March 22, 2009

塗装ワークショップ in marutake international

阪口さんの複葉機の情景昨晩はIFVメンバー4人が私の狭い製作部屋に集まり、一緒にウェザリング塗装を楽しみました。

そのネタに、「できやん」福田君がカーロアルマートを持ってくるとのこと。それで私は、AM114号の住友さんのカーロアルマートL6/40の作例をコバンザメしようと思っておりました。住友さんは中京AFVの会には、福田君のと同じカールアルマートM13/40を展示されていたのですが、非常に雰囲気が良かったです。AM114号のL6/40の仕上げ方法は、おおむね中京のM13/40のを踏襲されているようで、その完成は良く似ています。

福田君のカーロアルマート。基本塗装を終えた状態しかし、福田君が持ってきたのは、やや青みがかったグリーン一色のM13/40でした。

「ナニこの色?こんなのあったの?」と尋ねると、アフリカ以前の本土とバルカン方面で見られた塗装だとのこと。
アフリカ塗装の住友さん作品をコバンザメするのは諦め、私のいつものウェザリング手法で塗装することにします。


グリーン単色のカーロアルマートに、最初こそ戸惑いましたが、よく見るとたいへん良い塗装です。

私が良いと思ったところ。
1. ラッカー塗料でしっかり塗装されていて、塗膜に十分な厚みがあって強い。これならどんなウォッシュにも耐える。

2. 塗装表面はほぼグロス仕上げで、ウォッシングに理想的な状態である。またデカールは完全に密着している。さすが普段はカーモデルを作ってる人だなぁと思う。

3. 一部に多少グレーっぽい部分があって、色調に多少の変化もある。こういう部分がもっとあっても良かったが、これから何とでもなる。

一方、私が「う〜ん」と思ったところは、

1. 色が暗い。多分、説明書の指定色と思われるが、私なら知らん顔してもっと明るいグリーンを塗ってしまう。これからウォッシュするとさらに暗くなるので、これはこの先配慮が必要。

これくらいでしょうか。福田君の持ってきたモデルは、ウェザリング塗装を始める前の理想的な状態でした。
そんなわけで早速、塗装を始めました。

***

ウォッシュ
ウォッシング
ウォッシュシリーズを使ったウォッシングは、ヤクトパンターの塗装で既に絶大な効果を確認している、いわば必勝法です。

グリーンがちょい暗いので、P222ニュートラルウォッシュを基本色として、ほぼ全体に施し、強すぎるグリーンの色調を落とします。これにより彩度は弱まりますが、全体の色調は明るくなる(グレーっぽくなる)はずです。

それでリベットなどのディティール部分は、P220ダークウォッシュを足し、かなり暗いこげ茶色にして、墨入れします。

それだけだと変化に乏しいので、エンジンデッキ周りにはP221ブラウンウォッシュを足して、茶色っぽくして変化をつけます。オイル汚れや錆の滲みなど、機械の近くという雰囲気を、何となく感じてもらえればいいんですけど。

そんなわけでバンバン塗っていきます。実際にウォッシュを塗っている時間は僅かなんです。

でも皆は私の作業を見て、けっこう雑で荒っぽいのに驚いたようでした。この時点では、それぞれの場所にそれぞれの色のウォッシュをしっかり載せることが大事で、はみ出し放題で大丈夫なのです。


ウォッシングを終えた状態ウォッシュを塗ったら、次に拭き取るわけですが、その前にちょっとだけ乾かします。
私は部屋のエアコンを動かして、その風でモデルを乾燥させてます。これがまたメチャクチャ早く乾くんですよ。私は暑がりなので、乾いたらエアコンを止めます。模型製作は冬がいいですね。

ちょっとだけ乾かす理由は、乾かさないと拭き取ったときに、ウォッシュ液が筆の方に吸い上げられてしまい、ディティールに残らないからです。ちょっと乾かすと、拭き取ったときに毛細管現象が起こらず、拭いていない箇所のウォッシュ液はディティールに残ります。

