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東海地方を縦横無尽、全国各地に神出鬼没の取材・執筆・編集事務所@西三河より、買って読んだ本のことでも書いてそれに写真を付けてみるシリーズ。

ヨンダホ番外~たいこわらべ五十年

たいこわらべ五十年
藤本吉利/浅野太鼓文化研究所

20190120-22018-12-15/¥2000

 和太鼓界のレジェンドの芸歴50周年記念本で、妻が少しだけ制作に関わりました。
 著者は、現在の和太鼓グループの最高峰である鼓童の創設メンバーにして、70歳を目前に控えた今もなお中心奏者として活躍されている。おそるべき60代だ。
 藤本さんの舞台は、見ているととにかく楽しくなる。私もこれまでいろいろな和太鼓演奏を見てきたが、毎回ハズレなくそんな気分になるグループや奏者というのは案外少ないもので、それもレジェンドたる所以である。

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ワークショップで指導する著者(中央)。
(東京都渋谷区・青山円形劇場 2010.08.14)

ヨンダホ0467~サカナとヤクザ

サカナとヤクザ 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う
鈴木智彦/小学館



 漁業にまつわるキナ臭い話を追った秀逸なルポルタージュ。「漁業に絡む暴力団」という、世のマスコミにあまり出てこないような際どいネタを、著者は時に市場労働者になって潜入取材したり危険に身を晒したりしながら突っ込んで取材しており、感服するばかりである。漁業ネタだけに、一歩間違えれば海に沈められるんじゃないかと一読者としてヒヤヒヤするが…。銚子や根室など、漁業と裏社会が結び付いた町の歴史を掘り下げた章も面白い。
 私なんぞは地方の文化をちまちまと漁るしがない田舎ライターにすぎないが、そんな私でも漁業取材をしていると、ごく稀にヤバい話が耳に入る時がある。某漁師町の一団が某所で×××××を×××××したとか、某港は××××の××××とか。私はジャーナリストではないので深く突っ込む余力も度胸もないけれど、豊かな海なんて怪しく危ういものだと、時々思う。

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根室はかつて、ソ連へ日本の情報を流す代わりに北方領土での漁を黙認されていた「レポ船」と呼ばれる漁船が、数多く操業していたという。
(北海道根室市幌茂尻より国後島を望む 1996.09.24)

ヨンダホ0466~ご笑納下さい

ご笑納下さい 私だけが知っている金言・失言・名言録
高田文夫/新潮文庫



 「志ん生の食卓」と一緒に大晦日の千葉行きの途上に品川駅構内の書店で購入した。これも東京(近郊)で読んだ方がよかろうと。
 いろんな人のいろんな名言を集めた本なのだが、いくつか現代語の由来が書いてあって興味深い。たとえば「僕的には」などという「~的」は、25年前に著者がラジオで「タカダ的には談志派だけど、お前的には志ん朝派なんだろ」と使ったのが最初という。へぇ~。確かに自分が大学生だった90年代前半にはまだ使われていなかった。あと、ジャンケンで「最初はグー」と言い始めたのは志村けんだそうだ。
 
20190119-1
珍言メーカーの長嶋茂雄のベスト珍言が本書P153に掲載されている。曰く「打つと見せかけてヒッティングだ」。
(千葉県佐倉市岩名・長嶋茂雄記念岩名球場 2019.01.03)

ヨンダホ0465~太陽の棘

太陽の棘
原田マハ/文春文庫

太陽の棘 (文春文庫)
原田 マハ
文藝春秋
2016-11-10


 戦後の沖縄に実在したという画家たちのコミューン「ニシムイ美術村」をモデルに、終戦直後の若い画家たちと米軍の精神科医の交流を描いた小説。終戦直後にこのような芸術村が沖縄に存在したことにまず驚いた。また、当時の駐留米軍の視点も興味深い。
 著者のあとがきによると、この作品はアメリカに健在の元従軍医師の語りがもとになっているという。小説とは別にその人のインタビューでも出版されれば、読んでみたいものだ。

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本書に出てきた那覇の窯業地、壺屋。
(沖縄県那覇市壺屋 2006.10.19)

ヨンダホ0464~志ん生の食卓

志ん生の食卓
美濃部美津子/新潮文庫

志ん生の食卓 (新潮文庫)
美濃部 美津子
新潮社
2018-12-22


 先の大晦日、愛知県から義両親の移住先である千葉県に向かう途上、品川駅構内の書店で購入した。東京の落語家がテーマの本は、やはり東京の近くで読んだ方が本の世界に浸れるというものである。
 今年のNHK大河ドラマ「いだてん」で小泉今日子が演じる古今亭志ん生の長女が、志ん生の食にまつわる話を語った本。そんなに美味そうなものが出てくるわけではないのだが、文章がいいのか、なぜかどれも美味そうに思えてくる。
 で、本書に出てくるマグロの刺身の茶漬けを義両親宅でさっそく試してみたところ、まあ、そう美味いものでもなかった…。

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本書に出てきた「志ん生一家の愛したお店」の中で唯一知っていた浅草の神谷バー。ここの創業者は三河一色出身の神谷伝兵衛(→●□)。
(東京都台東区浅草一丁目 2018.10.08)
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