2005年07月10日

だれにもいったことないけれど

 まるむし 26歳 小中学同級生のおおくんへ
 
 突然手紙なんか書いてしまってごめんね。ずうっと何年も会ってないけれど、元気ですか?今はどこに住んでいるのかな。都会でがんばっているのでしょうか。
 おおくんとは家が近くて、よく家に遊びにいったりしたよね。私は、お姫様みたいにちやほやされたくって、いつも男の子の中で遊んでいたような女の子だったでしょ。女の子との友達づきあいはなんだか苦手で。一緒の学校にいるときは全然気にならなかったけれど、違う高校に進んでじんわり気づいたことがある。私おおくんのことすごく好き、かも。
 どういうときにそう思ったのか覚えているのは、あの当時(中学生)の男の子たちは女の子の扱いなんて全然知らなくって、公園で花火をした後だって「じゃあね、ばいばーい」っていう雰囲気だったけれど、おおくんは普通に「あ、送っていく」って家までついてきてくれた。すごくうれしかったの、本当に、今でもうれしい気持ち思い出せるくらい。
 それから、ボウリングしながらアイス食べてて自分の番が回ってきたとき。何にも言わずに私の目の前にアイスをさしだしたこと覚えて・・・ないよね。当たり前みたいにすっきりと私のテリトリーに入ってきた感じがして、とまどった。どきっとした。
 おおくんって相手との距離が絶妙な人なのだと、おもう。少なくとも私にとってはそう。みんなで一緒に遊んでいても、ふとした瞬間にすぅっと心の奥にふれられる、そんな人だと思う。そのとき私はまるで、一瞬にして恋人同士になったような幸福な気持ちになります。自分が人として認められたような、ここに、この場にいてもいいんだって素直に思えるような気持ちに。ただ優しいんじゃなくって、遠慮している感じもないし、かといってずうずうしい感じでもない。近くにいてこんなに心地いい人初めてでした。
 でもね、安心して。付き合ってほしいとか、私のこと見てほしいっていうのとはちょっとちがう。おおくんが遠く離れた土地で、仕事をがんばりながら恋をして、かわいい彼女とゆくゆくは温かい家庭を作るとしたら、わたしほんとうにしあわせ。会えないなら会えないでちっとも寂しくない。こんな距離感の人間は私の人生の中で、たぶんおおくんだけだと思います。
きっと私、人としておおくんのこと好きなんだと思う。尊敬してるんだと思う。
今まででいちばん好きだと思うしこれからもずっと好きなんだと思う。
 
 しあわせになってね。
 
 
 
室井佑月さんのラブレター企画に2作目の投稿です。室井さん、お仕事増やしてごめんなさいね・・・。


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