2011年02月

キャディ姐さんの呪縛

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 先日、廃車を決めた俺のキャデラック・コンコース。
 大きなボディを横たえてある自動車屋に出向いて写真を撮り、ステアリングに“別れと感謝の口づけ”をした。2週間前だ。

 姪のY子が泣いた。
 “キャディ姐さん死すⅡ”(2月10日記事)を読み終わると大粒の涙をポロポロと落としたのだ。
 「どうしたの!?」
 「Ⅱの途中から切なくなって…」
 キャディ姐さんに涙を流してくれるとは! 姪のY子は心の優しい良いコだ。
 俺の文章がヒトを感動させたとは! 嬉しい。

 「もう廃車した?」朝、主治医I氏に電話した。
 「はい、昨日しました」
 「!」もうしちゃったのか。
 法的にも俺のキャディ姐さんは死んだ。
 キャディ姐さんとの記念に、ボンネット先のオーナメントを外すよう頼んでおいた。
 「グリルも取っときましたァ~部屋に飾るんにイイと思いまして~」
 「おぉ、そりゃイイね」
  キャディよ、フロントグリルやオーナメントをもぎ取られて痛かったろう、などとはもう言わない。

 グリルとオーナメントを家に持ち帰った。家に入れるとデカい。
 愛しいヒトの“遺骨”みたいで複雑な心境がした。決して残骸とは思えない。
 でも、そろそろキャディ姐さんの呪縛から逃れなければ …。(2011.2.22)

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 雪解け泥水や融雪剤(塩化カルシウム)に汚れたオーナメントとグリル。
 日曜昼間、外の水道で洗った。
 台所洗剤ジョイをつけたスポンジで洗った。
 ボンネット先のオーナメントはまだ十分に輝いている。
 グリルは所々くすみ、風雪に耐えた12年8ヵ月を如実に物語っていた。(2011.2.27)

イカめし(マサ料理)

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 数日前、いきなり“イカめし”がアタマに浮かんだ。
 十数年前に一度作った。イカに米を入れすぎてパンパンになった。大きなスルメイカだから迫力だった。
 ネットでレシピを見る。
 餅米だけやうるち米と混ぜたりが多い。あの時はうるち米だけでやった。とてもうまかった。
 12月30日。象印餅つき機で餅を搗いた。
 もう一度2月末に搗く予定の餅米が1升ある。特に餅を食いたくない。
 「その餅米を使っちゃおうか!」
 悪魔の囁きが聴こえた。
 「キミは冬の風物詩“餅つき”を1回で終わらせようというのか!」
 「うん」
 “森のイカめし”は3度食べた。3度ともうまかった。
 「あぁ、イカめしが食いたい」想いは募るばかりだ。
 すべては明日の魚屋に良いイカがあるかどうかによる。スルメでもヤリでもいい。

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 あった。でかい富山産スルメイカ。新鮮だ。1杯220円。高い。10杯。群馬でも良いのが手に入った。
 博多や呼子のヤリイカ活造りが好きだ。半透明を知って以来、死んだ白いスルメイカ刺身は食べなくなった。天ぷらや煮付け等は大好きだけど。
 イカ10杯に米7合。うるち米と餅米各3.5合だ。餅米を水に浸してないけど大丈夫かな?
 水、砂糖、酒、醤油、ミリンを煮立てる。
 ゲソをみんな米に混ぜよう。だが小さく切るのが大変。3杯分で止めた。
 米と小さく切ったゲソを混ぜ、イカの胴体に八分目ほど入れた。
 爪楊枝で留める。爪楊枝は意外にスッと刺さった。全部刺しても置くところに困るので1つ刺しては鍋に入れる。
 「美味しくなれよ」と言いつつ舌なめずりしながら優しく放つ。ヨダレが1滴垂れたかも知れない。
 沸騰した。落としぶた。上ぶた。中火30分。

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 良い香りが部屋中に充満。火を止め30秒蒸らす。フタを取った。
 「うわぁ!」茶色にプリプリにイカちゃんが輝いている。べっぴんだ。
 全部取り出し、大皿に載せ、激写。

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 熱々1杯を切った。食った。うまい。味が薄い。
 メシがかたい。真ん中1~2粒はまだコメだ。餅米を水に浸さないのが効いた。
  大皿に盛った9杯をドバドバッと鍋に戻す。さらに20分。計50分煮た。
 再び大皿に盛る。煮汁は水溶き片栗粉で強めのとろみをつけた。

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 ご飯はやっと許容範囲だ。とろみをかけてちょうど良い味。
 「うまい」ことはウマイ。だが手間がかかってこの程度じゃ喜べない。
 “森のイカめし”の方がずっとうまい。
 “マサのイカめし”再登場は何年先になるだろう?
 2杯で腹一杯。
  3杯を友人に。

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 あとの5杯を見つめ途方に暮れるワタシ。(2011.2.26)
 
 翌日。馴染んで昨日よりうまい。
 かたくなったのを切ってラップしてチンした。
 トロミもチンしてかけて食った。
 昨日の落胆を挽回するうまさ。
 近いうちに一晩水に浸した餅米を使って、完璧なイカめしを作るぞッ。

 落胆が希望に変わった瞬間だった。(2011.2.27)

ホテルニューオータニ博多 ~博多~

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   ~~~1ヶ月ぶりのステキな中国人スタッフIちゃん~~~

 15:30。チェックイン。その前に百旬館で買い物。
 キリンクラシックラガー500cc1パック、小さくかたく甘酸っぱい熊本産トマト、爽やかな甘さのエクアドル産バナナ、甘くて酸っぱくて美味しい糸島産イチゴあまおう。
 「お~Iちゃん」
 「あ、名前なんだっけ?まっちゃん?」
 「マーちゃん」
 「あ、そうだマーちゃん」
 フロントから部屋まで連れて行ってくれる。Iちゃんイチゴ発見。
 「これワタシへのプレゼントですか。イチゴ大好きなんですよ」
 「じゃ部屋で食べよう」
 「また中洲のきれいなお姉さんと遊ぶんでしょ」
 「バレたかッ!」
 「ゎかりますよ。ピンクの服着てるもの。発情期みたいですよッッッ!
 ピンクのVネックコットンセーターを素肌に着け、アイボリーのチノパン、カーキ色コンバース・ローカット姿の俺に言い放った。
 「あっはっはっ」
 客に発情期と言うホテル従業員も珍しい。さすが中国人。開放的な女だぜ。
 でもこれは俺を“こんな会話が許されるヤツ”と見込んでのことだ。かたい客にはかたく接するに違いない。さすがプロ。
 「中洲のお姉さんキレイですよね~」
 「Iちゃんのほうがキレイだぜ!」
 「中洲のお姉さんの方がキレイですよ。脚スラッとしてるしムネあるし…」

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 部屋に到着。
 「健康的ですね。バナナ、トマト買う男の人珍しいですよ」
 「イチゴ食べて」
 「いいんですか。はい、いただきます」
 「お、うまいねぇ~」
 「美味しいです」
 「もっと食べて」
 「はい。おいしい」
 「もう一つ食べて」
 イチゴを横目でじっと見るIちゃん。
 「もっと食べたいけど…もう、止めます!」
 イチゴの誘惑に、ホテルマン(ウーマン)としての自覚が勝ったようだ。
 「もっと食べて」
 「もういいです」
 後ろ髪を引かれながらも颯爽と去って行くIちゃん。
 「イチゴありがとうっ」田中角栄のように右手を上げた。

