追跡者たち 上・下
デオン・メイヤー/ハヤカワ文庫

追跡者たち(上) 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
デオン・メイヤー
早川書房
2013-06-21

追跡者たち(下) 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
デオン・メイヤー
早川書房
2013-06-21


 我が家の本棚には三十数年かけて蓄積された千冊超の文庫本があるが(→●□)、中には読んだ覚えのないものもチョイチョイ混じっている。本書はその一冊。発行年がつい最近の2013年なのだが、読んだ覚えがないというか買った記憶もない。上下巻のうちなぜか上巻だけしかないので、買ってはみたけれどなんとなく読む気になれないまま放置してしまったと思われる。
 ちょうど買い置きの小説が切れたところで、書店へ本漁りに行くのも面倒くさいからと試しに読んでみたところ、意外に面白そうではないか。
 それならばとAmazonで下巻を注文したのだが、たかだか七年前の出版物だというのにもう絶版になってしまったのか、中古しか売っていない。しかもその値段が驚くことに1円!そして送料が350円ほど。原価が税抜き1000円のところ、351円で手に入ってしまった。
 結果的に安く読めたのはありがたいが、海外文庫のサイクルの早さ、出品者の意図がよくわからない価格設定、そして、そもそも最近の海外文庫の高額化はどうなのよ?等々、いろいろ考えさせられた。

 本書は、南アフリカの作家による南アフリカの謀略サスペンスという、あまりお目にかかったことのない地域が舞台の小説。南アのアンダーグラウンド世界、人種問題、イスラムテロ、動物保護、警察など様々な要素が詰め込まれており、なんというか、面白いけどちょっと詰め込みすぎな気も。
 あと、南アの諜報機関PIAの描かれ方が少し気になった。こんな頼りなげな諜報機関はヤバい…。

20200701-1
本書の舞台。
(愛知県知多郡南知多町師崎 2020.02.10)