2010年12月

年越しそば(マサ料理)

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 オレは麺類よりご飯が好きだ。3合炊いて一度に食っちゃう。
 ラーメンもそばもスパゲティも焼きそばも年に2~3回しか食わない。うどんは職場近くのうまいうどん屋が出前してくれるから10回は食う。
 こだわりのラーメン屋特集をTVでやっても全く食指が動かない。ラーメンについて熱く語る奴を理解できない。そばにウンチクを傾けるヒトもわからない。
 気取ったそば屋がネコの餌ほどの少量で1,200円も取るのは常軌を逸している。いくら技術が秀でていても材料はそばの実だろぅ。なかなか捕れない貴重なサカナじゃないぞ。
 それでも大晦日にはそばを食う。伝統あるしきたりは好きだ。
 生そば2袋6人前800g。地元の製造業者がスーパーに卸している。これをかために茹でるとうまい。
 原材料名を見ると小麦粉が一番上。そば粉より多いってことだ。そば粉は何%?
 「うまい」と言った手前バツが悪いが量産品だから仕方ない。

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 年に2~3回の6人前そば茹でのために“アカオしゅう酸あじ鍋”を買った。昔からよくある金色っぽいアレだ。
 あまりデカいと洗う時大変なのでスパゲティ(全長25cm)を横に入れられる26cm。天狗印枝豆1kgやブロッコリーなども茹でた。
 プラスチックの取っ手が付いているのに熱くて持てない。何のための断熱材だ。欠陥品だぜ。

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 超かた茹で。直径34cm青磁皿に山盛りだ。
 ツユ。いつもは昆布と煮干しでダシを摂るが今回はなぜか煮干しだけにしたかった。煮干しに主役を張らせたかった。昨晩から7尾を水に浸した。ミリンと醤油で甘めに仕上げる。
 薬味はネギ、ワサビ、七味、ゆず、とろろ芋。
 先ずは薬味を入れずそばの下半分をツユにつけズルズルッ。うまい。小麦粉が多いけどちゃんとそばの香りもする。かたさがイイ。煮干しだけのツユもうまい。甘辛加減がちょうどよかった。
 ネギとワサビ。いかにもこれが“そば”だ。
 ネギと七味。慣れ親しんだ安心の味。
 ゆず。香り高く爽やかだけど主張が強すぎてそばがかすむ。そばを主役と思わなければ、この香りに身を委ねるのも悪くない。
 とろろ芋。ネギとワサビも。濃いめのツユとトロロがからまったそばをずるずるガバガバ喰らう。歯触り、歯応え、とろみ、喉ごし、味わい。これが一番だ。
 3分の2ほどでハラ一杯。
 「ここで止めたらオトコが廃る」とお約束のセリフを吐き、食べ進む。
 終盤はお茶目にも薬味を全部入れてみた。
 メチャクチャになるかと思われたが、そうでもなかった。トロロが多すぎてツユが薄くなったのは良くない。
 6人前800gを13分で食べた。寒い。腹はパンパン。

 今年一年よく食ったぜ。鋭い味蕾と寛容な胃袋に感謝(2010.12.31)

餅つき(マサ料理)

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 食に対して妥協を許さないオレは餅も搗く。キカイだけど。
 実家では毎年12月30日に石臼&ぶっとい杵で本格的に搗いていた。
 蒸かして搗く前の餅米を食べるのが好きだった。大皿に二つ用意しひとつは塩、もう一つが醤油だ。
 先ずは塩。うまい 餅米の甘みを塩がおびき出してくれる。
 次に醤油。うまい 餅米の旨味を極限まで表現する。醤油はサイコーの調味料だ。
 塩、醤油、塩…。ビールを呑みながら蒸かしたての餅米をガンガン喰らう。 
 こうやって食えるのは3臼めだ。2臼しっかり搗いてからのご褒美なのだ。

 餅搗きは力が要る。
 薪で蒸かした餅米が石臼に入る。
 杵で捏ねる。超熱々のうちにグイグイ捏ねる。腰を入れて捏ねる。石臼に杵を圧し付けるように体重をかけるのだ。餅米から餅への橋渡しだ。
 捏ねで体力の半分を使う。掌にマメが出来る。
 あとは搗くだけ。
 太くて重たい杵だから持ち上げるのが大変。振り下ろす時は途中から力を抜き重みでドスンと餅米に打ち込む。餅米の底に石臼の凄みあるミディアムグレーの肌が見えるくらいじゃないとダメだ。
 一振り一振りに力を込める。手抜きは一切なしだ。
 打ち込みと合いの手を交互に行う。途中で餅全体をひっくり返す。ひたすら搗く。
 捏ねをしっかりやっておくと搗く回数が少なくて済む。先に苦労するか、後に苦労が来るか。
 夏休みの宿題をすぐやるかギリギリまでとって置くか、子供の頃のセイカクが如実に反映される。
 疲れた。腕も肩も胸も背中も腰も足もパンパンだ。OKを早く出してくれ。
 音を上げそうになった頃「はい、いいよ」嬉しいOKサインが出る。「疲れたろぅ、早く休んどくれ」
 餅つきは搗き手が主役のようだが、実は筋力と腰のバネと掌のマメを提供するマリオネットに過ぎない。こんな状況に身を置くのもまた一興だ。

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 凄い石臼&ぶっとい杵があるのは、俺が生まれる前、祖夫母が和菓子屋をやっていたからだ。毎日餅を搗いていたらしい。だから母も心得がある。
 餅が搗き終わると嬉しいからみ餅だ。
 大根おろしと醤油に搗きたての餅をちぎって入れる。大根の辛みでどんどん食べちゃう。堪らなくうまい。腹は布袋様のようだ。
 ビールの酔い、餅で一杯になった胃袋、使い果たした体力。お約束の爆睡だ。
 餅搗きはとっても大変だが、一年を締めくくる楽しみな伝統行事でもあった。

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 今は象印マイコンもちつき機“力もち”。
 すべて自動でやってくれるが空ける時くっついて難儀する。象印の技術者よ、サッと出来るように改良してくれ。
 前の晩、玄米の餅米1升を2回に分けて家庭用精米機で搗く。手を真っ赤に冷たくしてとぐ。台所は寒いからバランタイン30年で暖を取りながら。
 新米の場合、浸水時間は6~8時間だ。とぎ完了は02:30。明朝10:30に起きなきゃ。ヒマな休日は正午まで寝る俺にはキビシイ起床時間。キカイとはいえ前日から餅搗きは始まっているのだ。
 キカイでも巧く搗ける。だが空ける時、釜に張りついた奴を手で外すのが熱い。
 からみ餅を食う。うまい。ラーメンどんぶりにいっぱい。
 半分でハラ一杯になったが「ここで止めてはオトコが廃る」とばかりに全部食った。夕飯はビールと果物だけだ。容易に想像がつく。
 のし餅を切るのはある程度かたくなった翌日だ。ラップに包み冷蔵庫に入れておけばしばらく楽しめる。

 2月にもう1度搗く。するとおきまりのセリフが発せられる。
 「餅はもう飽きた!」
 毎年繰り返される微笑ましくもお馬鹿な光景。(2010.12.30)

ヤリイカ刺身(マサ料理)

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 「中トロとォ、バナナとォ、マヨとォ、ヤリイカとォ、カキ。豪華な食事ですね」
 「今日はばかに可愛いねぇ~仕草が」
 「やだ、いつもですよぉ~可愛いのは アハハハハハッ!」
 「わっはっはっはっ!」
 「大笑いして自爆しちゃいましたぁ~
 レジのネーチャンとの会話は楽しい。店では“呑んべえK”と賞賛される(恐れられる?)大酒飲みらしい。
 いつもの魚屋。ヤリイカがうまそうだ。1杯260円。どうしようか。
 「ヤリイカお買得ですよ~」ねぇさんが出てきた。
 「うまそうだね」
 「はい、うふふ
 「2杯ください」愛想を振りまかれると弱いボク。
 刺身売場の中トロ1柵に“傷もの”表示。
 「傷ものってどこがどうなの?」
 「ここにちょっと血が入ってるんでこの部分は生臭いんですよぉ。だからお安くなってます」
 「おぉ、それも個性のひとつだ。買いましょう」脂がグラデーションしてるうまそうな中とろを赤身の値段で買えた。
 「ありがとうございます~」ニコニコ愛想が良いとみんな美人に見える。

 米2合を水1.4合分で仕掛けた。南魚沼新米コシヒカリだからうんと水分を含んでいる。10月に収穫して12月いっぱいは新米と名乗っていいらしい。
 ワイドグリップのチンニング(懸垂)を6回。最近体重増で回数が減った。クランチ(シットアップのきつい奴)50回。
 息が上がったトコでキリンクラシックラガー中瓶。うまい。
 ヤリイカの胴と足の接合部を離し、スーッとワタもろとも引き抜く。エンペラを外す。皮が面白いように簡単に剥ける。新潟グレステン包丁でスッスッスッと斜め細切りの刺身にする。

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 つまみ食い。うまい。ねっとり甘いスルメイカと違い、爽やかな甘さがヤリイカの真骨頂だ。
 ゲソとエンペラはワタと一緒にサッと煮付け。酒、砂糖、醤油。軽い味わいがイケる。
 脂の乗ったメバチマグロ中とろはそぎ切り。つまみ食い。血のせいかちょっとクセがある。これがイイ。これは欠点ではなく個性なのだ。わずかな渋みを含んだ甘~い鮪。醤油もワサビもつけないと舌が研ぎ澄まされ、メバチの実力を120%感知する。
 個性といえばヒトもそうだ。みんなと違うと異端者として排除する。農耕民族は田植えや収穫を皆と一緒にやるから個性は害だ。横並びがイイとされる。
 狩猟民族はみんなと同じでは獲物が捕れないので個性を重んずる。
 日本でもそろそろ「変わったヒト=個性的なヒト」と受け入れるのが望ましい。皆と同じなんてつまんないぜ。

 メシが炊けた。先ずは生卵で軽く1杯。うまい。これはオードブル扱い。
 いよいよメイン。いつも3合食べるから、2合のご飯はどんぶりの中で寂しそうだ。
 しばらくヤリイカ刺身をご飯に載せて食い、心持ち凍っていた鮪がちょうど良くなってマグロを攻めた。
 紅白刺身は素晴らしかった。メシもオカズも堪能した。
 2杯520円のヤリイカがこんなにうまい。
 ちょっと大袈裟に言えば、約5千円の博多“河太郎”ヤリイカ活造りに匹敵するうまさ!?
 下の写真はその5千円モノ。(2010.12.25)

