2011年01月

大洋食堂(市場の食堂) ~八戸~

  7,500円  / 定食他、ビール3本 /  2人

  群馬を朝出発。大宮で上越新幹線から東北新幹線に乗り換える。
 時間があるからルミネ2の成城石井でヴーヴクリコ・イエローラベルを買う。4千円クラスじゃ一番好きだ。モエ・エ・シャンドンよりうまい。
 宇都宮のはるか手前で全部呑んじゃった。
 12時55分。凍てつく八戸駅に降り立つ。-3度だ。
 快適な“はやて”グリーン車から降りるとすぐに北国の洗礼を受ける。
 JR東日本「三連休パス(グリーン4回)」は3日間乗り放題で3万。普通指定でも26,000円だからグリーンに限る。  
 ホテルは八戸グランド。デラックスダブルだ。ウヒヒヒヒッ
 うまい昼メシを食ってからチェックイン。
 タクシーで20分。陸奥湊駅前の大洋食堂に到着。
 あまりきれいじゃない引き戸をガラガラ開ける。
 「いらっしゃいませぇ」白衣のばっちゃん4人が元気いい。 
 長いカウンターに先客2人。奧に小上がり。雑然とした店だ。
 「ここに注文と名前を書いてください」渡された鉛筆と折込広告の切れ端。
 ニコニコ定食(生ウニ、いちご煮、メシ、塩辛、刺身一つ)と焼きウニ定食(生ウニ → 焼きウニ)を注文。
 十数種類の刺身リストからイカと白子に決定。ビールには歯触り素敵な大根きんぴら。
 「はぁい、青木さんお待たせしましたぁ!」
 他の客は一組だけ。名前は呼ばなくていいぜ。恥ずかしいじゃないか。
  ねっとり甘い生ウニ。
 嬉しさが消化器系、神経系、循環器系、エッチ系すべてを動員して全身(爪先やチンボコにまで)行き渡る。
 絶妙ないちご煮。
 アワビは高いからとツブ貝に代えているが良い味だ。グッと効いた青紫蘇。これは八戸最高の郷土料理だ。日本全国でもトップクラスだろう。
  焼きウニはボソボソとメシにまぶすとうまい。
  八戸といえばイカ。
 なんじゃこのスルメイカは! もう白くなっちゃってるぜ。博多で半透明のヤリイカ活造りに慣れたオレには悲しい姿。
  白子は凄い。
 てらてらピカピカ輝く真鱈の精巣。新鮮だ。つるりと口へ。濃厚でありながらクドくない素晴らしい旨味が舌上でスッと消える。爽やかと言ってもいい。
 冬場は八戸の住人になってうまいモノを食い尽くしたい。しかしウニの旬は夏だから住民登録が必要か!
  塩辛はワタが強烈に濃厚。ゲソの歯応えと好バランス。
  追加注文のつぼだい塩焼き。充分な脂、強すぎる塩。
  活北寄貝。甘みがあってキョロキョロッと歯とたわむれる。
  息子が群馬の桐生に居て懐かしいから、とアジの粗汁サービス。ラーメンのツユみたいでうまい。 

 有名人多数来店。グッチ裕三は2回も。
 そういうのをひけらかすのは素朴な店にそぐわない。
 料理はうまくカンジ良い。これだけで勝負してくれ。(2005.2)

たくあん&お葉漬け(マサ料理)

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 漬物名人Aさんにもらった“たくあん”と“お葉漬け”。うまい!
 「今年は大根と白菜の出来が悪くて美味しくないよ~ごめんねぇ」
 そんなことはない。うまいぜ。
 いい酸味の白いトコ。葉はご飯をくるんで食べる。
 歯応えサイコーのたくあん。葉に近い方より真ん中と先っぽが好きだ。様々な旨味が凝縮したたくあん。すばらしい。

 毎年時季になると名人は友達の農家に出向き、白菜と大根を畑から大量に引っこ抜いて買い付け、自分で干して、漬ける。
 自家製だから添加物は一切なし。丹精込めて漬ける。漬物に対する愛情がサイコーの調味料だ。昆布や唐辛子…色んな旨味も効いている。
 「塩使いの魔術師!」と絶賛される彼女。塩梅がイイからうまい漬物が出来るのだ。
 冬の「たくあん」と「お葉漬け」、夏の「糠漬け」。物凄くうまくて健康的。
 切るのは新潟グレステン包丁刃渡り14cmアップシェンク。
 “漬物”。日本人であることを誇りに思う発酵食品だ。(2011.1.29)

鶏照り焼き丼(マサ料理)

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 最近よく魚屋にあるメカジキをバター醤油ソテーし、ご飯を食べようと思った。
 ダークエイドリアティックブルー(ダークブルーメタリック)のキャデラックで魚屋に赴いた。ボディーカラーまで言う必要はないゾ。あっ、メカジキがない。
 昨日の新年会は鮨屋。だから刺身に食指が動かない。普段なら飛びつくであろうメバルやアジやでっかい丸ごと鮭にも同様だ。
 「じゃ、肉」“じゃ”に投げやりな姿勢が表れている。豚しょうが焼きでもやるか。
 「そうだ、鶏照り焼きだ」“そうだ”で積極姿勢に転じた。俄然やる気が出たぞ。モモ2枚521g購入。

 米2合を超かたく炊く。水は1.4合分だ。かたいメシが好き。軟らかいのは大嫌い。
 子供の頃、たまに軟らかいご飯が出ると「こんなメシ食えねぇ!」と生意気にも言い放った。ワガママなお子ちゃまだった。
 “イイ物は良い、駄目なモノはダメ”この一貫したポリシーが俺を喰い道楽に導いた。
 以前粉を打ったくわ焼き丼をやったから、今日は粉なしの照り焼き丼。
 タレ。菊乃井のオヤジがTVで教えてくれた酒2:ミリン1:醤油1。酒が残り少ないからテキトーに入れよう。
 鶏。足先に近い方はスジがある。ハモの骨切りみたいに5~6回包丁を入れスジを切断する。そこを切り、後は6つにカット。2枚で14個にした。
 底厚2.3mm直径30cm黒皮鉄板フライパンを熱しサラダ油。鶏モモを皮から入れる。
 じゃじゃじゃじゃじゃじゃ~。鶏は水分が多いからキッチンペーパーで拭いてもハデな音がする。手に油がはねて熱い。全部並べ終えたらフタをし中火。
 5~6~7~8分焼いたら強火にして返す。フタをし中火。
 タレを入れる前、多すぎる油と脂を棄てる。酒、ミリン、醤油をドバドバ投入。音響は最高潮に達する。
 なかなか煮詰まらない。くわ焼きなら粉がタレを吸うから早い。シビレを切らした頃、突然煮詰まった。丁度いいトコで火を消した。
 メシを盛っている間に余熱でさらに煮詰まった。煮詰まりすぎだ。そこまで計算するのが料理。反省!
 2合のどんぶり飯に鶏モモ2枚照り焼き14個。並びきらず、鶏の上に鶏が乗った。豪華と言えば豪華だ。
 「うまい」けど「うまい!!!」ではない。
 薄いヤツは焼きすぎだ。煮詰めに不測の時間を要したせいだ。
 鶏のコクがイマイチだ。多すぎる油と脂を棄てた際、粉を打ってないからにじみ出た肉汁も棄てていたのだろう。
 タレがからんだキリッと凛々しいかたいご飯はサイコーだった。食堂でもこんなご飯で丼を出してくれ!と切望した。
 あっという間に食べたが、2合メシと鶏モモ2枚は後から効いた。

 本日の起床13:45。照り焼き丼が16:18。
 夕飯はビール、イチゴ、消化促進の大根おろし。
 繰り返される1日ほぼ1食パターン。(2011.1.15)

遊亀楼 魚兵(料亭) ~三条~

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  そぼ降る雨の中「遊亀楼 魚兵(ゆうきろう うおひょう)」へ。
 百三十年の歴史を誇る六代続く老舗料亭。新潟県三条市に母の友人が大女将として君臨。
 趣ある構えはふんだんに用いた秋田杉による。
  先ずは、柚子の香りも粋な塩加減絶妙のイカ塩辛、甘みをさらに塩で引き立たせた南蛮海老塩辛(金箔添え)、エノキ。
  イカ松前焼きと生わかめ芥子酢味噌。素敵なソースの味紋様に頬も弛む。生わかめの儚なき美味しさよ。
  いくら醤油漬け。皮のかたい数粒の反乱などモノともしないドンピシャリの醤油味。
  刺身はマダイ、ヒラメ、スルメイカ、そして特筆すべき南蛮海老。北国赤蝦(いわゆる甘エビ)を新潟では南蛮海老と呼ぶ。
 アラスカ産冷凍甘エビと違い、旬の地物ならではの甘みが強烈にネットリと肥えた舌を席捲。
 その日揚がった最高のモノを仕入れるのが一流料亭の実力なのだ。
  舞茸、野菜、魚介、牛肉蒸し焼き。火の通しすぎが残念。牛はレアで喰いたい。
  茶碗蒸しの繊細さときたら、これはもう“素晴らしい”の一言。
  焼物は真鯛。酒の香り豊かな逸品。肉汁あふれる焼き具合はプロのもの。
  ここでシーフードグラタン。あまたの極上日本料理に狎れた舌を洋風がたしなめる。目先が変わった。次は何だ。
  南蛮海老しんじょ、ズワイガニあんかけ。
 うまいッ! 
 おやっ、今までと違って塩が強いぞ。何故だ?
 南蛮海老の甘みを際立たせるためのショック療法か? 
 それとも最後にパンチを効かせようというのか!
  そして舞茸おこわの優しいうまさが全ての料理を包み込み、やがて収束に向かう。

