2011年06月

クレッセント②(パン屋) ~群馬県渋川~

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 ♪ラララララ~ラ~ラァ~こちらはクレッセントの移動販売車です♪
  いつものハワイアンが聴こえてくると条件反射のように立ち上がる。
 まるで“パブロフの犬”だ。そのうちこの音楽を聴いただけでヨダレが出るかもしれない。でもオレは人間、犬畜生にはならないぞ。
 昔から同じ音楽&口上。今日は木曜、クレッセントは巡ってこない。月水金限定なのだ。
 もしも願いが叶うなら、1週間に10日くらい来て欲しい。

 出掛けたついでに店に寄ってみた。狭い道沿いに目立たなく建っている。
 11:45。あまり種類がない。客もいない。
 お目当てのサンドイッチが1つしかない。
 「サンドイッチはこれだけですか」
 「はい…お作りしますよ」
 「じゃミックスとスペシャルとチーズハム」
 「おひとつずつでよろしいですか」
 「はい。サンドイッチうまいですね~。4月に転勤してきて、もう美味しくって。20年前にも食べてたんですが、うまさが蘇りました」
 「まぁ!ありがとうございます。味、同じですもんね~」
 「移動販売車の同じ音楽が聴こえてきた時は感激しましたよ」
 「音楽も20年前と変わんないですよねぇ、あははは」
 「パンと芥子バターと具のバランスが良いですね」
 「あぁ、そうですか。バランスがねぇ~」
 こんなこと言う客いないわ、酔狂なオジサンね!と戸惑う店のネーサン(?)
 ここのサンドイッチがいかにうまいか、を詳細に述べた。感激しながら述べた。
 ネーサンは嬉しそうだ。そうこうしているうちに完成した。

 職場に持ち帰った。食った。
 いつもよりパンがかたい。しっとりさの欠如。
 パン、芥子バター、具の馴染みが悪い。作りたてよりも移動販売車に揺られて来た方が三者が仲良くなるのかもしれない。
 ミックス。チーズハムサンド、野菜サンド、玉子サンドを一度に食える。
 パン4枚の間の3層に具が挟まったミルフィーユだ。豪華なデザイン。
 全部くっついてるからガバッとかぶりつく。トマトのうまさが際立つ。直後、卵の濃厚さが襲う。でかい口を開けても卵はこぼれ、手が黄色くなる。
 チーズハム、ポテサラ入りがスペシャル。
 ミックスとスペシャル。名前を混同しがちだ。
  いつもはサイコーのチーズハム。芥子バターが少なくレタスが多くてバランスが悪い。しっとりしてない。
 ポテトフランス。でっかいじゃが芋が柔らかいフランスパンの真ん中にドカンと鎮座している。味がしない。
 カレーパン。スパイスの良い香り。うまい。でも平凡。
 
 店の出来たてサンドイッチより、移動販売車でちょうど良く馴染んだ方がうまいことを発見した。(2011.4.14)

えびマヨ(マサ料理)

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*冷凍エビ&マヨネーズ
① 冷凍えびを背開き ②  ネギ斜め切り ③  ごま油でネギ炒め
④  えび投入 しっかり炒める ⑤  塩コショー ⑥  ニンニク、生姜みじん切り投入
⑦  火を消す ⑧  砂糖 ⑨  マヨネーズ入れて、サッとからめて完成
                by 3/18 NHKきょうの料理(ケンタロウ)

  十数年前、目白の“フォーシーズンズホテル”にオンナと泊まったのを思い出す。
 広い部屋、でかいダブルベッド、分厚い電動カーテン。夕方になるとネーサン2人がわざわざベッドカバーを外すためだけに来る。そんな過剰、正統派サービスの外資系高級ホテル。
 食事は全てホテル内レストランで摂った。
 昼は中華、夜イタリアン、朝が和食。
 広大な庭園を眺めながらの豪華朝メシが印象深い。中華もステキ。某中国特級調理師が総料理長を務める有名店。
 中華料理に造詣の深くない俺がたまたま選んだ海老マヨネーズ炒め。凄くうまい。初めての味。マヨネーズはこうも使えるのか。感嘆と驚愕。

 ケンタロウがあの味、あの記憶、あの舌の歓喜を再現してくれた。顔もヒゲもダサいのに旨そうな簡単料理を作るぜ。
 市販めんつゆ、市販ごまペースト等安直で食品添加物満載調味料多用のグッチ裕三とは違う。
 NHKきょうの料理で気になるのはフライパンだ。
 テフロン(?)加工ばかり使ってやがる。
 料理は焦がしたりこびりついたりして加減を覚え巧くなる。焦げないフライパンじゃダメだ。進歩はない。
 失敗は成功の母なのだ。
 気づけNHK!真実を伝えろNHK!受信料に見合った仕事をしろNHK!政府迎合は止めろNHK!と、今日も批判精神旺盛なボクちゃんであった(あっそ)。
  直径30cm厚手(2.3mm)フライパン。
 カラ焼きし過ぎてネギが焦げた。えびはボソッ。火入れのし過ぎだ。「エビをしっかり焼け!」に忠実すぎたワタシ。
 砂糖の甘みを含み、みじん切りニンニク生姜がからんだトロッとしたネギ。脇役のはずがエビを抑え主役の座に躍り出た。
 総じてイマイチ。えびは天ぷらがイイ。今日はTVの料理をやってみた。
 料理研究家ケンタロウより、料亭主人田村隆の教える料理の方がうまい。簡単料理より本格料理。プロの技だ。
 ゴマ油を買い忘れてサラダ油で代用した。それもイマイチの一因だ。(2008.4.8)

CoCo壱番屋、手仕込ビーフメンチカツ(カレー) ~群馬県渋川~

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 780円 / 手仕込ビーフメンチカツカレー / 1人

 ココイチとして親しまれている(?)カレーチェーン。よくテレビにも登場する。
 2年前、手仕込とんかつカレーをテイクアウトしたことがある。しょっぱいだけでうまくなかった。
 今日は火曜日。パンの移動販売車が来ない。焼肉屋でビビンバ定食やモツ煮定食やハラミ定食も食指が動かない。そうだ、カレーにしよう~。
 行く前にHPでメニューを確認。
 期間限定“手仕込ビーフメンチカツカレー”が前面に出ている。メンチカツが食いたい。これだ!
 カレーが来た。
 フォークでメンチを食う。うまい。じゅわっと肉汁。熱々だ。味付けは濃い。衣はサクッ。
 次はご飯。軟らかすぎる。これがカレーのご飯か!
 そしてカレー。しょっぱいが悪くない。
 和風(?)の皿。フォークやスプーンとちょっと当たるとカチャカチャうるさい。なぜ白い洋皿にしないのだろう。
 メンチのうまさで食った。汗はナイアガラ瀑布だ。紙で顔、頭、首を拭う。紙が溶けそうなほどビショビショだ。
 会計。
 「カードは使えますか?」
 「カードは使えないんですよ」
 一瞬退いたのはなぜ? 食い逃げされると思ったかな?
 「メンチカツ美味しかったァ
 「あ、ありがとうございます」
 2年前はオッサンがやっていた。
 今日はネーサン2人。ひとりは無表情だが一人はニコニコ。歌手の高橋真梨子似だ。おちょぼ口が可愛い。メバチマグロ赤身を連想させた。
 また食べたいカレー。今度は何のトッピング?

 15時になってもゲップはスパイシ~。意外に香辛料は効いていた。
 ちゃんとしたカレーだった。
 失敬した。(2011.6.21)

大宮(洋食) ~浅草~

  3,500円位  / ハンバーグステーキ、チキンカレー、ビール /  1人

  近頃では超有名な洋食屋。
 早く行きたかった。行きたくて行きたくて堪らなかった。
  博多喰い道楽旅行の翌日、疲弊したカラダに鞭打って出撃。
  洋食屋の域を超えているもんだから夜はフランス料理屋になるらしい。そんなことはどうでもいい。オレは洋食が喰いたいんだ。
  とんかつ屋では大きなとんかつをオカズにカツ丼が食いたい。たまにそう思う。
  今日はハンバーグをおかずにオムライスが食いたい。でもオムライスがないのでやむなくチキンカレーに。

  ビールでノドを潤しつつ、しばし待つ。
  あらっ、チキンカレーが先に出たぞ。
 ご飯モノが先に出るとは何たることだ! とにかく出来た順に出すってことか。食べる側の身にもなってくれ。自分もご飯を先に食べたいのだろうか。傲慢な行動だ。
  ごはんがうまい。艶々のモチモチ。新潟コシヒカリだ、きっと。
  カレーが舌に触れた瞬間、辛い。
 0.5秒後甘い。チャツネみたいな甘さが辛さを駆逐。
 実に絶妙な甘さだ。小っちゃくて歯に挟まりそうなチキンと共にカラダに自然に吸い込まれる。
  なかなかいいぞ。

  カレーの途中でハンバーグステーキ登場。
  デッカイけど薄いから150グラム弱? 期待を込めてナイフを入れる。口に入れた。
  塩じょっぱい!
  牛肉だけの味。中はレア。ステーキ感覚だ。肉そのものを味わうということか。それならステーキの方がいい。
  ドミグラソースはシャパッとして何日間も煮込んだ味ではない。
  いろんな味を入れて複雑怪奇に交錯した家庭のハンバーグの方が好きだ。

  1階がカウンター、2階はテーブル席。
  カウンターのなかの狭いところで調理をする。もっと広い場所でやればいいのに。
 と思ったら仕込みの厨房は別に、細い道の向かいにあった。
  雑誌やテレビでよく見るオヤジ。ちょび髭を生やしてトロンとした眼をもつ。白衣が汚れている。ビールのグラスも汚れていた。
 従う若い衆は2人。18歳の向学心に燃えた良い目を持つ男と、22歳の淡々とした女。
  この向学男は良い職人になるに違いない。
 親方のエキスを全部吸い取ってやる! 一滴たりともこぼさないぞ!! 親方の手元をジットリと見る眼が物語っている。心酔している。新興宗教に憑かれたようだ。言葉遣いもきちんとして好青年だ。