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銀座ほかけ ~銀座~ 8点

 32,000円 / 34貫、ビール、酒 / 2人

 生とり貝。
 香り、味とも良し。煮キリつき。
 二番手は真鯛。
 皮付きだ。熱湯をかけて皮を柔らかくし氷水で絞めたもの。皮ぎしが旨味、脂、歯応えがそろってオイチイ。身もプリプリと。
 ミル貝、アワビの塩蒸し、甘さを抑えた穴子などもなかなかだ。
 一番感心したのは鮨屋で初の高級魚星ガレイ
 ひと噛み目は柔らかさを感じ、二噛み目で確かな歯応えを感じる(?) 甘みもアリ。
 プリッとした真鯛とこの星ガレイが「ほかけ」の白眉。
 ところがタネの良さに較べ最重要項目の酢メシの存在感が弱い。メシの硬さは悪くないが味付けがいま一歩なのだ。
 それにオヤジの動作がせわしなく、鮨をつけ台に置く時ドンと出すし、ガチャガチャばたばたうるさい。
 お約束の“棄てジャリ”もイヤだ。
 レジのネーチャンはケバい。
 店の娘らしい。鮨屋には不似合いだがそこがまた逆説的でオツだ。
 ボクとしてはバッチリと化粧した女は大好きだ。 (1994.5)

肉じゃが(マサ料理)

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 こないだ10kg買ったキャベツで有名な群馬県嬬恋産じゃが芋(わせシロ)。
 早く食わなきゃ芽が出ちゃうぞ!そんな強迫観念に駆られていた。
 だが魚好きのオレはどうしても魚売場に足が向き、カキやマグロや鮭やカンパチやヒラマサやスズキやイワシやアジやサバやコチなどを食っていた。
 今日もカキ釜飯のつもりだった。お目当ての大粒カキがない。
 肉売場にオーストラリア産牛バラがあった。
 肉じゃがにしよう。芋が主役の肉じゃがだから国産和牛じゃなくてイイや。
 アメリカ牛は狂牛病の安全が確認されていない。
 だがアメリカの圧力に負けた日本政府が解禁した。日本国民の命よりアメリカさんが大事とみえる。占領下を彷彿させる出来事だ。だからUSビーフを使う牛丼の吉野家もキライだ。

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 超デカいじゃが芋10個、玉葱1個、肉385g。芋が食いたい肉じゃがだから肉も玉葱も少なめだ。
 肉じゃがはめったにやらない。ネットでみた水を使わないレシピをマネした。
 肉を炒め、大量の砂糖で甘みを肉に入れる。醤油、酒。味見。おっ、濃いめでイイぞ。肉を食う。かたい。やっぱり輸入牛はダメか。
 玉葱。さらに甘みが出た。ドバドバドバッとじゃが芋。沸騰したら中火で時々混ぜながら20分。芋も良い色になった。
 できた。大皿に全部盛りつける。食った。
 うまい。ウォーキングマシーンで室内歩きの後ビール中瓶2本1リットル。だから今は呑まない。ほっこりじゃが芋、柔らか玉葱、甘く味付けられ柔らかくなった肉。成功だ。
 水不使用のせいか濃厚さがイイ。本音を言えばやや濃い。メシのおかずならちょうど良いかも。

 歯を磨いて歯間ブラシを使ってもまだなお歯茎と舌に残る濃厚な味わい。
 食ってる時のうまさと濃すぎる後味。天秤に掛けたりせず両方を受け入れよう。それが心の広いオトコの行動だ。

 ~2枚目写真に図らずも入ったシルバラードのカタログ! 皿のでかさがわかるケータイとの対比!~
 (2010.12.23)

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 翌日、味が染みてサイコ~。

すし善 ~札幌~ 6点

  20,280円  / 30貫+ビール2本 /  2人

  マダイ、ヅケを食った。とってもうまく酢メシも秀でて、「9点以上だ!」と腹の中で叫んだ。煮キリもついてる。
  それも束の間。次が出てこない。
 板前ひとりで3組6人をさばくのは無理だ。力不足
 こんな時、間違えて役不足と言う奴がいる。恥ずかしい事だ。
 普段偉そうな事ばかり言って他人を批判している輩が「いやぁ~僕は役不足ですよ!」などと得意になって大声を上げている。聞いてるこっちが恥ずかしくなった。そんな馬鹿を知っている。
  そのうえこの板前は余分な仕事が多すぎる。
  ほとんどのタネに隠し包丁を入れるし、アサツキだ、おろしショウガだ、スダチだとみてくればかり気にしている。                           
 それを喜ぶ客がいる。そんなことしてるからノロいんだ。
  握りの大きさ握り具合は申し分なく、上と下のバランスもいいのに。
  中トロはうまかった。
  アナゴはダメ。ユズの香りがプンプン。アナゴの味だけで勝負できないのかッ!
  シンコの二枚づけも、〆が浅すぎてとぼけた生魚を食ってるよう。
  なにか判らなかった白身に、木の芽と白板昆布を載せたのは美味しい。
  もっと美味しいのは北寄貝。甘い。かぐわしくもある。
 さすが北海道!
  イクラの醤油漬、ウニ、シャケなどやはり地元のモノはかなりうまい。
  活ボタンエビも凄い。ピクピクしてるヤツに塩とスダチで。もう最高。
  若いショウガを目の前で冴えた包丁さばきは見事!
  重点項目の玉子焼、カンピョウ巻はさほどでもない。

  という訳で、うまいがのろい。ちょうど銀座の青木みたいだ。
 店の造り、鮨の感じは銀座久兵衛に似ているけれど … 。

  あんまりのろいから、ふわ~っと大あくびして「飽きてきた!」と言ってやった。
  板前が驚いていたっけ。(1994.7)

ポルシェ・カレラ(1994年型)

  シートを合わせ、ベルトをガチャンとはめ、ディープブルーのカレラを出す。
 空冷最後と言われる993型だ。3600cc、272馬力。
  17インチタイヤの硬さや、やかましいエンジン音など気にもとめず、暴力的な加速に身をまかす。
 カミソリのような鋭さだ。ティプトロニックだから右足ひとつで切れ味を存分に味わえる。
  前橋インターから下り線へ。                           
 いきなり凄いスピード。
 前の平凡なクルマ達が、頼みもしないのにヒョイヒョイと左へよける。
 ということは、今まで知っていながら退かなかったんだな。かわいそうなカマロちゃん。
  超高速から減速。前車に追いついたためだ。
 リアエンジンのせいでフロントが浮くのは止むを得ないか。
 “ポルシェは速い”概念の浸透で、高速でも一般道でも一目も二目も置かれ、気分の良いことこの上ない。
  内装をムラサキ色にし、野良猫がしっぽを踏まれたときのようなギャオン!という泣き声を撒き散らしながら、いよいよポルシェのマサ発進か!?

  仕事中、自分に都合のいい空想に耽り御満悦のマサさん。          
 そこへ1本の電話。不吉だ。
 「カマロ(1988年型)の査定ですが30万なんですよ。やはり11万km走っているのがネックになって。エンジンが心配ですから」
  ほぅ、そうかい。
  11万キロで心配っちゅうことはポルシェの耐久力が貧弱ってことだな。アメ車は全然平気だぜィ。
 今後どんなに大金を掴んでも、絶対に、絶対絶対にポルシェは買わん。       
 森田健作似の群馬ディーラーセールスマンIよ、ボクを怒らすと怒るんだぞ~!?(1994.3 30分)

すた丼(豚のせ飯) ~大宮~

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 600円?650円?忘れた / すた丼 / 1人

 夕方のTVで観た“すた丼”。
 大盛りどんぶり飯に強火でパッと焼いたニンニクの効いた豚バラに生卵。
 うまそうだ。
 ウォーキングマシーン30分。傾斜5度、時速4.1キロ。歩きながら観たらハラ減って余計うまそうだ。食いたい。
 だがそんな時、群馬在住の俺はすぐ食えない。田舎には店がないのだ。
 ついさっき“ぎょうざの満州”。ビールと餃子3人前。
  すぐ移動。時間が経って満腹中枢が「満腹だぞ!」と指令を出す前にすた丼だ。
 5日前に開店したばかりの大宮東口店。
 破竹の勢いで店舗展開しているらしい。急激すぎるが大丈夫か? 部外者ながら心配になる。
 14:00。カウンターだけの店。ほぼ満席。券売機。
 味噌汁だけぽつんと出た。食う。悪くない。本体に期待が出来る。生卵もポツン。
 すた丼が来た。
 でかい。メシが多い。肉の量は普通。ニンニクの香り。肉の真ん中を空けて生卵を載せる。
 先ずは肉だけ。しょっぱ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~い!
 次はご飯も一緒に。しょっぱっぱ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~い!
 そして卵をからめて。しょっぱっぱっぱ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~い!
 これ以上食えない。三口で終了。
 「凄いしょっぱいね!」ハタチの可愛いネーチャンに言う。
 「あ、ダメですか。申し訳ございません」
 「これ以上食えない!」
 「すいません」

 何が“伝説のすた丼”だ! とんでもないシロモノに呆れ果てた。
 入店してすぐ、カウンターの高い仕切りに疑念が生じていた。
 お約束の黒Tシャツ&バンダナ姿の調理担当。にわか職人らしき若者達は顔しか見えない。手元を見せる自信がないのだろう。見られて困る事をしているのかもしれない。キケンな食品添加物は不使用?
 ホール係も含め、こりゃぁシロート集団だ。店舗急拡大の弊害だ。
 「豚バラ薄切りをサッと炒めるだけだから楽勝だよ」などとシロートをアルバイト募集したに違いない。
 券売機のワケがわかった。不味いと怒って帰る客がいてもカネを取り損ねないためだ。
 本部は、とにかく経営拡大すればいいと思って怒濤のフランチャイズ展開なのだろう。この味じゃ破綻は目に見えている。
 料理をナメている。たかがドンブリと思っているのか? 大盛りにすればカネがなくハラを空かせた若人に受けると確信するのか? 勘違いも甚だしいぜ!
  昔ながらの食堂で、地道に安くてうまい丼物を作っている本当の職人に失礼だぞ。
 恥を知れ、恥を!