   ~~~1ヶ月前~~~
 Iちゃんと遭遇した。
 午後、チェックイン。
 「名前は?」
 「Iちゃんです」
 「ぼくマーちゃん」
 夜、ロビーでばったり。
 「マーちゃん!」
 「Iちゃん!」
 マーちゃんと呼ばれる方が早かった。嬉しい。
 翌日。
 「まだ居ますか? 仕事ですか?」
 「遊び。(小指を立てて)コレだよ」
 「コレ何ですか? お金デスカ?」
 「女だよ」
 「女を売買するですか!? それ犯罪ですよ!」
 粋な会話だ。
 翌々日、ロビーで遭遇。
 「Iちゃんこんにちは」
 「こんにちは」
 妙によそよそしい。アタシも売買されちゃかなわん!とでも思ったのかな?

 丁寧な接客はいかにも一流シティホテルらしくサイコ~。
 だが、こんな接客も俺は大好きだ。(2011.2.17)

弁松総本店(弁当) ~日本橋・大丸東京店購入~

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 1,150円 / オカズとご飯がセパレート型赤飯 / 1人

 伝統ある物が好きだ。
 日本橋の老舗弁当店“弁松”を数年前に買った。オーソドックスなご飯とオカズが1折タイプ。
 強烈な甘さに驚いた。砂糖の分量を間違えたかと思うほど煮物が甘かった。里芋、ゴボウ、たけのこ。カジキも甘い。
 これがこの店の伝統であり、昔ながらの味なのだ。数年経ってもこの甘さを舌が欲する。
 「弁松を食いてぇなぁ~」何度か思った。

 博多帰り。常に出発が遅れるSKY012便。
 タカを括って時間ギリギリに福岡空港に行った。本当にギリギリだった。遅れて欲しい時に遅れない。
 ビールとサンドイッチを食べるヒマもなく飛行機に乗り込む。動き出す前に狭い機内で呑んで食べた。股に挟んだビールをこぼしそうになって焦った。
 空港前にもビールをうんと呑んだ。
 よ~く寝て、ガタンッという着陸のショックで目が醒めた。寝ると退屈な飛行時間をカットできるのでラッキーだ。
 定時運行のおかげで上越新幹線まで時間がある。

 最近ご無沙汰の“本枯れ鰹節”を買うぞ。
 電動鰹節削り機でかいてご飯に載せたり納豆に混ぜて食べよう。
 大丸地下食品売場。
 探した。ない。男店員に訊く。迷惑そうに電話で確認。別の男店員が来た。
 「削ってないのはありません!」無いのが当然の口ぶり。
 有るのを知らずに無いと言うなら店員が悪いし、本当に無いのなら大丸東京店はダメなデパートだ。
 本枯れ鰹節は日本の伝統そのもの。あんな美味しいモノを置いてないとは、神をも畏れぬ所業だぜ。
  昨日、大丸福岡天神店の催事“鹿児島食品展”で枕崎産本枯れ鰹節を発見。小さめ1本1,625円。買おうとした。店の兄ちゃんの目付きが気に食わない。買わなかった。
 「これだ!」ってのを見つけた時は多少の事には目をつぶり確保するのが得策だ、と痛感。
  日本橋“にんべん”まで脚を伸ばす気力はない。時間もない。

 念願の弁松を買った。1折タイプは売り切れでセパレートのみ。今回は赤飯。
 新幹線に乗り込む。弁当を開けた。見た目がジミだ。だがうまいぞ、きっと。
 食べた。ゴボウの煮物。
 甘くない! 里芋、カジキ、れんこん、乾し椎茸 …。
 あの懐かしい強烈な甘さが消えた。なぜだ?
 デパートその他で売って販売量が増え、大衆に迎合して“伝統”を放棄したのだろうか?
 赤飯に味がしない。
 ごま塩は別添小袋だった。ごま塩をかけない人はいないだろうから最初からかけてあった方がイイ。フタを開けた時、ゴマのステキな香りがプ~ンとするに違いない。
 最後に食べた豆きんとんだけは異様に甘い。オカズになり得ない豆きんとんが多すぎる。バランスがヘンだ。

 数年間恋焦がれた“甘い弁松”は、“普通の弁当”に成り下がっていた。(2011.2.20)

てーる やまもと(牛テール料理) ~博多~

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 8,500円 / テール料理4種、ビール2 / 2人

(前回)
  めずらしい牛テール専門店。当日電話で簡単に予約が取れた。さびれた店?
  カウンター7~8人とテーブル4つのこぢんまりした店。先客は女2人だけ。
  夏川りみが少しだけ痩せた可愛い女将と元神戸製鋼ラガーマン八木某風オヤジ。
  メニューは4種。
 テールおでん(2100円)、皿盛り(1000円)、塩焼き(1200円)、テールスープ(550円)。牛肉の濃厚な香りが染みこんだ店内。インテリアの色調、照明の明るさも良いフンイキだ。
  テールおでん。
 家庭で鍋をするような土鍋に、根元のぶっといテールのカタマリ。しょうゆ色で真っ黒。トロトロの脂とホロホロくずれる身。長時間煮込んだ証明だ。うまさが凝縮。スジはコラーゲンと化している。大量の和辛子でアクセントをつけながらアッと言う間に平らげる。うまい!
  皿盛り。
 茹でた中程のテールをポン酢で。同じテールでも違った味わい。本来の味をややサッパリと。アッと言う間だ。
  塩焼き。
 焦げ目がパリッと香ばしいがしつこい。脂がズンズン攻めてくる。骨をつまんでガンガン喰らう。付け合わせのレタスが調整役だ。アッという間に … 。
  テールスープ。
 とろみがかったスープ。うまい。これこそがテール料理の神髄だ。強めのコショーで爽やかにぐいぐい飲む。テールの先っぽがちっちゃくて愛らしい。
  かなり腹一杯。
 胃袋の中は脂が渦巻いていることだろう。近頃食事控えめだから頑張って消化してネ。
  たかがウシの尻尾にしちゃ高い。よ~く煮込んだ味には納得。
 「テール専門は日本で一軒だ」と豪語するアゴヒゲオヤジ。これからも続けてくれぃ。
  キリン・クラシックラガーが映える。(2005.7)

(今回)
 年6回の博多旅行。
 また“てーるやまもと”に行きたい。そう思いながら実現しなかった。
 19:30。前回同様、予約したが客は他に2人だけ。暗い店内。この暗さがイイ。
 オヤジに喰い道楽ぶりと味覚の確かさを披露したいからカウンターだ。夏川りみが居ない。
 連れのオンナを奥に、俺は手前。23年間の左ハンドル外車生活により左側が落ち着くのだ。
 シボレー・カマロ・スポーツクーペ、カマロZ28、キャデラック・コンコース2台、シボレー・コルベット。牛テール料理にまったくカンケーないアメ車遍歴をジマンしてしまった。失敬!
 4種類あるから4種類注文。あるもの全部試さないと気が済まない。
 ここに来る前、ニューオータニ博多のバーで軽く呑んだ。俺がダイキリ、女はギムレット。ホテルバーでは必ずこの2杯から入る。
 フレッシュライムを使ったダイキリ。砂糖の効かせ方もちょうど良く最適の食前酒となった。
 女のギムレットをちょっと呑んでみる。ジンがベースのギムレットよりラムのダイキリが好きだ。

 キリンを呑みつつ待つ。
  「クラシックラガーが嬉しいですねぇ。アサヒスーパードライの店が多いから」
 「クラシックラガーは腹に溜まんないんですよ。スーパードライは腹に溜まっちゃいます」
 「…」
 ホンマかいな?

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 初っ端はスープ2つ。うまい。
 「ぐっと味が出ててうまいですねぇ~」
 「出した後の物ですけどねぇ~」
  「このスープで生米の雑炊したらウマイでしょうねぇ~」
 「以前はやってたんですよ。ご飯からですけど」
 「唐津の洋々閣でアラ鍋のあと仲居が生米から作ってくれたのが美味しかった。自分で鍋の後やったけどうまかったですよ」

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 塩焼き。2人で1つ。
 「脂が濃厚ですねぇ~」
 「テールの味そのものですね」
 「あ~ん」などと女が俺の口に塩焼きを。脂に辟易したようだ。

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 皿盛り(茹で)も1つ。
 「脂が丁度良い!」
 「こればかり3皿イク人がいます」

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 テールおでん。
 「テール料理の集大成って味ですね」
 「家庭の味ですよ。母から伝わった味で、プロはこういう作り方はしません」

 牛テール1本で勝負しているオヤジに敬意を表して、感じた以上に褒めてみた。
 どんなにお愛想を言っても皮肉っぽい答えが返ってくる。
 客に媚びないのは悪くはないんだけど …。

 このあと中洲の行きつけスナックでウイスキー。
 カクテル、ビール、ウイスキーの面々。胃袋で牛脂とケンカしていた。(2011.2.17)

ハカ(ウエスタンブーツ)

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   (ウエスタンブーツでコルベットを降りるの図)

 博多の“ウエスタンブーツカンパニー”でド派手なヤツを見つけた。
 少々トラブルのあった店だ。
 トラブッた担当者Fではなく、店長I氏とよく話しお互いを理解できた。
 メキシコ製ハカ。
 22,890円。トニー・ラマと比べグッと安い。こんなにたくさん革を使って2万円台とはイイぜ。
 キャデラック&コルベット、訪福年6回×11年、喰い道楽ぶり、ブログ宣伝等お約束のジマン話が佳境に入った頃、真っ白のウエスタンブーツ発見。
 「あれは女モン?」
 「はい女性物です」
 「その向こうの赤がカッコイイねぇ~」
 「はい、あちらは男性物です」
 「ちょっと履いてみるか」
 ワイズはEEだ。US8か7でサイズを迷った。
 「プロとしてどっちを勧める?」
 「革は多少伸びますから7がよろしいかと思います」
 「歩くための靴じゃないからピッタリじゃなくても仕方ないか」
 「・」
 「せっかくIさんに会ったんだから1足くらい買わなきゃな!」
 男気を見せた。どうだ、俺ゎイイオトコだろぅ~。
 「いえ、ネットでも便利になってますから…」