で、拭き取るわけですが、私は拭き取りにはキレイな筆を使っています。それに溶剤を含ませて、余分な部分のウォッシュ液を拭き取ります。ウォッシングは偶然できるものではなく、筆で結果を完全にコントロールしているのです。


ここでひとつ、私にとって驚きだったのは、皆さんこの拭き取りを綿棒でやっているそうなんですね。綿棒は耳掃除用であって、プラモの塗装に使ってちゃ勿体無いですよ。また綿くずがついて、それの掃除が大変でもあります。コントロールも筆ほど容易ではありません。

阪口さんのチャレンジャー2また皆さん汚れた筆を拭き取るのも、ティシューとかトイレットペーパーを使ってるんですね。私は股間に大穴が開くまではき古したズボンや、シャツ等の布切れを使っています。布の吸水力はたいへんに強く、薄い紙切れの比ではありません。紙資源を大切にするためにも、筆は布切れで拭くべきです。前はボロボロのぱんつとかも使っていたのですが、これはさすがに自分でも恥ずかしくなって、やめましたけど。

で、福田君と阪口さんに実際にやっていただきましたが、すぐにマスターしたようです。というかむしろ、お二人とも私よりも仕事が丁寧で、たいへん良い出来栄えでした。

***
AM誌に掲載されたアダムの38t戦車の作例は、チッピングの最高の教科書です。チッピング
細かいディティール部分にもう一度ウォッシングしたかったんですが、時間的な都合で省略して、次のチッピングに取り掛かりました。

私は殆どの場合、チッピングは油彩で行っています。チッピングはちょっと前までは錆だけ入れていたのですが、アダムやロベルトの作例を見ると、幾層かに重ねられた塗装レイヤーを再現するチッピングが、リアリティと見栄えの向上に効果を発揮しています。

チッピングと塗膜の関係これを真似るべく、塗装レイヤーに応じたチッピングの実演をします。

手順としては、塗膜の上の層から始めて、だんだん下の層のチッピングを入れていきます。

1. まず、Abt035バフとAbt050オリーブグリーンを混ぜて、明るめのグリーンを調色し、チッピングを入れていきます。けっこうたくさん入れたいのですが、時間の都合でサンプル程度にとどめました。

2. 続いて、基本塗装のグリーンが削れて、プライマーレッドが見えている部分のチッピングを、Abt120プライマーレッドで入れます。これは、先ほどの明るいグリーンのチッピングの中に入れます。明るいグリーンの全部には入れません。さまざまなバラエティを見せることが大切だからです。

3. 続いて、レッドプライマーの層も削れて、装甲板の鋼鉄が見えている部分のチッピングを、Abt070ダークラストとAbt090インダストリアルアースを混色して入れます。理論的には、レッドプライマーの中に入れることになりますが、インパクトによっては一気に全部のレイヤーを削ってしまうこともあり得るので、あまり気にしないで、傷がつきそうなところにどんどん入れていきます。

ただ、塗装色がわりと暗めのグリーンなので、暗い色のチッピングが目立ちません。その点、明るいグリーンやプライマーレッドに縁取られた部分はとても良く目立ちます。その辺は全体を見渡しながら、バランス感覚が要求されそうです。

チッピングはかなり時間がかかります。またやっている内に目が慣れてきて、バランス感覚を失いやすいので、私は一日で仕上げないようにしています。

ロベルトのヤクトパンターの排気管福田君は、マフラーの錆と塗膜の剥がれの表現に興味があるようで、これも実演します。
これはスポンジを使って行いました。やり方は簡単で、スポンジを細かくちぎって、ステップ3の油彩をちょんと付けて、マフラーにちょんちょんと付けます。福田君のカーロアルマートは、マフラーも基本塗装色のグリーンで塗装されているので、これだけで錆のチッピングがたくさん入って、グリーンの塗膜がめくれたように見えます。

ただ暗い錆色一色だけだと単調なので、もう一色明るいトーンのピグメント(P025スタンダードラストあたり)を、ごく少量ポンポンとまぶして粉状に浮いた錆を入れ、排気管出口に黒のピグメントでスス汚れをポンポンと付けると、もっと良くなります。これは油彩が乾いている方が好ましいので、宿題または次回の課題ですね。