  オヤジの背後には、アメリカ製ロッヂ社の鋳鉄スキレット(フライパン)が20コ位ズラリと整列。オレも家でステーキ、餃子、ハンバーグなどに使っている。
 ぶ厚いから火の通り具合が完璧で、料理の腕前が50%はアップする。
  それを手足のように自由に動かす。
  流石プロだ。あの重さを全く苦にしない。オレは苦にしちゃうけど。
  映画“マディソン郡の橋”では、ヒロイン役のメリル・ストリープがこのスキレットで卵を焼く場面も。アメリカでは100年も前から使われているのだ。
  この黒光りしたスキレットを売ってくれ、と懇願する客がいるらしい。
 料理が好きで道具に関心があるなら、スキレットをきちんと自分でウォームアップすべきだ。1時間の空焼き、冷まし、洗い、くず野菜炒め、冷まし、洗い、慣らすための最初の料理揚げ物。
 自分で苦労して愛情を注いでスキレットを一人前にする。魂を入れるのだ。それが出来ないようなら料理自慢を吹聴してはならない。
  クルマを買って入念な慣らし運転をするのと同様「ラブ注入~」だぜ。

  オレの喰いっぷりが堂に入ったものだから、時々オヤジがこちらをチラッと窺う。満足かどうかを読むためだ。
 だが俺はポーカーフェイス。心の底まで知ることはできまい。
 評判に対し料理の味、提供の順序、白衣とグラスの汚れ。その落差が「うまい!」ってヒマワリのような笑顔を阻止した。

  テレビによく出たり、「俺の料理はサイコーだ!」と豪語する有名洋食屋ってあまりおいしくない。
  タイユバン・ロブションやシマカン等最高のフランス料理と比べてしまうせいか、弁天山美屋古寿司や日本橋吉野鮨本店等うまい鮨、徳島青柳や博多のいけす河太郎等おいしい日本料理を知っているためか、なにか中途半端な残念な料理と感じる。日本橋“たいめいけん”もそうだった。
  無名な大衆洋食屋は、比較しないで素直に食うから「うまい!」と思うのに。

  洋食屋に凝ることは取り止めにしたキャディのマサ(キャデラック・コンコースに乗るマサさん)でした~。
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魚肉ソーセージ

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 年に1回魚肉ソーセージを食いたくなる。
 懐かしさがフッと脳裏をかすめる。郷愁を誘う味だ。
 子供の頃はよく食べた。ウインナーソーセージやロースハムは稀だ。安いから専ら魚肉だった。
 ソーセージとは魚肉ソーセージのことだと思っていた。この味は大好きだった。
 群馬生まれ群馬育ちのオレは魚と言えば鮎。日本のまわりには広大な海があり色んなうまい魚がゴマンといる!なんて思いもよらなかった。子供の世界は狭い。
  昔の魚肉ソーセージはもっと太かった。子供だから相対的に太く感じたのかも。
 輪切りにして切れ込みを入れ、蒸かしたじゃが芋をつぶして中に詰めた天ぷらが好きだった。これが出るとうんと食べ、姉たちに怒られたものだ。
 幼稚園時代の弁当のオカズ。甘~い卵焼きより醤油で焼いた魚肉ソーセージが好きだった。友達との相違点だ。
  卓袱台に並ぶ品々。魚肉ソーセージがメインの時もあった。
 1皿に家族6人分のソーセージが切って6列に並べられ「ボクここ」「あたしこの列」などと口々に一番多そうな列を指名し、嬉々として食べ始める。
 すぐに自分の列を食べ切った姉がヒョイッと俺の1片にチョッカイを出した。
 「それボクのだよ~」抗議も虚しくソーセージは姉の口にポンッと消えた。可哀想なボク。
 昔の食卓とはそんなものだ。質素でも楽しかった。
 小学生の頃。たま~に鮨を取ってもらうと子供のクセにコハダが好きだった。あの時は成魚のコノシロだったけれど。
 「お前は呑兵衛になるよ~」母に言われたものだ。
  今でも握り鮨はコハダと穴子が大好きだ。

 売場には数社の魚肉ソーセージが陳列。
 たいてい5~6本がテープで縛られ「1本増量!」と購買意欲をそそる殺し文句。思わずそこに目が行くのは人間の悲しいサガか。
 298円や398円。この価格が高いか安いかわからない。どのメーカーがうまいのかも知らない。
 聞いたことのある丸大食品にした。高い方だからうまいだろう、と安易に考えた。
  昔はニッスイやあけぼのやマルハがあったように思う。

 ビールのツマミにそのまま食べた。う~ん、イマイチだ。

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 魚焼きグリルで焼いた。あまり美味しくない。

 子供の頃のうまさがそのまま発揮されるモノと、懐かしいだけの物がある。
 1年後は他メーカーを試そう~。
 そして大好きだった魚肉ソーセージの名誉を回復させるのだ。(2011.6.19)

びわ

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 びわの味わいは絶妙だ。
 長崎の茂木びわが有名。
 5月の訪福にニューオータニ博多近くの百旬館で買った。初物はうまかった。
 隣のバナナはエクアドル産。爽やかな甘さがステキだ。家の近くでも売ってたらイイのに~。

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 房州(千葉県)のびわも知られている。今日いつもの食料品店で買ったのがコレだ。
 ブルームもうぶ毛も付いている。新鮮だ。
 びわの命は短い。
 店頭に並ぶのはほんの一時期だけだ。油断するとすぐに消えてしまう。見つけたら「おっ、枇杷だ!」などと叫んで買わねばならない。
 期間だけでなく味も儚い。ほのかな甘さ、適度なジューシーさ。かすかな渋さが泣かせる。
 びわを食う時は台所。ナガシの前だ。
 す~っと皮が剥け、ガブリと食らいつく。でっかい焦げ茶色の種がゴロンと現れる。左手親指でズゴズゴと種を落とし、残りをガバッと口に入れる。
 うまい。儚いゆえに格段にうまく感じる。
 年中丸出しのバナナとの相違だ。だからバナナは特別ではなく日常的な存在。
 むか~し昔、バナナは高かった。小学校の遠足では1人1本と決められていた。2本持っていくとセンセイに怒られた。輸入自由化で激安になった。
 世にあふれると有難味が薄れる。でもバナナはうまいし栄養豊富だから毎日食べている。
 一時期流行った朝バナナダイエットを今でもやっている。もう3年近くだ。
 ダイエットと銘打ちながら、今まで朝メシは食わなかったからバナナの分、体重が増えた。でもバナナのおかげで快調だ。
 「今日もバナナ、あはははは
 「オレはしつこい性格なんだ
 「あっはっはっはっ
 レジのネーチャンとの会話は楽しい。(2011.6.20)

不埒なヤナセ高崎支店

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 メインの用事は終わった。受付のIちゃんは相変わらず可愛い。
 「昨年の11月にYさんが辞めてから担当が誰だか分からないんだよ」
 「お待ちください」PCに俺の名前を入力。キーボードを叩く細くて長い指がセクシーだ。
 「青木さまの担当はX(名前忘れた)となっております」
 「アイサツにも来ないし連絡もないから担当はもういないんかと思ったよ」
 「申し訳ございません
 スタイルの良いIちゃんサービスのアイスコーヒーを飲んでいると貧相な男が現れた。 
 「私はXじゃないんですけど…Xの上司なんですけど…」不自然な笑顔だ。無理矢理作っている。
 販売課長Kという名刺を差し出すネズミ顔の貧弱な男。背広を着こなしていない。
 「今日は何でしょーか?」
 「Yさんが辞めてから誰からも連絡がないので『アイツはうるさい奴だから担当はもう付けない』ってコトかと思ったよ」
 お茶目に言ってみた。
 「ふふ、そんな事はありません」
 マトモに答えてやがる。つまらない男だ。トークの心得がなってない。よくそんなことで販売課長を張ってられるな。
                              *       *
 1998年1月、白いキャデラック・コンコースを買った。最初からドライバーズシートの具合が悪く2ヵ月経って新シートが船便で届いた。工場入りした翌朝、ヤナセから電話。
 「青木さんのキャデラックを配送車がこすっちゃったんですよ。すぐ伺います」
  サービス課長が飛んで来た。ひとしきり謝った後
 「これからサービス等で面倒見ますから勘弁していただけませんか」
 「新車を買って2ヵ月(4,000km)で他人に傷つけられたクルマに乗るのはイヤだなぁ。2年とは違うからね。新しくしてください」
 通らないと思っていたムリが通り、紺のキャディ新車が5月に納められた。その他諸々でオレはマークされている。
                              *       *
 「担当が分からないから来週の車検も違うトコにしたし、相談したいことがあっても出来ないし困っているんだよ」
 「Yは突然、結婚するからとか言って辞めてしまったんですよっ!」
 このK課長という輩はいきなりYに矛先を向けた。“死人に口なし”ってことか。
 「知ってるよ、電話もらったから」
 「あ~そ~ですか」
 まことに抑揚のない野郎だ。話しても楽しくない奴。
 「HさんからSさん、SさんからYさんへの引継は一緒にアイサツに来てきちんと出来ていたのに今回はどういうこと?」
 「一通り回ったハズなんですけどねぇ~タイミングが合わなかったのかな」
 「電話1本でも寄こせるでしょ。Xさんてヒトは今日は居ないの?」
 「アソコに居るんですよ。アレがそうです。今他のお客さんをご案内中でして。今晩にでも電話させます」
 今晩じゃなく、10秒でもいいからすぐ顔を出させるのがスジだろう。10m先に居るんだぞ。まったく信じられない対応だ。
 「もういいよ!Xさんて名前は分かったから!」
 このインチキ課長は謝罪の一言もない。表面的に軽く「すいません」さえも言えないのか。きっと以前、謝って損をしたことがあるんだろう。意地でも謝らない、テコでも動かないって尊大で不遜な態度だ。
 スッと席を立ち大股でその場を後にした。カウンターで立ち上がり礼をするIちゃんの顔を見たかったが、視線はまっすぐ前だ。
 コルベットに跨がり「ドドスコスコスコ」とステキな排気音を発し、ヤナセ高崎支店という“不気味な館”から遠ざかった。
 至れり尽くせりのヤナセ、相当無理を言っても聴いてくれたヤナセ、粋な会話の出来たヤナセ、男っぷりの良い営業部員がいたヤナセ、特別感のあったヤナセ、真っ当なヤナセ。
 嗚呼、そんなヤナセは今何処。その辺にある詰まらないただの自動車販売店に成り下がっていた。
 不埒なヤナセ。怒りを通り越して、オレはとても悲しい。