  「真っ赤なコルベットからこのブーツで降りたらカッコイイねぇ。皆がよく見えるように10秒間脚を伸ばしたままにしておこうかな」
 「あっはっはっ」
  福岡から群馬に送ってもらう。

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 カマロの話を聞いた長髪店員がやって来た。
 「先日店の前にカマロが駐まりまして、そうしたらウチのお客さんでウエスタンブーツを買われていきました」
 「何色?」
 「黒です。若い方が乗ってられましたよ」
 「ここヒゲ生やしてサングラスかけたヤツ?」
 「はいそうです!」
 「オレがさっき見たヤツと同じだ」
 「そうですね」
 昨年、YGM東京支店で黄色のSS(V8-6200cc)と黒LT(V6-3600cc)の2台を試乗した。新型カマロを路上で見るのは初めてだ。
 超カッコイイ。エアロパーツを付けホイールも真っ黒。ピカピカだ。黒をこれだけキレイに乗るには毎日磨かなきゃならない。異様にマメな奴だぜ。モノグサな俺には到底ムリだ。
 とってもでかく見える。凄い存在感。カマロへの憧憬が数日続きそうな予感がする。
 だが走りは断然スポーツカーのコルベットだ。
 カマロもコルベットも大好きな俺。

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 マサお得意の“背広にウエスタンブーツ”スタイル。カッコイイ!
 きれいな指と金張り時計は友情出演。
 「ド派手な赤黒コンビを背広に合わせるにはやや無理があるなぁ~」
 躊躇いながらも一度やってみたかった。
 背広には派手すぎた。ジーパンの方が良いかもしれない。
 薄い靴下を履いたケド(!)右足指がちょっときつい。でも馴染めばOKな程度だ。
 クッションの効いたインソールのおかげで歩くのがラク。この点はトニー・ラマより優れている。メキシコ製の安いブーツなのに意外な気遣いに歓喜した。
 昼休み、コルベットで買い物。店内を歩いたら急速に馴染んだ。よかったヨカッタ。
 こんなド派手なヤツに遭遇して嬉しいぜ。

 このブーツはジーパンを履いてビクトリーレッドのシボレー・シルバラードに合わせたい。まさにピッタンコだ。
 22,890円のブーツに合わせるために3,990,000円のクルマを買うことはよもやあるまいが …。
 だが何をやらかすか分からないオレのことだ。
 “一抹の不安”は棄てきれない。

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 帰宅。
 往復80分の通勤。往路は高速道路1区間、復路に急峻な峠を含む痛快ドライビングコースだ。
 コルベットは全高が1,250mmと低く、足を投げ出すような着座姿勢となる。
 カカトが極端な形のハカ。カカト上部がフロアマットに触れ、擦れて1日で黒が薄くなってしまった。
 このカカトのハカでコルベットにはもう乗れない。キャディ姐さんの不在がこんな所にも影を落とす。
 キャディ姐さん偉大なり。
 「ブーツのためにアメリカン・フルサイズ・ピックアップトラック!」
 俺はそんなにも赤黒カウボーイブーツに惚れてしまったのだろうか!?

 一抹の不安が増大した。(2011.2.23)

鈴木商店(博多ラーメン) ~博多~

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 600円 / 博多そば / 1人

  離着陸時にスチュワーデスのネーチャンが着座する目の前の席。楽しくおハナシさせてもらいましたぁ。機内アナウンスもそのネーチャン。
 「声がいいねぇ~、セクシーだねぇ~~
 「熱い視線を感じてしまいましたァ~~~
  ちょっと可愛くて愛想のいいスカイマークエアラインズ乗務員。
  福岡空港から地下鉄でいきなり赤坂へ。
 博多エクセルホテル東急チェックインの前にやる事がいっぱいあるのだ。まずはラーメン、次にセントジェームスでフランス製ボーダーシャツ購入、そして天神でサマージャンボ宝くじ連番百枚。

  一人でも並んでいれば止めようと思った鈴木商店。席はあった。
  博多そば。
 醤油トンコツ味だ。哲学者兼コメディアンみたいなオヤジがつくる。醤油が勝りトンコツは隠し味程度。くどくなくとっても旨い。関東モンにも違和感なく食える。博多には珍しくちぢれ麺。かたさも絶妙でこりゃイケる。

  セントジェームス。
 今買った白赤ピリアック(半袖ボーダー)を仕舞うべくドイツ製ジュラルミンケース、リモワを開ける。
 「わぁ可愛い」中をのぞき込み派手なポールスミスのトランクスを嬉しそうに撫でる。 
 「あっ、すいません触っちゃって」
 「もっと触って」に退いていた濃ゆい味好きネーチャン店長曰く
 「鈴木商店は地元のヒトはあまり行かないですぅ」
 一世を風靡した真っ赤なコスモロータリークーペCMの宇佐美恵子を思い出させる女だ。
  とっても旨かったこの味も、昼寝して起きたら胃がムカついた。やはりトンコツはグッと効いていた。

  今ではゼロ・ハリバートンよりもお気に入りの“リモワ”ジュラルミンケース。宝くじ売場のキャピキャピおばさん2人にも大モテ。
 「連番百枚」と注文しても
 「凄いジュラルミンケースですね」「襲われんようにせんと」などとキャピキャピ全開。
 リモワを持ったイデタチは、ハデな紫ボーダーに黒半ズボンとお約束の黒ビーサン。きれいに刈り込んだおヒゲ。アンタ何者?
 「以前から気になってたんですけどひとつ訊いていいですか? ご職業は何ですか?」
 宇佐美恵子に質問されたのもうなずける。(2004.7)

 前回も真冬に行った。
 暑くてダークグレーのタンクトップ一丁になった。鼻血が出た。
 「あっはっはっ」連れの女が大笑いした。
 真冬にタンクトップ一丁で鼻血を出してラーメンを食べるヒト。異彩を放っていた。知らない人が見たらイカレた奴と思うに違いない。

 今回3度目。
  「博多で一番好きなラーメンだ」との思いを胸に数年ぶりにやって来た。
 開店早々の11:34。先客1人。オヤジが今まさに前掛けを締めている。
 カウンターの綺麗な女性に注文する。
 「博多そば」
 先客はラーメンセットを注文したらしく、ネーサンは餃子を焼き始めた。セットには鶏飯か白飯も付くらしい。あとから来た3人連れもセット。セットで食うのが博多の流儀か?
 出た、博多そば。
 ジミだ。レンゲがあったが俺はどんぶりを持ってずるっとスープをすすった。
 「!」コクがない。味の付いたお湯を飲んでるみたいだ。
 どうしたことだ。数年間、時々思い出しては生唾ゴックンだったのに。
 超熱々でもない。温度が味に影響したか?
 「ちぢれ麺はインスタントラーメンみた~い」と笑った以前の馴染み、宮崎出身福岡在住ネーチャン。
 「ストレート麺は素麺みたいだ」と思う群馬のボク。
 黄色いちぢれ麺だけは歯触り素晴らしくうまかった。

 うんとうまかったら塩そばも食べようとした俺。
 もちろん食べずに店を後にした。
 数年間醸成された憧憬が、音を立ててしゅるしゅると萎んだ。(2011.2.19)

コルベット博多遠征2008(4th)

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  2年間で4度目の西方遠征。福岡とその他だ。いくら運転が好きでもよくやるぜ。
 2006年7月。初回。ベティを買って2週間後に決行。九州の帰途、松山と徳島。
 2007年3月。2回目。帰りに大阪一泊。
 2007年7月。前回。神戸福岡徳島。
 そして今回。讃岐うどんに関心を寄せたが全日空ホテルクレメント高松が満室。それで徳島に変更。シティホテル派の僕。
 例年、梅雨明けは7月20日。“梅雨明け十日”といって直後は天気が良い。
 三連休の混雑を避け、最終日7月21日24時(22日0時)出発。
 「ロングドライブは飛ばさない」がモットー。
 横川で雨に祟られ軽井沢では濃霧に見舞われたが、あとはOK。曇りだから暑すぎない。
 いつもは混むはずの名神はちょうど良いクルマの数。
 中国道に至っては25分走ってやっと一台に遭遇。アップダウンやカーブが多いがこの少ない交通量は最大の魅力。
 西方遠征は中国道に限る。各都市を結ぶ山陽道は混むからキライ。
 毎回混雑の九州縦貫道さえも空いている。ガソリン価格高騰(ハイオク1㍑194円!)が奏効した。
 1,200km余り。初めて気にした燃費12.4!
 いつも思うがGM車は高速コーナーでハンドルが異様に重い。カマロもキャディもベティも。しかし背もたれをわずかに起こしたらピッタリきた。今まで傾き過ぎていたのか!?
 15時到着予定が13:40。以前より100分早い。
 眠くならず、勝央SAでカツカレー+豚汁朝食の他はロクに休まないからこのタイムだ。素晴らしい。
 ニューオータニの角を曲がる。
 すぐに気付いたドアマンS氏。俺専用中央特等席にベティを誘(いざな)う。お礼に群馬の地酒“貴娘特選本醸造”四合瓶。
 駐車場を賑わわせたのは主にベンツ。
 旧SL、CL63AMG、S63AMG。迫力満点の黒CL63。銀のS63もド迫力。
 だが迫力では一歩譲ってもカッコ良さの点で我がベティはイチバンだった。
 「もしS550を買って意気揚々乗り込んでも隣にS63AMGが並んだら嫌だな」などとセコいことを考えた。
 「AMGは250でリミッターだから大したことない」と思ってはいても…。
 黒フェラーリも参戦し、玄関前は華やかさの狂宴。一角を担ったベティ(我がコルベット)。
 福岡-徳島、徳島-群馬も順調。

 福岡初日16時間睡眠。帰宅後長時間居所寝。体力は気力を凌駕しなかった。(2008.7.27)

アウディA4 1.8TFSI(2008年型)

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 9時の目覚ましに起こされ9時半に出発する。
 09:55。アウディ高前にコルベットを横たえる。
 TT試乗の1年半前は店から30代のネーチャンが出てきてコルベットのドアを開けてくれた。今日も期待して数秒待つ。玄関を凝視する。しかしネーチャンが出てくる気配はない。仕方なく店に入る。