 呆れて席を立ったからか、いつも手ぶらのオレだからか、ルミネ2まで行って忘れ物に気がついた。カウンター下。
 大事な牛蒡チップスとラスク、ロフトで買った鼻毛カッターが入っている。1.5倍のスピードで引き返した。ゲット。
 そごう大宮店で崎陽軒特製シウマイ6個入り(650円)。いつ食ってもうまい。少しは気が納まった。
 くだらないチェーン店の蔓延(はびこ)る嘆かわしい現実。(2010.12.22)

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ぎょうざの満州(餃子) ~埼玉与野~

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 1,050円 / 餃子3人前630円、ビール420円 / 1人

 「王将餃子8人前48個1.2kgを10分で食ったぜ!」お約束のジマンが始まった。
 「満州もおいしいよォ~~~
 埼玉在住元AV女優M(31歳、公称23歳)が教えてくれた。
 小柄で美人で可愛いから24歳ならOKだ。アラン・ドロンと共演した往年の清純派美人女優ジャクリーヌ・ササール(!)を彷彿させる。「ジャクリ~ヌちゃーん」などと呼んで楽しんだ。
 彼女とは2年前に博多旅行した。
 食事に行っても呑みに行っても「可愛いわねぇ~」と仲居もママも惚れ惚れした。俺は鼻高々。立派に23歳で通っていた。「31歳ですぅ」正直に言うと皆一様に驚いた。その光景は楽しかった。
 その後疎遠になった。状況は変化する。それが世の常だ。
 それにしても8歳もサバを読むとは!女には勝てないぜ。

 埼玉を中心に展開する餃子チェーン“満州”。うまいと聞いて食わなきゃオトコが廃る。オレは喰い道楽なのだから。
 大宮で所用を済ます。
 与野は京浜東北線で2つめ。駅の近くに与野西口店はあった。小さい店だ。駐車場はない。徒歩だから関係ないか。
 13:20。客は9人。6人掛けテーブルに老夫婦。相席だ。カウンターはない。
 “2010.8.1より終日禁煙になりました”の貼紙は嬉しい。きれいな空気で食わせよう、との姿勢がイイ。
 「焼き餃子3人前とビール、キリンはありますか」
 「アサヒなんですよ」
 「はい、じゃそれを」
 8人前食うヒトが3人前とはジミだ。ドバッと5~6人前イキたいがこの後“すた丼”が控えている。食べたいモノはいくつもあるけど胃袋はひとつしかないのだ。
  つまんなそうな顔で調理する若い男1人と、慣れないせいか動きが大きすぎてぎこちないホールと洗い場のパート中年女性3人。一抹の不安がよぎる。
 変な香りのする不味いアサヒスーパードライを飲み終えた。ビールには違いないから仕方ない。
 餃子登場。
 焼き色不均一(外側茶色、内側白)だが、焼き面に油っこさが見えない。18個すべてが同じに焼けているのはイイ。何もつけずガブリ。
 うまい! ジュワッと汁。パンチのある味。ニンニクが効いている。肉の旨味も強い。皮はやや厚め。焼き方が素晴らしい。油をまったく感じさせずパリッとサクッと。
 良いところは絶賛するが悪ければコキおろす俺。満州はケチのつけようがない。
 酢醤油ラー油をちょっとつけてもまたイケる。あっという間に胃に収まった。

 レジは調理の兄ちゃん。
 「ありがとうございます」
 「おいしかったです。汁がジュワッと出てパンチのある味だね
 ニンニクが効いてうまいぞ、と言いたかった。
 「はい、ニンニクを控えてます」Oh!ニコニコしてる。笑わない奴かと思ったのに。
 ニンニクについては見解の相違だ。
 「焼き面が全然油を感じないでパリッとうまいよ
 「ありがとうございます。3人前なのに早かったですね。熱くないですか」
 「オレは食うの早いんだよ、熱かった~、口の中火傷」
 「はははははっ」顔中で笑っている。第一印象とは別の奴かと思ったぜ。
 初対面のヒトを楽しませるのがオレの魅力でもあるけれど。
 「満州は初めて来たけどうまかった。また来ます」
 「ありがとうございました~」

 今度は6人前だ!そんな構想を抱きつつ与野駅に向かった。(2010.12.22)

バランタイン30年(スコッチ)

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 ピ~ッとシールを剥がす。力を込めてキャップをひねる。
 封じ込められたバランタイン30年は、放たれた。

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 トクトクトク。各務クリスタル・ストレートグラスに30年を満たす。濃い琥珀色。
 鼻に近づける。香る。華やかであり重厚でもある。
 唇にそっと触れ、舌に乗せる。重厚だが重くない。ふわっとするがドッシリしている。
 ハタチのきらびやかさと四十女の妖艶が遭遇し邂逅した。
 舌の上でしばらく弄ぶ。もてあそんだつもりが逆に舌が愛撫されていた。
 誰にも負けない女っぷりだ。
 バランタイン17年と21年との、13年と9年の歳の差。
 オレの味蕾は130年と90年に感じた。これはスコッチの極め付きだ。
 正規輸入なら88,000円。平行モノだから24,750円。素晴らしく価値あるモノだ。
 グラス1杯の終盤にはかぐわしさが極限に達し、舌触りは目の詰まった最高級のベルベットになった。
 いつまでもいつまでも余韻は消えない。
 これを味わった以上、他は受け付けないカラダになってしまうのか!?

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 明日のために準備した新潟三越購入黒ダブル・ミスタージュンコ・ペンシルストライプ背広、大丸東京店で誂えた水色に白ストライプ・クレリック・タブカラー・ダブルカフスシャツ、お茶の水駅近くの電気店バーゲンで買った深海ブルーのミッソーニ・ネクタイに移り香しないかと、危惧の念を抱いた。
 これほど素晴らしい呑み物を他に知らない。
 グラスを洗うのも、歯を磨くのも躊躇われた。(2010.12.20)

バランタイン21年、17年(スコッチ)

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 スコッチはうまい。
 封を切った瞬間、部屋を駆け巡る素晴らしい芳香。
 トクトクトクと琴線に触れる囁き。
 各務クリスタルのストレートグラス(40cc)を満たす。
 20年くらい前に呑んだバランタイン30年。定価8万が2万。
 最高のブランデーを凌駕するあり得ないほどの芳香。最後の1滴までボトルを逆さにして名残を惜しんだ。
 終わっても、キャップを開けたままにした。帰宅すると、素晴らしい香りに包まれた。
 何度か呑んだ17年。バランスが取れ、いつまでも続く余韻。
 ニューフェイスのバランタイン21年を買った。8千円くらい。
 21年のクセにヘンにピリッとくる。良い印象ではなかった。
 「歴史ある17年の方が21年よりうまいぞ!」とカクニンするため17年を買った。8,800円。さっそく呑んだ。
 「アレッ、こんなモンだったかな?」それでも香りは素晴らしい。
 おっ、21年のボトルに5mmくらい残ってるぞ。17年と較べよう。
 17年を呑んだばかりのグラスをエリエールふ・わ・りで拭いて香りを排除。
 21年を注いだ。香りがしない。やはり21年はダメか。呑んだ。
  「うまい!」舌に触れた瞬間のピリッは良くないが、重厚であり厚みがある(!?)。悪くないぞ。イイぞ。21年の方がうまいかも。

 その時の体調、直前に食べたモノ、喉の渇き、部屋の温度、気の持ち様…色んな要素でうまさは変わる。
 今度は定価8万円、並行輸入モノで24,750円のバランタイン30年を呑むぞ。2度目の30年。ボーナスが出たら“清水の舞台から飛び降りる覚悟”で購入だ。
 俺はそう決心した。
 遊びに行けば70~80分で使っちゃうのに、よく言うぜ!(2010.11.21)

住吉丸(牡蠣小屋) ~福岡県糸島市加布里~

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 2,300円 / カキ大1kg900円、中1kg800円、缶ビール300円、炭300円 / 1人

 「加布里駅から歩いたら疲れたよ」
 「ふふ」
 ノリの悪いオンナだ。見たトコ少し色っぽい28歳(?)なのに残念。もっとお話したかった。キリンビールを注文。
 「カキはどういたしますか?」
 「1kgは何個くらい?」
 「大で12~13個、中が17~18個です」
 「じゃ大中1kgずつ」
 カキ小屋とは、養殖場近くのビニールハウス。獲れたて殻付きカキをその場で焼いて食う。こりゃ素晴らしい。産地ならではだ。TVで観た。
 どうしても行きたい。一年越しの念願だ。期待して臨んだ。
 一緒に行く福岡の知人女性がドタキャン。アシがなくなった。ひとりでも行くぞ。天神から電車で35分。
 信じられないくらい小さな加布里駅。徒歩20分。
 角を曲がるとむせかえるような海の匂い。群馬にはない風景だ。
 先ず平らな方を下に30秒。返して3~4分でブクブクしたら食べ時。インターネットで知っていたが訊いてみた。
 「焼き方は?」
 「平らな方を下にしてください」
 それだけ?

 思ったより時間を喰う。いきなり1個が口を開いた。
 軍手をハメた左手で取り、ヘラを右手に持ってテコの原理で開けた。
 オォ!ぷりっとした乳白色のカキが俺に向かってプリプリと愛想を振りまいているではないか。
 ガブリ。
 「しょっぱい!」塩の壺にズブリと舌を突っ込んだようだ。海水を一杯含んでいた。カキは生暖かい。生焼けだ。
 2個目。丁度良い焼き具合。「うまい」って程度。「うまい!!」とはならない。
 3個目。焼きすぎ。汁はなく干からびている。
 この三様の繰り返し。
 口を開けずにじゅぶじゅぶ沸騰する奴がいる。口は堅くヘラが入らない。また網に載せる。
 別のカキが沸騰。試しにヘラをちょうつがいの方に突き立ててみた。おぉ!ぐさっと入った。その時、熱い汁が軍手の指先に染みた。熱っちぃ~!
 2kg30個。その間20分。客はゼロ。帰る11:20に男2人が来た。

 炭火焼きといっても真ん中に穴が開いた“なんちゃって炭”。これならガスと変わらない。
 向こうで炭を熾す店のオバサンが灰を黄砂の如く飛ばしてくる。俺の黒いセーターに降り注ぐ。
 ネーチャンはヘラの使い方も教えてくれない。全くの期待ハズレ。二度と行くことはないだろう。
 結論:自分で揚げたカキフライの方がうまい! (2010.1.22)

ベンツE55AMGステーションワゴン(2004年型)

  壊れたクリスマス・イルミネーションと見紛うほど激しくパッシングライトをぴかぴかパカパカ光らせ、やっとのことでトロいクルマを蹴散らすと、ベンツのマサ(?)はグサッとアクセルペダルを床まで踏みつけた。
 走行距離1,928kmの新車に鞭を入れる。(10:25)
  ゴボゴボゴボ、ズズズズズズ、ガガガガガガ。激しいエグゾーストノートをまき散らし、E55AMGはぐいぐいスピードを上げ始めた。
 メーターはなんと320キロまで刻んである。リミッターが250で作動するクセにそりゃぁ虚仮威し(こけおどし)だ。

 「E55ステーションワゴンが試乗できますよ。味わってもらいたくて電話しました」
 「おぅ、どうもありがとう。」(一昨日20:16の通話記録)
 ヤナセのH氏はいい人だ(!?)
 “ヤナセの本上まなみ”Tさんサービスのコーヒーを飲み、E55の上質な革張りバケットシートに収まる。位置がピッタリ。AMGよ、キミはオレを待っていたのかい?(10:10)

 「凄いスピード出たぜッ!」無反応なH氏。気絶?
 (後に助手席のオンナ曰く「車窓を眺める顔は放心状態だったよ」)
 前方を見たくないのか? 試乗車でうんとスピード出すヒトは嫌いなのか?(10:26)
 「こんな凄いクルマに乗って一生の思い出になったよ」試しに言ってみた。
 「よく言いますよ!」ますます嫌われたようだ。
  ガッシリしたサスペンションなのに乗り心地は悪くない。ハンドルも重すぎず頼り甲斐あるも超高速域では緊張した。超高速の加速もイマイチ。
 今度はクワトロシステムのアウディRS6(450馬力)を味わいたい。伯楽の欲望は無尽蔵だなぁ~。
 “抜け殻”になったH氏を後席に乗せたままヤナセに帰り着く。(10.30)

 「お茶でも如何ですか」
 「Eクラスセダンのカタログもらって帰るよ」
  ほっとした様子のH氏。
 カタログを取りに足をガクガクさせて階段を上る疲れ切った後ろ姿は哀愁にあふれ、「暴れん坊マサ将軍なんかを476馬力AMGに乗せるんじゃなかった、朝イチからこれじゃぁ疲れるぜ」との後悔の念が全身から激しく噴霧していた。
 次のお誘いが危ぶまれる。  (2004.3  20分)