  冷たい小雨、素晴らしい日本料理、うまい酒、上品で剽軽な大女将の人柄、日本舞踊、ゆったりと流れる時間。
  新潟の良さを120%堪能できた素敵なひととき。  (2002.12)

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 写真は店の料理じゃなく、2011年1月に送ってくれた鮭粕漬けを家で焼いたもの。
 脂ノリノリでとてもうまい。夕飯だからメシ2合のオカズにした。土日の昼なら3合だけど。
 塩をもっと利かせた方がオレ好みだ。(2011.1.26)

華麗なる戦士(赤木正和シリーズ3)

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  パッシングの雨あられを浴びせながら、白のメルセデス・ベンツ260Eは関越自動車道上り線赤城インター付近を猛烈な勢いで疾走していた。            
 そこには、カマロの代車としてヤナセが持ってきたベンツを傍若無人に乗り回している赤木正和の姿があった。
  前を行く白のBMW320iを蹴散らして2分程経つと、何とエンジ色の旧型ベンツ450SELとシルバーの日産プレジデントがつるんで追越車線をゆっくり走っているではないか。                                
 しかも450のリアシートにはダークスーツのゴッツイ男がふんぞり返っている。
  赤木正和はパッシングスイッチから急いで手を離した。
 “関越自動車道の帝王”と呼ばれる赤木もヤクザをけしかけるほどバカではない。
 左から抜こうかと迷っているうちに渋川インターに着いた。 
 赤木はひどくホッとした。

  速度無制限の西独アウトバーンで育っただけあって、ベンツの高速安定性は凄い。
 あのガッシリしたボディに囲まれていると、ダンプにぶつかっても勝てそうだと思えるからコワイ。                                  
 ベンツの強さそのものが乗る人間を強くする。いや、強くなったと錯覚させる。
  ベンツに乗ってみて感じることは運転が乱暴になったことだ。
 交差点では必ずこちらから突っ込み、高いシートからあたりを睥睨する。わずかでも道路を塞いでいるクルマには激しくクラクションを喚かせる。            
 そんな下品なことをしてしまう。

 「ベンツに乗っている人間は常に戦闘状態にある」               
 自動車雑誌NAVIは巧いことを言う。
  ゆったりとした気分にさせるキャデラックか、戦士に変えてしまうベンツか、悩みは尽きない(10年後にキャデラックを買うことになるが、この頃すでに色香を感じていたとは!)。(1988年)

キャデラック・セビル・ツーリングセダン(1994年型)

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  トロトロと追い越し車線を走っているのは誰だ?
  ダークモンタナブルー(濃紺)のキャデラック・セビルは、パッシングライトをバシバシ決めて蹴散らすや否やGMの誇る295馬力ノーススター(北極星)エンジンにものを言わせ、一気に加速する。
  その時には、高級車キャデラックらしからぬボロロロロッなどという勇ましい音を発し、まるで一見すごく上品だが食事のマナーで馬脚を顕わしてしまったオンナのような、どこか大らかさを感じてしまう憎めないセビルではあった。

  テストドライブの日はあいにくの小雪。
  ドライバー側ドアミラーの建て付けが悪く、速度を上げると酷い風切音。
 さらに殺されんばかりの悲鳴となり、断末魔の叫びとなった。
 阿鼻叫喚が満ち満ちた室内は、さながら地獄絵図だ(こういう表現が好き)。
 スピードを落とすと一転して静寂が室内を訪問する。
  シートは大ぶりだがよくフィットし、シートヒーターと相まってお尻と背中は快適だ。ステアリングはガッシリしている。
 セビルって、以前1週間ほど試したベンツ260Eに似ている。
 低速ではゴツゴツするがスピードを上げれば良い乗り心地。
 ダッシュボードの形状等々 … 。

 何にも増してすばらしいのは伸びやかで大胆なスタイリング。
  夜、歩道にかませてハザードランプを点滅させる姿は濃い色のためもあり、あたかも黒豹がうずくまって獲物を狙い、ガロロロロッと低く抑えた野獣の唸り声を発しているかのようだ。
  カワイイッ! (1994.1  3日間 872km)

バークレー、ハンバーグ5個750g載せカレー!(カレー) ~博多~

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 やったぜ5個載せ。
 うまい。熱い。口の中は火傷。特に左上が烈しい。水ぶくれだ。
 ハンバーグ5個載せカレーを7分で食った。火傷も当然だ。
 どうしてそんなに早く食うのか?
 理由は2つ。
 熱いモノは出来上がった瞬間を頂点とし、1秒ごとに冷め、1秒ごとに味が落ちる。だから1秒でも早く食べる必要があるのだ。
 又ゆっくり食べていると、脳の満腹中枢が「満腹だぞ!」と指令を出し、食べきれない虞がある。だから脳が満腹だと気付く前に食べる必要があった。
 以上2つの理由により、口腔内火傷とイグアスの滝並みの汗が発生した。胃への負担や血糖値上昇よりうまさを優先するのが喰い道楽なのだ。

 「こないだ3個食べた次の日に4個食べたんですよ」
 「あ、ブログ見ました。凄いですね」
 色白スリムな美人は娘さんだ。
 「ブログ見てくれたの。ありがとう」
 「あのアルバイトのコ、失礼な事言いませんでした?」
 「大丈夫です。今日は5個載せましょう
 「はい、載るかどうか心配ですが …。おクルマの時は距離あるんでしょう?」
 「えぇ、1,200km。12時間で来ます」
 「速いですねぇ~」
 「300km走ってトイレ休憩、また300km」ジマンが始まった。
 「すごい」
 感激してくれるのが嬉しいねぇ。オトコ「凄い」とか「わぁ~!」だの「初めてェ~」などと言われると発奮する。
 厨房からオヤジさんが出てきた。渋めのイイオトコだ。
 「ありがとうございます」
 「美味しいからまた来ました」

 登場した。
 皿はハンバーグだらけだ。
 フォークでハンバーグを一心不乱に食べる。猛烈な勢いで食べる。
 知らない人が見たら何かに憑かれていると思うかもしれない。熱い。うまい。ソフトな味わいだ。
 5 → 4 → 3 → 2 → 1 → 0。どんどん減るハンバーグ。神隠しに遭ったようだ。
 ハンバーグが終わればカレーだ。スプーンに持ち替え、よ~く煮込んだ欧風カレーとご飯をアッと言う間に胃に収める。実に味わい深いカレーだ。
 途中、オヤジさんが「大丈夫ですか?」と心配する。
 こうしてハンバーグ5個750g載せカレーライスは7分で皿から消えた。まだ余裕はあるが6個は止めといた方が良さそうだ。
 俺は肉や魚は600gが適量(限界?)だ。ハンバーグの場合、玉葱パン粉その他を含んで750gだからイケたんだと思う。

 会計時、オヤジさんも出てきた。
 「群馬は積雪大丈夫ですか」
 「今年は雪少ないですよ。ニュースで九州の雪を見てびっくりしました。こっちの方が多いくらいですよ」
 「群馬は寒いですもんねぇ~」
 「ええ …。ごちそうさま、美味しかったです」
 「ありがとうございました~」

 ゲップが又うまい。ソフトな味わいと思っていたが、肉の旨味とグッと効いた香辛料をゲップによって確認した。
 食べたのは19:30。直後は余裕のあった胃は次第に膨れ、寝る時もパンパン。さすがにハンバーグ750g+カレーライスは荒唐無稽だった。

  最近、必ず遅れるスカイマーク。
 「到着機材の遅延により出発時刻が遅れます」いつもこれだ。
 遅延が常態化するなら、その遅れる時刻を出発時刻にしろっ!
 田舎に住んでるから上越新幹線は1時間に1本なのだ。1本逃せば1時間待つことになる。
 最近は、小型機に統一されたためいつも満席だ。
 隣がネーチャンや年増女性ならイイが、臭いオッサンだと不快な2時間弱となる。
 あっ、俺もオッサンだからネーチャンが俺と同じ事を思うかもしれない。(2011.1.22)

おでん(マサ料理)

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 冬に必ずやる料理 … けんちん汁、肉じゃが、クリームシチュー、おでん。大鍋で作って4日間かけて食う。
 1日目。馴染まないが若い味が魅力だ。
 2日目。イイ具合になってきた。大根とコンニャクはまだ早い。朝、冷たいのを食うと驚きのうまさ。
 3日目。佳境に入った。絶妙の大根とコンニャク。明日はもっとうまいぞ、きっと。
 4日目。完璧に馴染んだが流石に飽きた。そしてこう言う。「この先1年食いたくねぇ!」
 同じ手間だからと大量に作り、最後にはお約束のセリフを吐く。おでんだけでなく、けんちん汁や肉じゃがやクリームシチューでもこのセリフは有効だ。
 夏は傷むけど冬なら4日間OK。こうして“大鍋料理”は冬の風物詩となる。