 「いらっしゃいませぇ」
 お~っ!20代のきれいなネーチャンだ。若さと美貌でドアオープンサービスは無しか。納得した。
 「以前ご来店された時の担当は誰でしたでしょうか?」
 「忘れましたね」
 「はい」
 外には10台ほどのアウディが勢揃い。皆でかい口のシングルフレームグリルを堂々と、しかもお洒落にさらけ出している。微妙に違う開口部面積やカタチ。同じようで違う粋なクルマ達だ。
 モーターショーでもアウディ軍団はクールな美しさで群を抜いていた。
 俺を待っていたのは黒の1.8TFSI。
 アクセルをちょいと踏むとスイッと加速。速い。4気筒1800ccとは思えない。でもこれはアクセルをちょっと踏むとピューッとガソリンが出るセッティングのためだろう。
 どういう理由でも出足が良いのはイイことだ。最近のアウディ車の常でハンドルは軽い。これもイイ。
 無理矢理右ハンドルにしたせいで左足スペースが異様に狭い。左足がエコノミークラス症候群になりそうだ。
 なかなか静かだがやはり4気筒の振動はある。
 「おっ1800でも速いね」
 「はいターボですから」
 「室内がクールでしっとり造ってあるね」
 「ありがとうございます」
 「コルベットとキャデラックに乗ってるんですよ」
 「はい」
 「コルベットはスピード出るよ」
 「…」
 「タイヤが硬いのかな、路面のゴツゴツを拾うね」
 「…」
 色々話しかけてもまことに反応が鈍い。アメ車ばかりと聞いて
 「ドイツ車はもうひとつですか?」などと落胆し、買う気のないただの試乗マニアと思ったせいかもしれない。

 コルベットに乗る。低い着座位置に驚く。カキッと効いたアウディのブレーキ。コルベットはじんわりだ。味わいの違いは顕著。 
 かなり良いA4。だが俺は大型セダンとスポーツカーが好きだ。(2008.5.11)

笹鮨 ~神田~ 7点 → 9点 → 1点

初回 (7点)
  9,000円  / 特上握り2人前、お好み少々、ビール、酒各1本 /  2人

  店も人も昔風。
 酢メシ。味はまずまずだがかた過ぎる。 
 クルマエビをガブッと食べる。うまい。
  玉子焼も薄焼をグッと握ってあって、なかなかのもの。
  おまかせでガンガンいかなかったせいか、強烈な印象に欠けるのが失敗ではあった。(1992.2)

2回目 (9点)
  7,300円  / 中握り1人前、14貫、ビール1本 /  1人

  ややかた過ぎるが、絶妙な味付けの酢メシに大満足。
  タネもコハダ、アナゴ、サバ、煮イカ、玉子焼、カンピョウ巻など、仕事をしたものがとってもうまい。車エビも秀。
  特にホタテをサッと煮て漬け汁に漬けこんだものが(ハマグリと同じやり方?)、身が程よく締まり得も言われぬうまさ。
  でも、今日の一番は店のオヤジ(三代目)と鮨について1時間半も話したこと。
 喰い道楽ぶりを遺憾なく発揮できて充実の時間だった。(1994.8)

最終回 (結局1点)
  16,300円  / 24貫、冷や酒2本 /  1人

  前回良かったのでこの店をしゃぶり尽くそうかと思ったが、今日で止めにした。
  酢メシの味がいまいちなのだ。
 握り方もフワッとしすぎて、コハダやサバはつまむと崩れた! 
 ハマグリは味がない。
 タコもやたらと硬くて全然うまくない。
 
 鮨って微妙なものだ。
  ちょっとした加減や職人のリズム、食べ手の心理状態等々で、天国にも地獄にもなる(そんな大袈裟な!)。
  神田にしてはちょっと高いぞ。

  まったく信じられない事態が勃発。
 オヤジが、手がすくやいなやタバコを喫ったのだ!
 この所業により最低評価に。
 これは鮨の味以前の、人間としての問題だ。
 マナーの悪いのは“知性の欠如”と言える。
  タバコを喫った手でまた、鮨を握る。
  デリケートなボクには想像だに出来ない。
 神をも恐れぬ狼藉だ!
 
 キミは鮨屋失格!(1994.9)
                                                        

おけい寿司 ~日本橋高島屋店~ 4点

  15,000円  / 40貫+ビール2本 /  2人

  大トロ、酢メシはうまい。
  車エビを酢にくぐらせる時、手酢の中に入れやがった!
  ひでえことをしやがる。
  清潔第一がすしやの鉄則なのに、これじゃあ幻滅だ。
  大トロ、酢メシがうまいだけに残念だ。(1992.11)

  本店でもこんなことをするのかな?
  本店で食おうと思って、2時ごろ八重洲に行ってみた。
  カウンターのイスに職人がウナギのように長々と横たわっている。
  迷惑そうな顔で起き上がる。
  なんだチミは(変なおじさん風に)!
  中休みがあるとは本に書いてなかったぞ。
  ノレンも出ているじゃないか。

  一発でやる気の無さを看て取ったボクは、おもむろに踵を返した。

寿司好 ~銀座~ 7点

  11,300円  / 22貫+酒1本 /  1人

  おもしろい店だ。
  職人が真ん中にいる。カウンターがぐるりと彼を一周している。

  トップバッターはスズキ。
  まだ3月なのに歯応えがある。脂もけっこう乗ってうまいじゃないか。
  酢メシもとてもかたく、濃い目の味でかなりのもの。
  コハダはまずい。
 アナゴはうまい。
  他にアイナメ、イシダイ、カレイなど白身が良い店だ。

  褒めるのもそこまで。
  握りが親指の先っぽ程の小ささなのだ!
  驚くよりは呆れてしまう。赤ちゃんがニギニギしたのかな?
  酢メシが美味しいだけに非常に残念だ。(1994.3)

おにぎりⅡ(マサ料理)

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  「餅を焼いて海苔を巻こう」と買った海苔。
 なかなか餅を焼くチャンスがなく密閉容器の中で不遇を託っていた。
 「早く陽の目を見せてやらねば」と“おにぎり”を思いついた。10月に新米が来て一度はやりたかった。
 子供の頃は母親が、成人してからはオンナが作るおにぎり。そんな愛情一杯のおにぎりを自分で作った。
 コメ3合をかために炊く。
 新潟石打の親戚から玄米で買って家庭用精米機で搗く100%南魚沼コシヒカリ(何度も聞いたぞ!)だから、水は2.2合分。しゃきっとキリリと凛々しく、かたく炊くのだ。

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 具。チリ産甘塩銀鮭、博多柳橋連合市場「中弥」の大ぶり明太子2本(1本は霜降り)、昨年6月に自分で漬けた和歌山南高梅。
 お約束の卵かけご飯で軽く1杯。この前菜はサイコーだ。
 さぁ、握るぞォ~。
 小さい器にご飯を盛り、先ずはでっかく切った焼かない明太子をグイッと入れ少量のご飯でフタをし、両掌に塩をバッチリつけ、握る。水はつけない。軽くジャンプさせながら回し、優しい力で三角にまとめる。
 俎板に置いた。我慢できず置いた刹那、すぐかぶりついた。
 うまい。塩の効いた凛々しくかたいご飯、明太子とからまったご飯、適度に押されたご飯。
 おにぎりにするとご飯のうまさが数倍になる。おにぎりは芸術品だ。
 鮭、梅、表面を焼いた明太子。次々に握る。塩をうんとつけているから掌に熱さは感じない。

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 つまみ食いせずに全部出来た。7個だ。オンナが握ると3合で10個。オレの方が手がでかかった。
 産地は書いてないが店で一番高い海苔を焼いて4つに切り、くるんだ。
 八海山本醸造を呑んだ。おにぎりを食った。
 うまい。海苔が香りと歯触りを加え、うまさを格上げした。
 キュンとくる梅がステキ。
 銀鮭もうまいが、おにぎりにはやや脂が強い。生の白鮭を自分で4日間塩漬けした方がグンとうまい。だがそれは晩秋でのみ可能な味。
 表面だけ炙った明太子はしょっぱい。味も舌触りもナマがいい。
 あれよアレヨという間に3合で作ったおにぎり7個ぜんぶ食べちゃった。うまかったァ~。

 子供の頃の母親や、成人してからのオンナが作った愛情溢れる「おにぎり」という逸品。
 自分のために作ったマサおにぎり。
 作ってもらった物には及ばないが、かなり肉薄できた。(2011.2.6)

三松(松阪牛ステーキ) ~松阪~

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  36,855円 / 鉄板焼きステーキSP×2、ビール2 /  2人

  これは散財だった。
  松阪肉の老舗和田金は4回、牛銀は1回。
  テレビによく出るステーキの三松にも行かなければ、との強迫観念に駆られて行ってみた。TVにしつこく出るのはそれなりの理由があったのだ。
  近所のオバサンが頼まれてちょっと手伝いにきたようなウエイトレス。
  鉄板を支配する焼き手のお兄サンは無愛想で、オレがお愛想を言ってもまことにノリが悪い。
 「ピーマンがきれいですね」細工切りを褒めた。
 「はいッ?」「はいッ?」「はいッ?」3回も聞き返しやがった。
  キミは、客とコミュニケーションをとる気があるのか?
  ただ焼きゃあいいってもんじゃないぞ。
  目の前で、肉をステーキに昇華させるんだから少しは考えろ!
  恥かしそうに嫌々ナイフをくるくる回したり野菜をシャカシャカやかましく切るより、もっと肝心の焼き方と接客を練習しろよ。
  鉄板の前は焼き手の晴れ舞台じゃないか
 キミが主役なんだぞ
 役者であることを自覚して、カッコ良く役割を演じてくれ。
 キャディのマサは、プロの自信をもった仕事ぶりが見たいのだ。
  こんなテイタラクなら、もっとハデなアクションで3000円で満足させる沖縄のステーキハウスに行っちゃうぞ。 
 中途半端はヤメテ~(ボクの好きな奥村チヨの唄)。
  こんな店早く出たいぜ。

  サーロイン200gを2人分400gが一切れで出てきた。背中側から腹側は厚みが倍ほども違う。何だこのカットは。だらしないにもほどがある。それじゃあ焼き方にムラが出るだろう。