カキフライ(マサ料理)

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 冬の王者カキ。待ちに待ったシーズン到来だ。
 12月中旬に初カキフライ。いつもは11月。今年は精米機トラブルが勃発し、新米を愛でる時季が遅れた。そのあおりを喰ってカキとの遭遇が今日になったのだ。
 大粒8個入りが売り切れ。広島産でかい円盤形1kg入り1,580円にした。37個。大粒8個を4パック揚げる俺にはやや多い。
 料理を始める前にキリンクラシックラガー中瓶。うまい。

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 カキをザルに空け、塩をまわし、優しく水洗い。俎板に載せたキッチンペーパーにカキを置き、グルグルッと巻いて水分を取る。
 1個1個小麦粉をまんべんなく付け皿に載せる。全部付け終わったら、泡立て器で白身を切ってよ~く混ぜた卵4個をくぐらせ、1袋全部をボウルに空けたパン粉を優しく強くまとわせる。
 4割ほどサラダ油を入れた直径33cm砲金鍋にパン粉をパラリ。高温を確認し、いよいよ投入。
 じゃじゃじゃじゃじゃ~。
 カキが「気持ちいい~」って言ってる声だ。1個ずつでは間に合わず、途中から2個入れ。
 投入完了と共に最初のヤツはもう色付いている。色気付いた奴から菜箸でどんどん油の海から救出する。
 「熱かったろぅ~すぐ食ってやるからな」と慰める。終盤は菜箸では間に合わず、カス取りで複数ずつ引き揚げる。
 カキはすぐ揚がる。まだかなり早いと思う段階でちょうど良い。

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 ソースは7種類。伯方の塩、ブルドックウスターソース、カントリーハーベスト中濃ソース、ブルとんかつ、酢醤油、ハインツケチャップ、キューピーマヨネーズ。芥子はS&B粉からしを5分前にかいて伏せておいた。

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 2本目のビール。油と対峙した後はうまい。
 先ずは何も付けずにガブリ。うまい。でもちょっとエグい。
 塩。カキの甘みをおびき出した。
 練り芥子。つ~んときてカキを研ぎ澄まされたシロモノに変える。
 酢醤油。ソースの後にサッパリいく予定が先につけちゃった。この酸味がステキだ。カキの旨味をやや弱めるが、とってもうまい。
 ウスター。辛めがイイ。フライにはやはりソースだ。これぞカキフライの醍醐味。
 中濃。様々な野菜や香辛料が素晴らしいオーケストラを奏でるカントリーハーベスト中濃ソース。甘辛加減もちょうど良い。カキの男前(女っぷり)をアップさせる。
 とんかつ。甘過ぎ。ブルドックソースは味がくどい。
 ケチャップ。予想に反してなかなか良いぞ。
 マヨネーズ。少ししかなかった。まろやかで食べ応えアリ。
 本日一番のお気に入りは酢醤油。意外だった。酸っぱい味を欲していたのか?
 32個食べた。5個残った。腹一杯。
 完璧な味じゃなかった。
 夏が暑すぎカキの成育に影響したか? 37個も揚げて「凄い量だぁ~」と思ったためか? 実は甘塩鮭でご飯を食いたかったからか? 昨シーズン319個も食った余波か?

 「カキフライ、今シーズンこれで打ち止め!」そう宣言しそうなワタシ。(2010.12.15)

トニー・ラマ(ウエスタンブーツ)

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 ウエスタンブーツでキャデラックを降りるの図、4態。

 立っている時は分からないが椅子に掛けると派手な筒の部分が顔を出す。コントラストがイイ。普通の靴かと思っているから皆「おっ」と驚く。
 ウエスタンブーツを背広に合わせるのがマサ流だ。
 ホントはアメリカ映画のマネをした。マフィアの若きリーダーがライトグレーのスーツに黒のカウボーイブーツ。
 これを履いた日はパッとズボンをずり上げてお茶目にジマンする。
 「カッコイイでしょ」
 反応は色々だ。
 「すっご~い!」目を輝かせて喜んでくれるヒト。
 「カッコイイですね」冷静に一応褒めてくれる人。
 「あはははははっ!」顔中で笑う元気っ子。
 「アタシゎウエスタンブーツ好きなんですよォ~」可愛いこと言ってくれるぜ。サービス精神旺盛なコだ。小さい「ゎ」がイイねぇ~好きだぜ
 「暖かそうですね」
 これが一番多い ウエスタンブーツは防寒用じゃなくカッコつけるため。ガッカリだ。 
 「リッター何キロですか?」俺の404馬力コルベットに対するのと同レベルな質問。燃費を気にするなら6000ccのスポーツカーは乗らないぜ。訊くべきはスピードだ。
 ウエスタンブーツは底も革だから雨や雪の日は履かない。ごっついブーツなのに取り扱いは腫れ物に触るようだ。やり過ぎの感もある。

 写真左。20年前アメ横で買った初めてのウエスタンブーツ。甲は全てリザード(トカゲ革)の黒。
 ピッタリだから履く時はいいが脱ぐのに1分かかる。某所を訪問した時は「引っ張ってくれ」と頼む。足が膨張し、当たって痛いこともある。
 2枚目。ベージュと茶色が鮮やか。
 つま先だけトカゲ。筒も甲も柔らかい。濃い紫スーツと合わせる。色に惚れたのでちょっと大きいケド(!)買った。アメ横。中敷は必須だ。
 3番目。一番のお気に入り。ミディアムグレー&黒コンビ。
 ネットでみて一目惚れ。居ても立っても居られなくなった。これもつま先がトカゲだ。グレーの色合いが何とも言えずステキ。大きさもちょうどイイ。良か買い物ばしたばい(!)
 最後の写真。最初と同じ黒。
 きれいな手と金張り時計は“友情出演”。フランス製クリスチャン・ベルナールだ。

 今日、2シーズンぶりにグレー&黒コンビを履いてキャデラックに乗った。
 久々のせいか加速しようとしてアクセルペダルからブーツか滑った。ブレーキペダルとの間に落ちた。アブナイ。
 究極の走りをするコルベットには履かない。足を投げ出す低い着座姿勢のため足首の動きが悪くなるからだ。

 初冬。新しいのが猛烈に欲しくなる。
 「でもブーツに6万も7万も出すのはちょっとなァ~」とトーンダウンし春を迎える。それでいいのだ。
 「今年も買わずに済んだ」ホッとする春。
 夏と秋はトニー・ラマの存在すら忘れる。
 初冬にぶり返す購買意欲。
 17,640円のルーデルを買って気軽に履くか。それも一興だ。安いが本格手作りのメキシコ製。価格に惚れた。
 懲りないヒトだねぇ~。(2010.12.16)

 バランタイン17年(うまいスコッチ)の酔いも手伝ってルーデルを今発注した。(2010.12.17 深夜01:47)

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 番外編。クロコ型押しフープ・ディ・ドゥとんがり靴でキャディを降りるの図。

ベンツS55L AMG(2003年型)

  500馬力。トルク71.4。
  スピード狂ならゴックンゴックン飲んでも生唾が際限なくあふれる数値だ。
  ところが意外に遅い。超高速での加速が鈍いのだ。
 ライオンが縞馬に暴力を振るうような物凄い加速を期待したオレは、完全に肩透かしを食らった。
 「青木さん、明日明後日お忙しいですか?」ヤナセのH氏に別件で電話をしたらS55L試乗のお誘いだ。
 ベンツジャパンから土日の2日間リースして客に乗せるらしい。良い企画だぜ。
 こんなチャンスは滅多にない。どうしようかなァ~と逡巡するとチャンスは逃げていく。

 試食(!)会場は関越道前橋渋川間。
 前が空くと間髪を入れずフルスロットル。低速での加速はさすがに凄い。隣のヒト(ヤナセ営業H氏)は不安げな様子だ。ちょろりと追越車線に迷い込んだ哀れな仔羊には容赦なくパッシングとクラクションを浴びせる。
 「キミ達は王者AMGの前に出てはいけないのだ!」
  最初はステキと思っていた勇ましい排気音も、時間と共にこもってうるさく感じる。
 前245-45-18、後265-40-18のハデなタイヤにAMGスポーツサスペンション装着にしては、乗り心地が良い。しかも横綱のようにドッシリとしている。
 ハンドルもしっかりして重くはなく良く切れる。アクセルは渋い。
 超高速パニックブレーキングも楽々受けつけるAMG強化ブレーキシステムは、ガッシリしたボディと相まって強い安心感をもたらす。
 でも、宝くじに当たってもS55L AMGに17,100千円使うことはきっとないだろう。
 ティラノザウルスが草食恐竜に襲いかかる大迫力がなければ、500馬力の価値はないと思うからだ。
 心残りは、とろいクルマやチョロチョロしたクルマのせいでそこそこのスピードしか出せなかったこと。

  次はS600を食べたいよHちゃん!  (2003.9)

新・竹乃家(元割烹の昼メシ) ~群馬県中之条~

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 2010年10月25日に閉館した“割烹竹乃家”。200年の伝統を誇る老舗だった。大女将の寂しそうな顔が今も目に浮かぶ。
 「新店舗はいつ開店?」若女将に訊いた。
 「11月上旬です」上旬じゃわからないぜ、ハッキリしてくれ。俺は中之条町の住人じゃないから新聞折込で知ることはできない。
 11月10日に開店したらしい。
 週に5日、4年以上通った。
 夢のコラボと称してヒレカツをオカズにソースカツ丼を食い、お馬鹿コラボと題してエビフライをオカズにエビフライ定食を食べ、丼ツユの具合や絶妙な揚げ加減やキリリと炊けた瑞々しいご飯や香り高い味噌汁を絶賛し、丼ツユの味や乖離した衣や肉の火入れ不足や軟らかいご飯やぬるい味噌汁を指摘した“№1常連”のオレ。
 開店前日に電話で知らせてくれるのがスジだろう。

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 “ごはんや”という看板。こういうノリは大嫌いだ。
 いかにもバンダナをつけた色黒でガタイのいい勘違いあんちゃんが調理していそうだ。
 「私もこういうセンスは嫌いです。シェフの気まぐれサラダとか出てきそうですね。気を入れないのなら自分で作る方がイイ」知人モータリングライターは言った。
 創作料理ってのも嫌いだ。料理の基本をないがしろにし、“創作”の名の元にテキトーな料理を平気で出しそうだ。あっ、竹乃家には関係なかった。ゴメン!
 割烹の昼メシ。これが好きだった。
 伝統ある老舗割烹で気軽にどんぶりや定食の昼メシを喰らう。広い玄関を入ると大女将が遠くの方で「いらっしゃいませ~」と迎えてくれる。鷹揚な雰囲気がステキだった。もう一つ扉を通り席に着く。老舗割烹ゆえの完璧なダシがすべてを物語っていた。
 それがただの食堂になるとは予想だにしなかった。割烹竹乃家はこの先何十年も続くと思っていた。