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 厚く切って皮を厚くむき十字に隠し包丁を入れた大根を米糠で茹で、生芋コンニャクを茹で、卵も茹でる。珍しく昨晩やっといた。
 昨日の夜から水に浸した煮干しと昆布。電動ウォーカーの30分間、弱火でじっくり煮出す(さらに30分)。
 熱い風呂に入る。貰い物のアサヒスーパードライを呑む。まずい。わざとらしい浮かれた香り。調香師の技量を疑う。軽い味。ビールの醍醐味まったく無し。濃厚なキリンクラシックラガーが欲しい。
 ダシの良い香りに襲われた。飲む。うまい。これだけで一品になりそうだ。煮干しをひきあげる。昆布は具にする。
 九重みりんをドポンドポン。ヤマサ特選有機丸大豆吟選醤油をドバドバ。
 味見。うまい。やや薄味だが強烈にダシが効いている。修正すると迷走するから一発で決めた。

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 ゴボウ巻、イカ巻、じゃこ天、さつま揚げ、野菜天、タマネギ天、いわし団子、鰯つくね、ちくわ、ちくわぶ、きんぴら揚げ等練り物とがんもどき全18パック!
  「一度のおでんにこれじゃ買いすぎだよね」
 「スゴ~イ! お店みたいですね~」
 「見るとアレもこれも欲しくなってね。4日くらい食べなきゃなんないね」
 「1週間ですよォ~何人ですか?」
 「1人」
 「え~っ!」
 いつもの食料品店は日曜で休み。たまに行く大きなスーパーだ。最近若いネーチャンがレジに入った。それで話しかけてみた。
 黙っていると美人だが笑うとやや美人の化粧濃いめネーチャン。しかもノリがいい。気に入った。

 揚げ物はザルに載せ熱湯をかける。油を過度に抜かないのが好きだ。
 いわし団子、鰯つくね、ちくわ、ちくわぶ等はそのまま。
 コンニャク、大根、ゆで卵 … 味の染みにくい順にどんどん入れる。

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 沸騰させないよう煮るのがおでんのコツだ。沸騰すると汁が濁る。
 20分くらい弱火で煮て火を消しゆっくり冷ます。決してグツグツ煮ない。冷める時、味が入るのだ。
 「煮てない時に煮物は出来る」NHKきょうの料理で土井氏か田村氏が言っていた。
 実態は煮るそばからバクバク食べる。
 練り物は元々味があるからガスコンロの前でビールを呑んで辛子をつけてガンガン喰らう。柔らかい練り物(野菜天、タマネギ天等)はすぐに味がつく。うまいぜ。
 だいぶ食べたつもりでもあまり減っていない。
 「4日間で食べきれるか?」一抹の不安がよぎる。
 「大丈夫だろぅ」ムリやり不安を打ち消す。

 展開される微笑ましい(?)冬の風物詩。(2011.1.16)

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 2日目終了時点の写真。まだだいぶある。やや飽きた。
 本日のMVPはがんもどき。
 馴染みの豆腐屋が閉店し、スーパーでテキトーなのを買ったから期待していなかった。ツユをよ~く含んで歯触りもしっかり。意外なうまさに驚いた。(2011.1.17)

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 3日目終了時。水位が下がった。5日間なら食べきれるかも。
 今日はうまい! プロに少し近づいたってカンジ。
 本日のMVP。又もがんも。そしてコンニャク、ちくわ、ツユ。肝心の大根は明日か?
 ちくわがグッとイイ女に成長していた。鍋に入れた段階ではコドモだったのに、色気たっぷり艶やかな年増になった。オイチィ~。(2011.1.18)

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 家で毎日おでんが待っている、と思うと愛おしくもあり鬱陶しくもある。だが一日ごとに味に磨きをかけて俺に食われたがっているのだから、邪険には出来まい。
 おでんにも女心を感じちゃう俺は繊細なのか?アホなのか?
 4日経ってようやくメドが立った。明日で食べきれる。
 コンニャク、大根が佳境に。一度も沸騰させないから未だにツユが濁っていない。素晴らしさに拍車が掛かった。
 卵はまだ味が染みない。厄介なヤツだぜ。元々おでんの卵はあまり好きじゃないけれど。
 明日で終わると思うと淋しいやらホッとするやら。(2011.1.19)

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 ついに全部食った。明日から博多に3泊。どうしても今日終わらせる必要があった。残して棄てたり、冷凍のちゴミ箱行きを回避できた。
 最終日は皆うまかった。最後までツユは濁らずステキな表情をしていた。
 適度な柔らかさの大根をガブリとやる。大根の組織に蓄えられたツユが、ダムの決壊かと見紛うほど際限なく溢れ、俺は溺死しそうになった。
 だが本日のMVPはなんと昆布。意外な伏兵に心底驚いた。クライマックスの大根とコンニャク。昆布はその上をいっていた。
 グツグツ煮たりせず、毎日沸騰させずに短時間火を入れ、冷ます時が重要なおでん。だから昆布も艶やかさを保っていられたのだ。

 こうして“5日連続大鍋おでん大会”は成功裡に幕を閉じた。(2011.1.20)


新富鮨 ~新橋~ 4点

 9,000円 / 21貫、ビール、酒 / 1人

 ビールを注文して静かに呑む。
 「おつまみ造りますか。握りますか」
 「握ってください。お任せで1貫ずつお願いできますか」などと下手に出てみた。
 「お任せというのは出来ないんですよ!お好きなものを言ってください!」
 70代のオヤジと30代の息子が口を揃えて不機嫌に言いやがった。
 「じゃあ白身から」
 ヒラメ、真鯛、あとの2種類は何? なかなかうまい。
 握りもフワッとして強くつかむと崩れそうなくらいだ。コメ自体も、かたさも良いが味が弱い。酢がバッチリ効いたのが好みのボクとしては、普通のメシにちょっと味がついたように感じる。
 握ってから酢を指につけてタネを磨く。新興宗教のおまじないか。
 コハダは良く絞めてあって存在感アリ。
 穴子も柔らかく煮たままで美味しいが、タップリの煮汁の中からよっこらしょと曳きずりあげたのは、奇怪千万。
 もう一度声を大にして言うが、酢メシの味が弱い! 握り具合はいいのにねぇ。
 店のオヤジも、もう少しお愛想が良くてもバチは当たらない。
 それに、あまりカネがないから遠慮しながら食べていたのは“豪快な喰いっぷり”で売り出し中のカマロのマサ(シボレー・カマロに乗るマサさん)らしくなかった。 (1994.9)

新富寿し ~銀座~ 9点

 30,700円 / 44貫、ビール / 2人

 かための酢メシがなかなかイイ。
 期待のコハダは大したことない。
 蛤も大トロもうまい。
 白身がシマアジとスズキだけとは少ない。
 ヤリイカの印籠詰めはおろしたてのワサビをたっぷり使い非常に爽やかに仕上げている。とっても美味しい。
 一番心に染みたのはタコ。桜煮かと思ったら普通の塩茹でだという。ほどよい弾力があり味わい深く、握る前に酢にくぐらせる。
 心に染みたのがもうひとつ。
 カンピョウ巻だ。
 かなり濃い色がついているが食べればまさに丁度良い加減。しっかり味がついて最適なかたさ。
 俺も味付けには自信があるがこんな良いカンピョウは手に入らない。
 だが六ツ切りには疑問符だ。
 鉄火巻やカッパ巻は六ツ、カンピョウ巻は四ツと神世の昔から(?)決まっている。
 1個を口に入れた時の酢メシの量が問題で、味のついたカンピョウには多めの酢メシが必要なのだ。
 ビートきよし似の遊び人風情の若旦那(雑誌で見ただけ)は居ない。
 年季の入った老職人が握ったのは幸いだった。(1993.5~2回)

鮨与志乃 ~京橋~ 9点

 15,300円 / 21貫、酒 / 1人

 口に入れた途端ものすごく濃い酢メシの味。
 ボクにはその濃さが堪らない。かたさも良いねぇ。
 数ある名店の中でも酢メシはトップかもしれない。
 タネは突出したものはないがスミイカ、赤貝がうまく、海苔もまた良い。ボクの好きな煮キリもぬってあるぞ。
 与志乃で最高点をつけるとすれば“握りの繊細さ”だろう。
 そっとつまんで口に入れるとホワッとほぐれる。中に空気がたくさん。これだけで価値ある店だ。
 だが店の主人(二代目?45歳?)の品のなさには驚いた。でも酢メシがこんなにうまければ許せるギリギリの範囲か!?
 普通、鮨はカウンターに丸皿や小俎板を置きそこに出す。
 この店は白木カウンターにじかに出す。清潔そうじゃないけど大丈夫?
 木の持つ殺菌作用のため、とどっかの雑誌にあった。詭弁っぽい。
 カウンターの端に着座。
 オヤジが握る。若いモンがオレの前に出す。
 二人が触った鮨は気持ち悪い。
 提供側は無頓着だ。
 オレが頓着しすぎるのかな。 (1994.2)

キャデラック・セビル(1991年型)

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               (部屋中探してついに見つけた当時の古いカタログを激写!)

