白菜ベーコンクリームシチューの大成功に気を良くしたオレ。
カレーに流用するのは当然の帰結だ。
だがクリームシチューがうまくてもカレーはうまくなかったり、カレーは良くてもクリームシチューはダメだったりする。
ベーコン&白菜のカレーはどっちに転ぶか?
材料はベーコンと白菜だけ。
ベーコンブロック559gを拍子木切り。この切り方は本体もスープもうまい。
ざくざく切った白菜1個。大量だ。
湯を500cc沸かす。ルーの能書きは800ccだが大量白菜の水分横溢を考慮。
ベーコンを煮る。すばらしい芳香。クラクラする。
白菜投入。直径24cm半寸胴鍋に山盛り。煮れば水分が出てガサが減るから心配ない。
煮えた。ガサが減って汁が増えた。呑む。
うまい。くたっと煮えた白菜の甘み、旨味じゅうぶん柔らかベーコン。完成されたスープと言っても過言ではない。
火を消し、コスモ直火焼きカレールー辛口をザザッ。
よく混ぜ、弱火でとろみが付くまで煮る。
できた。
直径28cm白磁深皿に炊きたてコシヒカリ2合。ベーコン白菜カレーをたっぷりかける。やや濃度が弱い。
喰らう。
「うまい!!」
辛さがステキ。
白菜の甘みに対抗心を燃やしたのか、ルーがいつもよりピリッと辛い。今まで感じたことのない辛さだ。新鮮な驚き。
甘~い白菜。これを加工して砂糖が作れそうだ。
舌に染み入る絶妙ベーコン。良い歯触り。
「熱っちぃ!」
などと言いながらぐんぐん食べる。どんどん喰らう。
口腔内の熱さに耐えかねてゴックンと呑み込む。今度は胃の熱さに苛まれる。
“臓器の悲鳴”より“舌の歓喜”を優先。倒錯した優先順位。
アタマから汗。拭いても拭いても発汗。
うまいから途中でハラ一杯にもならずイッキに食べきった。大満足。
うまいと感じて食べると胃液の分泌が旺盛で消化は早い。
ベーコン白菜カレー、大成功。
白菜とベーコンだけの超シンプル作品。
ルーと水だけ。ホールトマト缶も、プレーンヨーグルトも、ケチャップも、ウスターソースも、醤油も、砂糖も、S&Bカレー粉も、コショーも、バターも加えなかった。
潔いカレーと言える。
食後の果物は愛媛産はるみ。
強烈に甘い。酸味はわずか。かたく、果汁は少ない。
少ない果汁がうまさをぎゅっと凝縮させ、甘さをことさら強調する。(2014.3.16)
2日目。
「うまい!」
だが昨日と同等。2日目なのに1日目より熟成した!って感が弱い。
白菜は早く熟れる。オマセなのだ。
クリームシチューでもそうだった。
玉葱、人参、じゃが芋達と違って第一日目から旨味横溢の白菜。
根菜類と葉物の違いか。
クリームシチューとカレーをやることで白菜の魅力が際立った。個性的だ。
「辛い!」
辛さの理由がわかった。
今までホールトマト缶やプレーンヨーグルトなどを入れて複雑にし、辛さを隠してしまっていた。
水だけだから邪魔するモノがなく、辛さが前面に出てきたのだろう。(2014.3.17)
3日目。
チンして強烈に熱くしたご飯にカレーをかける。
混ぜた。食った。
「うまい!!!!!」
烈しいうまさ。初日を陵駕。
白菜もベーコンも限りなく柔らかくルーと一体化。すばらしい。
「う~~~ん、うまい!」
何度も何度も言いながら一口ごとに感動して食べた。
アタマは滝の汗。ナイアガラほどではなく、群馬の名瀑“船尾瀧”クラスだ。
「まぁちゃん、カレーは書いてある通りに作ると美味しいよ~」
昔、年上の群馬Yが優しく教えてくれた。
「書いてある通りじゃダメだよ。自分で調整するんさぁ」
料理に自信のあるオレは聴く耳を持たなかった。
今日初めてYの正しさが解った。信用しなくてゴメンなちゃい!Yちゃん。
食品メーカーは研究開発部門の精鋭達が日々切磋琢磨して味を決めている。それを仕事にしている。
だからいくらオレが調整しても敵うワケがない。
いかに独りよがりかを痛感した。
悪いトコはちゃんと認めるのがオレの美点だ。あっそ。(2014.3.18)
4日目。
一昨日4合炊いて3日間で食う。オレもなかなか計画的だ。
「うまい!」
が、電話をしていてカレーが煮詰まりややしょっぱい。
ベーコン白菜カレー、もの凄くうまかった。(2014.3.19)