 初訪店は約4週間後の12月6日。行く気がしなかった。上記3つの理由からだ。
 想像通り居心地の悪い店だった。
 サイコーにうまいとり丼、まぁうまい親子丼、なかなかうまいオムライスがメニューから消えた。鶏を排除したってコトだ。
 これまで以上にソースカツ丼を前面に押し出し豚一本でやるつもりだろう。以前はなかった“当店名物”の枕詞が入った。
 狭い店内にBGMはFM群馬。カツ丼やとんかつ定食にジャズや軽妙な歌。駅のそばだから観光客狙いか? それとも若人への迎合か?
 4席だけのカウンターの前面に立ちはだかる壁には極小ミニカーが何十個と飾られる。もっとシンプルにしてくれ。

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 久々ソースカツ丼。楽しみにしていた。
 ヒレカツ3枚のうち1枚がヘンな形。端が異様に厚い。
 ガブリッ。あっ、真っ赤。完璧なナマだ。もちろん残した。
 近くの小上がりには背広をだらしなく着たオッサンがひとり。
 「ぐちゃっ、ぐちゃっ、チャッ、チャッ」と気持ち悪い異音を発しながら汚らしくカツカレーを食っている。超ゆっくりだ。おぞましい。耳栓が欲しい。彼の妻は下品な食い方を注意しないのだろうか?
 サラリとしたBGMとグチャグチャ食い。言いようのないコントラスト。

 価格も上がった。エビフライ定食1,500円(旧価格1,100円)、大きなとんかつ定食1,500円(1,100円)、ヒレカツ定食1,300円(1,100円)、天丼1,000円(780円)、ソースカツ丼700円(630円)等。
 大盛りサービスは廃止され、+100円と平凡になった。
 全席禁煙の継続はホッとした。

 あれほど御執心だった竹乃家。すべてに落胆した。今後行く気になれるかわからない。
 ヒトの気持ちは変わるんだなぁ~。
 どうしても“ごはんや”は許容できない。(2010.12.6)

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 2度目。
 外の“ごはんや”看板撮影と、ソースカツ丼枕詞が「当店自慢」か「当店名物」のカクニンに。
 唯一の新メニュー「(5食限定)和風ハンバーグ定食」
 初めての竹乃家挽肉料理だ。期待した。
 軽い食感の小さいハンバーグは挽肉料理の醍醐味が欠如。薄味だ。
 味噌汁も薄く、ダシも味噌も香らない。熱すぎて残した。一時モデルチェンジした広い器の味噌汁はすぐ冷めて指摘した。元の熱々器に戻った。
 暖房も効きすぎだ。こうなると何にでも文句をつけたくなる。人間の悲しいサガだ。

 初回ほど居心地は悪くなかった。だが看板撮影と枕詞カクニンという懸案事項をやり遂げたから、しばらくイイや。
 (2010.12.10)

ヒラマサ刺身(マサ料理)

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 新米のオカズに刺身だ。
 今年の新米にはメバチマグロ、カンパチ、カツヲ、目鯛、イワシ、スズキをやった。今日は何があるだろぅ~。馴染みの魚屋を訪れるのは楽しみだ。
  刺身売場。ほぅ、いつものメバチ赤身と中トロ、ホタテ、アトランティックサーモン、大量の目鯛。
 新顔が居た。ヒラマサだ。俺はニューフェイスが好きだ 
 カンパチにはよく遭遇するが魚屋でヒラマサは初めて。
 2パックだけ。ひとつは小さい腹側、もう一つがでかい背側だ。
 マグロも食いたいから小さい方。マグロ赤身も小さい柵を買う。共に200gちょっと。
 ヒラマサは天然生、メバチマグロは天然解凍。

 魚の目(スジの入り方)を見てグレステン包丁をス~ッと使う。そぎ切り。見事な包丁さばきだ。
 よくTVの食べ歩き番組で、刺身を引くのに包丁を往復させる奴がいる。ホントにプロかと心配するぜ。
 キリリと美味しく炊けた南魚沼産100%コシヒカリ。
 新米だからコメ3合に対し水は2.2合分だ。水分をたっぷり含んだサイコーのコシヒカリだからそれ以上はダメ。
 ヒラマサにわさび醤油をちょっとつける。熱々ご飯に載せる。素速く箸をご飯に差し込み間髪を入れず口へポン。
 「うまい!」わめく。
  脂少なめ旨味強い。歯触り最適。カンパチよりバランスの取れた味わい。これは素晴らしい。
 ヒラマサを5枚食ってからメバチ赤身。
 いつもは主役のマグロが今日は脇役に回った。
 それでも不平を言うことなく立派に脇役を演じた。惚れ直したぜ、マグロさんよ!
 「うまいウマイ」と言いながらどんどん食べる。
 途中で「腹一杯だぁ~」とならず、一直線にご飯3合と刺身400gを食べきった。

 傾斜5度時速4.1キロ30分のウォーキング、熱い風呂、冷たいビール、大きな食事、甘いリンゴ(群馬名月)により、数十分爆睡した。
 目覚めた時のけだるさは、ヒマな休日を象徴するかの如くなんとも心地よいものだった。(2010.11.23)

キッチン・ブルドック(洋食) ~大井町~

012013

 2,180円 / メンチカツ、オムライス、ビール / 1人

 汚いデカ盛り店として一世を風靡しているブルドック。
 驚くほど汚くはなかった。デカ盛りは凄い。
 YGM東京支店でコルベットZR1を試乗。超弩級647馬力の後はデカ盛りメシが相応しい。
 土曜12:20。行列してたら止めよう。路地に入った。「!」店の前に1人も居ない。帰りの12:40は外に2人。
 ガクンガクンと自動ドアが開く。
 「イラシャイマセェ~~~!」「ド~ゾ~」
 カウンターとテーブルは満席だ。2階?
 「ひとりです」
 「ド~ゾ~~」カウンターがひとつ空いていた。
 「メンチカツ単品とオムライスとビール」
 「ハイ。ビールハ、サッポロト、キリンガアリマスガ」
 「キリン」
 小皿に塩がうんと利いたきゅうりの塩もみ。
 どん!とキリンラガーが出た。大瓶だ。グラスは温かいがビールは冷えている。

 「オムライス出来たよ~早いトコから出してェ~」オヤジの声に「ハ~~~イ!」中国人のネーチャン達は皆元気一杯だ。
 おっ、なんとオレに持って来た。入店からまだ5分だ。
 ビール → メンチカツ → オムライスの順がベスト。メシを食う際のこんな最低の常識さえ忙しい店では通用しないというのか!?
 でかい。円盤形だ。ケチャップでハートマーク。さらに端にケチャップ。これが普通盛りなら大盛りはコワイ。
 うまい。熱々。卵は所々とろとろ。
 炒飯はパラパラがいいがチキンライスはこのようにグチャッとしてるのが好きだ。味の濃さもちょうど良い。大きめの鶏ムネ肉、マッシュルーム。ご飯は2合ある。
 “味の素”っぽい味がする。食べ進むとより強く感じる。かなり腹一杯。あと3口。

 その時メンチカツ登場。でかい。食べきれるかビミョー。
 右端から。衣がバリバリにかたい。揚げすぎだ。あまりうまくない。
 2切れ目。おっ、厚みがあり肉汁たっぷり。塩加減も良い。うまいぞ。2切れ食べ終わった段階で成功を確信した。
 “味の素”っぽい味がする。塩のきつい塩揉みキュウリが良いアクセント。二口食っては塩キュウリで舌を蘇らせ、またメンチに臨む。
 ついに食べきった。キャベツは残した。オムライス最後の3口。冷めていた。

 早食いのオレが15分かかった。超腹一杯だ。俺のメンチカツ登場を見て追加注文した隣のアベックも、チャイニーズネーチャンも早さに驚く。
 汗はナイアガラ瀑布。素肌につけた新しいセントジェームス・ダブルフェイス・ボーダーセーターは汗だらけだ。ラルフローレンのハンカチは雑巾のように重くなっている。
 揚げ物が先でご飯モノが後なら、もう少し楽に美味しく食えた。会計。
 「美味しかったです」
 「アリガッタザイマシタ~~~!」ニタリと笑ったブス色っぽ可愛い中華ネーチャン。
 「ありがとうございましたァ~」オヤジさんもでかい声。
 厨房は、オヤジと年季の入った職人と若人2人。皆テキパキと働いている。
 オムライスは漫才師の青空球児顔のオヤジが作り、メンチカツはビシッと白衣で決めたぴんから兄弟顔(?)の職人が揚げた。鍋投入前のパン粉をまとったメンチを成形する姿が凛々しい。

 東京八重洲大丸百貨店。7階紳士服売場。トイレでウンコした。3本出た。少しラクになった。ヨカッタ。
 2時間経っても、舌とゲップは“味の素”っぽい味に席巻されたまま。これをうまいと感じるヤツはまた行くだろう。オレはこれ1回だけだぜ。

 夜になっても満腹のまま。よ~く冷やしたキリンクラシックラガーやふじリンゴで胃を爽やかにしようとするが奏功しない。
 「明日から大食い止~めた」繰り返される懲りないセリフ。(2010.12.11)

コルベットZR1(2010年型)

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 647馬力。これがすべてを物語る。
 ノーマル版6200ccV8OHVにスーパーチャージャー。83.5のトルクも烈しい。しかも車重が1,512kg。パワーウエイトレシオは2.34だ。


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 タイヤも派手だ。前285-30-19、後335-25-20。こんなぶっといタイヤあり得ない。

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 驚きの数字はまだまだ続く。0-100キロ加速3.4秒。FRでこの値は凄い。ニュルブルクリンク北コース7分26秒4。そして最高速が330キロだ。

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 ドでかいカーボンセラミックブレーキが標準装備。フロントローターは馬鹿でかく、リアもでかい。写真はリア。
 キセノンヘッドランプを始め何でもかんでもオプションの“ポルシェ商法”と違い、ZR1は140マンのモノが最初から付いている。まことに潔い。

 先週、YGM(ヤナセ・グローバル・モーターズ)東京支店T氏に電話。
 「10日から12日ならZR1が来ますよ」
 「えっ、乗れるの?」
 「ハイ!」
 12月4日は東京に所用があった。YGMも行った。シボレー・シルバラードを味わった。
 2週連続の上京となるが、「ZR1に乗れる」最大のチャンスだ。こんな機会はもう巡ってこないぞ。これを逃したらクルマの“伯楽”を自称できなくなる。
 そう自分に言い聞かせ新幹線に飛び乗った。いきなり呑む500mlのビール。今日は試乗だから買わない。
 直前までこんなに興奮していた。

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 GMAPJに1台しかないZR1。サイバーグレーだ。ピカピカの20スポークホイールがまず目についた。いかりや長介ばりの下唇、張り出したオーバーフェンダー。とても低く見える。
 黒とグレーのインテリアもなかなかイイ。走行距離7562km。イグニッションボタンを押した。
 「!」静かだ。拍子抜け。凄さを隠しマイルド満開。雷鳴が轟いたZ06と全然違う。俺の普通のコルベットと同じだ。
  14,900千円。Z06(9,850千円)の1.5倍。街乗りだけでは5,050千円の違いを見いだせない。
 
 「今まで乗った限りじゃZ06との違いがわかんないね」
  「そうですか」
 「300キロ出さなきゃ分かんないかもしれないな」
 「そうですね、首都高クラスじゃ無理ですよね」
 どうもT氏、ノリが悪い。
 ヴゥォン!凄い咆吼がした。美しい音色だ。
 「おっ、いい音がしたね」
 「そうですね」
 「4000回転だったかな。この音にはシビれたぜ」
 もう一度聴きたくて1速で5000まで回してみた。快音がない。
 諦めかけた時、ヴゥォン! 素速く踏んだ3速3200回転だった。
  「踏み方で出るんだね」
 「そうですね」
 「ハンドル軽いね。俺のコルベットより軽いや」
 「年々改良されてますからフィーリングが良くなってるのかもしれません」

 福岡でガルウイングドアのベンツSLS AMG。2週間後の東京は647馬力のコルベットZR1。凄いクルマに連続試乗。
 「24,300千円のクルマに乗ったで!」SLSは会うヒト皆にこうジマンした。
 「647馬力のコルベットを試乗したぜ!」今度はZR1最大の魅力“647”を強調するつもりだった。だが期待外れ。獰猛さが足りない。品が良すぎる。
 「ZR1とはこういうクルマだ!」って主張していない。
 “ほし~の”リストから陥落した。
 以前乗ったCTS-Vもフィーリングが合わなかった。俺はこのスーパーチャージャー付きV8-6200ccとは相性が悪いのか?