  ロサンゼルスのコロンビア人街(旅行者立入禁止区域)で明るいうちに買った9ドルのド派手なムラサキ色オープンシャツ。
 分厚い胸板に光らせた香港で12万円のK24ネックレス。
 筋肉は逞しいが手首は華奢なウデにはめた一見200万円(ホントは香港で13万)のダイヤ(ジルコニア)をちりばめたフランス時計クリスチャン・ベルナール。
 そんなイデタチで、窓枠に左ヒジを載せてブラックサファイア(濃紺)のキャデラック・セビルを強引に徘徊させる。傍若無人だ。
  前が空けばアクセルを床まで踏んづけ、馬車のように優雅なリアスタイルを持つセビルを一瞬のうちにロケットに変身させる(それ程速くはないか!?)。
  高らかに吠える200馬力のキャディ・セビル。
 初めはとっても上品な貴婦人に思えたのに、いつの間にか蓮っ葉でグラマーなアメリカのネーチャンに早変わりしている。
  俺ゎこの二面性が好きだ。
 豪放磊落に見えて実は繊細。ガラスの神経のようでいて本当は図太い。
  こうでなくっちゃ。

  オイルショックの影響でアメ車はみるみる小さくなった。セビルは生まれた。
 独特の垂れたケツを持つ二代目から、垂直リアウインドゥの三代目に変わったのは1986年。
 小さいのに、三代目セビルはデカいフリートウッドに迫力も貫禄もまったく劣っていない。デザイナーのテクニックに感銘を受けた。小さい器に大きなモノを無理やり押し込めたような豊饒さがステキ。
 もの凄い巨乳がサイズの合わないブラジャーに納まりきれないように、アンバランスなセビルは烈しく美しい。当時のアメ車は、抗しきれないおおらかな魅力に満ちていた。
 ヨーロッパナイズされた次期セビルが発表された今、消えゆく典雅なこの造形を放っておけない。
 でも静かで、カマロのようにハラワタに滲みる重低音がしないからボク買わない。
 ホントは6,990千円もないからだけど…。(1991.6 15分)

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         (優雅極まりない二代目)

新・竹乃家2(元割烹の昼メシ) ~群馬県中之条~

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 「エビフライとカレーが合うねぇ」
 「ありがとうございます」
 「ガブリと噛むとエビの香りが凄いね
 「エビも大きくなりましたしね」
 「あ、そうなの?」
 新・竹乃家の新作“エビフライカレーライス”。1,100円もする。
 新作だから食ってみた。とってもうまい。エビの香りが突出している。ぷりぷり食感、饒舌な味わいも健在。衣のサクサクはさらに烈しくなった。尻尾のカットがハンサムだ。
 「エビが大きくなった」と豪語するなら1,100円から1,500円と、デフレの世の中で価格急上昇したエビフライ定食のエビも大型化ってことか? 試す必要アリだ。
 「今度はエビを20本くらいカレーに載せて欲しいねぇ~」
 「あはっ それじゃご飯が見えなくなっちゃいますよ」ツッコミを入れる若女将。
 「わっはっはっ」笑うボク。
 「ツッコミ入れられてますよ」指摘する同行のAちゃん。
 「エビ20本とロースカツ2枚並べたらイイねぇ」
 「あっはっはっ」また青木さんが馬鹿げなコト言ってる。でもホントに注文されたらどうしよう。このヒトならやりかねない。一抹の不安を覚えたかもしれない若女将。
 美味しい時間は笑いで締めくくる。(2011.1.13)

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 というワケでエビフライ定食。エビ大型化を実感できるだろうか?
  うまい! 確かに(やや)大型化。
 エビのセクシーな香りは弱い。ぷりぷり食感と饒舌ぶりはエビフライカレーライスで受けた感銘をそのまま再現できた。
 でも生パン粉になってガサが増えたとの見方も出来る。これで36.36%上昇した価格を納得するのはビミョー。タルタルソースが10倍量になったのはイイ。
 「大きなとんかつ(1,100円 → 1,500円)も大きくなったの?」
 「大きいと思いますよ」
 「前より大きくなったの?」
 「なったと思いますよ」
 思います、じゃダメだ。若女将なのに断言できないのだろうか。400円も値上がりしたのに曖昧な“大きなとんかつ定食”は断念した。

 帰ろうとしたら駐車場で出初式。梯子乗りの最中だ。
 「すいません、すぐ終わりますから」棟梁みたいな爺さん。待っても終わらない。じぃさんを手招き。
 「俺はその斜めから出るから今乗ってるのが終わったら中断してくれ」
 「はい」
 見物人多数。ひとつの芸をするたび大拍手。だが皆が喜ぶワケじゃない。早く帰りたいヒトもいるし、こんな事に関心のない人もいる。
 営業中店舗の駐車場を占拠する迷惑を、キチンと認識すべきだ。それでこそ町の火消しとして住民に尊敬される“式”だからという免罪符は通用しないぜ。
  紺のキャデラック・コンコースのハンドルをグインと切ってガバッとアクセル踏んだのは言うまでもない。
 運転席には、白地に紺のストライプ・ピンホール・クレリックシャツに青紫のカシミール紋様エトロタイを締め、左ヒジを窓枠にかけた粋な仕草で片手運転するボクがいた。
 本日の締めくくりは「笑い」でなく「ムカつき」。
 17時になっても消えない胃もたれ。(2011.1.18)

こなから(おでん) ~湯島~

 湯島にハヤリのおでん屋“こなから”。
 2004年か2005年の1月、オンナが行きたがるので行ってみた。予約も任せた。
 レトロな造りの雰囲気ある店だ。靴を脱いで上がる。
 時間ピッタリに行ったのに「前の客がまだ帰らない」と待たされる。
 案内された席ぎゅうぎゅう詰めのカウンター。人々が犇めいている。
 隣のヒトに詰めてもらい何とか納まる。ケツは全く身動きできない。ひとりずつの椅子じゃなく何人でも座れる長椅子。売上増のため?
 流動的な席では予約の意味がない。それでもおでんに期待した。
 まずい
 客が多すぎて主役(おでん)のひとつひとつに気を配れないのだろうか?
 「マズイね、帰ろう」珍しくオンナと即座に意見が一致。最初の2個ずつの注文すら残す。ビールと酒だけは呑んだ。ものの15分だ。
 「会計してください」
 「えっ!もうよろしいんですか?」
 ケツを触れ合った隣の年増ネーチャンふたり連れも早すぎる撤退に驚いている。
 ピカピカに磨かれたひょうたん型銅鍋を前に、満足そうに酒を呑みおでんを食いお喋りに興じる笑顔の人達。
 なぜこのおでんに笑顔を向けられるのだろうか? 信じられない光景が展開されていた。
 人気にアグラをかいている。こんな店に一秒でも長く居たくない。ほうほうの体で逃げ出した。
 異様な空間から脱出し身も心も開放感に包まれる

 泊まりは帝国ホテル。近畿日本ツーリストでダブルルームを予約した。
 電車に乗るため歩いたJR御茶ノ水駅近く。聖橋脇のおでん屋台。とても良い香り。こちらの方が数段うまそうに思えた。
 「こっちにすればヨカッタね」冗談交じりに又も意見が一致した。
 ハラが減ったので帝国ホテル内の中国料理店。まったく客がいない。高いだけでうまくなかった。散々な一日だ。
 空いていたのかワンランク上の広い部屋にしてくれたのが唯一の救いだった。キングサイズのベッドで蜜のように甘い夜を過ごした

 なぜあんな店が人気なのだろう?
 ファッションとして、レトロな雰囲気の中で、日本酒とともに、日本の伝統料理“おでん”を食べる。そんな状況に居る自分を俯瞰する。それが嬉しく楽しいのかもしれない。(2004 or 2005.1?)

新橋お多幸(おでん) ~新橋~

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  5,500円  / おでん18種類、生ビール中2、ぬる燗1 /  2人

  昭和7年創業。「お多幸」から「銀座お多幸」と「新橋お多幸」に分かれたらしい。お多幸は、スケベなじじぃ役が天下一品の俳優故殿山泰治生家として知られる。
 大学を卒業した春休み、1ヶ月半をヨーロッパ一人旅した。
 ちょうどパリで、阿部定を描いた大島渚監督「愛のコリーダ」をやっていた。もちろん無修正。
 主演の藤竜也がキトウは小さいが長めの凛々しいチンボコを駆使。
 スケベだが勃たない和尚役の殿山泰治は、全国のオンナとやった「日本女地図」を著すだけあって、遊び人の威風堂々としたチンポをさらしていた。
 20~30年前(!)に神田か新橋、10数年前に銀座店を経験済み。