 1988年型カマロ・スポーツクーペ(3,750千円)に始まり、95年型Z28(3,690千円)、98年型キャデラック・コンコース2台(6,140千円、1台はタダ)、2006年型コルベット(7,400千円)。
 23年間5台のアメ車。計20,980,000円(4台分)。カネ持ちじゃなく普通のサラリーマンがこれだけ使った。
 GM一筋、ヤナセ一筋だ。顧客と思っていた。残念だ。

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 “珠玉の2台体制”を構築したコルベットの相棒キャディが2月に廃車になり、大型セダンを切望中の昨今。
 A8、A7、S350が気になっていた。S350の目はなくなった。

 こうしてヤナセとの蜜月は落胆のうちに終焉を迎えた。(2011.6.23)

枝豆(マサ料理)

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 今シーズン初枝豆。寒い冬が終わると枝豆の食える夏が待ち遠しい。
 こないだやろうとした。“今日の”枝豆じゃないから止めた。
 その前ははっきり「日が経っている」と明記して半額だった。
 三度目の正直。ついに実現した初枝豆だ。嬉しくてしょうがない。

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 湯が沸くのがもどかしい。
 よし、その間にチンニング(懸垂)とクランチ(腹筋)だ。
 肩幅より広くチンニングマシーン(ただの鉄棒みたいな奴)を掴む。広背筋に意識を集め反動をつけずにゆっくりカラダを引き上げる。喉を通りすぎて胸の上部まで上がった。ゆっくり下ろす。3回目は喉までがやっとだ。
 肩幅で握れば連続8回はできる。広く握るとキツい。
 急角度にセットしたシットアップベンチ。普通の腹筋ではなく、背中をグーッと丸めてゆっくり起き上がる。これが効く。クランチだ。30回。
 チンニング2回。クランチ20回。チンニング3回。合計チンニング8回、クランチ50回。汗をかいた。
 そうこうしているうちに湯が沸いた。直径28cmアカオしゅう酸鍋。枝豆の下処理がまだだ。火を消す。非効率的だ。時間配分を間違えた。

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 群馬産枝豆300g入り2袋600g。洗い、伯方の塩で揉み、ドバッと塩を入れた鍋に投入。

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 いつもは沸騰すると完成。袋にゆで時間5~7分の表示。今日はちょっと長めに茹でた。
 ザパッとザルにあける。湯を切り伯方の塩を一掴み。優しく叩いて馴染ませる。ザッザッと天地を返しまた塩。
 キリンクラシックラガー中瓶をシュポッと開ける。トクトクトクッとグラスに注ぐ。
 呑んだ!食った!うまい!
 強めの塩とコクあるクラシックラガー。蜜月関係だ。サイコ~。
 まだハシリのためか豆に甘みが少ない。小さいのもある。小さいヤツは茹ですぎだ。普通サイズは超アルデンテ。
 鞘込み600gじゃ物足りない。旬になると500g入り袋が出る。1度に1kg食えるのだ。
 7月には甘~い“天狗ブランド”。今から楽しみだぜ。

 今シーズンも、飽きるまで枝豆を喰らうぞ~。(2011.6.20)

良い香り?

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 香りが好きで18歳の頃からずっとオーデコロンを装着している。
 最長期間なじんだのがアラミス。
 ジョーバン・ムスク・フォーメン、ジョーバン・セックスアピール・フォーメンを経て今はアランドロン・サムライだ。
 爽やかすぎるサムライがもうすぐ終わる。一番好きなジョーバン・ムスク・フォーメンに戻ろう。この香りに飢えていた。実はもう購入済み。
 サムライと一緒にネットで買っておいたのだ。ムスクに戻ることを予想していたのかもしれない。

 いつもの食料品店。
 あたりの空気に強い違和感を覚えた。板前っぽい35歳くらいの奴が安っぽいオーデコロンをぷんぷんさせている。思わず「うっ」となった。
 2番目によく行くスーパーの野菜売場。
 カゴを持つ男とあれこれ相談しながら野菜を物色する若い女。通り過ぎる時、強烈な匂いに卒倒しそうになった。イヤらしいえげつない香り。「うえっ」となった。震撼の悪臭。
 コイツらは時間も場所も分量も間違えている。選んだコロン(トワレ)自体が犯罪にも匹敵する!

  「奴等の鼻は馬鹿に違いない!」心の中で毒づいた。
 「あっ!」
 たいそう気に入ったオレの香り。有名な一流の香りに御満悦だ。
 アランドロンは爽やかだから良いが、ムスクやセックスアピールは好みが分かれる。
 オレもヒトからすればイヤな匂い野郎だったのか!?

 そうかもしれない事実にぶち当たり、オレは愕然とした。(2011.6.18)

登利平(鳥めし弁当) ~渋川店~

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 もうかなり昔からある“上州御用鳥めし弁当”。よく会議やイベントに利用される。
 でかい工場で生産し大量受注を捌く。県内にいくつも持ち帰り専用店舗があり、そこでなら温かいのが買える。
 たまに(5年に2回くらい)食いたくなる。
 680円の「竹」は薄切り胸肉だけが載っている。さっぱりすぎるしボリュームがない。
 「松」は780円。ムネ&モモ。コクも脂もある。モモ好きのオレ向きだ。
 甘辛加減最適なタレ。ご飯もフンワリうまい。

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 今日は“炙り焼き弁当”という豚ロース薄切りが載ったヤツも買う。初体験。
 「出来たてをお出ししますので10分くらいお待ちください」
 「ソースカツ弁当(鳥)はムネ肉ですか」
 「ソースカツ弁当はムネ、特選ソースカツ弁当はモモです」
 「モモの方がうまそうだね」
 「好き好きですね。モモの方がジューシーですが」
 お~っ姉さん、やっぱりこの答えか 愛想がないぜ。オレが店員だったらこうだ。
 「はい、ワタシもモモが好きです。コクがあって美味しいですよね~
 客を気分よくさせてもバチは当たらないぜ。
 「タレがおいしいからイイと思いますよ。次はぜひお試しください」
 おぉ、印象好転。客の反応を察知し瞬時に心を入れ替えたか?
 いや、そんな敏感なネーサンには見えない。

 肉が薄く小さい炙り焼き。甘みの少ないタレ。“とり平”ってくらいだから鳥めしの方がうまい。
 他に鰻弁当、焼鳥弁当などがある。

 有名な鳥料理や鳥めしは各地にある。
 全国的にはあまり知られていない群馬のとりめしだが、それらに決してヒケを取らないうまさだ。
 宣伝下手の群馬県、マジメすぎるぜ。もっと楽しく、大胆に、大袈裟にやってくれ。

 今青森でやってるデスティネーション・キャンペーン。JRとタイアップした観光モノ。7月からは群馬の番らしい。
 ちゃんと宣伝しないから長ったらしいカタカナの意味が分からない。この意味を知っているヒトは何人いるだろうか。
 こんな大々的な行事をして群馬に客は来るのか。人々が求めるのは、先ずうまいものだ。
 隣の栃木は“餃子”、茨城には“納豆、アンコウ”、“B級グルメの宝庫”埼玉、山梨に“ほうとう、煮貝”。
 群馬が最近売り出し中の“豚”はうまいが、他県より突出してはいない。
 イベントや話題作りのために新しい味を模索してもダメだ。ご当地グルメとは昔から、子供の頃から普通に食べていたその土地独自のモノだ。
 イベント主催者はわかっているのだろうか!?(2011.5.13)

アジフライ②(マサ料理)

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 昨日からアジフライモードになっていた。
 いつもの店に良いアジがなければ上州麦豚ヒレ2本(約900g)でヒレカツだ。
 愛媛産アジが氷の中で筋肉に満ちたボディを冷やして俺を待っていた。1尾150円。目の澄み具合はイマイチだが臨戦態勢のため多少の曇りには目をつぶる。
 「アジ12尾欲しいんだけどフライ用にさばいてもらえますか」
 「はい、ちょっと時間ください」
 キリよく10尾じゃないのは一度に4尾ずつ揚げるから10尾では都合が悪いのだ。

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 店内をブラブラしてたら出来た。

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 前回はカキフライと同様、塩コショーしなかったので完璧な味じゃなかった。今回はちゃ~んと塩コショー。

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 刺身OKアジだから揚げは短時間。アッと言う間に油の海から救出する。中心はナマ。ステーキで言うミディアムレアだ。
 食った。ジュワッとうまい。塩コショーしたのに優しい味だ。アジ自体の旨味が弱いのだろう。だがかなりうまい。
 伯方の塩をつける。アジの甘みが誘き出された。
 ブルドックウスター。まさにフライにピッタリ。
 カントリーハーベスト中濃。完璧なソース。キッコーマンデリシャスソースの倍の値段だけのことはある。
 ブルドックとんかつソース。甘さが懸念されたがなかなか合うぞ。
 キューピーマヨネーズ。うまい。これはイイ。
 酢&醤油。お~サッパリ。イケる。

 12尾中7尾食べた。イマイチだった目の澄み具合が旨味の欠如を示唆していた。でもアジフライモードに入ったオレを誰も止めることは出来なかったのだ。
 100点満点じゃないというだけ。かなり美味しかった。
 アジ1,800円。その他サラダ油、粉、卵3個、ソフトパン粉、ソース、酢&醤油、マヨ、塩コショー。それらを加味したら店で食べた方が安い。
 現実を知り、オレは愕然となった。しかも油にまみれた洗い物が待っている。
 後片付けまでが料理だけれど~。(2011.6.4)

シェ・イノ ~京橋~ マイナス三ツ星

  64,630円  / コース+ワイン /  2人

  トロワグロに師事し、銀座レカンのシェフとして鳴らし、NHK“きょうの料理”にも出、日本でも5本の指に入る名シェフがやっている、らしいシェ・イノ。
 期待して臨んだ。
 結論的に言えば「二度と行くかッ!」