***
福田君のカーロアルマートの塗装ステップフィルター
チッピングの油彩が乾くのには時間がかかるので、まぁ今日はこんなところかなと思っていたら、「フィルターはしないんですか?」とのリクエスト。私はフィルター塗装をウォッシングの前に行うことが多いので、ちょっと慌てました。

確かに、まだ塗装色が暗い気がしたので、フィルターで明るめに振るのもひとつの手だと考え、明るいグリーン(P244)と、タン(P242)、それに影用のブルー(P240)で、フィルターしてみました。

フィルターの手順は以下のとおり。

1. ボトルを良く振って、フィルター液を良く混ぜます。

2. 細筆に付けて、モデルにちょんと塗料を塗ります。筆をモデルの上で動かさないで、ちょんと載せるだけ。

3. 載せる場所は、概ね以下のとおり。
 グリーンはモデル側面と上面。特に広い面の中心部に置いて、周囲よりやや明るくするように配置します。これにより面の張りを強調する効果が期待できます。
 
 タンもグリーンと同様です。明るい色のバリエーションと考えます。上面には最後にピグメントのホコリのレイヤーが来るので、その下で微妙に色の差がある程度が望ましいです。逆にピグメントをかけるので、失敗してもこの段階では気にしません。あとで何とでもなります。

 ブルーは車体下部や奥まったところに、ちょんちょんと載せます。グリーンやタンよりは、控えめに。

4. フィルターはある色を配したら、それをブレンディングする前に、次の色を配置します。例えば、グリーンを置いたら、それをブレンディングする前に、今度はタンのボトルを良く振ってそれを配置し、次にブルーをちょんちょんと少なめに配置して、全部の色を置いてから、ブレンディングを行います。

5. ブレンディング。この際には、各色が混ざらないように注意します(混ざらないよう隙間が開く程度に、各色を配置します)。さまざまな色の変化が欲しいので、混ざった一色だけのフィルターになってしまうのは好ましくないのです。

阪口さんのチャレンジャー2フィルターセットはそれ専用だけあって、油彩をちょんちょん付けてるのに比べて、作業はとても早いです。でも油彩のチッピングが幾つか消えてしまったかも・・・。

いつもはこの後にウォッシングするので、強めにフィルターがかかっても気にしないのですが、今回はピグメントのかからない部分は、この状態で完成になるので、ブレンディングは慎重に行いました。物事には順序があるということですね。

***
この時点で既に日付が変わって随分たっており、本日はお開きとなりました。
駆け足の作業でしたが、ウェザリングの効果を実感してもらえる程度に、作業を進められて良かったです。またいろいろと質問を聞いていると、これまでどこが説明できていて、どこができていないのか、よく判りました。たいへん良い勉強になりました。

ちょっとティータイム今回は、阪口さんのチャレンジャーは余り塗れませんでした、すいません、また来て下さい。
また神田さん、お菓子有難うございました。家族で奪い合いながら食べております。奥様によろしくお伝えください。SHiGE


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この記事へのコメント
さかぐちです。昨日は遅くまでありがとうございました。
いろいろなテクニックを教えて頂いて模型製作が一段と楽しくなりました。
今日も零戦のコックピットとか作ってまして、
ウォッシングをやってみましたが、これは!エー感じじゃあないですか!
また遊んでくださいネ。




Posted by NAOQ at March 22, 2009 22:34
5
はい、バリバリ作っておられるようで、お話聞いてて気持ちいいですね〜。
阪口さんはもうウォッシングのエキスパートですよ。ウォッシュは入れるよりも、拭き取る方が大切だということが、よく判っていただけたと思います。要は放置しないで、自分で結果をコントロールする、そして気に入らなければ拭きとってやり直すということです。零戦を拝見できるのは次の例会でしょうか?たいへん楽しみにしております。あとチャレンジャー2も!
Posted by SHiGE at March 22, 2009 22:56