  カウンターは満席。小上がりでもテーブルでもタバコを喫う輩が多い。
 そこで、狭い中に六つもちゃぶ台がある二階の座敷へ。観光客らしい平凡なネーチャン四人組がいる。あっ、俺達もお上りさんか。
  先ずは大根、こんにゃく、つみれ、ぎんなん、魚すじ、牛すじ、いいだこ、あかにし貝、しらたき、玉子を注文。
  続いて小松菜、がんも、豆腐、半ぺん、ちくわ。
  まだ足りなくてゴボウ巻、さつまあげ、ふくろ。
  初弾十種が大皿でやって来た。つゆは少しだけ。レンゲで口に運ぶ。
  おー、しょっぱ~い! 深みある味しかししょっぱすぎるぞ。煮物みてぇだ。
 “料亭あおき”のおでんはうす味でうまいとごく親しい間で絶賛されているが、この濃さはまさしくプロの味。秘密料亭(?)の主人としては、さすがと唸らされ猛然とファイトをかき立てられた濃~いつゆ。
  最初に歯を入れたのは飴色の大根。つゆを際限なく吸い込んだこのステキな色の物体は信じられない程やわらかく、アッと言う間に舌組織に吸い込まれた。うまい。
 大根はかたいのに限ると信じて疑わなかったオレ。自分だけが正しいワケじゃないな、娑婆は。
  ちょいと味がついただけのいいだこ。
 ガチガチにかたくて味のしないあかにし貝。
  よく染みた玉子。
 生芋のみで作った(と思われる)素晴らしいしらたき。
 オツなおでんの豆腐。
 存在感大のちくわ、さつまあげ。重厚なゴボウ巻。楽しいふくろ。
  最初の皿は冷め加減。二皿目が普通。三皿目はアツアツだ。
  握り鮨と同様、凄いスピードで胃に納める。火傷した胃を冷ますため生ビールを流し込む。
 今度は空腹時に行ってガンガン食うぞ。カウンターで職人と話をしたいがタバコの煙は嫌だから個室にしよう …。
 数時間経ってもしょっぱい舌は治らない。でも嬉しいしょっぱさだ。
 しょ~っぱいおでんをボクもつくるぞぅ、近日中に。 

 そう言いながらも薄味おでんに固執するボク。 (2005.1)

佳元(旅館) ~群馬県四万温泉~

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      奄美大島出身の美人若女将

 父の十七回忌法要を地元の寺でやり、お気に入りの四万温泉“佳元”に、やや雪の残る道を1時間かけてやって来た。
 キャデラック・コンコース、アルファ・ロメオ147、フォード・フォーカス。
 8部屋だけのこぢんまりした旅館。しっとりした構えだ。部屋もきれい。働く人も皆カンジ良い。
 地元素材を使った料理がうまい。
 出来合いのモノをただ並べるだけの大型旅館と違い、ていねいに作ってひとつずつ出してくれる。

 2年前は仲居に“Tちゃん”という可愛くて剽軽で小柄なコがいた。素晴らしいトークで客を楽しませ、籠絡した。
 21歳とは思えない実力。あんな面白いネーチャン久しぶりだった。
 「美人だねぇ」
 「言われたコトな~い。可愛いとは言われますけど…」
 「いや美人だよ!」美人と言った手前、美人で通した。それがオトコの誠意だ!?
 「視線を感じますぅ~」朝食時でも絶好調なTちゃん。
 「おはようTちゃん」
 「あ、名前憶えてらしたんですね。酔ってたからお忘れかと思ったのに」
 「イイ女の名前は忘れないぜ
 朝メシ前のこんな会話はサイコーだ。
 「もう食べたで。早いでしょ」ニンジン1個を残して煮物をすぐに平らげた。
 「ハヤ~イ。ニンジンお嫌いなんですね …
 ニンジン嫌い母性本能くすぐり大作戦進行中。作戦といってもホントに嫌いなのだ。

 2年前、埼玉在住元AV女優M(公称23歳、実は31歳)と泊まろうと思って旅館に電話した。
 すでに辞めていた。Tちゃんが居なきゃつまんない。Mとは博多旅行した。
 Tちゃんはきっと江戸から良いオトコが来てホイホイついていったのだろぅ。そう邪推した。
 「今は東京で歌の勉強をしてるんですよ」若女将が言った。
 「オジサマ(僕)に投げキッスされたとTが言ってましたよ」職場の忘年会でのことだ。

 親兄弟叔母甥家族姪総勢11人で泊まった。
 海なし県の群馬だから海の魚には期待しない。
 川魚や、徳島老舗料亭“青柳”主人小山裕久氏絶賛の群馬の豚を主体の料理。群馬は野菜もイケる。コンニャクは生産量日本一だ。
 だが群馬には旅行客を呼べる“うまいモン”がない。コンニャクを食いにわざわざ群馬を訪れる遠方のヒトはいないだろぅ。
 「群馬は何が美味しいのォ~?」旅先での質問。堂々と答えられないのは悲しい。
 栃木には餃子、茨城はアンコウ、B級グルメの宝庫埼玉、ほうとうや煮貝の山梨…近県にこれだけある。温泉だって湯布院や黒川が人気だ。あっ、群馬を嘆いても仕方ないか。
  N市では“B級グルメ大募集”と銘打ち、市民にアイデアを募っている。
 呼びかけて作るもんじゃないぞB級グルメは。子供の頃から当然のように食べられているその土地ならではのモノのはずだ。
 ブームにあやかろうとはあざといぜ。しかも遅い。

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 刺身はイワナ薄造り、ヤマメ重ね造り、群馬ブランド“ギンヒカリ”平造り。川魚で勝負。潔い。山の宿ならではのうまさだ。
  群馬麦豚のスペアリブ。しつこさを感じないのに醍醐味は充分。

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 煮物は大根含め煮、フォアグラ他。濃厚なフォアグラがステキ。旨味を最大限に吸い取った大根はもっとステキ。
 素晴らしい器に盛られた前菜の数々。
 繊細な味つけの茶碗蒸し。
 ちょっと濃い味の、ほろっとした地鶏つくね鍋。
 いい食感のごま豆腐揚げ出し。
 デザートにも神経が行き届いている。

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 軟らかい炊き込みご飯はキライだ。
 白いご飯もキリリと凛々しくかたいのが好き。ご飯の不甲斐なさを糊塗するため、味噌汁?をかけてザバザバ食った。品が悪いがしょうがない。
 ダシをしっかり摂った渾身の品々。基本を押さえ、センスも素晴らしい。
 うまい。皆もうまそうに食べている。俺が連れてきた手前、責任がある。
 鹿児島、福岡、埼玉、地元群馬各地から集まった面々。佳元を気に入ってくれたようだ。セッティングした俺はほっとした。

 朝メシも丹精込めたモノだった。おいしい。
 甘塩鮭の焼き加減が最適。大好きな皮もサイコーの状態に焼けている。甥の四歳の娘も鮭は皮が好き。
 「おじちゃんと一緒だね
 「うん
 ご飯も五穀がゆも食べた。腹一杯。
 味噌汁は、具の菜に元気がない。

 昼はかつて御執心だった中之条“竹乃家”。
 開店と同時の11:30。みんなにソースカツ丼を食わせた。
 「うまい」「おいしい」「おいちぃ」「うんまいねぇ」
 「カツがサクサクで肉が柔らかくてジューシーだね」「ご飯にからんだ丼ツユがおいしい~」
 皆、口々に言った。
 「旅館で朝ご飯食べたばっかりなのに、こんなに食べらんないよ~」と適切な指摘も。だが全員うまそうに食っていた。案内した者として嬉しい。

 こうして“父の十七回忌法要”は成功裡のうちに幕を閉じた。父も喜んでいるに違いない。(2011.1.11)

ポンティアック・ファイアーバード・トランザム(1989年型)

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  学生時代東京でよく見た1974年型トランザム。ボンネットにでかい不死鳥が描かれていた。
 「カッコイイ~」このカッコ良さは尋常じゃなかった。
 「アメ車は違う」度肝を抜かれたものだ。
 ただ効率だけを追い求めた日本車にはあり得ないデザイン。ステキな遊び心に感銘を受けた。
 白ボディに青い火の鳥が多かった。異彩を放つ紺ボディ+青フェニックス。
 「こんな凄いクルマに乗りたいなァ~」憧れていた。

 時は移ろい、1989年型トランザム。
  基本的にはカマロと同じ。味付けは野性的だ。
  しっかりしたハンドル。もの凄い加速。かたくて飛ばしても安心の足回り。
  ただ一点残念なのはカマロに劣るスタイル。
 これは、1988年型カマロオーナーならではの意見といえよう。

  たいした修理じゃないのにカマロの代車でおろしたてのトランザムを2回合計1週間。 
 うれピ~  当時のヤナセは余裕があり、おおらかだった。
  色はガンメタ(写真は黒)。
  矢鱈と強い主人公が活躍する荒唐無稽な劇画に出てきそうなヤツだ。
  こんなのに乗ったらオレでさえ荒唐無稽な人物になりそうで怖い(嬉しい)。
  よく映画に出てくる、核戦争後の荒廃したロサンゼルスを徘徊しても似合いそうだ。
 (1988.12 &1989.3 1週間)

旅館 橘(的矢牡蠣尽くし) ~三重県的矢~

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  17,640円  / 的矢牡蠣フルコース2+ビール /  2人