  まずは料理(15,000円)から。
▲  食前酒
  キールとキールロワイヤルを呑みながらメニューを見ると、滅茶苦茶な書き方で解読不能。だからコースにした。
●  トリュフ入りラビオリ栗のソース
  トリュフの味わいは無いが、栗の甘いソースがおいしい最初の一皿。
■  オマール海老と季節の野菜のガトー仕立て
  オマール、にんじん、いんげん、キャベツなどをテリーヌ型に固めたもの。
 味が薄いが、オマールと野菜の火入れ具合がちょうどいい(軽井沢万平ホテルの野菜の火入れ具合も見事)。
  ウニのソース。蟹がチョコッと添えてある。
▼  フォアグラのソテーかぶ載せ
  フォアグラなのにしつこくなくフワッと食べさせる。どれもコレもソースが甘いなぁ~。
▲  スズキの薄切りバジリコ風味
  薄切りのスズキが身が締まって、ソースもさっぱりして旨い。
●  仔羊のロースト ディジョン風
  仔羊の骨付き背肉をミディアムレアにロースト。ディジョン(マスタード、パセリ入りのパン粉)をつけて焼いてあるのだ。
  仔羊やジビエ(野鳥等)を得意としソースも自慢の井上旭ということだが、これが旨くない。肉が固く味も香りもなく、そして意外にしつこい。ソースにも感動なし。
 メインがこのテイタラク。失望した。
■  デザートとエスプレッソ
  ケーキ3種、ババロア、シャーベットを盛合せにさせて平らげた。ギャルソンが健啖家ぶりに驚愕し一目置いた。
  でも、おかげで寝苦しくて往生。
▼  食後酒
  フィーヌ ド ブルゴーニュという、ワインの残りからつくったブランデー。薫り高し。
◆  ワイン
  ソムリエはなかなか感じが良い。モレサンドニ村の1級、マジシャンベルタン、レオヴィルラスカーズを推薦。
  1級ブルゴーニュは飲む気なし(特級が好きだ)、マジもレオヴィルも経験済み。
  「では珍しいところで、モレサンドニ村グランクリュ(特級)のクロ デ ランブレイは如何ですか」
  ルビー色で透明感があり花が咲いたような素敵な香り。口に含むといかにも葡萄からできた酒だ!と思わせる酸味。クロ ヴージョに似ている。
  時間の経過とともに成熟。力強さはないが鮮やかだ。
  ワイングラスが情けない。小さくて、厚くて、重くて。
  特級のブルゴーニュなら、極薄大ぶりのクリスタルじゃなきゃあ。
◆  雰囲気
  最低!
  こじんまりし過ぎ。各テーブル間が狭すぎる。
  井上オーナーシェフ。
 隣のテーブルの常連っぽい輩(ケバいホステス風情+そのママ+ダサい男)とはしゃいでいてゲンメツ。
  まことに感じが悪い。これを見ただけで、いくら一流とおだてられても所詮は町場のレストラン。ただの食堂の親父なんだ。どんくさくて洗練されていない。
 日常を脱して素晴らしい時間と空間を味わうのがグランメゾンだ。オーナーはこの店をどう位置づけているのか?
  ケバいホステス風情というのは嫌いじゃない。むしろ好き!
 颯爽として“おおっ!さすが女で売り出しているだけのことはある”と言わせるようなスマートな女性なら好感が持てる。
 だが辺りを憚らずデカい声で喋り、1秒ごとに加速度的に品格を下げているのを見るのは、なんともイヤなものだった。

  料理の味。
 その昔、フランスで修行したといっても日本的センスを脱していない。
  守備範囲の味。スケールが小さく、驚愕するものがない。
  そしてしつこい。
 この料理を食ったおかげでサッパリした根菜類の煮物が猛烈に食いたくなり、その結果体重が減り、体質改善につながった。しつこい料理に感謝しよう~。

 小さいレストラン。味も、雰囲気も、格もオーナーの人となりを反映する。
 シェ・イノ。味も、雰囲気も、格もかなり低いと判明した。(1997.10)

俵屋旅館 ~京都~

  97,566円  / 1泊2食 /  2人

 「脱ダム宣言」「脱記者クラブ宣言」で男を上げた長野県知事田中康夫
 彼は美食家でもある。
 京橋のフランス料理「シェイノ」、五反田「ヌキテパ」、銀座「てんぷら近藤」などをコキおろすあたり私の感性に近い。だから彼はエライ!?
  そんな康夫チャンが推薦した旅館だ。
 料理は、名声にアグラをかく名ばかりの京都の老舗料亭よりも良く、調度品、サービスどれをとっても京都一、いや日本一だと豪語する。
  康夫チャンがそこまで言うなら喰い道楽キャディのマサが見逃すわけにはいくまい。
  三百年の伝統を持ち、古くは伊藤博文、井上馨、大隈重信、最近ではホテル王ヒルトン、トム・クルーズなどが泊ったらしい。

  群馬から500km+を後にし、ダークブルーメタリックのキャデラック・コンコースは微かな息づかいと共に、その威風堂々たる姿をあらわした。
  黄土色の甚平を粋に着こなした下足番のオッサンが素早く飛び出す。
 迅速な行動で気分がいいぞ。
  シブイ玄関から古めかしい廊下を歩き、静けさに満ちた寿の間に通される。この部屋専用の庭園はわざと野趣溢れるものとなっている。
 「クルマで群馬から7時間で来ました。スピードの出し過ぎで怒られながら」
  軽いジャブを放ってみる。
 「あのクルマならシューッとスピード出ちゃいますよねぇ」
  志村けんに似た下足番め、客の自慢したい心を掴むのがうまいじゃないか。ますます気に入ったぞ。

  志村けんが部屋から去る。
 白磁のように綺麗な肌のネーちゃんがお茶を持ってきた。わらび餅がすごく旨い。こんな茶菓子もうまいとは、料理への期待はうなぎ登りだ。
  高島屋で買物をして戻り、ビールを飲む。
  至る所に気を配ってすばらしい空間を創造しているらしいが、ビールを注いだグラスには細かい泡が所々にビッシリとくっついた。不潔なグラスにより大好きなキリンラガーの旨さが30%は減じたぜ。家で呑む方がいい。部屋の冷蔵庫の冷えも弱いし。

  いよいよ食事。
                                  水無月献立
                                    小蕪の?
                            冬瓜薄葛仕立て 絞り生姜
                            アコウ鯛洗い、烏賊湯引き
                                  ?魚蕪蒸し
                                    鮎笹焼
                        加茂茄子柚子味噌掛け 鴨ロース
                            鱧柳川蒸し 小芋、オクラ
                                鱚鳴戸切り胡麻
                                  イチジク甲州煮
                                      黒川修功

  冬瓜薄葛仕立て。ダシの香りがすばらしい。極上の鰹節。
  アコウ鯛は洗いにして味が抜けてしまった。
 「これはアオリイカですか」
 「さあ、種類まではちょっと」
  ただ運ぶだけ? 生け花の安達曈子とおしんの小林綾子似のKさんよ!料理についてアレこれ意見を交わしながらさらに美味しくなる。これも含めてが食事なのだ。
  次のを持って来た時『申し訳ございませんアレは何々イカでした』と知らなかったことを恥じるべきだろう。それさえしない。まったく昨今の若者ときたら。
  食べたらやっぱりアオリイカだった。
  鮎がふんわり焼いてある。頭からガブッと跡形もなく平らげる。旨いことはうまいが、子供の頃から食べ慣れた利根川の鮎をしっかり焼いた方がうまいで。
  鱧の柳川蒸し。鱧をもっとドカンとたくさん食べたい。
  最初に感じたダシのすばらしい香りも、出てくる料理が皆同じ味になってしまい、味蕾が麻痺した。
  もう一度食いたい類の料理ではない。

  寝具は凄い。
  分厚いマットレスに敷布団を2枚、殿様のようだ。
  ふわふわ過ぎるかと突然横臥した。床みたいにかたい。
  いい寝心地でした。

  目覚める。フレッシュ・グレープフルーツジュース。
  意表をつくサービスらしいが驚かない。俺も毎朝自分で絞って飲んでいるからだ。
  朝メシはうまかった。
  夕食時に魚の希望を聞かれ、俺はカレイ連れは塩ジャケ。
 程よい塩加減に脂がのった柳ガレイの干物、焼き具合もさすがプロだ。
  やや強めの塩が食欲をそそる紅ジャケ。皮の焼きがもう一歩。
  湯豆腐がメイン。家の近所のうまい豆腐屋だって負けてないぞ。
  ご飯は夕食の方が旨かった。炊きたての味ではない。
  新潟石打の親戚から自家用100%コシヒカリを玄米で買って食べるつど家庭用精米機で搗いて炊く味には遠く及ばない。
  最終の9時の朝食にしたため、早くに炊いたやつを食わされたんだろう。
  それも仕方あるまい。

  檜のお風呂も気持ちよかった。
 しかし、どうしても料理が! 行燈も明るすぎる。
  料理が美味しければあと1回か2回か3回か4回は行ってもいいと思ったのに。

  期待はずれで残念。 (2001.6)

鶏唐揚げ②(マサ料理)

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 直径45cmと一緒に買った20cmフライパン。
 親子鍋は16.5cm。ご飯2合に載せる親子丼やカツ丼をやるには小さい。それで20cmフライパンを買った。
 先日慣らしをした。
 最初の料理は揚げ物。油を馴染ませる使命を負う。
 唐揚げだ。鶏モモ1枚(250~300g)が妥当だが、同じ手間だからと2枚(516g)揚げる。それでイイのだ。
 フライパンが小さく浅いから鶏を油の海に泳がすことができない。出来具合が懸念される。料理でなくフライパンが主役だからいいや!と予防線を張る。
 1枚を7個計14個にカット。一度に4個しか揚げられない。4、4、4、2と4度に渡って揚げた。
 味付けは酒と醤油とショウガの絞り汁。サッパリいきたいからニンニクは入れない。30分漬けた。まんべんなく片栗粉をつけた。入念につけた。
 サクッと揚がった。うまい。4つ揚げては4つ食べ、次も次も同様にし、最後は2つ揚げて2つ食べた。
 だが少ない油のせいで表面がガキッとかたい。歯を痛めそうだ。
 やはり大量の油には勝てない。
 でも「フライパンが主役だからこれでいいのだ!」と自分を納得させた。(2011.5.17)