 一体この店は作品の出来映えや客の気持ちを考えているのだろうか?
  肉自体はすごく良くて確かにうまい。だがサイコロのように細かく切っては台無しだ。消えゆく醍醐味
  焼き方のテクニックはシロート級。烈しくガッカリした。
  こんな狭い洞窟のような店はコーヒーもろくに飲まず、脱出した。(2001.6)

牛銀(松阪肉すき焼き) ~松阪~

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  32,000円位  / 松阪肉刺身、網焼き、水だき、すき焼き、ビール /  2人

  松阪肉の双璧“和田金”と“牛銀”。
  金と銀じゃぁ金が上か?
  金は個室で銀は広間。
  「きんは百歳、ぎんも百歳」

  刺身はもも肉。
  ビールであっ!という間に食べる。

  網焼きがうまい。
  ヒレ。和田金よりサシが烈しい。何もつけずに焼いて、酸味を抑えた旨みの強いポン酢で食べる。肉の持つ甘さをポン酢がグッとひきたてる。
  和田金はたまりとミリンをつけて焼いた。手法の違いが興味深い。
 もしかすると、網焼きは銀が僅差で勝利か。
  焼き過ぎないうちに早く食べたがるボクを見て
 「大将、気が短いなあ~」
  係りの姉さん(婆さん)が呆れたのはご愛嬌だ。

  水だきという名のしゃぶしゃぶはそれ程じゃない。

  すき焼きもうまいが、これは金に分がある。

  広間なので他の客も目に入る。
  4人ならすきやき4人前、2人なら2人前、それだけだ。
  うまいものはガ~ン!と喰わなきゃだめだぞ。
  あっそ。 (1998.6)                                                                                        

和田金(松阪肉すき焼き) ~松阪~

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  45,000円  / 松阪肉タタキ、刺身、あみ焼き、すき焼き、志お焼、ビール /  2人

  日本最高、ということは世界最高峰の松阪肉。
  「ここ和田金は明治初期創業の松阪肉元祖。黒毛和種の雌牛ばかり常時3千頭を肥育する。但馬の仔牛を和田金牧場で丹精込めて育てるのだ。最終仕上げ段階は、和田金肉牛特設肥育場で600~700キロの肉牛を、エサを仕上げ用にしビールを飲ませたり焼酎でマッサージしたりして、最高の和田金牛を完成させる(和田金パンフレットによる)」
  神戸ビーフも近江牛もルーツはみんな但馬。

  賢島のシマカン(志摩観光ホテル)で“海の幸フランス料理”を堪能した翌日。
 今日は松阪肉を堪能するぞォ
 伊勢自動車道をカマロZ28(後にキャデラック・コンコース)で行くと、松阪に近づくにつれデッカイ松阪牛の看板が目に入り、アクセルを踏む右足に必要以上の力がこもる。
  松阪インターで降りると、和田金と牛銀の看板がいくつもあって店へと導いてくれる。
  すき焼屋には見えない5階建ての堂々たるビルだ。
  1階からエレベーター担当の姉さん、3階から部屋担当へと、それぞれ違う姉さんの手を経て、落ち着いた個室に納まる。全員和服姿だ。

  また違う姉さんが来た。
  先付けの肉タタキを賞味しながらキリンラガーを飲る。
  爽やかポン酢で味わうと、サッパリした美味しさが胃を刺激し空腹感に拍車をかける。

  肉刺身。うまい。もも肉だ。ももなのにサシが入っている。
  生姜醤油とよく合って、自然と笑みがこぼれてしまう。

  もう一方の雄、あみ焼。
 焼いたり煮たりはまたまた違う姉さん。姉さんオンパレードだ。ウレピ~
  1cm厚のヒレ。たまり醤油とみりんをつけて網で焼く。もちろん炭火。
  常連じゃないせいかヒレでも細い部分だ。
  それでも超うまい。
  タレの具合とミディアムレアの肉で、キンタマがギュッと収縮するほどうまい。
  常連になって太い部分を食べよう。

  メインのすき焼登場。
  使い込まれた厚手のすき焼鍋に牛脂をしずかに投入。
  ギンギンに熱くならないうちに霜降りの烈しいリブロース(ロースにはロインロースとリブロースがあり肩に近い方)を、羽根布団をそっとかけるように鍋に寝かせる。
  すぐに砂糖とたまりをかける。
  程なくして裏がえし、ちょうどいいところで与えてくれる。
  すべて仲居が調理し、客は手を出せない。
  姉さんが取ってくれるのを“拾われた棄て犬”のような表情でひたすら待つ。
  オイチイ! うまい!! good!!! この世のものとは思えぬうまさ。
  脂の甘みがすごい。肉、砂糖、たまりの一体化した芸術。
 自分もすき焼鍋に入り、松阪肉の羽根布団で眠りたい。
  煮詰まると昆布ダシをほんの1滴2滴加える。
  牛肉は甘く焼くとこんなに旨いんだ。砂糖とよく合うぜ。

  ラストは志お焼(塩焼)。
  すき焼鍋を使い、霜降りロースを塩だけで焼く。
  ほとんど生焼けでいく。
  強めの塩味。肉の良さがストレートに出る。
 ポン酢をつけても又格別。
  ほっぺがキュッと締って、これはこれはうまい。

  新しいすき焼鍋をおろす時、何日もかけて馴染ませる。
  新しい仲居をおろす時、半年を要する。
  先輩姉さんについて客の前ですき焼のやり方を盗み習い、6ヶ月実地訓練をして初めて独り立ちできる。
 朝勃ちなら毎朝なのにネ

 “名物に旨いものなし”という名言があるが松阪肉には当てはまらない。
 “名物はうまいのだ!”

  満足感あふれる後味。
  食べすぎてゲップが出る。ゲップがまた素晴らしい。
 すき焼の砂糖、たまり、肉の旨み、脂の甘さが渾然一体となって香り、追加の肉を食べたようなちょっと得した気分だ。1粒で2度美味しいみたいな。
  また行くぞう。(1996.7)

    *以後3回
  1年ぶりに偶然同じ姉さんがついた。向こうも憶えていた。
 「あらぁ~1年ぶりですね~」連れの女も同じと確認し、大仰な声をあげた。流石プロだ。
 松阪肉は素晴らしい。
 モツ焼屋もうまいらしい。
  昼と夜、この地に滞在できたら …。
 モツ焼への憧憬も芽生え、いつかは喰ってやろうと思ったりもした。

蒸し鶏(マサ料理)

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 土曜日。11:45起床。茹でたアブラガニかズワイガニが食いたい。
 12:20。いつもの店。カニが居ない。タラやカキは居る。カニが居ないから魚売場を去る。
 肉売場に移動。今日は豚肩ロースが特売だ。2kgのブロックで煮豚にするか。
 いきなり鶏の味を思い出した。モモで蒸し鶏をしよう。
 小さめ鶏モモ3枚600g弱。長ネギ。蒸しにネギの青いトコが必要だ。
 2年以上継続の朝バナナダイエットにフィリピン産バナナ。
 博多の百旬館で買ったエクアドル産バナナはうまかった。
 ねっとり甘いスルメイカがフィリピン産バナナなら、爽やかな甘さが持ち味のヤリイカがエクアドル産バナナ。サラリとした砂糖をまぶしたような繊細さ。値段は2倍だが10倍のうまさ。

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 皮をフォークで突き刺して染み込みやすくした鶏モモ3枚をミリンと醤油に30分漬ける。酒や砂糖や化学調味料や添加物満載の本だしは入れない。

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 直径33cmのでかい蒸し器。ネギの青いトコを載せ強火で30分蒸す。その間、腹筋と懸垂をやり、新聞を読む。軽い運動のあとにビールがうまい。

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 完成。またビール。俎板を汚したくない、とのセコい理由で皿に盛ってナイフとフォーク。
 呑んだ。食った。
 「うまい!」と叫ぶには至らなかった。
 ミリンと醤油とネギの香りだけではシンプルに過ぎた。鶏自体の旨味はグンと出ているが物足りない。
 七味をかけるとオツな味だ。マヨネーズは合わない。醤油をちょろっとかけたらイイ具合。

 まぁまぁうまかったが、研究の必要な“蒸し鶏”ではあった。(2011.2.5)

婆娑羅(割烹) ~徳島~

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  36,498円  /  15,000円懐石コース2、ビール2  /  2人

  1999年6月「青柳」本店、今年1月虎ノ門「青柳」と青柳好きのボク。
  次は「婆娑羅」だ!と7年前から決意していた。ようやく叶ったぞ。
  驚きの三月。四国の雪。最高気温六度。あまりの寒さにタクシーで赴いた夜八時。
  客は誰も居ない。
 ぬっと現れた小柄色白若いネーチャン。紫がかった紺の着物姿だ。
 予約した座敷に。見えない所にカネをかけた簡素で上質な造り。落ち着く。照度もバッチリ。 
 キリンラガーをたしなんでいると、懐石の宴が静かに始まった。

  筍とイカの木の芽和え。春を感じさせるステキな香りと筍の歯ざわり。
  椀。海老しんじょ。繊細なダシと力強い海老しんじょのコントラストが見事。絶妙なワラビの歯応え。
  造り。鳴門の鯛とアオリイカ。
 凄くうまいが凝縮感もう一歩の真鯛。爽やかな甘さにシビレたアオリイカ。包丁技の冴えを感じさせる。
  市場に揚がったその日最高のモノを押さえるのが一流店の証。さすがだ。天然ワカメのスダチ醤油がけもキュンとくるうまさ。
  八寸。5種類が全て珍味。少量だから丁度良いアピール度。
  握り鮨。クロマグロの幼魚“ホンヨコ”のヅケ二貫。逸品揃いの中では平凡。
  鯛兜揚げ。豪快。チュルンと卵白のような目のまわり。適度な塩気。エロチックだ。
  野菜炊合せ。甘~い鴨ロース。各野菜がでしゃばらずに違いを主張。火入れ加減に感激。