  山椒煮(カキ2個)、塩辛1個、薫製2、酢の物3、生牡蠣3、牡蠣ねぎバター焼き鍋3、焼き牡蠣1、グラタン1、茶碗蒸し1、カキフライ3、牡蠣うどん1、牡蠣めし3、お吸い物1。これが5千円のコース。
  加えてワイン蒸し2個で6千円コース。
  さらに三種焼き3(木の芽、粒ウニ、ごまペースト味噌)で7千円。
  選んだのはもちろん一番高いヤツ。
  殻付き生牡蠣にレモンをぎゅっと搾り、ちゅるっとすすり込む。カキの持つ濃厚な甘さと強い旨みが口中を席捲!
 レモンの酸味がその強さをアントニオ猪木“腕ヒシギ逆十字固め”でなんとか抑え込んだ。
  茶碗蒸しの熱さといったら尋常ではない。
 熱いのを呑み込みあわててビールを流し込む健康に悪い行動。口の奥の柔らかいところが腫れちゃった。エ~ンエ~ン。
  カキフライはうまい「これに勝るカキ料理なし」と断言しよう
  牡蠣めしはご飯によく味が染みている。
  うどんのツユはなんだこりゃ! ここは関西か?
  6千円コースのワイン蒸し。カキの味が全然しねぇ。ワインの風味も無い。
  7千円の三種焼き。木の芽や粒ウニよりもごま味噌焼きが旨い。でも市販のごまペーストと味噌を殻付きカキに塗りたくってオーブンで焼けばオレにもできるかも。
  「少ないなぁ」と最初は不満を覚えたが、次々と運ばれる料理を間髪入れずにガンガン喰っていくうち凄く腹がいっぱいになり、全部喰い終わったらパンクしそうになった。
  いろんな味付けの牡蠣を30個。しかも連れの5個も足して合計35個。そんなに喰っちゃあダメだぜマサさん。
 昨日のディナーはシマカン(志摩観光ホテル)ラ・メールでサイコーにうまい海の幸フランス料理。
 今日の昼が橘で的矢牡蠣フルコース。
 そして夜は太くなった腹を抱えて予定どおり大阪喰い倒れ行軍に出発。
 “づぼらや”のてっさ、てっちり、ひれ酒、“ぼてじゅう”海鮮ミックスお好み焼き、明石焼き、海老焼きそば、ビール。これ以上食う事能わず。

  うまい牡蠣だが、ことさら「的矢牡蠣ゆえ」ではない。(2003.3)

ベーコン雑煮(マサ料理)

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 いつも雑煮は“煮干し+昆布”か“鰹節+昆布”のダシだ。
 たまにはベーコンでダシを摂ってみよう。具は玉葱とじゃが芋だ。
 実はじゃが芋の消費促進料理の側面もある。
 キャベツで有名な群馬県嬬恋村産のじゃが芋(わせシロ)を早く食わなきゃ芽が出るぞ。そんな強迫観念に駆られていた。それで大好きなベーコンとの遭遇を実現させたのだ。
 元旦のオーソドックス雑煮に使って残ったゴボウ1本も入れよう。ゴボウはすぐフニャフニャになっちゃうから。

 ベーコン536gの半分、玉葱1個、特大じゃが芋6個、ゴボウ1本を水から入れた。強火で沸騰、のち弱火。
 味付けは塩コショーのみ。ミリンと醤油を入れたいが我慢した。ベーコンの味と香りを突出させたい。でかい餅2個を焼いた。少し煮た。食った。 
 うまい! ややシンプルに過ぎる。材料ひとつひとつがよく感じられるのはステキだが調和不足だ。
 明日はミリンと醤油味にする。どうしてもそこに落ち着くオレ。
 さっそく味つけして明日に備えた。(2011.1.6)

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 翌日。やっぱりコレだね。ダシ+みりん+醤油の魅力に抗しきれない俺。 
 昨日の塩でややしょっぱい。

ポルシェ・カレラ(2000年型)

  群馬県高崎市、丸善自動車ポルシェショールーム。
 客が乗ってきたロータスエリーゼの傍らで談笑しているのは森田健作。
 久しぶりのI氏だ。
 「どうも、お久しぶりです」
 「やあ、しばらくです」
  ナンバーの付いた白のポルシェカレラ発見。
 多少遠慮しながらテストドライブ。
 鋭角の交差点を左折して高前バイパスを前橋方面へ。ハンドル重てぇ~。
  前橋インターから渋川を目指す。ガーッと野太く加速。ところが巡航姿勢ではかなり静かだ。
 1994年に前モデルを試したときは凄かった。もっと音が激しく、カミソリのように鋭く加速する。
 追越車線を行くクルマどもはポンポンと道を譲り、腰がバンと張ったカレラは空間を抉る時、エクスタシーに達する。
  2000年モデルが迫っても道を空けない奴がいる。生意気な!
 色白柳腰じゃ普通っぽくて迫力無しだ。
 あまりスピードを出さないのは交通量のせいではない。
  途中から横風に煽られフロントがちょろちょろする。
 これが世界トップクラスのスポーツカーか!

  RRモデルにはPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネジメント)が付いてないから4WDのカレラ4によって評価を確定したいが、ガッカリしたことは否めない。
  PSMとは、アンダーステアやオーバーステアに陥りそうになった時、ヨーセンサーが感知していずれかの車輪にコンピューターがブレーキをかけるという、自動コントロールだ。
 つまり、左カーブでケツが右に振り出しそうになれば、そうなる前に右の前輪(?)にブレーキが掛かりケツの振り出しを制御する。
 ドライバーはそうとは知らずに何事もなくカーブを通過する。
  これと同じものが、ボクのキャディにもスタビリトラックの名で付いている。
 おかげで風の強い180キロ走行でも全く平気。
 あとはベンツ、BMW、トヨタクラウンあたりに装着されている。
 これの無いのはクルマじゃない!(当時、この装置は珍しかった)

  かなりのスピードで驚くかと思い、得意満面でI氏を見る。
 「私もスピード狂なんですよ。ポルシェで275キロ出しました。前橋から東京まで20分。夕方6時に出て軽井沢には全開で行きます」
 神をも恐れぬ発言だ。キミは自動車屋の営業だぞ。免停になったら仕事にならんじゃないか。キミはキチガイだ!
 自分より傍若無人な奴を目の当りにし、キャディのマサは愕然とした。

  前車が邪魔なので、追い越し車線と思って右に出たところいきなり対向車が。
 瞬時に左にハンドルをきる。間一髪で回避。
  寝入り端の悪夢。
 目が醒めて心臓がいそがしい。
 横風に翻弄されたポルシェを叱咤激励しつつの高速走行によるものか。(2000.6   30分)

蘇った精米機(マサ料理)

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 ニューフェイス象印精米機の具合が悪い。
 “7分搗き”では玄米に近いのが出るし、“白米”にしてもう1度やると削りすぎる。炊いたらボソボソで食えたモンじゃない。日本人なのに大事なご飯を棄てた。断腸の思いだった。
 これでは丹精込めて育てた新潟の親戚に申し訳ないし、最高の南魚沼産コシヒカリをまずいご飯にしたらコメに対する冒涜だ。
 だから返品した。象印“お客様ご相談センター”の対応は誠意あるものだった。さすが俺の好きなブランド象印だ。

 精米機がなくなった。どうしよう。
 虚しい期待を抱きつつ壊れた前任の精米機(ホームライス)をいじった。
 おやっ!モーター停止時の対応がフタに書いてあるぞ。何とも簡単なその操作ひとつで「ガーッ」と逞しいモーター音が蘇った。
 冬はもっぱらキャデラックに乗るため、あまり出番のないコルベットのバッテリーが上がり、ジャンピングコードのおかげで蘇った6000ccV8エンジンのように。
 壊れていなかった。驚いた。
 スタイルの良い新恋人は去り、12年交際して別れた昔の女と再会したみたいだ。やはり馴染んだ女がイイ。これからもよろしく頼むで!

 「壊れれば棄てられる」そんな“悪魔の囁き”は聴いた事ないぞ!!!(2010.11.30)

味平(シナノユキマス料理) ~佐久~

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  10,000円  /  ユキマスづくし2、生ビール中4  /  2人

  旧チェコスロバキア原産。30年前に卵を輸入し佐久で育てた。
  佐久鯉は有名ブランドだが、新興産地の攻勢に新たな特産品を創るべく、長野県水産試験場佐久支場が1975年に目をつけたコレゴヌスという冷水魚の仲間でサケ科の淡水魚。
  水槽からピンピン跳ねる40センチ級の信濃雪鱒(シナノユキマス)2尾?をすくいあげたのは味平のオヤジ。
 50代半ばだが若く見える。ヤナセ群馬ボク担当H氏に似た憎めない男だ。
  刺身。
 艶っぽい白身をピカピカ輝かせて華やかに登場。
 セクシーだ。本わさび付き。上田「つちだ屋」のアユ刺身にも本わさび。長野県はわさび産地?
  うまい! キョロッ、ギョロッと嬉しい歯応え。脂の乗った美しい身はしつこくなく旨みが充分。ノルウェー産サーモン刺身に似ている。
 2切れずつ凄いスピードで口に放り込む。本わさびだから醤油に溶かない。刺身に載せ口に運ぶ。香りが生きるのだ。粉わさびやチューブ入りは醤油に入れた方が良い。かなりの量をアッと言う間に胃に収める。
  フライ。
 すでにソースがかかった分厚い奴。ガブリとやる。
 「?」 真っ白い身はホロリと崩れどこかに消えてしまう。軽すぎて何の魚かわかんないや。
  塩焼き。
 これ又でっかい切身だ。しつこい。
  さぁ次はなんだ?
  大きな椀だ。もう味噌汁!
 フタを取ると強烈な山椒の香り。臭みを消すのならゴボウでやるべきで粉山椒たっぷりは強すぎる。ゴボウなら味もうんと良くなる。
 あとはお新香と炊きたてご飯。このご飯がうまかった。
  四品とご飯じゃ“づくし”とは言えない。もっともフライの段階でハラ一杯だったけど。
 昭和61年“食いしん坊万歳”で梅宮辰夫もこのコースを食ったらしい。
 刺身はイケる。これなら並み居る海の強豪にも太刀打ちできるぞ。
 トラフグ白、城下カレイ、鳴門の真鯛、関アジ、ヒラメ … には負けるけれど。
 それにしても、正午過ぎで客はボク達だけとは!