中弥(明太子) ~博多・柳橋連合市場~

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 特に女性に好きなヒトが多い辛子明太子。
 オレはそれほどではなかったが博多に行くたび買って送った。毎回食べたら好きになった。
 「市場の明太子屋だからうまいんや」
 初“中弥”は5年前。柳橋連合市場の高松蒲鉾店大女将にもらった。凄くうまい。
 それ以前はやまや、ふくや、福太郎その他。福太郎が好きだった。その後“まるきた水産”のあごおとしが気に入っていた。今じゃ中弥一本やりだ。
 中弥はモノがでかい。成熟したスケトウダラの卵巣。でかい方がうまい。よくスーパーで安く売ってる小さいヤツは未熟なモノらしい。

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 ビールのツマミがうまい。ガブリとでかいのにかぶりつく。ビールをゴクゴク呑む。
 熱々ご飯のオカズもイケる。明太子の辛みと塩気&ご飯の甘み。イイねぇ~。

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 少し日が経ったヤツは熱々にチンしたご飯に載せ熱湯をかける。お茶漬けだ。一瞬にして湯は白濁。じっくり摂った濃いダシのような濃厚さを一瞬にして味わえる。絵にも描けない素晴らしさだ。

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 “おやかなぎ”の干物を一緒に入れてくれた。小さいのに味が濃くてうまい。クラシックラガーとの相乗効果で互いを高め合った。

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 こんなに美味しい明太子も、食べ切ると速やかに忘れてしまう。次の訪福までの2ヵ月間まったく思い出すことはない。
 「本当に好きなのか?」自問せずにいられない。(2011.6.3)

ベーコンエッグ(マサ料理)

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 昼にうどん5玉1.25kg食べた。 
 夕方になり突然ベーコンエッグが食いたくなった。

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 カリカリでなく程良くベーコン300gを焼く。つまみ食い。うまい。
 焼かないのもうまかったが焼いたのはまた格別。全部食べたい衝動をなんとか抑えた。メインはベーコンエッグだから。

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 卵3個。黄身がナマのまま完成。
 うまい。ベーコンのフレイバー、歯触り、じゅわっと出る肉汁、味わい。
 卵の黄身をベーコンにからめる。ベーコンのとんがった強烈なうまさが艶めかしいナマの黄身に籠絡される。サイコーだ! 醤油をちょろり。
 キリンクラシックラガーと相性抜群。今度はコシヒカリとの相性を確かめよう~。

 1時間経ってもなお、ベーコンと卵のデュエットが聴こえる。(2011.4.24)

クールビズ?(シャバで気になる事)

 環境懸念から起こったクールビズ。
 クールとビジネスを縮めたビズでクールビズってことらしい。ダサい言い方だ。
 アメリカの求めるままに怒濤の規制緩和を敢行して日本を殺伐とした世の中にした小泉政権の時に始まった。
 小泉が首相を退任した時、倒産した人や自殺した関係者が何らかの行動を起こす!と心配した。
 何も起こらなかった。日本人は穏やかでおとなしい。大抵のことは許してしまう国民なのか。意外だった。曖昧の美学だ。
 始まりは気に入らないが、半袖の涼しい格好はありがたい。それまでは真夏でも背広にネクタイで汗をかいていた。
 夏は夕方でも暑い。
 かつての所属では駐車場まで15分歩く。首も背中も汗びっしょり。トランクスの中は汗の海だ。
 ウインドゥフィルムを貼ってないカマロZ28。赤のボディに革張り黒内装。中はオーブンのようだ。
 帰宅するまでの1時間、トランクスが乾くことはなかった。インキンになったのもやむを得ない。今では痒いインキンはすっかり回復しているから安心してくれ。小泉様々だ!?

 テレビに映る政治家の姿。
 背広スタイルのネクタイだけを外している。とてもだらしない格好だ。
 肝心なモノが紛失したみたいで、この世の物とは思えぬ不自然さ。ネクタイを取るなら上着も脱いで半袖になれ。麻の開襟シャツなら凄く粋だ。
 どうしてもジャケットを着たいならもっと夏らしいのがあるだろう。
 今日は特に菅と仙谷が酷かった。
 スタイリストはいないのか。テレビに出るんだからもう少し考えてくれ。
 「カッコ良くなけりゃダメ!」数年前、田中康夫が言っていた。本当にその通りだ。
 上に立つ者は堂々としたイデタチで、堂々と発言してもらいたい。安そうな背広でスズメのようにチョコチョコ歩かないでくれ、国民を幻滅させないでくれ、菅総理よ。
 言うことやることすべて滑稽だった麻生元総理。
 小柄なのに高そうな背広で堂々と歩いていた。これだけは、これのみは、これに限ってはイイと思う。
 (2011.6.13)

ふくわうち(アロハシャツ)

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 着物のようなステキな柄のアロハシャツ。
 “ふくわうち”。
 赤や紫や紺や黄色や緑やピンク。艶やかの競演だ。素晴らしい。絹100%。
 数年前、博多の“13thアヴェニュー”で買った。正確には、群馬から一緒に行ったオンナに買ってもらった。
 6年付き合ったが、終盤では「あたしが買ってやったアロハ着て他のオンナと遊んでるんかな~」と言われたりした。
 図星に愕然とした。群馬から博多まで見通せる千里眼なのか。勘の鋭い女は怖いと思った。俺のことを疑いもしないオンナの方が可愛い。
 そういう女の方が幸せになれる。そんな気がした。

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 2着目はコーラルのでかい金魚柄。今度は自分のカネでネットで買った。もう誰にも文句は言わせねぇ。
  到着した。包みを開けた。おぉ、素晴らしい。
 コーラル地にでっかい真っ赤な金魚。目を見張る柄、色使い。
 鏡の前で着てみる。良い肌触り。流石シルク。コーラルと赤は色の白いオレにピッタリだ。まさにマサのために生まれてきたアロハだぜ!?
 ふくわうちHPから買うと自動的に博多の13thアヴェニューに行く。13thとメール。
 「江戸末期~明治、大正時代の本物の着物からデザインを起こした本物の和柄です」
 和柄純度100%ってコトだ。思い入れを込めた作品。流行に左右されないホンモノ。俺はこういうモノが大好きだ。

 7月に決行する7度目のコルベット博多遠征。
 博多から群馬に取り寄せた和柄アロハを、コルベットに乗せて群馬から博多に連れて行く。
 イタリアとアメリカを往復する世界一長い生産ライン、と豪語したキャデラック・アランテを彷彿させる。アメリカからシャシーとエンジンを送り出し、イタリアでボディをかぶせてアメリカに連れ戻す。そんな凝った生産方式を採っていた。
 いずれも高効率とは言えないが、なにか特別な存在に思える。
 ムダの美学だ。

 和の純度100%ふくわうちアロハ&アメリカン全開コルベット。
 和と洋の邂逅だぜ。(2011.6.7)

つる家(加賀料理) ~金沢~

  22,800円 / 料理、ビール2本 /  2人

  久々の金沢。
 13年前、カマロスポーツクーペでニューグランドホテルとつる家。10年前はZ28でホテル日航+大店(店名は忘れた)。大店よりも割烹つる家が旨かったのを憶えている。今回はコルベットで全日空ホテル。全部違う女だ。
 つる家。
 こぢんまりした割烹。職人気質のオヤジさんがうまいモンを優しく出してくれる。
  もちろん予約した。群馬から以前行ってうまかったこと、今回特に食べたいモノを言う。うまいモノに出逢うには予約が必須だ。
 煮小いか。シンプルな味付け。コースの初っ端として控えめで好感が持てる。
  イチジク煮、ごまソース。キリッと冷え、イチジクの甘みとごま風味を倍加。
  ブリへしこ。しょっぱい。
  カニ和風しゅうまい。フキノトウみたいな香りを放つ熱々を舌の上に載せた。熱すぎ!
  鯛しんじょ岩海苔。蓋を開けた途端、岩海苔の芳香が店中を席巻。塩がきつい。
  刺身。凄い歯ざわりと爽やか旨みのカレイ。とろっと甘い極上甘えび。まだ若いのにステキな脂のフクラギ(ブリの子供でガンドとも言う)。こんなうまい刺身は久々だ。
  コウバコガニ。新潟モノ。今日解禁。石川は11月中旬。ズワイのメスで小型。細い脚でも旨い。オレンジ色の子もミソもすばらしい。コクがある。旬の1月はきっと無限大だ。
  鯛の唐蒸し。これと治部煮は予約時にリクエスト。
 中型の真鯛。骨とハラを抜きオカラをはさんで蒸した加賀料理。婚礼では大鯛でやるらしい。
 「ウチは鯛を焼いています。新鮮な鯛は蒸すとハジケちゃうから。鮮度を落とせばハジケないんですが。オカラだけでなく豆腐も入れてるからパサつきません」
 さすが料亭つる幸の元料理長。独自の表現力だ。凄いぜ。タケノコ、ゴボウ、ヒジキ等入ったオカラ。
 刺身と唐蒸しがつる家の白眉。
  治部煮。もうハラ一杯だ。唐蒸しも食べ切れない。せっかくの治部煮もただのゴテッとした料理に成り果てる。呑み込むのに難儀した鴨。
  みそ汁。ミョウガの爽やかさが一瞬で胃をスッキリ。味噌は日本古来の発酵食品。微生物の働きが、日本人のカラダをまさに日本人たらしめる。素晴らしい。
  浅漬けキュウリと白菜。旨い。
 オレンジゼリー。嬉しい手作りだ。果物に飢えた舌を潤す。
  栗おこわと唐蒸し残りは土産に。
 ホテルで食べた。塩加減絶妙の栗おこわ。おいちぃ。炊きたてを食いたかった。冷めた唐蒸しもイケる。
  サイコーにうまい料理の数々。京風にしては塩が強い。どうしてだろう。
  昼の千取寿司とおやつのかぶら寿司、大根寿司、きんつばが効いた。メインの食事は一日一つがいい。次回つる家は“昼もりそば”で決まり。(2006.10)

巨大焼きそば②(マサ料理)

