれば連休ごろに開催したいと思います。

卯の花の咲くころ

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目に青葉、山ホトトギス、初カグヤ。
ホトトギスの声が響くころ、卯木が咲き、いよいよカグヤコウモリが姿を現しました。
先週6月の満月を迎えたので、そろそろやって来るはずとは思っていたのです。これから9月の満月までの3か月間、一年のたった四分の一ほどの短い期間しか活動を追うことができませんが、今年もしっかり生態を見届けていこうと思います。

新しい分布

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ずっと調査を続けてきた場所で、初めてウサギコウモリが捕まりました。
どんなコウモリがいてもおかしくない良い森林なのですが、実際に確認されないことには、いるいないの判断は難しいのです。
これにて、分布の地図をまたひとつ塗りつぶす事ができました。
コウモリの研究は、ゆっくりとしか進みませんが、続けていくことで、着実に進んでいきます。

続々更新

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また最初に捕まってからの年数が10年を超えたノレンコウモリが見つかりました。こうしてみると、長野県のノレンコウモリの寿命は10年以上というのが当たり前だというのが見えてきた気がします。
まだまだ長生きして、捕まらなくなるのがいつなのか教えて欲しいものです。
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