 「活を使わないとダメなんです。絞めて置いておくとハマチみたいになっちゃうんで。そうなったら火を通すしかないけど他の白身と同じ味になっちゃう。だから一本売りしてます」
 会計時に刺身を再度ほめたら饒舌なオヤジ。
 トイレを訊くと「そっちです、わりんねぇ(悪いねぇ)」などと群馬県人のような言い方。
 アンタ群馬のヒト? (2004.7)

コチ煮付け(マサ料理)


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 コチの煮付けが正しいかわからない。だが窮余の策だ。
 ヒマな土日は料理を作る。明日は何にしよう~と考えるのは楽しい。
 「明日は刺身でご飯3合だ」と決めていた。定番のメバチかヒラメかウニかホタテか。
 おっ、コチがある。裏返しになって3尾並んでいた。ウラから見たキトウのような形だ。アタマはでかいけどハラは小さい。
 「コチ、刺身になるかな?」
 「ダイジョブですよ~」
 「さばいてくれる?」
 「頭とお腹取るしかできないんですが…」
 「お願いします」

 炊飯器セット。
 ワイドグリップで懸垂(チンニング)7回、腹筋(クランチ)50回。
 よ~く冷えたキリンクラシックラガー中瓶。うまい。
 炊きあがりまで15分。さぁ、刺身でもやるか。頭と腹がなくて500g。思ったより小さい。
 出刃包丁で三枚におろした。
 おやっ、中央に骨がいっぱいあるぞ。取るのは大変だ。ヤバい。メシが炊けちゃう。刺身は止めて煮付けだ!
 直径24cm矢床鍋に酒、ミリン、醤油。味見。ミリン追加。煮た。食った。
 サッパリ味だ。身がほっこりと骨から外れるのはイイ。皮はタラに似た味。途中でハラ一杯。
 煮汁をご飯にドバドバかけた。ずるずるとかっ込む。うまい。でもサッパリ。砂糖を入れた方が濃厚になったかも。ご飯3合全部食べた。
 握り鮨や刺身やチャーハンや天ぷら。プロ並みだ!と豪語してきた。
 だが思いつきでやった魚の煮付けはイマイチ。
 「料理は甘いモンじゃない」痛感のコチ。
 会心の出来じゃないと短い文章。(2010.12.18)

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 これは日本で最初に生け簀料理をやった店、博多“河太郎”のコチ活造り。

キャデラック・コンコース(1994年型、1995年型)

  ゆったり豪華にいこうと思ったら、室内はそれ程広くなく、豪華でもなく、加速はまあまあ良いが足回りはやわらかく、全ての点で中途半端だ。
 これならスポーティなセビルの方がいいや。
  百年の恋(初めてショールームで会ったときからの)も冷めたぜ。
  特に、室内の狭さにはガッカリ。 
 でもそれは、助手席に体格の良いヤナセ群馬のH氏がいたせいだろう。(1994.3 10分)
                                                 

キャデラック・コンコース 2  (新潟市内編)
 
 ボディが白、インテリアも白革で、いかにも豪華な豪華なアメ車。
 ここは新潟ヤナセだ。
 なんでそんなトコにいるの!
 新潟のオンナの家に泊まり、翌日ふたりで試乗だ。1995年型カマロZ28で赴いた。
  乗ってみたのは内外とも紺のコンコース。
  静かで涼しくて、大きなボディに軽いハンドル。
 デレッと乗ってもシャキッと操ってもサマになる。
 ゆっくりでも速くてもステキで、とっても素晴らしいクルマ。
 ベタ褒めだな。
  信号待ちしていたら、奇しくも同じ紺のコンコースが窓を真っ黒くして、交差点をぐらりとロールしながら強引に曲がってきた。
  すごくワルそうでカッコいい。
  僕はコンコースに決めたぞ(2年半後に本当に買うとは誰が想像したであろう)!(1995.6 25分)
                                              

ひだまり(割烹) ~博多~

 博多の女社長Mさんに何度かご馳走になった“祇園の台所ひだまり”。うまかった。
 こぢんまりした割烹だがウデは確かだ。

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 初回の〆に出た穴子茶漬けが印象的。
 自家製ゴマだれにからめた穴子刺身をメシに載せ熱々ダシを注ぐ。ツンとくる穴子の存在感、ゴージャスなゴマだれ、基本をしっかり押さえたダシ。

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 刺身がうまい。素材が良いだけでなく、テクニックもあるからうまいのだ。
 酢の物、煮物、焼き物、揚げ物…。割烹料理の神髄が展開される。
 「青木さん、もっと食べてぇ 他に好きなモン追加してェ~」太っ腹なMさん。

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 佐賀牛ロースステーキが又うまい。
 肉に甘みがあり、脂は華麗だ。和風ダレに本わさび。ちょっとしょっぱいが、泣かせる味だぜ。
 佐賀牛の仕入れがない時は鹿児島牛のモモだったりする。
 やはり佐賀牛ロースだ。

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 天ぷらとフライはイマイチ。
 ここ4年間の定宿ニューオータニ博多裏の“天ぷら楽ちゃん”も軽すぎる味。博多の揚げ物は関東のオレと相性が悪いのだろうか?
 レバー炒めはイケる。

 最近はMさんとは行かず、ひとりだったり誰かを連れて行ったり。
 ランチ営業もある。俺の好きな“割烹の昼メシ”だ。

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 俺はランチメニューを食わない。
 「刺身でビールを呑んでから佐賀牛ステーキ丼」とか
 「イカとエビと穴子とアジの天ぷらをビールで。その後海鮮丼」やら
 「ビールと佐賀牛ロースステーキ、そして天丼」とあらかじめ注文しておく。
 仕事途中の近所のサラリーマンやOLの横で冷えた生ビールをうまそうにあおり、うまいモンをガンガン喰らう。気分良いぜ。

 40歳くらいの大将はいつもニコニコ。だが目が笑ってない時もある。
 大阪吉兆で修行。“鬼の斉藤”の異名を持つ偉大な親方に殴られ蹴られ仕込まれた。夜逃げ3回。だから基本がしっかりしたセンスある料理を饗するのだ。

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 京都いづう鯖姿寿司のすばらしさを知っていた。
 「じゃ次回は鯖寿司を!」とリクエスト。
 醍醐味不足の鯖寿司。繊細ではあるが…。
 冬になるとからすみも作る。一腹送るよう頼んだ。今年は仕入れが安く8千円。

 Mさんのおかげで良い店を知った。バークレーを教えてくれたのもMさん。
 このうまさで凄く安い。家庭料理も多彩だ。“割烹の肉じゃが”はひと味違って、流石と思った。
 今まで“河太郎”と“せいもん払い”でうまい魚を食っていた。
 今では俺にとって博多№1魚料理屋だ。(2010.11.26)


カキ釜飯(マサ料理)

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 冬の王者“カキ釜飯”。
 具やダシや調味料の味がご飯に染みる釜飯は大好きだ。具ではなくご飯が主役。
 白いご飯は“絶世の美女”。味や色を付けられる釜飯のご飯は“ベッピンさん”だ。
 キリッとかたく炊け、香り高いお焦げもできると「サイコ~~~!」となる。
 春はホタルイカ、夏に鮎、秋がサンマや松茸、冬にはカキだ。
 通年バージョンとして鶏ゴボウ、乾物(干し貝柱&乾し椎茸)、ベーコン、コンビーフ…。
 嗚呼、想像だけでヨダレが際限なくあふれる。

 他の釜飯のように具を一緒に炊き込まない。ふっくら柔らかいカキを堪能するためだ。
 『少量の昆布ダシでカキを煮、ぷっくり膨らんだらカキを取り上げる。醤油、酒、煮汁で炊く。道具はユニフレーム・ダッチオーブン・スーパーディープ10インチ。厚さ4.5mm黒皮鉄板の鉄鍋。15分で炊きあがり、数十秒強火でお焦げ作り、蒸らし段階でカキ投入。5分間蒸らす。これによりご飯もおいしくカキもふっくら食べられる』鉄鍋料理の本に出ていた。
 その通りやったら最高にうまい。だから毎年カキの季節が待ち遠しくなった。

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 1kg入り広島産加熱用カキ。本ではショウガやセリも入れるが、カキだけを味わいたいから余分なモノは入れない。それがマサスタイルだ。
 煮た時に7個食べちゃった。さっと煮たカキは旨味全開。汁も飲んだ。うまい。
 最後の強火。パチパチ音が聞こえた。今日は42秒。良いお焦げ。
 食った、うまい、サイコー!
 「今までで一番のカキ釜飯だ!」いつものセリフ。

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 ダッチオーブンの向こうにベティ(コルベット)、その先にキャディ(キャデラック)、そして手前にはシボレー・シルバラードのカタログ。次にこのクルマがウチの庭に納まるというのだろうか!?(2010.12.26)

