ウチの、重度の自閉症を持つ息子の、もう1年半も前の、5才の夏のお話です。
多動性障害や、睡眠障害その他も併せ持っています。

或る、スズメのチュンチュン鳴く、朝日の眩しい早朝、自宅2階で目を覚ました私。なにやら一階玄関あたりで、誰かがわめいて暴れているような音が聞こえる。

寝ぼけた頭で、無理やり考えてみる。
何かと思ったら、息子のジヘイ君の声だと気付く。

いつも同じ部屋で寝るのだが、どうも寝ている私を乗り越えて、ひとりで1階に下りて行ったようだ。

朝の5時頃だった。

寝ぼけて階段で足を踏み外さないよう、よろ付きながら降りていく最中、事態を察した。


ジヘイ君が外へ出たくても、カギがかかっている為、出られないので怒って暴れているようだった。



裸足のまま、土間へ降りて、ワタシが幼い頃、剣道で使っていた木刀を持って、足で玄関の格子戸を蹴っていた。

1年半経った今、もうそんなことはしない。
今は朝は、僕らと同じように寝ぼけながら、起こされてもムニャムニャする、自閉症ではあるけども、ある意味普通の保育園児である。(ある意味、といったのは、障害を持っていて普通の子の様に、人と話したり、普通の子と同じように行動は出来ないけれども、普通の子と同じ心を持った子、という意味です)

この頃、ジヘイ君はどんな事を思っていたのか、毎朝玄関で暴れていた。

夜は眠れず暴れる。
昼は何か気に食わない事があると、背中をのけ反らせてひっくり返って暴れる。
朝も早くに目が覚めて暴れる。

何か彼にとってうまくいかない事があると、奇声を張り上げ、暴れていました。もちろん妻や、双子の娘だって蹴り飛ばされたこともあります。

早朝の、スズメの鳴き声がかすかに聞こえるだけの、我が町の静けさの中、響き渡るジヘイ君の奇声と戸を蹴る音・・・
親の私としては、こんなことが永遠に続くのか、だったらいっそのこと・・・

・・・なんていけない事を考えたりしたものでした。



会話の出来ないジヘイ君、この頃何を感じて暴れていたんだろう。



今思えば、もしかするとこの頃、ジヘイ君自身が彼の障害に気付いたのではなかったか、と思っています。
彼自身が自分と人との違いに気付き、我々よりも絶望を感じていたんじゃないか、と思っています。

「パパやママ、他の子(ジヘイ君にはまだ、兄弟というものの意味を理解していない様に感じます。ですので双子のお姉ちゃんのことを、他の子と書きました)は、自分でカギを開けて自由に外に出られるのに、僕はなぜ出られないんだ!!」という風に。

僕達に救いを求めていたのかも。




早朝の5時頃です。今見ると、少しカメラに気が取られて、ちょっとだけ落ち着いていたようですね。撮影前は、阿鼻叫喚の大暴れでした。

この動画、よくこの状況で、撮影しようと思ったな、近所迷惑じゃないか、撮影するよりも息子をなぜ抱きしめてあげないんだ、よくもこんな動画を公開しようと思ったな!!なんてお叱りの言葉を頂くかもしれません。

お叱りはごもっともです。本当に申し訳ございません。

ただ僕はその時、この今の状況をちゃんと記録しておきたかったのです。
記録しておかないと、あまりにもいろんなことが起こる毎日、忘れてしまうからです。
ですがこの時は公開する気にはなれませんでした。自分の息子を見世物にしている気がしたし、それで同情を買うだけのような気がしていたからです。

でも今は、気持ちは変わりました。
同じ様な重度の自閉症の子を持つ親御様に、この動画を見て欲しい。
今、まさにご自身のお子様が、暴れ続けて家の中がメチャクチャになっている方に、知って欲しい。

ご自身の子が、他の子と何ら変わらない思考をもって、必死に自分の障害と向き合おうとしているって言う事を。

必死に命がけで、お父様お母様に、何かを伝えようとしているんだって事を。

そして、そう遠くない未来、お子様はあなた方の愛に気付き、変わる事を知っていて欲しい。

この頃があったから、今があります。
実はこの頃まだ、ジヘイ君は僕の事を、父親として認識していませんでした。
彼は、人の心を感じることが出来ないので、普段家におらず、彼にとって悪い事をした時叱るだけの僕は、ただの怖い大きな人だったのです。

でも今は違います。

ジヘイ君がまだ起きている時間に帰宅すると、一番最初に出迎えてくれるのは、愛するワンコでも、親愛なる双子の娘たちでもなく、重度の自閉症を持った、会話の出来ないジヘイ君です。

多動性障害も持っているので、興味を持った物への瞬発力が尋常じゃない。だからワンコよりも行動が早い^^

パパが帰ってきた事に気付き、パパを出迎え、パパが手に持っているものに興味が移ってパパのカバンを開け、それが食べ物でない事がわかると、そのカバンを放り投げ、パパに抱き着いてチュウをします。


僕はあるときジヘイ君に、「大好きな人にはチュウをするんやで^^」「だからパパはジヘイに、いっぱいチュウするぞ!!」と言って、ジヘイ君のオデコやほっぺ、そして唇にチュウをしまくりました^^ そうやって、大好きな人にはチュウをするって事を教えたのです。

ジヘイ君とパパ


チュウは、ジヘイ君にとってすごくくすぐったく、気持ちのいいモノのようでした。
彼は僕がチュウをすると、すごく嬉しそうに笑ってくれます。
「チュウは?」と口を尖らせてほっぺを向けると、ジヘイ君は僕のほっぺにチュウをしてくれます。

同じ保育園のクラスメイトの、ジヘイ君の好きなコには、男女問わずチュウをしている様です。

今、これを読んで下さっている、文字通り自閉症のお子様と戦いを繰り広げている親御様。
近い将来、そんな日は必ず来ます。

ですからどうか、楽観的になって、お子様を受け入れてあげて下さい。
もしも今、自傷や他傷行為があるのなら、笑顔で抱きしめてあげて下さい。
叱らないで、叩かないで、許して優しい言葉を掛けて、受け入れてあげて下さい。
頑張らないでください。それだけで、必ずお子様は良くなりますから。

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