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 「もう知りあってから一年近くになりますからそろそろご契約いただきたいですよ」
 「ははは」
 「私は営業部員ですから契約書の書き方忘れちゃいますよ」
 「あ、そう」
 「今日はポケットに200万くらい頭金が入ってるかと思いましたよ」
 「ポケット膨らんでるだろ。ケータイ」
 「アハハ。次に来る時はシルバラードの契約書ハンコ押しましょうよ」
 先週も今日もこんな事を言うT氏。群馬から上京してはフルスロットルをくれるベティのマサに業を煮やしたのかもしれない。ノリの悪い訳はコレだったのか。
 試乗終了時、“早く帰れオーラ”を発せられたオレは黄色いカマロLTに乗せられ、醒めた気持ちでJR田町駅に向かった。
 カマロSS、キャディCTS-V、コルベットZ06、カマロLT、シルバラード、コルベットZR1。T氏と乗ったGM車達。
 SS、Z06、シルバラードが琴線に触れた。
 一番欲しいのはシルバラード。アメリカン・フルサイズ・ピックアップトラックが俺の元で棲息する日常(非日常?)を味わいたい。

 コルベットもZ06もZR1も、クルマ雑誌でフルテストしない。
 アメ車特集じゃ本が売れないからか、アメ車が凄い性能を披露するとポルシェ等ヨーロッパ車が顔色を失うからか?
 俺にはわからない。(2010.12.11)

刺身は究極の料理(マサ料理)

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 刺身はただ切ってるだけで料理と思わない浅はかな奴がいるかもしれない。
 だが刺身こそが究極の料理だ。
 プロの仕事を見る。
 魚の目(スジの入り方)を的確に判断し包丁を入れる角度を決める。柳刃の長い刃渡り全体を駆使してス~ッと引く。
 間違っても往復してはダメだ。怖いほどよく切れる包丁以外使用禁止。
 ヒトは食べ物が舌に触れた瞬間(味蕾が感知した刹那)、うまさを感じる。
 ぐちゃぐちゃと10秒も噛んでから「うまい!」と言う信じられないTVレポーターども。
 目を読み、触れる前から切れるような包丁を構え、究極のテクニックでス~ッと引いた刺身は、切り口の組織が破壊されず凛々しい姿で味蕾と邂逅する。だからうまいのだ。
 目も読まず、切れない包丁でギコギコやったモノは刺身とは言えない。
 以前よく行っていた地元の板前割烹。豪快なオヤジさんとよく外国旅行に行った。  
 「青木さん香港行きましょう」「カネがないんですよ~」「俺が出しますよ」そんな事もあった。
 週に3回、自ら築地や新潟に仕入れ。同行した事もある。ある日店に行ったら予定外の仕入れでオヤジ不在。
 弟子が引いた刺身を食った。「!」不味い。いつもの味じゃない。同じ魚なのに何故だ?
 目を読む眼力、包丁を入れる角度、引く時の力加減、速度、左指の添え方。ウデの差が出たのだ。刺身とはこういうことだぜ。

008

 俺がよく行くプロ用食料品スーパーの魚売場。ミニ鮮魚センターの様相を呈する。
 頼めば三枚におろしてくれたり、アジをフライ用に開いてくれたり、穴子を取り寄せてくれたりする。
 写真向こう側の刺身コーナーは旬のモノが色々並ぶ。
 一年を通して“天然・解凍”メバチマグロが充実。様々な値段の赤身、垂涎の中トロ。
 俺が刺身を買う時は必ず柵で買う。空気に触れる面積が多ければ酸化して味が落ちる。自分で自慢の包丁を活躍させたい。自分で刺身を引けば、結果が悪くても納得できる。

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 やはり刺身の王者はマグロだ。この鮪は「赤身」表示だったが、中トロ並みの甘~い脂。
 関西では「刺身」というと鯛を指すらしい。興味深い事だ。

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 スズキ。
 頭と骨とハラワタが出るとゴミの日まで腐って臭い。だから魚屋で三枚におろしてもらった。プロがやった方が上手だし。
 皮を引いた。巧くできた。左写真は皮を引く前と後。写真右はスズキ刺身と昨日のポテサラでご飯3合。
 そぎ切り。俺はそぎ切りが好きだ。鮨が好きだからどうしてもそぎ切りになる。
 食った。うまい。爽やかな中にも確実性(!?)がある。ついさっき解体したのもうまいって気持ちを増幅させている。

 刺身サイコ~。

奈可田 ~銀座~ 6点

 37,736円 / 32貫、ビール / 2人

 白木のカウンターに陣取りビールを注文。
 「何かお切りしますか」と問うから
 「握ってください1貫ずつ」といつものセリフ。
 先ずは本鮪大トロから。
 大事に大切に緑色の紙に包んだ大きな塊の一番腹側をスパッと切る。凄くうまそう。すごい脂。焼物の丸皿に煮キリをぬった大トロが斜めに饗された。
 「ウマイ!」甘みのある凄い脂を持つ大トロ。
 かたくて濃い目の酢メシは大した味だ。
 さすが久兵衛、与志乃と共に銀座御三家と呼ばれるだけのことはある。
 ヒラメの昆布〆もうまい。だが煮キリを大トロと同じだけ塗ってくる。タネの強さによって量を変えるべきではないか。
 絞め方が弱くボケた味のコハダ。
 サバも浅〆はいいのだが旨味が全然出ていない。
 穴子やウニ、トコブシの酒蒸しなど印象は薄い。
 タコは燻製と見紛うほどの濃い味。穴子やタコにはユズがいっぱい!
 干瓢は味薄く、玉子焼きも平凡。
 何と小柱は貝殻入り。
 歯にガキッときた。詰め物が取れるかと心配したぜ。
 玉子焼きも殻入り。
 仕込みが極めて雑だ。
 板前よ、つまらん冗談で客を失笑させるヒマがあったら見えないところでの努力を大切にしてくれ。
 最初のステキな印象を終わりまで持続できないのが残念ではあった。 (1995.12)

春帆楼(ふく) ~下関~

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 67,830円 / ふくコース、ひれ酒、ビール / 2人

 明治28年に日清講和条約締結会場となった春帆楼。
 そのふく料理(下関ではふぐを福に通じるということで「ふく」)は、明治21年に伊藤博文がここで食べたのを契機にご禁制が解かれ、春帆楼がふく料理公許第一号の栄誉を担った(パンフレットによる)。
 ふくを食うからには最高の店がイイ。
 モノはもちろん天然とらふぐのシロ、最高級だ。
 フルコース1人前2万円からできますと言うが、その程度じゃ満足できないオレは白子も付く3万円コースにした。
 キミは高けりゃいいのか!そうだッ!

 あまり印象にない前菜を経て、白眉のふく刺しが登場。
 古伊万里の錦皿絵模様が透けて見えるほど薄く引いて菊盛り。
 マグロのように柔らかい魚は厚く切るが、ふくは身が締まっているから厚ければ歯が立たないのだ。
 先ず2切れを何もつけず口へ。
 香り高くふく自体の持つ旨味がふわっと広がるが…。
 次に6枚を一気にポン酢にひたしてガブッと食べる。
 Oh,Yeah! あまりのうまさに我を忘れ日本語を忘れる。
 一度に数枚食べた方が空気を含んで噛んだ時にうまく感じる。お上品に1枚ずつ食べるのは間違っているのだ。
 ハムの超薄切を何枚も一度に食べるとうまいのと同じ。
 サラシに巻いて一晩寝かせ旨味成分イノシン酸の回ったふくと、じっくり醗酵させたポン酢の邂逅が1+1を10にした。
 何回噛んでも美味しさは消えない。湧き出てくる。
 早食い自慢のオレがしつこく何度も噛んだ。
 コウトウネギに巻き付けるよりふくだけの方が良い。
 巨大な古伊万里に菊盛りした30人前のふく刺しを、手を使わず掃除機のようにガバガバと口だけでアッと言う間に食べてしまいたい。死ぬほどシアワセだろうなぁ~。
 仲居がそれぞれのお椀に取り分けるふくちり。骨付きぶつ切りもサッと煮るのがイイらしい。白菜もサッ。うまさもサッ。この味でいいの?
 べちょっとした唐揚げはまずい。しかも冷めてる。骨ばっかりで食べるところがない。
 雪のように口の中でとろけた小っちゃい白子蒸し。これが1万円?
 ちりの汁で作った赤出汁はうまい。
 雑炊もイケる。

 カラダがポカポカと熱い。ふくの効能か。
 眼下の関門海峡。船がゆ~っくり動いている。凪いだ水面に誘(いざな)われてトランクス一丁に。
 黒地にオレンジ色のハート柄の素敵なカルバンクラインを纏う鍛えられし美食家の肉体に遭遇し、ポッと顔を赧らめる(?)中年仲居。
 こうして昼下がりはゆっくり流れる。 (2002.12)

小笹寿し ~銀座~ 9点→3点

 19,950円 / 32貫、ビール / 1人

 三井アーバンホテル近くの細い路地を入る。妖しげな路地だ。平凡な男は肝を冷やしそうな路地。
 異彩を放つ男キャディのマサ(キャデラックに乗るマサさん)は涼しい顔で引き戸を開けた。
 事実涼しかった。寒いと言った方がいい。4月なのにバーガンディのスタンドカラーシャツ1枚という、伊達の薄着を気取っているから当然だ。自業自得か。
 白木のカウンターに、白いハーフカバーをあしらった椅子が心地良い。
 チョー短い髪にキリリと手拭いを絞めたオヤジが凛々しい。雑誌『dancyu』で見たのと同じ顔だ。わ~い嬉しいな。
 優しさをたたえた筋金入りの職人顔を見た時、こいつはうまい鮨を握るに違ぇねぇ、とやって来たのだった。だから後ろの壁に走る1本のヒビは見なかったことにしよう。タネケースはなく、シンプルで高級な雰囲気を醸している。