からすみ(割烹ひだまり製) ~博多~

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 袋を空けた瞬間、挑発的な芳香に襲われる。
 「どう、香りだけでうまさを確信したでしょ」からすみにそう言われているようだ。
 1腹8千円。半腹(1本)はNEWポリラップに包んで冷蔵庫。
 サランラップ等と違いこのラップは粘着力が弱く人気がない。だがポリエチレン使用のため燃やしてもダイオキシンが発生しない。さらに無添加。いい男(女)はこういうのを愛用する。
 薄皮をむこうとしたが巧くできない。いいやそのままで。斜めに切った。
 先ずはビール、次に純米酒。
 食った。ねっとりと舌にまとわりつく極上の味わい。福井の練りウニに似た感触。からすみの方がワイルドだ。歯にくっつく。薄皮が邪魔になる。
 日本三大珍味はウニ、からすみ、このわた。
 福井「天たつ」の練りうにはサイコーだ。
 ナマコの腸、このわたはキライ。乾燥した口子は好きだ。
 そしてボラの卵巣からすみ。これを書きながら半腹(1本)食べた。
 かたく締まり旨味も脂も豊かな、塩加減がちょうど良い博多“ひだまり”製。断然日本酒だ。
 セコいこと言えば「これで4千円は高いなぁ~」
 だが今年は需給の関係で仕入れが安かったそうだ。いつもなら1万~1万5千円。
 食べ終わり、吞み終わっても長時間残る余韻。
 イイ物だけが持つ食べる前の胸騒ぎ、最中の愉悦、余韻の艶やかさ。
 余韻まで味わって「4千円は高い」と言った自分を戒めた。
 また来年も送ってもらいたい(と今は思う)。(2010.12.19)

 バランタイン30年に合わせた。濃厚と濃厚の邂逅。最強だ。
 からすみが終わったので30年にチョコレート。
 いつもは明治アーモンドだが、今日は冬季限定“メルティキッス仕立て”。ココアパウダーのついた滑らか口どけ。
 “からすみ&バランタイン30年”に勝るとも劣らない“チョコ&30年”だった。(2010.12.30)

キャデラック・フリートウッド・エレガンス・クーペ(1990年型)

 古典的で典雅なスタイル。
 特に、リアスタイルにはシビレちゃうっ。
  ランドゥトップを持つ“大きなクーペ”。これが圧倒的にカッコイイ。
 欧州車にも日本車にもあり得ない造形。
 ヨーロッパでも日本でも為されないデザイン。
 静かで乗り心地も優雅だが、踏めばググッ!と加速。            
  180馬力しかないのに気持ちいい。
 リラックスしてでかいツラで乗ればその道路も、時間も、空間も我がモノ。
  後方視界が悪いのが唯一の欠点。(1990.7  10分)                                 

   ~高速道路編~
   高速での加速はイマイチだが、一応まぁまぁのスピードは軽く出た。           
  「青木さん、売り物だから勘弁してくださいよっ!」         
  ヤナセH氏の哀願によりアクセルを戻す。
   ボンネット先のキャデラックオーナメントを眺めながらの広大で、静かで、涼しい空間。                                   
 キャディで地の果てまで走っていこう~。(1990.7 20分)                                            

雑煮(マサ料理)

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 正月は雑煮だ。
 昨晩から水に浸した昆布3切れと煮干し10尾。
 ジャパネットたかたで買ったアルインコ電動ウォーカーの30分間、弱火でじっくり煮てダシを摂る。
 鶏モモ2枚、大根半分、里芋1袋、ゴボウ1本、こんにゃく1丁。
 ニンジンを入れると彩りが良くなるが入れない。ニンジンはキライなのだ。
 「子供みたァ~い」母性本能をくすぐられるヒトがいる。ピーマンは大好きだから安心してくれ。あっ、椎茸買うの忘れた。
 直径24cm矢床鍋で始めたが、入りきらず半寸胴鍋に切り替える。
 「洗い物がひとつ増えた」と主婦の発想をする。
 味付けはミリンと醤油。鶏とゴボウが良い香りだ。
 分厚い角餅だからちょっとチンして魚焼きグリルでキツネ色に焼く。油断すると焦げる。
 焼けた餅を少しだけ煮る。
 トッピングはゆずと三つ葉だ。
 食う。うまい。甘辛加減ぴったり。たっぷりとダシが効いている。
 コクがあって柔らか鶏モモ、ツユを含みエグさが素晴らしく歯応えサイコーの大根、甘~いホクホク里芋、強い香りに圧倒されるゴボウ、真価を発揮するには時間が必要なこんにゃく、ゆずと三つ葉が良いアクセント。
 明日になればもっとうまいぞ。
 今度はベーコンをダシに玉葱とじゃが芋の雑煮をやろう。
 それもまた一興だ。(2011.1.1)

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 2日目はすべてが馴染んだ。特に、とっても甘くなった里芋と味の染みたコンニャク。うまい。
  煮物は冷めていく時、味が入るのだ。

 2日目夕飯に餅を入れず、ラーメンどんぶりじゃなく、具とツユだけを普通のご飯どんぶり(カツ丼等に使う奴)で食べた。ベッコウ色に輝く大根が主役に躍り出た。味がグッと染みたのにステキな歯触りは失っていない。2回冷まして3度火を入れると大根はこうなるのか!

洋々閣(アラ尽くし) ~唐津~

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  85,260円  /  アラコース1泊2食4万×2、ビール2  /  2人

  往年の八百長横綱(と板井の著書で糾弾される)千代の富士。彼の大好物。買い漁るせいで九州場所の時季は相場が急騰すると言われた白身の高級魚“アラ”。でかいのは30キロにもなる。フグよりうまいなどと食通ぶる輩もいる。本当だろうか? 楽しみだ。
  110年の歴史を誇る唐津の洋々閣。
 見事な庭園。アラ尽くしで有名な老舗料理旅館だ。
 磨き込まれた廊下を若いネーチャンに案内され柿沼守利設計の“十坊(とんぼ)の間”に収まる。静謐な空間。洋々閣最高のステキな部屋だ。

  昨日の夕食は中洲“河太郎”。
 関アジと伊勢海老の活造り。関アジのアタマは唐揚げ、伊勢海老は味噌汁。イワシ握り8貫、活イカ握りのクリスタル鮨10貫。その後スナックで痛飲。
 今日の昼メシは呼子“河太郎”。
 ミズイカ(アオリイカ)とでかいヒラメの活造り。ゲソは天ぷら、ヒラメのアタマはでかいから唐揚げと味噌汁。
 何百杯ものイカがすぐそこを泳ぐ特等席だが、連続の活造りは飽きる。
 開店と同時に入店したのにバイトっぽいネーチャンは2階へ案内しようとする。生け簀脇の1階席が空いているじゃないか。
 「やぁだぁ~1階がイイ~!」俺たちの二組前のハタチくらいの女が突然子供のように駄々をこね出した。
 「あははははは」あまりに直接的な感情表現に思わず笑った。
 もちろん奴等も俺達も強引に1階席に着く。
 和服の仲居が至れり尽くせりの中州河太郎と違い、普段着のネーチャンが雑な対応の呼子河太郎。活イカを求めて観光客が殺到するから増長しているのだろう。

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  夕方になっても全く腹が減らない。どうしたらいいんだ?
 胃薬“三光丸”二包を旅館にもらって服用。準備は整った。
  アラ刺身。
 大きなテーブルに白布をバサリと音を立てて広げ、中央に菊盛りのアラ刺身を「どうだうまそうだろうっ!」って顔で置く担当の仲居T。きわめて厚化粧だ。
 キラキラ輝く切り口は凄腕の包丁技を感じさせる。うまい!
 身自体に味がある。歯応えは弱い。絞めたての死後硬直状態じゃなく8時間寝かせて旨味成分イノシン酸をカラダに回したためか。それともやわらかいサカナなのか。
  えらと肝と皮と胃袋の湯引きにポン酢。コリコリうまい。サーモンと大根の麹漬け。

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  アラの粗煮。
 頭や頬の骨まわりがキョロキョロとゼラチン質。体細胞に染み入るようだ。ギュッと濃厚味の身はほっこりと身離れし豪快美味。シャキシャキ感だけの皮唐揚げ。
  メインのアラ鍋だ。
 中里隆作1,000,000円の大皿にアラ、ネギ、白菜、かぶ、椎茸、エノキ、春菊、豆腐、餅、マロニーちゃんが大量盛り。仲居T専用のでっかい土鍋にはダシ昆布。
 身はブリッと盛り上がりポン酢で口にポン。鍋のアラはまた格別だ。
 汁にはきれいに澄んだ細かい脂がサラサラと浮く。素晴らしい風景だ。このサラサラ脂だけで価値がある。
 男らしいが上品なオトコだ、アラって魚は。でもこのアラはやや小型。
  生米から作る雑炊。
 残った汁が少ないが、講釈師で俺(客)の自慢話は無視する性悪女(仲居)Tがどうにか20分で完成させた。米の歯触り絶妙。味もグッとついてご飯からやるよりうまい。 

 かなりうまいがフグには負けた。
 天然トラフグ白のググッと凝縮されたあのうまさにはとうてい敵わない。鍋にサラリと浮いた芸術的に澄んだ細かい脂は今でもはっきりと蘇るけれど…。

 今度行く時は仲居をTではなく「まぁ!」だの「あらぁ~」とか「スゴ~イ」などと俺の自慢話を聴いてくれるヒトが望ましい。(2004.12)

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