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 食い過ぎて懲りたハズなのにまた作りたくなった巨大焼きそば。食うことよりデカい料理を作ることに意義がある(?)
 今度はシンプルにやる。
 先に麺を焼かない。まずは豚バラ、塩コショー、ぶなしめじ、キャベツ、新玉葱。
 1kgの麺。もやし。
 キッコーマン・デリシャス・ウスターソースをばしゃばしゃ入れる。じゃじゃじゃじゃじゃ~っ。1本(300g)の8割ほども。
 カントリーハーベスト中濃ソースをドバドバ。1瓶(300g)の3割入れる。
 最後にニラ。ニラは温める程度。
 食った。うまい。ソースたっぷり。これぞ焼きそばだ。たっぷりソース味は郷愁を誘う。
 肉と野菜だけ。エビもホタテもカキもホタルイカもない。シンプルゆえの成功か。
 でも完璧じゃない。次は思い切って醤油ベースを考えよう。

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 「デカすぎてもう出番がない」と思われた直径45cm黒皮鉄板フライパン。陽の目を見てヨカッタ。(2011.5.15)

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 翌日。冷めたら麺に味がグッと入り、馴染んだ絶妙な焼きそばに。
 チンして生卵を混ぜて食べた。トロ~リなめらか。白身も黄身も甲乙付けがたい。(2011.5.16)

とんかつ太郎(タレカツ丼) ~新潟~

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 2,000円弱 / カツ丼、カレーライス、なめこ汁 / 2人

 群馬、福井、長野ではソースカツ丼。
 卵とじカツ丼が一般的な中で異端だ。和風の丼ツユをベースにウスターソースなどをブレンド。サッとくぐらせるだけだから、サクッと揚がったカツとカラダに馴染む丼ツユが素晴らしいハーモニーを醸す。
 群馬は醤油味が勝り、福井や長野はソースが主張する。分厚いロースカツを使う長野は食べにくく、キャベツが敷いてあるからご飯とカツが分断され一体感を殺ぐ。
 新潟は“タレカツ丼”だ。
 つい最近知った。美食家の俺としたことが面目ない。ソースを使わずまさに丼ツユだけのカツ丼らしい。
 昨日から滞在の新潟市。
 カヴァ、ビール、市場の魚介類、鮨屋2軒、ホテルバーのカクテル。起きるなりビール、日本酒。胃はかなり疲れている。食い過ぎてはいないが明らかに呑みすぎだ。
 せっかく新潟に来たからとまた市場で魚達。昨日と同様ハラ一杯食う。休む間もなくタレカツ丼。
 特製カツ丼は中に2枚上に5枚で1,250円。ヒレカツ丼も同額。普通のカツ丼は950円。なめこ汁160円。味噌汁なしで950円とは高い。
 どうしても群馬県中之条町の200年続く老舗割烹“竹乃家”の味噌汁つきヒレソースカツ丼630円と比較してしまう。でも太郎も老舗(昭和初期?)だから期待しよう。
 1時半でも客数人。にやけた若い主人と若いネーチャンと若くない女性。女達は良いカンジだが、男のニヤケぶりが気に食わない。
 ニヤケながらカツを揚げ丼ツユにくぐらせる。俺のカツ丼が来た。薄いけどでかいカツが5枚。細かなパン粉に淡色丼ツユ。
 どんなに和風の甘じょっぱい丼ツユがグッと日本人(俺)の舌に染みるか。期待を抱いてガブリッ。
 「!」和風のしっとり感なく、しつこい。これが何十年も新潟で愛されている味なのか?
 豚モモだからかたいし旨味も少ない。厚い所はまだ赤い。メシはまぁまぁ。胸焼けはラードだから?
 竹乃家ソースカツ丼の方がウスターを使っているのにずっと和風だし、うまい。
 期待外れ故か、食べ過ぎのためか、日本酒が効いたせいかカツ1枚とメシちょっとしか食えない。

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 カレーもしつこい。
 残ったカツ丼を包んでもらい少し歩く。気持ち悪い。
 呑みすぎは良くないと強烈にわかった二日間。 
 群馬に帰って食べた。
 味が馴染んで落ち着いて、なかなかイイ。(2008.9.17)

 2度目。1人。
 
 超満腹状態で正当な評価が出来なかった昨年9月。ハラ減り状態できちんと食べてみたい。太郎の名誉回復がかかっている。
 午後1時。思ったほど混んでない。
 入口すぐのカウンターに着席。エアコンの熱風が直撃する。ミスタージュンコの分厚いレザーダウンブルゾンを脱ぎ、セントジェームス・ボーダーシャツ一枚になる。
 2列のカウンターと二階。皆黙々とやや満足そうに食っている。地元と観光客半々。電話注文で取りに来る奴もいる。かなりな繁盛だ。
 新潟では“タレカツ丼”が標準。
 カツ丼(カツ5枚)950円、特製カツ丼(7枚)1,250円、いずれもモモ肉だ。
 ヒレカツ丼は1,250円。味噌汁別売りでナメコ汁160円。計1,410円!
 ヒレだけを使う群馬の竹乃家(630円)の倍以上とは驚きだ。
 登場。薄いヒレカツが5枚載っている。でも丼が小さく、ボリュームはあまりない。
 サクッといい歯触り。肉もうまい。
 丼ツユは単純。深みも広がりもない。
 メシは炊きたて。うまいけどコメどころ新潟だから!ってほどではない。
 お湯みたいなナメコ汁。薄い味にナメコが5個。ダシも味噌もきょろりんナメコも感じない。これで1,410円とは荒唐無稽な食い物だ。
 値段を無視しても群馬竹乃家の勝ち!(2009.2.1)

シボレーK3500(1992年型?触っただけ)

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 ヤナセグローバルモーターズ(YGM)東京支店で昨年12月に試乗した直後、シボレー・シルバラードが猛烈に欲しくなった。
 その後“ほしーの症候群”は沈静化した。
 しかし、巨乳をぶるんブルン暴れさせて成田空港を闊歩する小向美奈子をテレビで観たら再発した。
 幸い今は小康状態を保っている。
  今月、2006年7月1日に買ったコルベットが2度目の車検だ。
 12年8ヵ月174,000km愛用したキャディ・コンコース。トランスミッションの故障で2月に泣く泣く廃車した。
 車検に出すのはかつてのキャディの主治医I氏。彼はシボレーの派手なグリーンメタリックのでかいトラックを持っている。ダブルタイヤだ。電話した。
 「代車にシボレーのトラック出してくれるかな?」
 「イイっすよ~車検あるから全然かまわねぇんですが近くに駐車場ありますかねぇ~7メートルありますよ~6.5メートルかな~幅は2200mmで大型ダンプくれぇありますよ~青木さんちの駐車場に入るかどうか~」
 「じゃ今売ってるシルバラードよりずっとでかいんだッッッ!」
 「そうなんすよォ~ひひひひひひ。今度帰りに見てください~」
 「ウチの庭もよく見てみらぁ~」
 ド派手なアメリカン・フルサイズ・ピックアップトラック(しかもデューリー)に2~3日乗りたい。だが大型ダンプ級じゃ躊躇われる。見てから決めよう。

  見た。下の駐車場から主治医の兄(社長)が運んできてくれた。
 音がイイ。ドドドドドドッ。あたりの空気を震撼させている。
 でかい。エクステンドキャブだから長さはそれほどでもない。6m以内だ。幅が凄い。特にリアのダブルタイヤが烈しい。タイヤ1本分はみ出している。それをカバーするフェンダーがボコンと膨らんでいる。驚異的だ。
 「俺んちの庭に入れるかなぁ」
 運転席に座って後ろを見たりした。
 「う~ん、ダブルタイヤですからねぇ。シングルならいいんですけど」
 「どうかなぁ~」
 逡巡していると、とんでもないことを言い出した。
 「マニュアル(MT)なんですよ」
 「え~っ!マニュアル?」
 「えぇ、前に乗ってたヒトがマニュアルの方が引っ張れるってんで。珍しいですよね。本国じゃあると思うんですが」
 アメ車だから当然オートマチック(AT)と思っていた。青天の霹靂だ。
 「マニュアルかァ。マニュアルじゃ止そう!」
 「はい、またなんかあったら言ってください」
 主治医の兄(社長)は、「ドドドドドドッ」と烈しい排気音をまき散らせ、ド派手なトラックを駆り、下の駐車場に戻っていった。

 こうしてデューリー体験は実現しなかった。
 「フツーのシルバラードをYGMで買おう」カネがあればそう言うぞ。(2011.6.6)

丸美屋②(チキンカレー) ~群馬県中之条~

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      (以前の出前チキンカレー)

 今日は6月6日。転勤により丸美屋のチキンカレーを食べなくなって2ヵ月経つ。
 たまに思い出す。食いたいと思う。
 中之条町の自動車屋に支払いがある。2月に廃車したキャデラック・コンコースのタイヤ脱着代(12月施行)が未払いだったのだ。キャディの主治医だった。
 群馬は雪が降るから12月にスタッドレスタイヤに交換する。冬の風物詩だ。スカイマークカード(VISA)で3,360円を支払う。
 久々の丸美屋だ。いつも出前ばかりで店は初めて。
 うどん屋と思っていたが小料理屋か居酒屋風。白衣のオヤジが居る。
 「よく出前取ってたんですがチキンカレー出来ますか」
 「ちょっと待ってください。あ、どうにか出来ます」
 「出前に来てたのは女将さんですか? 一目会いたいなぁ~」
 「すぐ呼びます」
 なかなか来ない。カレー粉の良い香りがしてきた。早く食いたい。
 「こんにちはぁ~
 懐かしい出前の女将が現れた。三角頭巾をしてハァハァ言いながら重い岡持を3階に運んできたヒト。
 今日はハァハァ言ってない。頭巾もなし。ブラッシングしたせいか髪がフンワリしている。ほんのちょっぴりオンナを意識させるじゃないか。いつものうどん屋のオバサンじゃない。ワタシは少なからず驚いた。
 「チキンカレーと盛りうどんが懐かしくて来たよ」
 「ありがとうございます。今日はお休みですか」
 「いや、仕事の帰り」
 「まぁ、遠回りして。ありがとうございます」
 「うどんはないの?」
 「はい、お昼で終わるように打ってるんですよ」
 「夜がメインの店なの?」
 「どっちつかずなんですよ。疲れるからどっちかにしたいんですけど片方だけじゃ食べていけないし…出前も少なくなって大変なんですよ」
 「出前が少ないってことは弁当持ってくる人が多いのかな?」
 「あとはホカ弁とかスーパーのお弁当とか」
 「テレビで観たけどスーパーで凄い安い弁当が売ってるんだね。290円とか。それなりの材料じゃなきゃ安くできないから良くないと思うけどねぇ」
 「そうですよねぇ~」
 おぉ、2ヵ月ぶりの丸美屋チキンカレー。
 スプーンをガバッと入れ、食らいついた。
  熱っち!!! 灼熱カレーが上唇にくっついて悲鳴を上げそうになった。
 もの凄い熱さだ。尋常じゃない。異常だ。常軌を逸している。荒唐無稽であり傍若無人であり支離滅裂だ。それほど熱い。
 「きょうはちょっとゆるいでしょ、すいません」
 「いえ、うまいよ」
 とは言ったものの、たまに思い出してはヨダレを垂らし恋い焦がれたあの“丸美屋チキンカレー”は、想像した味ではなかった。
 2ヵ月という長い期間がチキンカレーを神格化したのか。
 舌が妄想たくましくなり、昔のうまさを拡大解釈していたのか。
 オレは複雑な思いで熱(暑)さに耐え、汗を噴き出しながら食べきった。
 「ごちそうさま」
 「ありがとうございました~。電話くれればうどん取っときますよ。1ヵ月に一度は来てください
 「うん」
 力なく返事をしながら、オレは店を後にした。
 “去る者日々に疎し”って感じながら。
 それが世の中なのか。(2011.6.6)

