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 1,365円 / ヒレステーキカツサンド / 1人

 ヤマセン後、新潟三越に向かった。
 7階催事場で“春らんまん京都老舗めぐり”が開催されているからだ。
 デパート催事の京都展が好きだ。
 「京都老舗=いづう!」を期待して昨日HPをみた。いづうはない。残念だ。鯖姿寿司が久々に食べたかった。
 ビフカツサンド発見。うまそうだ。レアな揚げ方だ。中は赤い。買うぞ!決心した。
 決心するやいなや、ガブリと喰らった時のうまさを想像した。

 エスカレーターでゆっくり1階ずつ上がっていく。デパートのこのゆったり感が好きだ。
 駅でもないのに歩く奴がいる。そんなに忙しい生活を送っているのか。
 駅では時間がないから歩くのだろうがとても危険だ。
 歩いても歩かなくても大して時間は違わないだろう。
 右側をあけるため左側に長い行列を作って待つ。2列に乗れば半分の長さで半分の時間で全員が行けるのに、愚かなことだ。
 東京モーターショーに行くため、東京駅で京葉線に向かうべく長い下りエスカレーターに乗ったことがある。右側に乗った。
 「すいませ~ん」若い女の声。退け!ってことだ。
 「エスカレーターで歩いたら危ないだろっ!」
 オレは危険防止のため(?)持論を展開した。
 「マサ、そんなこと言っちゃダメよ!」
 連れのオンナMにたしなめられた。
 まさかエスカレーター歩行を注意されると思わなかった女は「ひ~っ!」と顔を引きつらせて逃げるように駆け下りていった。
 本当に危ない行為だ。オレをヘンなオジサンと思ったに違いない。
 たまにマスコミがこの問題を取り上げる。一応議論はするがそのうち立ち消えになる。
 そしてまた以前と同じ光景が繰り返される。あいまいをヨシとする日本の見慣れた風景だ。 

 「日中でも安全のためヘッドライトを点灯しましょう~~~!」
 北欧のマネをして急に誰かが騒ぎ出し、マスコミも大騒ぎし、路上は昼でも眩しくなる。
 熱し易く醒め易いし、この主張の正当性を見出せないから、付和雷同した人達もやがて飽きてしまい、日中点灯は数日で下火になる。
 これもまたニッポン人の面目躍如な微笑ましい風景だ。
 エスカレーター。神戸は右側通行、博多は東京と同じ左。
 関西は東京に対抗心を燃やしているってことなのか。

 7階到着。
 「!」
 人出が多い。新潟はこんなに人口が多かったのか!?
 驚くべき賑わい。祭りのようだ。
 某店のさば寿司とビフカツサンドは実演販売だ。
 完成品を京都から持ってくると時間が経って味が落ちる。
 その場で調理すれば作りたて、もしくはさっき出来たばかりのを食える。嬉しい限りだ。

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 ビフカツサンドを買った。群馬に帰って食べよう。
 あっ、まだ温かい。こりゃすぐ食わなきゃなるまい。会場の端にイス発見。フタを開く。
 「!」
 肉が全部灰色だ。完全に火が通ってしまっている。食った。
 肉はかたくなる寸前の舌触り。その他諸々の味は良い。
 棄てるほどではないので素早く食べきった。

 会場内をぶらぶらする。一周してビフカツサンド屋に戻ってしまった。
 「あ、先程はありがとうございました」
 ニコニコ小柄中年女性店員だ。
 「もう食べちゃいました!」
 可愛く言ってみた。
 「まぁ!どちらで?」
 ねぇさんも可愛い仕草。
 「向こうのイスで」
 「如何でした?」
 自信溢れる訊きっぷりだ。
 「全体に火が通っちゃってましたね」
 今度は可愛く言うワケにはいかない。マジメな顔で言った。
 「あらぁ~モノによっては赤いんですけどね~」
 すばらしい答えだ。そう言いながら今ある二つの商品をパッケージの窓からよく見る。
 オレも見る。ふたつとも完全に火が入ったグレィだ。
 「申し訳ありません」
 全部のビフカツに火を入れすぎたことが判明した。
 「ぃぇ」
 指摘するつもりはなかった。でも「如何でした?」と訊かれたので答えた。
  横を見る。
 白衣姿の若い調理人がニヤニヤ笑いながらビーフカツを揚げ、パンに挟み、切っている。
 京都から新潟くんだりまで出張するのは経験不足な若人なのだろうか?
 「おい、オメェ新潟行ってこい!」などと前日に言われたのかもしれない。
 本店ではちゃんと料理を担当させてもらっているのだろうか?
 こんなヒトに看板を背負わせ新潟に送り出して、店としてよかったのか?
 京都は新潟をナメている。
 オレは馴染みのある新潟の方が京都より好きだぜ。

 関東じゃあまり食わないビーフカツ。
 サッと火を入れて表面だけに熱を与えたレアが望ましい。
 衣の歯触り、ソースの味、軽く焼いた食パンの舌触りは悪くなかっただけに、あの肉の火入れは失敗だった。
 血のしたたるようなレアなら大いに満足し「1,365円は安い!」となったハズ。
 血のしたたらないウェルダンじゃ「400円が妥当だ!」と思わざるを得ない。
 とんかつだってこれ程完全に火を入れないぜ。
 これを平気で売る感覚に感心した。
 さすが商人、儲けだけは逃さない。

 がっかりなビフカツサンド。(2013.3.14)