毛利志満が休みなのでキャデラックで徘徊したあげく、駅の観光案内で「毛利志満」に遜色ない店を教えてもらった。
1階が肉屋、2階がステーキレストラン、3階が座敷。
いかにも日本的風貌を持つキャディのマサはもちろん3階。
毛利志満よりもさらに柔らかいと思われるロースでしゃぶしゃぶ。甘みがステキだ。
遜色ないぞ。肉はゴマだれ、野菜はポン酢。とっても旨い。
アッという間に無くなり、肉を追加。食べるのが速いねぇ。
ティファニーを経営する「かね吉」は通信販売も営む。それにハマった。
1キロ2万円の霜降りロースしゃぶしゃぶ用、すきやき用、ステーキ用、1キロ1万8千円のヒレステーキ用など、短期間で10万円使う(凝り性だ)。
最初の“しゃぶしゃぶ用霜降りロース肉”がクロネコヤマトのクール宅急便で届く。
通信販売だから期待はしない。
箱を開ける。玉手箱を開けた浦島太郎になった。
店で食べたのと同じ強烈な霜降り肉に逢えたのだ。
その1キロを15分で、2人で、94年レオヴィル・バルトン(サンジュリアン2級格付け)と、自分でつくったポン酢でハラに納める(俺が700g)。うますぎて“うんうん”唸りながら。
悦楽の代償は大きい。
夕食は全く受けつけない。風呂からあがった午後11時半、まだ胃がヘンだ。霜降りの脂が多すぎたのだ。
そんな“取寄せ”を止めたのは午前中の時間指定が1時間半遅れ! キャンセルした。アタマにきて止めた格好だが、近江牛にカネを使いすぎて困っている矢先にちょうど良い理由がついた。
きっかけは必要だ。ボクはひどくホッとした。(1998.6)