2009年05月13日
皆さんのご相談にお答えします:ケース9
今回は金利の種類についてのご相談です。普段もこの関連のご質問をよくいただきます。マイホーム購入を考えられている方の“悩みどころ”なのでしょう。
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民間ローンには「固定金利」と「変動金利」があり、どちらを選択するか迷っています。それぞれのメリットとデメリットを教えてください。
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「固定金利」は、完済までの金利がローンの契約時点で決まっているものです。住宅金融支援機構と民間金融機関との提携ローンである「フラット35」が固定金利ローンの代表的ローンです。
「固定金利」の一番のメリットは、金利が決まっているため金利上昇に伴う返済額の増額が無いという点でしょう。しかし、将来低金利になった場合は、変動金利型などに比べて金利が高くなってしまうことも。
「変動金利」は、一般的には年に2回金利が見直されるものです。見直し時に金利の変動があれば、その都度新しい金利が適用されますが、返済額は5年間変更しないというルールがあります。
また、5年後に返済額が変わる場合は、もとの返済額の1.25倍を超えないことが決められています。返済額が変わらないために、金利の動きに注意をしていないと仮に金利変化があっても気づかないこともあり、金利の上昇によって利息部分が大きくなり、元本部分が減ってしまうリスクもあります。
一般的に変動金利型の方が固定金利型に比べて金利が低いというメリットがあります。現在のように低金利が続くのであれば、変動金利の選択も悪くはありません。ただ今後はどうなるかはわかりませんので、固定金利と変動金利を上手に使い分けるという考え方も一案でしょう。
しかし、変動金利型のローンの場合、途中で一定期間金利が固定される「固定金利選択型ローン」への切り替えも可能ですので、金利や経済の動向、返済の残高などで随時検討してみるのはいかがでしょうか。
2009年05月08日
皆さんのご相談にお答えします:ケース8
今回は下記のご質問に対して、マイホーム購入までの大まかなステップについて書かせていただきます。
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マイホームを購入するまでの期間について質問させてください。検討し始めてから購入するまで、一般的にどのくらい時間がかかる(かけるべき)でしょうか?また、検討から購入までの流れがわかると嬉しいです。タイムテーブルのようなものがあればお願いします。
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住宅購入のステップは、住宅を購入したいと考えた時からスタートします。そこから住宅へかけられる予算や現在の貯蓄などと合わせて資金計画と、物件の予算を決めることになります。ここで、貯蓄によってはもしかしたら貯めるための時間が必要かも知れませんが、頭金をある程度用意できるのであれば、そこからどのような物件にするのかを探すことになります。
まずは具体的な条件を挙げつつ、その条件に合う物件を探すことになります。戸建ての場合は、土地と建物を探すことになりますので、家を建てるための土地探しからスタートさせます。
立地は重要な要素ですので、納得がいくまである程度の時間も必要かと思います。インターネットや、住宅雑誌や希望する沿線の不動産屋会社などで情報を集めることになり、条件の合う土地が見つかればここで土地を購入し、次ぎに建物を決めます。
こちらも、モデルルームなどで情報を集め希望に合うハウスメーカーを決めて見積もりを取り、並行して銀行に融資の相談をしていくら借りられるか、月々の返済額に無理はないか確認しましょう。
次ぎは不動産の売買契約を締結します。売主は所定の期日までに完成させて買主に引き渡す義務を、買主には支払いの義務が生じます。ここで買主は手付け金を支払いますが、自身の都合で契約を放棄する場合は、手付け金額の返還はされません。売主からの場合は手付け金の倍額が返還されることになります。
次のステップは、ローンを組む場合は融資を受ける銀行へ申込をすることになります。融資が決定したら、金銭消費貸借契約書を締結します。
建物が完成したら、契約代金の支払いをし、引き渡しとなります。その時に不動産の登記などの手続きもあります。
具体的にかかる時間はなかなか出しにくいところですが、土地探しに1年以上かけてゆっくりと探す方もいらっしゃると思います。多分ここが一番時間のかかるところだと思います。
また、間取りのプランなどにも時間をかけて検討される方も多いと思いますが、1ヵ月〜2ヵ月。工事から完成までですが、工法によっても違いはあるかと思いますが3、4ヵ月が目安でしょう。
2009年04月29日
皆さんのご相談にお答えします:ケース7
今回いただいたのは「財形住宅貯蓄」、いわゆる住宅財形についてのご相談です。
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知人から頭金を貯めるなら「財形住宅貯蓄」がいいと聞きました。なんでも非課税のものもあり、低金利なのだとか。財形住宅貯蓄について、申し込み方法や種類、メリットなどを教えてください。
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住宅を購入する際に「財形住宅貯蓄」(住宅財形)を利用される方は多いと思います。財形制度は、住宅財形の他にも特に用途を決めない「一般財形貯蓄」や老後のための「財形年金貯蓄」といったものもあります。「財形住宅貯蓄」は誰でも利用できるものではなく、まずはお勤めされている会社でその制度が導入されているかどうか調べる必要があります。もし無い場合は総務などで導入できないか掛け合う必要がありますが、たいていの場合企業側と取引金融機関での契約なので導入してくれることが多いでしょう。
「財形住宅貯蓄」を利用するためには、契約締結時に55歳未満の勤労者であること、事業主を通じて勤労者の賃金から天引きで預け入れをすること、5年以上の期間にわたって、定期的に積立を行うといった要件があります。
「財形貯蓄制度」のメリットの一つは、毎月天引きで積立をされるということでしょう。天引きはあらかじめお給料から積立分を引かれるということなので、途中で辞めることも、今月は苦しいからといった言い訳が通じません。
そして、一度に多額の現金を用意するのはなかなか難しいことですが、積立であれば時間を味方にすることによってまとまったお金を用意することができます。「家を買いたい!」といった目標を持ったならまずはこのような制度を利用すると頭金などが貯めやすくなります。
では、他のメリットを見てみましょう。「財形住宅貯蓄」はその名の通り、住宅貯蓄とついていますから、住宅を購入したいもしくは増改築したいといった用途に使う場合にメリットが出てきます。
積み立てた元金に対して利子が支払われますが、通常この利子に対して20%の税金が引かれます。しかし、住宅取得といった用途に使う場合は元本550万円までの利子に対する税金が非課税扱いとなるのです。ただし、用途以外にお金を払い出す場合は、5年間に遡って課税されることになります。
また、「財形住宅貯蓄」を行っている人は「財形住宅融資」という住宅ローンを利用することもできます。4月28日現在の金利は5年間固定金利で1.64%です。申し込む場合は、勤務先の福利厚生担当部署もしくは総務へ問い合わせてみると良いでしょう。
なお転職した場合は、退職後2年以内に転職先の事業主を通じて申し出ることによって、従前の契約を転職先で継続することができますので、転職したからと言ってはじめからやりなおしではないので、ご安心を。
効率よく積立をして、上手に制度を利用して、お得に住宅を取得しましょう。