  白魚丼。大きな白魚とトロトロ卵。とろっと喉の奥に…。これだけは虎ノ門もうまかった。
  デザート。徳島独特の番茶を使ったゼリー黒蜜載せ。スルッと優しいわらび餅。

  最初はぶすっとしていた“ひとみ”ちゃん。
 本店や虎ノ門の話から徐々にうち解け、味覚の確かさを披露されて感心し、スダチを目玉におどけてみせたら大笑い。お愛想でなく芯から面白そう。
 「もぉ~何してるんですかぁ~」「アブな~い」「目が怖~い」などと非常に楽しそうだ。コロコロ体形でおちょぼ口。
 今度指名するぜ!と言ったら「あっはっはっ高いですよぉ~」と超ノリノリ。しかも肝心の素材や料理をよく解っている。
  料理も仲居も素晴らしい「婆娑羅」。また来るで! (2006.3)

キャディ姐さん死すⅡ

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 知人のモータリングライターK氏にメールした。
 「キャディのトランスミッションがイカれました。交換に50~60万じゃ諦めざるを得ません。コルベットだけでは雪道ダメなので小さいFFの欧州車を検討しています。アウディA1、フィアット500、シトロエンC3。インプレッションを読みましたが決定打に欠けます。安くて格好良いマツダデミオも好きですがもうすぐモデルチェンジだし…」
 「延命措置は採られないのですか? 青木さんにはキャディがお似合いですよ!」
 その言葉にグッときた。
 「60万出してもまた別の箇所が壊れる可能性もありますし」
 「リビルドATなら安く治るでしょう」
 リビルドATとは、中古品をオーバーホールして新品に遜色なく仕上げたATのこと。その存在をまったく知らなかった。
 スタイルやスピードは詳しいけどメカにはあまり興味のない“カーキチ”のボク。

 さっそく主治医のI氏に電話。
 「あ~リビルドでも結構イッちゃいますよ~。新品と変わんねぇくれぇ。20~30くれぇですかねぇ~。それならクルマ買う方が安くなっちゃいますよ。そのテのキャディなら30万で買えますから」
 自分で新車から12年8ヶ月174,288km乗った大事なクルマを、値段の同じ中古車と一緒にされては心外だぜ。
 「専門に作ってるトコがあるんかい?」
 「ありますよ~送ってくれって言うんですよ~それをまた治すんですね」
 「幾らかかるか調べてみてくれぇ」
 「わっかりましたぁ~」

 「調べたんですけど特殊だからキャディのはねぇんですよ。新品はやっぱり60しますね」
 「それは凄いね。どこに訊いたの?」
 「いつも使ってる部品屋です」
 「Nって会社がでかくやってるようだよ。調べてみてくれ」
 「わっかりました。訊いてみます」

 愛しいキャディ姐さん、生き返ってくれ。(2011.1.31)

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 「訊いたら298,000円からなんですよォ。外して送ってオーバーホールして送られてくるんですよ~」
 「あ、自分のを治すんだ? どっかの廃車になったATがもうあるんかと思った」
 「型によってはそういうのもあるらしいんですが、もっと高ぇらしいんですよぉ」
 「工賃だって高いんでしょ」
 「そうですね~俺んちは今忙しいから後輩でそういうのに強ぇのがいるから、そいつは忙しくねぇからやれるってんですよ~」
 「工賃いくら?」
 「10万くれぇイッちゃいますよォ」
 「じゃ最低でも40万か」
 「そうですね、そのくらいイッちゃいますね~」
 「治してもまた別のトコが壊れる可能性もあるしなぁ。ちょっと考えさせてください」
 「すいませんねぇ」
 40万か~。困ったぜ。(2011.2.3)

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 考えたあげく「キャディ姐さんを棄てる」ことにした。明日はI氏に電話しよう。
 月曜日。コルベットが職場駐車場に到着。SHOWYAのCDを消した。エンジンを切った。さぁ、電話だ。
 「!」ケータイがない。17~18年間一度も忘れたことのないケータイを忘れた。
 何故だ! まだキャディ姐さんに死刑宣告をしたくなかったのか。こんな事が起きるとは夢にも思わない。
 宣告は明日に延期された。
 キャディ姐さんは1日延命した。(2011.2.7)

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 08:13。I氏に電話。14回コールしても出ない。死刑宣告はまだなされない。
 08:20。7分後にI氏から電話。ついにその時は来た。
 「やっぱりキャディを廃車することにしたよ」
 「わっかりました~」
 「写真撮ってもらいたいんで昼休み行くけど居る?」
 「はい、居ますよ」
 「距離計も撮りたいからキーも用意しといてくれ」
 「はい、あります」
 「じゃよろしく~」
 「わっかりましたァ~」
 とうとうキャディの死刑を宣言してしまった俺。本当の別れがやってくる。

 出前の昼メシを食った。今日は食欲がないから盛りうどんだ。行かなければならない。気が重い。別れを告げに行くのが辛い。
 ベティに乗って出かけた。若い愛人(2006年型コルベット)と一緒に、正妻(1998年型キャディ・コンコース)に引導を渡しに行くみたいだ。ヘンな気持ちだ。長年付き合った年増女を手放す気がする。
 12:20。自動車屋の駐車場に俺のキャディ姐さんは居た。寂しそうにひとり佇んでいた。ホコリをかぶっていた。
 「こんな所にひとりで辛かったろう」慰めた。
 「もうキミとは別れなければならない」直接告げた。
 姐さんは返事をしない。怒っているのか。悲しくて声も出ないのか。
 そうか、キミはクルマだから喋れないのか!?
 写真を撮った。別れを惜しんだ。いっぱい撮った。
 前から後ろから横から斜めから。遠くから近くから。
 ドアを開けて室内も撮った。
 運転姿勢から前方を撮った。
 エンジンをかけてオドメーターを撮った。174,288kmだった。
 「よくそんなに走ったな」心の中でねぎらった。
 主治医I氏に俺と姐さんを撮ってもらった。
 俺とキャディとベティを撮ってもらった。
 途中で切れないように、デジカメのバッテリーを昨夜充電した。
  「Iさんのおかげでキャディをこんなに長く乗ることが出来たよ」
 「とんでもねぇです。俺の方こそ勉強んなりましたァ」
 「お世話んなりました。ありがとう」
 「ありがとうございました」
 
 最後にステアリングに“別れと感謝のくちづけ”をした。
 キャディ姐さんとの蜜月はすべて終わった。
 いくらコキ使っても全部応えてくれたキャディ姐さん。
 そぶりは見せなくてもやっぱり疲れていた。
 痩せ我慢の美学。
 路上で立ち往生せず工場に辿り着いた凛々しさ。
 死ぬまでカッコ良かったサイコーにいい女の姐さんだった。
 今生の別れだ。
 帰りにはコルベットのアクセルをうんと踏んだ。早くその場を離れたかった。
  道路に出て、キャディ姐さんをチラッと見た。姐さんはさっきと同じ所にいた。
 学生時代。帰省して東京に戻る時、飼っていたネコが外まで追いかけてきたことがあった。姐さんは追いかけてこなかった。オレを詰るかのようにそこにじっとしていた。その顔はひどく悲しそうだった。
  「マサさん、なぜあたしを棄てちゃうの? 20万kmイクって言ったじゃない」
 その声が聴こえなくなるように、俺はベティのアクセルをぐいんと踏んだ。

 工場入り以来、11日ぶりの再会だった。
 実際に逢ったら何故かスッキリした。
 16年前オヤジが死んだ時すごく悲しかった。火葬場で焼いている時、ふっと吹っ切れて涙が止まった。あれに似たカンジがした。(2011.2.8)

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キャディ姐さん死すⅠ

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 4,648日(12年8か月超)。174,288km。
 苦楽を共にした俺のキャディ姐さんが死んだ。
 どんなに傍若無人運転をしても、俺を事故に遭わせなかった。
 一度もワックスをかけなくても肌は輝いていた。
 スピードリミッターは要らない!と思うほど高性能だった。
 そんなキャディ姐さんが死んだ。
 着物の似合う姐さんだった。
 長い付き合いだから悲しかった。
 でも姐さんは最近、疲れていた。
 「もうアタシはあなたに充分尽くした。解放して!」
 「あなたとの蜜月は素晴らしかった。もういいの!」
 昔、聴いたセリフだ。
 長年飼っていた年寄りの飼い猫が死を予感してす~っと居なくなるように、突然に。

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 一昨日からDに入れてもRにしてもすぐ動かない。
 数秒経ってウィ~ンと動き出す。
 昨日の朝は関越道をかっ飛ばしてきた。12年17万kmでもアクセルをぐいぐい踏む容赦ない俺。世界の高級車キャデラックは違う、大いに満足した。
 だが昼休み、加速が出来ない。ぐいっと踏んでも「ガーッ」と音が高まるだけ。
  ミッションオイルがかなり抜けたか?

 事態は深刻だった。
 主治医のI氏に診せた。
 「オイル全然減ってねぇですね。完全に滑ってます。ウチに辿り着くんがやっとだったですよ。もうギアが入んねぇですよ。ミッション、イッちゃってますよ」
 路上で立ち往生せず、最後の力を振り絞ってちゃんと到着したんだ。みっともないことはしない。流石オレが惚れたキャディ姐さんだ。
 「高いんだろ」
 「高ぇですね。50~60万イッちゃいますよ」
 「そんなにするんだ 応急処置は出来ないの?」
 「出来ねぇですね。もう中までイッちゃってますから」
 「じゃウチ(40分)まで帰れねぇかな」
  「ムリですよ」
 「代車出せる?」
 「いいですよ」

 俺の愛おしいキャディ姐さんが死んじゃった
 いつかは訪れる“別れ”。でも「まだまだ」と思っていた。
 突然の死に、俺は途方に暮れた。