 ビールを注文し、1貫ずつ。
 一番手はヒラメの昆布締め。水分を適度に抑え昆布の神髄がヒラメに乗り移り、旨味が凝縮されオイチイ。
 次は真鯛。皮付き。ステキな甘みともの凄い歯応え。だが切り方が厚すぎて酢メシがノドを通過してもまだ口の中にある。全部食道に消えても上の歯茎にも下の歯茎にも5~6粒シャリが残っている。これはヘンだぞ。
 一番好きなコハダ。〆が弱すぎてナマだ。日本橋吉野鮨本店くらいギュッと絞まった方が良い。
 本鮪大トロはうまい。
 濃いが上品な甘みのミル貝に感動。本ミルならではだ。
 アジ、赤貝、サヨリ、スミイカ、小柱もイイ。
 印象薄いアワビ塩蒸し、蛤、焼き穴子。
 古典技ヤリイカ印籠詰めは、小さすぎるヤリイカに甘いツメがかかり過ぎ。
 シャコはメスでカツブシ(卵巣)入り。
 うまみ満載でグッと重い玉子焼き。
 キスの昆布絞めが白眉。柔らかいはずの身がグッと締まって濃厚にさえなっている。
 キスの向こうを張るのがカンピョウ巻。適度な歯応え、甘辛味。ちょっと味わったことのない不思議な甘さが一点混ざっている。何だろう。あまりにうまいので今度はワサビを入れて。辛さが甘さを際立たせる。
 他には本鮪赤身、ヤリイカ、タコ、オボロを挟んだコハダ、トリ貝、カスゴ(春子と書いて小鯛のこと)、活車海老、平貝、シラウオ。
 最初は美味しかった酢メシは途中から平凡に。お櫃が替わって味に変化。仕方ないが鋭い客(ボクのこと)は興ざめる。

 滞ったので促す。「ウニやイクラはいいですよね」「そうですね」互いに嗤う。
 その意味は…銀座の名門小笹寿しはその後下北沢で名声を博していたが、この度弟子がゆかりの銀座に舞い戻った。江戸前の伝統を重んじる小笹は白身の昆布〆や鮪のヅケ、蛤、印籠詰めなど手間をかけた鮨を饗するのを信条とし、誇りに思っている。軍艦巻にウニやイクラを載せるのは最近の仕事だから出したくない。ところが経営上、巷で人気のこれらを置かなければマズイ(その点美家古鮨は徹底している)。オヤジはボクの食いっぷりを見て、嗚呼、この男なら現状を的確に把握しているな、と判断して先の会話になったのだ。
 さすがマサさん。先程「ウニください」と言った客のメンツが危ぶまれるところだ。
 いちいち切りつけてから握るので遅い。先客が太巻もどきなんかを所望したからますます間が開く。アタマ来た。「もういいから勘定してくれ」のセリフを際どいところで踏みとどまった。結果的にそれがよかった。あんなに美味しい玉子焼きとカンピョウ巻が食べられたのだから。
 「健啖ですね」いっぱい食べるボクに驚嘆したようだ。「他の料理でもこんなに召し上がるんですか?」尊敬と呆れが入り交じった顔。
 「鮨が一番好きだからいっぱい食べちゃうんですよ」適当に答えておいたが32貫くらいで驚いちゃいけねえぜ。日出の城下カレイや長崎とら寿しの素晴らしさを吹聴する。
 「恐れ入りました。そんなに遠くまで行っているとは」感心されることしきり。
 「そんなに美味しいモノばかりじゃ体調悪くしませんか」
 「たまにですから。普段は粗食ですよ」
 「そうですか。そうは見えませんけど」
 ボクの言う事を信用しないオヤジの小市民ぶりに、酷く好感を持った瞬間だった。
 「(雑誌に出ていた)嵐山光三郎は食通なんですか?」
 「いやぁただ色々食べてるだけですよ」
 食通ぶった文化人もプロから見ればそんなもの。そのプロから認められたオレは凄い! (2000.4)

 その後もう1回2人で。有名になりすぎたせいかオヤジに媚びる客、大物ぶるオヤジ。気色悪い社交場に成り下がっていた。
 1度にすべき店。  (時季忘却)

くじら刺身(マサ料理)

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 いつもの食料品店。魚売り場。カキを買おうと思った。
 珍しいヤツが赤黒い肢体を鈍く輝かせている。クジラだ。
 あるのは2パック。1つは敷いた紙が赤く濡れている。きれいな方をゲット。一柵760円。

 「鯨は食べ物じゃな~い」
 若い母親が小さい女の子に放言した。食いたくて取ろうとしたヒトが嫌な気分になるだろう。状況を考えて発言しろ。そんな考えの奴がいるから商業捕鯨が復活しないのだ。
 人間は生きるために色んな命を奪う。
 「この動物は食べても平気、これは可愛いから可哀想」とは人間の身勝手だ。
 クジラを食うのは残酷だとぉ!? じゃあ英国貴族のキツネ狩りを止めろ。ゲームとしてやりやがって。
 クジラは日本古来の味覚だぞ。生きるために食うんだ!

 「あたいを食べてぇ~」
 手前で10パックほどの青柳が泣いている。ぷりぷりのボイルした可愛い沢山の青柳が俺を見ている。
 1パックだけ残った隣のホタルイカより魅力的だ。初ホタルイカは土曜に食った。
 その時も青柳はあったが1日古かった。今日のは当日処理。ぷりぷり度が違うぜ。280円とは安い。
 うるうると見つめられて買わなきゃオトコが廃るってもんだ。千葉産落花生もいこう。
 新潟十日町のグレステン包丁でクジラ赤身をそぎ切り。深みある赤黒色。
 刃先を肉に入れた。
 包丁を持つ右手人差し指に伝わるクジラ肉の感触、
 肉に添える左手人差し指と中指を押し返す弾力。
 切り終わった1片を持つ左手親指と人差し指の愉悦。
 食べる前からうまさは確定された。
 備え付けのおろし生姜にヤマサ特選有機丸大豆吟選醤油。
 青柳ちゃんも白い皿に盛る。脚の優しいオレンジ色が白に映える。酢味噌が付いていた。
 クジラと青柳をコタツに移動。キリンクラシックラガーと薄手のグラスを準備しTVをつける。
 パカッ、ジュワジュワ~。良い泡が立った。ゴクゴクッ。懸垂と腹筋の後はうまい。ウォーキング後はもっとうまい。
 そぎ切りクジラを何もつけず1枚。
 うまい。
 強めの香りに濃厚な味。伊賀肉モモ刺身のようだ。クジラは素晴らしい。ぷりっと青柳もサイコー。
 “鬼の居ぬ間に洗濯”。冬の大スター牡蠣の居ぬ間に鯨&青柳だ。
 青柳を生姜醤油、鯨に酢味噌はうまくない。
 本命不在で得た素晴らしいモノ。いつまでもうまさが舌から消えなかった。(2010.2.23)

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メバチマグロとのコラボもあった青柳ちゃん 

泰興楼(餃子) ~東京八重洲~

 4,608円 / 水餃子、焼き餃子、蒸し餃子、ビール / 1人

 YGM東京支店でシボレー・シルバラードを試乗。アメリカン・フルサイズ・ピックアップトラックに乗ったら、餃子を豪快に食いたくなった。
 兜町の証券マンだったS氏に「餃子が美味しいですよ」と17年前に教わった店。
 うまい。肉汁あふれる餡がすばらしく、皮の存在感も際立つ。何十回も行っている。

007

 おっ、キリンクラシックラガーだ。嬉しい。俺が毎日1~1.5リットル呑んでる奴。サッポロならまだイイが、不味いアサヒスーパードライが出たら意気消沈するところだった。九死に一生を得た!?
 水餃子。
 小さいのが10個。優しい味わいだ。ほぼ完璧な味が付いている。
 ぷるるんチュルンの皮。小さいから一口でドバドバ食べる。でも熱い。
 3個は何もつけずに食べ、4個は練り芥子、1個は練り芥子&酢醤油ラー油、1個は酢醤油ラー油、最後の1個は何もつけない。練り芥子だけが一番だ。
 シャンツャイみたいな草が1本添えてある。強すぎる香りが水餃子のうまさを弱めた。

008

 焼き餃子。
 水餃子を3個食べた段階でもう出た。
 でかいのが6個。あまりにでかくて3口じゃないと食えない。
 不用意にガブリとやると肉汁が飛び出しネクタイに粗相をする。今日はカジュアルファッションだ。
 焼いた面を下にして皮に歯を入れた瞬間、ズズ~ッと吸いながら噛み切るのがコツだ。
 酢、醤油、ラー油は必要ない。でも変化をつけるのもまた一興。
 熱々だ。だが餃子鍋を離れ皿に移った瞬間から1秒ごとに冷め、味は落ちる。だから1秒でも早く食べ切ろうと口の中は火傷する。それでイイのだ。
 オレの大嫌いな羽根が少し付いていた。わざわざ粉汁でパリパリ感を出すのは誤魔化し仕事だ。そんなモノの助けを借りずパリパリに焼くのがホントの餃子だぜ。
 流行に乗って羽根付きスタイルに転向?
 「ブルータス、お前もか!」
 でもわずかだから俺の勘違いかもしれない。

009

 蒸し餃子。
 焼き餃子と同じものをセイロで蒸す。
 以前は皿だが、今は金属のセイロのまま出る。良い演出だ。
 蒸すと皮のモッチリ感が烈しくなる。餡も同じにうまいが、皮の食感が主役だ。
 ところが今日は蒸しすぎたのか皮が軟らかく、箸で挟むと破れてしまう。ムチムチ感を楽しむどころではないのだ。
 他の餃子とくっついたり、下に敷いてある葉っぱを退けるとセイロに張りついたり。
 葉っぱごとそお~っと持って顔をセイロに近づけガブリとやる。コツを掴んだぞ。
 焼きと違って柔らかいから2口で食える。軟らかすぎる今日限定かもしれないが。
 これも焼き餃子を2つ食べた時に出た。波状攻撃だ。

 水、焼き、蒸し。舌に触れた瞬間の異なる感触。感動的だ。
 だが、久々の泰興楼は以前ほどの感激を与えてくれなかった。肉がいっぱいだから餃子というより挽肉料理を食べているようだ。こんなに食えばムリもないけれど。

 視線を感じ顔を上げる。
 「ハヤイネェ~」中国人スタッフが感心したように呆れたように感嘆の声を上げる。
 これだけの量を9分で食った。
 このスピードは、知らない人が見たら“ムショ帰りで数年ぶりの懐かしい味に我を忘れたヒト”と思うかもしれない。 
 口腔内火傷や胃への負担や血糖値の上昇より、サイコーの味を追い求めるのが“喰い道楽”だぜ。

 早食いのおかげで1本早い新幹線で群馬に帰れる。東京駅に急ぐ。
 あっ、憧れのクルマ“ロールスロイス・ファントム”だ。ファントムは今まで白、青、銀の濃淡を見たことがある。
 このロールスは急いでいるらしくボディを揺らしてアタフタと走っていた。
 ピカピカに虚しく磨きあげられた、長く背の高い黒ボディは霊柩車に見えた。
 走り方ひとつでステキにもダサくも見えてしまう。
 「ファントムはダメだ。ゴーストがいい!」
 カネもないのに憧れの対象を変更した。(2010.12.4)

