羽生善治竜王でさえ、コンピュータに勝つ確率は0.1%に満たないと言われます。

―――筆者不明

製品版「将棋神 やねうら王」公式紹介ページ(2018年6月時点)より
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 二〇一四年に発売された製品版「ponanza」がバグ連発で頓挫(回収返金)したのに比べ、二〇一八年発売の「将棋神 やねうら王」は評判も良く順調に売れているらしい。
 発売直前の頃、私はパソコンで製品版の宣伝ページを覗いてみたのだが、いやはや驚いた。
 こんなことが書いてあったのだ。

 「現在、コンピュータ将棋は人間のトップ棋士をはるかに凌ぐ強さになっており、羽生善治竜王でさえ、コンピュータに勝つ確率は0.1%に満たないと言われます」

 「言っちゃいました!」といった感じ。
 忖度無し。
 勝率0.1%未満ということは、千局やっても一局勝てるかどうかということだ。
 プロ棋士側から見ると、「言って欲しくないことを何の躊躇もなく言われてしまったなあ」といったところだろう。

 まあこれも致し方ない。
 山本一成氏が「コンピュータ将棋は、もう名人相手でも100回やって100回勝つレベルです」と発言するのと同じことなんだから……。
 これも「時代」というものだ。

 私は当時そんなことを考えたわけだが、その半年後、久しぶりに同じページを訪問してみると、なんと、問題の部分がこうなっているではないか!

 「現在、コンピュータ将棋は人間のトップ棋士をはるかに凌ぐ強さになっており、トップ棋士が最新のコンピュータ上で動く将棋ソフトに勝つ確率は1%に満たないと言われています」

 製品版「将棋神 やねうら王」公式紹介ページ(2018年12月5日現在)

 「羽生善治」が「トップ棋士」に、「0.1%に満たない」が「1%に満たない」と書き換えられている。
 つまりこの数字は、ソフト側から見ると、発売後十倍弱くなったということ。

 うーん、これもメーカー側のプロ棋士への忖度なんですかねえ。
 作者の磯崎元洋氏に事の経緯を聞いてみたいものだ。