 もっともっと乗りたかった。
 もっともっと鞭を入れたかった。
 もっともっとコキ使いたかった。
 もっともっと可愛がりたかった。
 もっともっといたわりたかった。
 もう、それが出来ないなんて 突然の死は悲しすぎる。
 2011年1月28日に死んだ。
 新車を買ったのが1998年5月9日。もうすぐ13年だった。
 もっともっと乗って20万kmイキたかった。
 だが可愛いキャディ姐さんは174,288kmでその生涯を閉じた。

 数日前、17万数千kmのオドメーターをデジカメで撮影する自分を想像した。
 縁起でもない事を空想するから現実になった。
 予知したのかもしれない。

 キャディとの12年以上が走馬燈のように駆け巡る。
 “舐めるように滑らかな乗り心地”に夢中になった。みんなに自慢した。
 往年の美人女優ジャクリーヌ・ササールを彷彿させる女っぷりだった。
 とても静かだがアクセルを踏み込むとボロボロボロッと蓮っ葉なカンジが好きだった。
 一見上品なオンナが食事のマナーで馬脚を顕したような微笑ましさだった。
 左肘を窓枠にかけ、ヤクザっぽい仕草で“コワモテ”も得意種目だった。
 高速に乗れば俊足ぶりを遺憾なく発揮した。
 柔らかいけど脚は踏ん張りが効いた。
 通勤の峠では「キキキキキーッ」とタイヤを啼かせた。フロントショルダーのワイヤーが顔を出した。
 博多に行った。佐賀県呼子町にも行った。
 シマカンに行った。帰りは松阪に寄った。
 徳島に行った。広島に行った。岡山に行った。京都に行った。金沢も行った。富山にも行った。
 新潟は数え切れないくらい行った。
 大宮にも行った。
 走馬燈よ、永遠に止まらないでくれ(2011.1.28)

生米雑炊(マサ料理)

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 一昨日タラ鍋をやった。
 昆布ダシに酒と塩。酒は新潟の八海山本醸造だ。ぷりぷりの青森産真鱈半身900gとやや干からびたネギ1本をほとんど食べた。
 ほろりと柔らかい鱈の白い身がステキだ。優しいけど芯のある雪国の色白餅肌ネーチャンのようだった。
 昨日は残った汁に広島産加熱用カキ1kgと白菜で鍋にした。みんな食べた。
 両日とも酢醤油に七味。
 ややエグみのあるカキ。暑すぎる夏で弱ったのだろう、と今年のカキには偏見を持ってしまう思い込みの激しいオレ。

 旨味がいっぱい抽出された残り汁。宝物のようだ。どうしてくれよう。
 雑煮だ。いや生米で雑炊だ。今日になって方針を変更した。
 生米雑炊は唐津の洋々閣“アラ尽くし”でアラ鍋の後、仲居が作ってくれた。旨味をすべて吸い取った歯応えあるコメ。素晴らしかった。いつかやってやろうと思っていた。
 ガサが増えるだろうからコメは1合。汁を煮立て塩、酒。コメ投入。
 土鍋の底に張りつかないよう常に混ぜる。オレの自慢話は無視する性悪女の“洋々閣”仲居Tもそうしていた。
 フタをして弱火。時々開けるとコメがニコニコ微笑んでいる。
 20分経過。汁は減りコメは膨らんだ。
 食ってみる。うまい。
 鱈とカキとネギと白菜と昆布と塩と酒。すべての美味しさを最大限に取り込んだコメ。最後に醤油を2~3滴。溶き卵3個。フタをして強火で20秒。火を消す。
 土鍋のままコタツに移動。フタを開ける。余熱で卵がイイ具合だ。
 先ずはビール。中瓶(500cc)を焦ってドポンドポンと大きめグラスに注ぐ。この時間がもどかしい。注げた。泡が立ちすぎた。呑んだ。うまい。
 小さめのどんぶりに盛る。ずるずるっとかっ込む。旨味をたくさん含んだ艶々のご飯、白っぽいぷるぷるの白身、鮮やかな柔らかい黄身が舌を取り囲む。相乗効果だ。うまい。
 誰も盗りはしないから、2口目から落ち着いて食べる。物凄くうまい。驚きのうまさだ。ビールを忘れ、一心不乱に食べ進む。「う~んウマイ」何度も何度も言った。
 素晴らしい料理をモノにしたぞ。洋々閣さん、ありがとう。

 ふざけた店はコキ下ろすが、ステキな店には感謝の念を忘れないワタシ(2011.2.4)

いのたに(徳島ラーメン) ~徳島~

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  高松自動車道を板野ICで降りる。徳島まではそう遠くない。博多の帰り道だ。
 ホテルクレメント徳島は専用駐車場を持たず、クレメントプラザ買い物客と共用のでかい駐車棟だ。
 チョー格好いいコルベットにはふさわしくない。ホテル専用スペースを用意してくれ。
  17時閉店、売り切れ仕舞いの“いのたに”。
 14時。早くしないと無くなっちゃう。電話でカクニン。まだ営業中。気温35度。暑いからタクシーだ。急げ。
  大きなU字型カウンターが二つ。いきなり着席。注文する。
 「肉そば大、卵入れて
 シロウト衆は券売機で一生懸命ボタンを押している。俺は三度目。そんな無粋なキカイは使わないのだ。
 店のオバサン曰く「はい、肉タマ大」
 なるほど、それが正しい言い方か。次回からは常連ヅラで颯爽とそう言おう。

  肉タマ大はすぐに来た。
 「うまい」と叫ぶつもりが「しょっぱい
 だがそのしょっぱさが、塩分を必要とする炎天下の長距離運転に疲れたカラダを愛撫する。うまさが体細胞の隅々にまで染み渡る。
 大衆店なのに至れり尽くせりのサービスをしてくれるソープ嬢のように。美人じゃなくてもそういう女に男は惚れるのだ。あっそ。
 甘じょっぱく煮た沢山の豚バラ薄切り。歯触りステキな麺。それらに生卵がトロ~リからまって、それはそれは天にも昇る気分だ。たった1個の生卵が素晴らしい役割を演じている。
 まわりを見ると残ったスープにご飯を入れて食ってる人達が多い。ほぅ、これが徳島スタイルか? 次回は俺もマネしよう。

 炎天下をホテルまで歩く。日焼けが心配だ。
 朝メシ用に練り物をクレメントプラザ地階“水穂蒲鉾”で買う。山のように買う。
 徳島名物フィッシュカツがうまい。ハムカツ状の薄いフライだ。カレー粉がほんのり効いている。あまりにうまいので50枚送った。友人知人愛人に食わせた。皆喜んだ。
 竹が芯にハマッたままの小さいチクワもオツだ。
 海に囲まれた日本は、各地に美味しい練り物が存在する。地元の人には当たり前の味でも、海なし県群馬の住人には素晴らしい逸品だ。
 クルマ雑誌を読むうち、キリンラガーの酔いと運転疲れで眠りの国に引き込まれる。
 
 ラーメンは特に好きではないが、“いのたに”の徳島ラーメンは凄くうまいぜ! (2007.7)

料亭 青柳 ~徳島~

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  66,000円  / 鯛をメインの懐石料理+ビール3本 /  2人

  関越道から上信越、長野道、中央道、名神、阪神高速、第二名神を経由して明石海峡大橋を渡っているのはダークブルーメタリックのキャデラック。
  キャディのマサが目指したものは“料亭青柳”。
  鳴門の鯛を食うぞう。

  なかなかの高級料亭だ。
  庭園には背の低い灯籠がともり、風情を醸している。
  店の前はソープランドだ(それがどうした)。
  着物のお姉さんが入れ替わり立ち代り料理を運んでくる。益々気に入った。

  その料理は繊細な味付けで、品のあるものとなっている。
  特に鳴門の鯛の刺身は圧巻。
  歯応えが凄く、ほんのり甘みがある。
  こんなの初体験だ。
  兜蒸しは濃厚なうまさ。
  アユ塩焼は、焼き過ぎで大したことなし。
  利根川のアユをうちのガスコンロで焼いてもイケてるぞ。
  でっかい土鍋の鯛めしは、腹がいっぱいでひと口も食べられない。

  若旦那登場。手が空いたら呼んで欲しい、と頼んでおいた。
 NHK“今日の料理”によく出る男だ。一度会ってみたかった。
 柔和な中に「俺は一流だ!」の態度が見え隠れ、顔は笑っても目は笑ってない。
 巨大な和紙の名刺。カラダも巨大だ。
  ちょっぴり高いが料理には満足。次は板前割烹「婆娑羅(ばさら)」だ。(1999.6)

鱈鍋、翌日カキ鍋(マサ料理)

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 いつもの魚屋に鱈。半身が450円。こんなでかくて安い。食指が動く。
 「これ何にしたらうまいの? 鍋?」いつもニコニコの兄ちゃんを呼んで質問。
 「鍋もいいですし湯豆腐、バター焼きやフライもうまいですよ」
 「おぅ~、ひとつもらおうか」
 1kg入り広島産加熱用カキも買う。
 家で量るとタラ半身900g。今日はカキは無理だ。皮をサッと洗い出刃包丁で切る。あとはネギだけ。
 土鍋に水と昆布。少しおいて弱火。ダシが出た。酒と塩。

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 タラをドバドバ全部入れた。煮えた。酢醤油をつけた。食った。
 うまい。真っ白い身がほろりと崩れる。儚い柔らかさが可愛い。七味も入れた。
 淡泊だがちょっと主張がある。いつも思い通りやらかすとたまには怒られるオンナみたいだ。
 ビールを呑みつつガスコンロの前(特等席)で立ち食い。どんどん食べた。

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                 (残骸写真)
 少し残った。
  明日はこれにカキを入れて食うぞう。明後日はこれで雑炊だ。
 2日後の料理まで即座に決まるのは、嬉しくもあり詰まらなくもある。(2011.2.2)

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 翌日。カキを入れて食う。白菜も。広島産加熱用1kg。ややエグみが気になる。(2011.2.3)

まさる(天丼) ~浅草~

  6,800円  / 江戸前天丼2、缶ビール2 /  2人

  日本上陸を果たしたC6ベティこと第6世代コルベット。
 東京芝浦ヤナセグローバルモーターズで初のご対面。