シボレー・シルバラード(2011年型)

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 YGM(ヤナセ・グローバル・モーターズ)東京支店。
 三井オートモーティブが輸入した2011年型シルバラード。T氏が俺のために仮ナンバーを付けてくれた。
 5840×2030×1880。俺のキャディ・コンコースより49cmも長く、9cm幅広い。V8-4800cc。こんなでかくて3,990千円。
 ハマーH2やこういうトラックは黒が極め付きだ。
 白がまたイイ。ギラギラ感を抑えちょっと斜(はす)に構えたところが粋だ。
  ドでかい白のシルバラードにビシッと背広で乗ったらステキだ。足元はトニー・ラマ。背広にウエスタンブーツを合わせるのがカッコイイ。
 とにかく迫力が凄い。特に横向き写真は顕著。恐竜のようだ。ティラノザウルスだ。
 細かい事は気にしない物凄い巨乳ネ~チャンにも見える。

 信号待ち。大型トラックがよっこらしょっと左折してきた。
 「こっち(シルバラード)の方が迫力あるね」
 「はははは」
 初めて味わうアメリカン・フルサイズ・ピックアップトラック。
 巨大なボディだが乗れば乗用車感覚だ。ハンドル軽く、乗り心地柔らかく、加速もまずまず。
 ドロドロドロ、ボロボロボロ、トントントントン。音が泣かせるぜ。
 往年のアメ車の美味しいところを全部持っている。カラダの隅々までアメ車なのだ!
 ヨーロッパナイズされたキャディCTSなどがでかいツラをしている。
 だからこそ、シルバラードの“まさにアメ車の味わい”が、アメ車好きの琴線にビビ~ンと触れたのだ。
 ハイブリッドのプリウスがはびこる無味乾燥な風景。シルバラードは“砂漠に咲いた一輪の華”だ。

 日産グロリア2ドアハードトップ、ホンダCR-X2台、シボレーカマロ・スポーツクーペ、カマロZ28、キャデラック・コンコース2台、日産フェアレディZ、シボレー・コルベット。俺のクルマ遍歴だ。
 シルバラードが加われば、確実に異彩を放つ。 (2010.12.4)

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ホワイト餃子(餃子) ~前橋~

  2,257円 / 餃子3、ビール2 /  2人

  朝暗いうちから深夜まで続くキビシイ修行。餡の作り方が悪けりゃ捨てられ、最初からまたやり直し。
  いつかテレビでやってた暖簾分けまでの地獄の日々。
  いつかは味わいたいそんなホワイト餃子。
  前橋店。ついにその日がやって来た(大袈裟な!)。
  着席までの数秒間、目は他のテーブルを捕捉。でかい!
  これが10個で1人前とは、Fカップおっぱいのボリュームだ。
 うれちぃ~。
  キツネ色と焦げすぎと白っぽい、色とりどりのでっかい団子のような焼餃子3人前が登場。
  バリバリッ、ガブッ!
 揚げ餃子の歯ざわり。
  最初は何もつけない。いつもの儀式だ。そのものだけを味わいたい。
  しかし餃子の命、ドバドバッとほとばしり出る肉汁は一滴もなく、野菜も肉も調味料の味さえしない。
 皮は厚く噛みでがあり、一口で喰おうものなら口中は大火傷。そしてやっと胃に収まる。
 スポスポと喉の奥に消えゆく“王将”餃子とは対極にある。
  ギュウギュウ詰めの鍋に湯をたっぷり入れ、そこに油、煮えたら湯と油を捨てる。さらに油。
  この頑固な皮の感触は、そんな常識外れな焼き方のせいか!?
  ラードを敷き、焼き色、湯を入れ、蒸し焼き。正統派焼餃子で決まりだ。
  もう来なくていいや、と思うオレの目に奇妙な光景。
  それはひっきりなしの客、大量の土産、テイクアウトのみをひたすら待つ人々。
  薬味のおろしニンニクだけなら又食べたいと思う。(2003.12)

バークレー3(カレー) ~博多~

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 1,850円 / ハンバーグカレー+ハンバーグ3個 / 1人

 昨日同様カウンター。
 「カレーにハンバーグ4つ載せて!」どうだマイッタか?
 「それだけでよろしいですか?」
 「!」この男店員、なんたる返しだ。ハンバーグ4つって聞いたら
 「よ、4つですか?」と驚いて見せるのが店員の正しい対応だぜ。
 まったく何を考えてやがる。4つと言った時の客の得意そうな表情を見逃しちゃダメだぞ。褒めれば喜ぶ奴(俺のこと)だと見抜くべきだ。

 「これでよろしいですか」
 白いヒゲの粋な初老オヤジが直接持ってきた。
 「はい」
 うまい。熱々ハンバーグ。電子レンジの「チン!」が4回ほど聞こえたが、まさかこの熱々ぶりはチンの結果?
 「昨日3つ食べて今度は4つ載せるぞって女の人に言ったんだけど、今日は休み?」男店員に訊いた。
 「もうあがりました」
 「あっそう」
 半道中で初老オヤジがカウンターに出現。
 「ルー足りますか?」
 「大丈夫です」
 「4つ載せたん初めてなんで」
 「おいしい~!」
 「いやいや」
 俺が初4つとは嬉しいねぇ~。
 食べ切った。常滑焼の小さい壺に入った福神漬けを忘れた。福神漬けだけちょっと食べる。昨日と同じパターン。平凡な味。福神漬けは食べない方がイイ。

 会計。
 「いつもありがとうございます」
 「次は5つ載せるよ」
 「大丈夫ですか?」
 全くこの男店員は粋な会話ができないぜ。この場合の正解は
 「ワッ、お待ちしてます」か「ハンバーグ、入念に仕込んどきます」とか「その次は6つですか?」だぜ。
 (2010.11.28) 

楽ちゃん2(天ぷら) ~博多~

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 2,390円 / お好み天ぷら13個、ご飯、味噌汁、ビール / 1人

 「アジ、イワシ、キス、サバ、イカ、ホタテ」
 「お好みですか」
 「はい、あとビール。キリンありますか」
 「いえ、サッポロです」
 サクッとうまいキス。じゅばっとジュースも出る。水分が多い魚なのにテクニシャンだ。
 アジ、イワシは驚きの半身。
 ガブッとやる醍醐味がないしカッコ悪い。出来損ないの不良品みたいだ。これじゃぁ天ぷらになるために生きてきた(?)アジとイワシが可哀想だぜ。
 倍の値段でもたった180円。ちゃんと1尾を男前(美人)に揚げてくれ。

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 じゅわっとサバ。独特の香りが強調され、これはイケる。初サバ天ぷら。俺はやった事ない。
 「サバうまいですねぇ」イカもうまい。
 「ありがとうございます」嬉しそうな天ぷら職人。
 貝べり付きのホタテはダメだ。ボイルを揚げやがった。
 追加する。

028

 「ゲソ、ブタ、トリササミ、エビ」
 「はい」
 「あ、大海老(370円)も」
 「ハイ」
 こういう安い店で“お好み”は珍しいのだろう。たくさん食う俺に興味深そうだ。客の多くは天丼や定食だけに違いない。
 メニューにある魚介類を全て注文した。穴子は前回3尾食べた。
 噛み切れなくて食べにくいゲソ。
 うまくない薄切りブタ。 
 ジュンッ!とジューシーなトリササミ。うまい。開いてある。淡泊なササミをこんなに旨味たっぷりに揚げるとは大したもんだ。
 だがブタとトリは、漢字で豚と鶏と表記した方がいい。
 「ご飯と味噌汁ください」
 「はい」
 うまい味噌汁。ぐっとダシが効き味噌も香り高い。ぬか漬けもイケる。
 メシは軟らかい。定食やどんぶりはメシが命だ! もっとキリッと炊いてくれ。アッ、ここは天ぷら屋か。

029

 「キスとササミ」
 メシのオカズにさらに追加。
 「はい」
 ニコニコしている。
 おやっ、今日はニコニコ女将がいない。
 「油が2つあるのは温度が違うんですか?」
 「はい温度が違います」
 「最初がぬるくて後が熱い?」
 「はい」
 ニコニコしてカンジ良い天ぷら職人だ。

 朝から24,300千円のスーパーカー“ベンツSLS AMG”を試乗して興奮した。うんと食欲が湧いた。
 ビール、天ぷら13個、ご飯、味噌汁。満足だ。
 「キスとササミがうまかったですね」
 「ありがとうございます」
 とても嬉しそうだ。
 オレも嬉しい。(2010.11.28)

バークレー2(カレー) ~博多~

018

 1,520円 / ハンバーグカレー+ハンバーグ2個 / 1人

 「カレーにハンバーグ3つ載っけてください!」
 きょとん!の色白スリムなネーチャン。
 「ハンバーグカレーにハンバーグ2個トッピングでよろしいですか?」
 「ハンバーグ3つですよね」
 「ハイ」

 出た。壮観だ。
 「3つだと豪華ですね」
 「ちょっとコワイですね」
 「アッハッハッ」
 ほぅ、カタそうに見えた彼女、こんな洒落た事言うんだ。
 「うまい!」
 「ありがとうございます」
 「こっちのヒトに美味しいよって言われて何度か来てるんです」
 「土曜日によく来られますよね」
 「ハイ。群馬から年に6回遊びに来るんですよ」
 「あっそうですか!」
 「今度はハンバーグ4個載せましょう」
 「4個だと載るかどうか心配ですね」
 「あっはっはっ」
 「以前、大盛りに3個の方がいまして、落ちないかとコワかったです」
 コワイとはそういう意味か。
 「まだ4個はいませんか」
 「はい、4個は…」
 「じゃワタシが第1号になります」
 「あはは…」

 会計。
 「あ~うまかったァ~」
 「遠いトコありがとうございました」
 「今度は4つで」
 「アハハ」
 こうしてカレーとハンバーグを堪能したボク。(2010.11.27)

サンキューカレー2(カレー) ~博多~

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 860円 / ロースとんかつカレー+からあげ / 1人

 驚くほど小さく薄い無理やり整形したような焦げ気味のカツ。ロースの醍醐味皆無。カツカレーを食う時はハラが減ってる時だ。期待外れも甚だしいぜ!
 カレーのトッピングなのに濃い味の小さいからあげ。白いご飯のオカズにも濃すぎる。
 チキンソースはうまいが、ビーフは相変わらずしょっぱい。
 前回、超至近距離の可愛いネーチャンは勤務時間が終わったらしく、途中で「お疲れ様でしたァ~」の声に送られ、行ってしまった。

 その後、柳橋連合市場の中弥で明太子を送り、朝メシ用に高松の練り物を買ってサンセルコ1階を歩く。
 すると向こうから欧陽フィーフィー似の小柄な可愛いネーチャンが歩いて来た。見た事あるなぁ~~~と通り過ぎる。
 「あっ、至近距離ネーチャンだ。しまった、気付くのが遅かったァ~」
 声をかけ損ねた。悔やんでも悔やんでも後の祭りだ(大袈裟な!)

 練り物6個入りビニール袋をさげ、ボクはやっとのことでホテルの部屋にたどり着いた。(2010.11.27)

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