厚切り豚しょうが焼き(マサ料理)

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 たまには違うやり方で豚生姜焼きをやろう。
 いつもは豚ロース薄切り500gにミリン、醤油、おろし生姜を揉み込み10分置く。30cmフライパンでガーッと焼き、タマネギを入れ炒めて完成。凄くうまい。
 厚切りでやったらどうか。一度思うとやるまで気が済まないお馬鹿なセイカク。
 「豚ロース大判を200gに切って3枚」
 「はい、アタマの方ですね」
 「うん」
 「多少600gからズレちゃいますが」
 「うん、いいよ」

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 赤身の向こうに脂。これが普通のロース。その向こうに濃い色の赤身、さらに脂。大判ロースだ。このエクストラ赤身がギュッと凝縮の味でうまい。豚肉の醍醐味だ。
 3枚で614g。いつもの若人、カットのウデが良いぜ。
 反り返らないよう入念に筋切り。出番は新潟グレステン14cmアップシェンク。塩コショーはしない。

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 サラダ油を敷いたフライパンに、盛りつけで上になる方を下に放った。
 じゃ~~~~~っ。
 いい色がついたら弱火、フタ。強火、返し、出過ぎた脂(油)をキッチンペーパーで少し拭く。
 混ぜておいたミリン、醤油、おろした根生姜。じゃわわわ~~~~っ。
 薄切り新玉葱1個。ちょっと炒めて良い頃合いで完成。

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 1枚200gと厚いからナイフ&フォーク。食った。
 「う~ん、イマイチ」
 厚いから味の馴染みが悪い。やはり豚生姜焼きは薄切りがイイ!と結論が出た。
 当然の帰結と言えば帰結だが、想像と実演とでは納得の度合いが違う。厚切り生姜焼きは間違ってなかった。そう自分に言い聞かせた。

 イマイチ料理は短い文章~。(2011.5.30)

アウディA7スポーツバック(2011年型)

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 アウディ高前営業部員M氏に電話する。留守番電話だ。もう1個のケータイも留守電。
  何日待っても電話はかかってこない。いつも新型が出ると試乗ばかりで商談に結びつかないオレを見限ったのか。
 センエンコーソクがもうすぐ終わる。ここぞとばかり行楽に出かけるクルマ達で関越道は混んでいる。
 いつものペースで行動すればいいのに外因に惑わされ、乗り遅れまいと余分な動きをする。
 ニュースで観た震災直後の都内の風景。
 スーパーやコンビニで目の色を変えて水やパンや米を買い漁る人達。そんなことをしたら被災地に行く分が減るだろう。東京で食べ物が無くなるワケないのに。浅ましいものだった。
 ガソリンスタンドに、本当に必要でない輩も群集心理で並ぶ。
 ガソリンが残り僅かなら待っている間エンジンを切るべきだろう。1時間でも2時間でもかけっぱなしだ。
 混乱時にドでかい悪事を働く奴がいないかわりに、あまり良くない小さな事をやりまくる。匿名だから出来るのだ。まさにニッポン人の面目躍如。

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 「電話が通じないから直接来たぜ」
 「あ、試乗車が用意出来てなかったんですよ~」
 ショールームにはムーンライトブルーメタリックのA7。カッコイイ。
 「ウエストラインが上にあって素晴らしいプロポーションですね」
 店のネーチャンにニコニコして言ってみた。
 「は、はい、あ、ありがとうございます」
 ねぇちゃんも一応ニコニコ答えた。ヨカッタ。
 ベルベットベージュの本革インテリアがステキ。質の高さを絵に描いたようだ。
  ハッチバックスタイルだから高級感に危惧の念を抱いていたが文句なしにカッコ良く、高級感に溢れている。

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 やや茶色がかったダコタグレーメタリックのA7に試乗。内装はチタニウムグレー。
  「あれっ、Mさんは一緒に乗らないの?」
 「乗りません」
 「じゃ行ってくるぜ」
 なめるような滑り出し。静かだ。イイぞ。
 グッとアクセルを踏んだ。なかなかスムーズで速い。V6-3000ccスーパーチャージャー300馬力に1,900kgと重い。
 信号待ち。フッとエンジンが止まる。信号青。ブレーキペダルから足を離した瞬間「義務だからエンジンかけますよ、ブルンッ」と素早いが面倒くさそうにかかる。
 ガッとアクセルを半分ほど勢いよく踏んだ。
 「!」速い。想像の何倍も速い。痛快な速さだ。
 速度が上がっていくと軽くてしなやかでサッと切れたステアリングが、心許なくなる。
 頼りないというか、今まで「凄い奴だ」と思っていたヒトが案外大したことないのが分かっちゃったみたいな印象。
 気に入らないのがもう一つ。右ハンドル仕様の狭い左足スペースだ。
 “エコノミークラス症候群”になりそうだったA4ほどではないが狭すぎる。旗艦のA8でさえ狭い。
 アウディの右ハンドルは最新モデルでも改善されない。右ハンドルは眼中にないのか。日本、イギリス、オーストラリア、香港等少数派は切り捨てる魂胆なのか。
 一見ヒトに優しいクルマ造りをしているようだが、実は傲慢なメーカーなのかもしれない。アウディは左ハンドルに限る。でもA7は右しかない。
 乗り心地は滑らかだが道路の継ぎ目はゴツンとくる。俺のC6コルベットの方が優しいぜ。
 15分で試乗を終える。
 「早かったですね。速いでしょう」
 「うん、速いねぇ」
 A7の感想を話し合う。
  「アウディは似たような顔なのに少しずつ違ってちゃんと格を表してるんだから大したモンだね」
 「はい、ありがとうございます」
 「A8の高級感を味わってなけりゃA7で充分だね」
 「そ~ですね」
 「写真で見たら新型A6の顔もイイねぇ」
 「8月に出ますよ」
 怒濤の新車攻撃だ。
  もちろん、左足スペースの狭さは毎回指摘し続けている。ほとんど右ハンドル仕様ばかりのアウディがなぜ毎年販売台数を更新するのか。不思議でならない。
 この狭さを改善するか、左ハンドル仕様をもっと増やすか、対策をとってくれ。
 と言ってもオーナーでもないし試乗ばかりで買いそうもないヒトの意見をアウディジャパン本部に伝えるワケないか。

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 窓の最後がヒュンッと上がっているのが躍動感があってイイ。前進あるのみってカンジだ。
 やや難あるも、カッコ良くて速くて良いクルマ。8,790千円は高すぎる。(2011.6.5)

若鮎の天ぷら(マサ料理)

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 いつもの魚屋。
 おっ、北海道産甘エビがうまそうだ。真っ青な卵もしっかり抱いている。知人女性の分も合わせ2パックをカゴに。
  あっ、滋賀産若鮎が小さい発泡スチロールいっぱいにピカピカ輝いている。安い。680円。
 「2つください」
 「はい、袋に入れますか」
 「2つの袋に」1つは知人用だ。甘エビは戻した。
 家に帰って量ると620gもある。全長10cm以内の可愛い奴等だ。サッと水洗い。俎板にキッチンペーパーを2枚敷き、水から若鮎を引き揚げる。

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 鮎の顔はいつ見ても可愛い。受け口で、つぶらな瞳をしている。
 こんな若いうちに死んだのに後悔や無念はその表情から窺えない。潔いサカナだ!?
 コツの要らない天ぷら粉をボウルに入れ、半分の鮎を入れサッサッとボウルを動かしながら1尾1尾に粉を纏わせる。全部で64尾。すごい数だ。
 コツの要らない天ぷら粉を水で溶き衣を作る。ややかためにした。
 直径33cmの砲金鍋でも一度じゃムリだ。32尾を衣の入ったボウルに入れる。左手で直接ゆっくり攪拌する。ハラを破らないよう細心の注意を払って。

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 5~6尾ずつまとめて油の海に泳がせる。かき揚げだ。ひっくり返し、頃合いを見て揚げ台へ。
 先ずは塩。お~っ、サクッ。ハラワタのほろ苦さ、身の甘さを塩が誘き出してくれる。
 次に醤油。うん、これだ。身もハラワタもアタマも骨も全部食べる小さい魚は醤油がイイ。
 天つゆの用意はない。
 天ぷらはシロートにとって気合いの入る料理。
 「明日は天ぷらだ!」と前日から天ぷらモードに入り、天つゆ用に昆布を水に浸す。
 予期せぬ若鮎に出逢って決めた天ぷら。かなりうまいぜ。