 往年のド迫力は薄まり、コンパクトでヨーロッパナイズされた。フェラーリコンプレックスが窺える。スパッと切り立ったケツは色っぽいものの、排気音は以外におとなしい。
 アメリカンマッチョをかなぐり捨て、コルベットは何になろうとしているのか。
 マイケルジャクソンが白人になりたかったように、コルベットも大きく転換しようとしている。往年のアメ車が魅力的なのに、まったく百年の恋も冷めたぜ。

  イマイチなコルベットに意気消沈しながら浅草の街を歩む。
 向こうからサンバのリズム!先頭にマツケンもどき。リズム感の良い小柄ネーチャン3名。動きの悪い大型女2人。うるさくがなりたてる子供10人の楽団。
 地域商店街ミニサンバ隊が去ると、突然“天丼のうまい店まさる”出現。行列なし。
 「3千円のしかできないですがよろしいですか?」
 10人ちょっとの小さい店。アサヒスーパードライ(250cc400円!)ひとつしか飲ませない。 
 30分経過。やっと出た。ヤケに気取った盛りつけ。
 グチャッ、ぐにゃっ、ベチャッ! サクッと揚がってない。
 丼ツユは甘みが不足し、かけすぎで丼の底はびちゃびちゃだ!
 メシ軟らかくベッチャリと団子状の部分も。
 これが3千円! 千円でも高い! 700円だ!

 「これだけの江戸前穴子は今日他では食えない」と、知ったかぶりドシロウト客に自慢するオヤジ。
 カウンターの手元と顔は隠され、どんなオッサンが何やってんだか分かりゃしない。どっかで買ってきた天ぷらをチンしてるの? これは酷い店だ。山本益博の色紙あり。彼はホントの美食家なのだろうか。
 何十年も地元で親しまれているというセキネの肉まんとシューマイも不味い。

 TVに拐かされた馬鹿なワタシ。 (2005.2)

肉団子(マサ料理)

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 穴子天ぷら、海老天、ヒレカツ、海老フライをやって油が疲れてきた。量も減った。
  美味しい揚げ物をいっぱい作ってくれたサラダ油の最後の作品は!? 
 鶏唐揚げを花道にするのがいつものケース。
 油を汚すモノ、汚れた油でもOKのモノで揚げ油の一生を終える。疲弊し身を削って働いた油にもう一仕事させる。ダメ押しの儀式だ。
 今回は数年ぶりの肉団子。
 だが唐揚げも排除せず、朝起きて食いたい方にしようと思った。しかし心はすでに前夜から肉団子に大きく傾いていた。
  12:25。いつもの店。肉コーナーの奥が暗い。
 「肉売場のヒトは居ないんですか?」いつもの魚売場の兄ちゃんに訊く。
 「あと5分で来ます。あっ階段降りるのが見えました」
 「豚もも500gと鶏モモ2枚を挽いてもらいたいんですよ」肉担当が来た。「こちらのお客さんが…」
 大量挽肉。
 「コレ何作るんですか?」
 「肉団子」
 「具はネギだけ?」
 レジのCちゃん。のんべえKはもっとノリが良い。レジの若いネーチャンとの会話。これも買い物の楽しみの一つだ。
 ドロドロドロッと低い排気音を残し、ベティのマサは店を後にする。
 1,070gの挽肉。豚挽肉と書いてある。ホントに鶏モモも入ってる?
 細めのネギ6本をみじん切り。挽肉をドカンッと投入。
 砂糖、塩、コショー、酒、醤油、おろし生姜、片栗粉、パン粉、卵3個。酒は菊水4段仕込み。飲みつつ入れる。
 手でグイグイかき混ぜ粘りが出た。掌に天ぷら油(!)をつけ、適量を取り、丸める。キャッチボールをして空気を抜きバットに並べる。
 21個出来た。1個50g。でかい。
 甘酢あんかけ。菊水純米酒、砂糖、醤油。のちに味醂。最後に酢。水に浸しといた片栗粉で強めのトロミ。う~ん。甘酸っぱくてうまい。
 ダッチオーブンで揚げる。釜飯続きで油気を失った鉄板のケアを兼ねて。
 油を入れる。火をつける。かなり少ない。でも大きい肉団子をどんどん入れたらガサが増しOKだ。強火、弱火、強火。
 1個を割ってみる。火通りドンピシャ。食った。
 うまい。生姜が効いてる。次々と油から引き揚げあんをからめる。
 直径34cm青磁皿に盛る。壮観だ。こんなでかい肉団子見たことない。残り半分も揚げ、からめ、激写。
 ビールを呑み、ガンガン喰らう。
 おいしい。うまい。オイチィ~。
 21個中12個喰った。調味料込み総重量1.6kg中900gをハラに収める。
 肉のみでは610g。どうも俺は肉や魚は600gが限度のようだ。
 強い旨味(濃い味?)に舌が麻痺し氷水、自家製甘夏サワードリンクをガブガブやる。

 「しばらく揚げ物ヤダ!」お約束のセリフ。
 翌日には「今度は大きい海老天だ!」
 懲りないヒトだぜ。(2009.9.5)

コルベット博多遠征2007(3rd)

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  前回の博多一気14時間走行では助手席のオンナが疲れたので、今回は昼間走行のみ。先ずは神戸だ。
  朝7時群馬出発。14時前ホテルオークラ神戸着。たった600km。いつもの半分。楽だ。
 おやつに「老祥記」豚まん。昔食ってとてもうまかったが、期待が大きすぎた。
  翌朝6時発。明石魚の棚商店街「大善本店」で焼きあなご。
 一串4尾2千円。SAでかぶりつく。うまい。ジュワッと肉汁あふれ歯ざわりサクッ。皮やわらかく脂適度。甘み抑えた甘辛加減も申し分ない。宮島「うえの食堂」を凌駕か。群馬に帰って大量に取り寄せるぞぅ。

 長距離ドライブでは“無事故無違反”が至上命題。
 山口県内の中国道。ゆっくり走行を邪魔するしつこく付いてくる旧型ベンツCL。
 それならコルベットの凄い加速を披露してやろう。驚くなよォ~
 追越車線に出ながらアクセルを素早く半開。雨上がりで路面が濡れていた。
 「!」ずるずるずるっとケツが左右に三往復。走行車線のクルマにぶつかるぅ~
 アクティブハンドリング(ESP)に救われた。危機一髪。
 “尻振りダンス”は小雨の通勤峠で二度。共に2速固定。高速道路で踊るとは夢にも思わない。
 唐突なベティの挙動。はるか後方遠く離れていくベンツ。しつこいベンツ野郎め肝を冷やしたな。戦う時は最後までやれ、死ぬ気でやれ! ダサい奴だ。
 「今度から俺の尻につくんじゃねぇ

  ホテルニューオータニ博多玄関前駐車場。
 ベティの二台横にエンツォ・フェラーリ!
 1億5千万円のスーパーカーだ。ヤバい。エンツォにばかり注目が集まる。
 チーフドアマンS氏曰く「選挙事務所の展示用ディーラー車です」なんだ展示車か、ホッとしたぜ!?
  最終宿泊日。
 玄関前左方に広島ナンバー白ロールスロイス・ファントム!!!
 巨大。怒濤の全長5.83m。俺のキャデラック・コンコースよりさらに50cm長い。高さもある。山のようだ。
 圧倒的な存在感、迫力。陸の王者だ。
 戦車でも装甲車でもダンプカーでもタンクローリーでも新幹線でもライオンでもアフリカ象でもティラノザウルスでも、この威風堂々ぶりには敵わない。
 あまりに凄すぎて退廃的ですらある。45,000千円の価値はじゅうぶんだ。カネがあったらすぐ買うぞ。
 俺の美意識としては、銀濃淡ツートーンカラーボディに真っ赤の内装。又はヌメッとした黒に紫インテリア。粋だぜ。アイボリー濃淡に白も素敵。
 大親分に違いない。バンパーに虫がくっついている。飛ばして来たのだろう。拭かないのが格好いい。
 大好きなランボルギーニ・ムルシエラゴLP640も色を失う。参院選後の民主党のように、RRは“ほしーのリスト”ダントツ1位に躍進した。

  あとは宝くじが当たればイイだけだ (2007.7)

駒形 前川(鰻) ~浅草~

menu

  25,620円  /  鰻、ビール4  /  2人

  二百年の伝統を誇る駒形「前川」。コルベット試乗祝いにふさわしい高級鰻屋だ。
  隅田川からのそよ風が心地良い。さぁ、腹一杯食うぞぉ~!
  鰻佃煮(840円)。
 生姜と実山椒の効いた逸品。甘さはまったくない。よく味の染みた歯応え適度のゴボウがまた素晴らしい。端(ハナ)からこのうまさに感激。
  う巻(1,050円×2)。鰻蒲焼きを芯にした厚焼き卵だ。熱々。どぉんと濃いダシ。
  うざく(1,050円×2)。
 キュウリと蒲焼きの酢の物。レモンをかけてちょうどの酢加減。
 キュウリのしゃきしゃき感が凄い。生ではないし塩もみでもこの感触は出ない。どうやったんだろう。細部にまで神経の行き届いた店だ。
  白焼き(2,625円×2)。
 やわらかいウナちゃん。脂ノリノリでもくどくはない。本わさびを載せ、醤油をちょっとつけて口に。うまいッ! 後味さわやか。
  キモ焼き(1,050円)。他店より苦い。このほろ苦さがたまらん
  蒲焼き(6,825円)。
 大皿に二匹。“坂東太郎”って名の特別養殖鰻。
 素材によほど自信があるのかタレは甘さ控えめで存在感をわざと抑えている。
 トロけるようにやわらかい愛おしい鰻。頬ずりをして溺愛したい
 美しいがオレ好みの妖艶ではない。正統派美人だ。全てが最高のバランス。これほど完璧の鰻蒲焼きを他に知らない。脂がサッと広がりすぐ消える。
 ご飯も極上。かたさ、歯触り、ピカピカの艶、甘み。俺んちの新潟石打産百%コシヒカリと良い勝負だ。
 鰻重(4,725円)。
  蒲焼きに遜色ないくらいうまい。でもご飯がウナギにフタをされて蒸れてしまっているため、かたさと艶を楽しめない。99点が98点になるにすぎないけど … 。
  脂のしつこさ、皮の硬さ、タレ、ご飯。大抵どこかに瑕疵があるものだが前川にはない。

  着物のおねぇさんが給仕してくれる。つつましやかな立居振舞。笑顔が優しい。だが俺のアホな冗談にあまり乗ってこない。あくまで控えめだ。
 もっとも「やだぁお客さん、あはははッ!」では高級老舗鰻屋に相応しくないか。
 一番うまい。南千住「尾花」より上だ。尾花の大串も棄てがたいけれど …。今日は坂東太郎を食べたが次回はぜひ天然モノ(時価)を喰らいたい。
 食いすぎて夕食はビールとイチゴと大根おろしだけ。ジアスターゼ偉大なり。 (2005.5)

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