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 前菜は、漬物名人にもらった糠漬け。
 シーズン初期だから塩の馴染みがビミョーだ。塩が突出したカンジ。
 だが、これからサイコーになる一歩手前というだけだ。かなりうまいぞ。
 ぬか漬けはきゅうりとカブが一番好き~。(2011.5.28)




えび千両ちらし(新発田三新軒) ~新潟駅~

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 1,200円 / 駅弁 / 1人

 「日本一の駅弁」ってテレビか雑誌か新聞で見た気がする。
 予約をしておいて新潟駅新幹線改札近くの駅弁売場で受け取る。
 駅弁一つにその手続きは面倒だが「日本一」を豪語する駅弁、ぜひ食ってみたい。

 淡い色のステキな包装紙を破る。
 えびおぼろの載ったドでかい厚焼き卵出現。豪快だ。
 退けると蒸しえび、鰻、コハダ、イカ一夜干しが揃い踏みしている。
 その下にはトロロ昆布が、カンピョウがサンドされた酢メシに一面に敷き詰められている。
 凝ったデザインだ。先ずは視覚を楽しませる。

 食う。うまい。
 うまいほどじゃない。厚焼き卵の味が薄い。
 期待特大のせいか、平凡な味。(2009.8.8)

キャベツ千切り、丸ごと1個(マサ料理)

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 昨日の夕飯は鶏モモ2枚516g唐揚げ。油と脂を摂りすぎた。
 肉と野菜を調整するため、今日は丸ごと1個のキャベツを千切り。

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 直径34cm青磁皿に山盛りだ。1個を半分に切ってスライサーで千切り。半分終わればもう半分。手が疲れた。

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 まずはキューピーマヨネーズ。うまい。キャベツが甘く感じる。
 次にブルドックとんかつソース。この甘みがイマイチだなぁ。
 カントリーハーベスト中濃ソース。香り高く完成された味だ。喜ぶキャベツ。
 ウスターは切らしてるから味わえない。
 ミツカン米酢&ヤマサ特選有機丸大豆吟選しょうゆ&SB七味唐辛子。さっぱりうまい。ピリッとおいちぃ。醤油味はイイぜ。
 ハラペニョソースがあるのを思い出す。タバスコブランド。辛くて酸っぱくて刺激的だ。旨味も強くステキだぜ。

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  マヨ&ハラペニョ。オツな味。
 中濃&ハラペニョ。異な味。
 醤油&酢&ハラペニョ。突飛な味だ。
 高橋ソース中濃がうまいのは分かっていたがマヨネーズも良い。醤油と酢も素晴らしい。
 思いつきでかけたハラペニョソースは新発見。
 以前よくもらった甘くてうまい群馬県嬬恋産キャベツ。今日のは店で買った千葉産。

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 いくら昨日の肉とのバランスを考慮したとはいえ、丸ごと1個の千切りは多すぎた。食べきれない。キャベツの前に食ったボイルホタルイカ1パックも効いたかもしれない。

 断腸の思いで棄てた。健啖自慢の俺として恥ずかしい。(2011.5.18)

別館 濱乃家(郷土料理) ~秋田~

  11,400円 / しょっつる鍋、きりたんぽ鍋、刺身盛合せ+ビール2 /  2人

  秋田の老舗料亭濱乃家。
 しょっつるやきりたんぽを初めて料亭で出したことで有名。そのレストラン部。料亭の味を気軽に食えるのだ。

 十年程前に一度訪れている。
  その時は、鍋に使ったお玉を直にテーブルに置いた。
 次のモノを持ってきた三十代後半ネーサンと目が合った。ネーサンは母性本能をキュンとくすぐられた目をした。
 「そんな所に置いて赤ちゃんみたい
 「あはは」
 連れのオンナがいるのに母性本能を全開させてお玉を正しい位置に置いた。お馬鹿な子供の面倒を見るが如く。
 男と女の関係は微妙であり絶妙でありステキである
 森雄二とサザンクロスのムード歌謡『母性本能』をカラオケで歌いたくなった。
 
 塩汁貝焼(しょっつるかやき)。
 昔はハタハタが際限もなく捕れ、各家庭で塩漬けにしてその上澄み汁で鍋にしたのが始まりらしい。今では漁獲量も減り高い魚になってしまった。魚喰いとして哀しい。しかし高いと聞くとよけいに美味しく感じるのは哀しい人間のサガか。
 しょっつるにしてはクセがなくて物足りない。でもハタハタ、キノコ、野菜がたっぷりでなかなか楽しめた。
  刺身盛合せ。
 見るからに鮮度悪そう。
マダイ、岩ガキ、甘エビ、マグロ、スルメイカ、バイ貝。
 マダイを口に入れる。まったく味がしない。温度も室温だ。岩ガキで中らないかと心配がよぎる。群馬のスーパーの方が旨いぞ。
 しょっつる鍋ときりたんぽ鍋では「オイチイ!」などと道産子で色白52歳の富士真奈美のような仲居に甘えていた俺だったが、刺身は「うまくない!」とはっきり言ってやった(えらいぞマサさん)。
 「あらぁウチはお刺身が自慢なんですけど、すいませ~ん」と軽くあしらわれたけれど。
  きりたんぽ鍋。
 比内地鶏のガラで3日間摂ったダシで比内地鶏、キノコ、野菜、そして主役のきりたんぽを煮る。濃くて旨い。肉も美味しい。きりたんぽも味が染みているのにしっかりしてイイねえ。
  7時になってようやく客がひと組あらわれた。本家の料亭なんて客はゼロだろうなあ。伝統ある料亭が無くならなければいいが。
 一番の繁華街、川反でさえ賑やかでない。その通りを一本離れると商店はシャッターを閉め人通りはまばら。
 キャデラックは1台もいない。ベンツやBMWも、Cクラスや5シリーズや3シリーズばかり。Sクラスも7シリーズもまったく見ないじゃないか。どうなってんだこの街は。景気の悪さは尋常じゃないぞ。
  羽越本線なんか単線で、L特急いなほ号は特急のクセに自転車のようなスピードだ。新潟秋田間が3時間35分。
 手動のエアコンをすぐ止める車掌。「止めるな」と阻止した。
  こんな不愉快な電車はもう頼まれても乗らないぞ(頼まれはしないけど)!
 電車旅がこんなに疲れるとは夢にも思わなかったキャディのマサでしたァ。 (2001.7)

グァム玉砕(黒木正臣シリーズ3)

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  左腕で燦然と輝きを放つダイヤ取り巻きの金レックス(金無垢のローレックス)は午前7時を示しているのに、日射しは突き刺すほどに強い。
  ここサイパン島は悲しい歴史を持っている。
  特に“バンザイクリフ(岬)”は悲惨だ。
 「生キテ虜囚ノ辱メヲ受ケズ」
 日本軍の戦局危うくなり、アメリカ軍が上陸した際に捕虜となって辱めを受けるよりは死を選んだ。
 80メートルの断崖絶壁から、数千人が日本の方角に向かって「バンザイ!」と叫びながら身を投げたのだ。
 この事実ひとつとっても“日の丸、君が代”を強制はできまい。
  玉砕の美しさと、コバルトブルーの海の恐ろしさが見事なハーモニーを奏で、涙無くしては語れない。
  また、別の場所には砲撃されて半壊した旧日本軍の戦車がある。
  黒木正臣はその小ささに驚いた。アメリカの戦車の半分もない。リンカーン・コンチネンタル・マークⅣと軽自動車との戦いなのだ。これでは勝てるワケがない。
  さらに驚いたのは、壊れた戦車の中にジュースやビールの空き缶が棄てられていたことだ。
 かつての敵国民や島民がやったのならまだしもそれが日本人だったら許せない。そんなバカ者は死刑だ!(よっ、にわか愛国者ッ)

  コンチネンタル・エア・ミクロネシアでグァム島に戻る。
 大柄でグラマーで美しい顔のスチュワーデスのネーチャン。女優のようだ。しかも物腰は柔らかい。
 「白人はすげぇ!」とぶっ魂消た黒木は全長7メートルはあるシャンパンゴールドのキャデラック54リムジンをチャーターし、拳銃を撃ちまくるべく実弾射撃場に向かった。
  でかい芋虫ほどもあるタマを込め、やや腰を落として構える。
 左手親指で撃鉄を起こす。右手人指し指で慎重に引き金を絞る。
  タマは出た。
 ダーティーハリー張りのマグナム44なのに反動は思ったより少ない。きっと火薬の量を減らしてあるんだろう。
 2発目からは撃鉄を起こさずダブルアクションで続けざまに撃つ。
 反動を予測して下を狙ったので心臓には当たらないが、金的には集中弾を浴びせることができた(と思う)。

  グァムやサイパンの観光客は大半が日本人だ。
 しかし最近では韓国人観光客も激増しているという。経済の驚異的な発展に加え、段階的な海外渡航の自由化、ソウルオリンピックの成功による士気の高揚や外国に対する関心。これらの相乗効果だ。
  海外旅行というと、あれもこれもと欲張り、早朝から夜までオプションツアーで“観光”しまくる。
 少ない休暇なのだから余裕で過ごせばいいのに“業者”の言いなりになり、彼らの敷いたレールの上をみんなで仲良く通らされるのだ。
 日本人の心が解放される日はまだまだ遠い。

  黒木は、韓国の「古代自動車事件」の恨みを晴らすため、グァムのアメリカ軍弾薬庫からM16オートマチックライフル、バズーカ砲、手榴弾などを盗み出す。
  そしてそれらを国外に持ち出すべくグァム国際空港に向かう。
 入国時から黒木正臣の行動を逐一監視していた当局は、武装警官の大群を派遣、黒木を包囲。
  そこで黒木はM16やバズーカ砲を駆使して、テルアビブ空港乱射事件の上をいく凄まじさで殺戮を開始したのだった。
  あたりはさながら地獄絵図と化し、阿鼻叫喚の中、黒木の持つM16オートマチックライフルは“タンタンタンタンタンタン…!”と美しくも悲しい軽やかなリズムを正確に刻んでいた。

  限りなく続く無為な殺戮は黒木の体力を確実に奪い、「早く楽になりたい」と思うほど精神をも蝕んでいった。
  薄れゆく意識の中でみたバンザイクリフの碧い海を泳ぐ白昼夢は、この世の物とは思えぬくらいきれいな碧さに彩られていた。(1989年)

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