サバサンドを食べた。さぁ給油だ。
あれっ、トラック1台とバイク2台。これじゃダメ。奴等が去るまで待つ。じっと待つ。野獣が傷を癒やすため物陰でひっそりと身を潜めるように、と大藪春彦を気取る。
おっ、居なくなった。急いで行く。ねぇさんは出勤してるだろうか。
あっ、男ふたり。ねぇさんはお休みか。ガッカリ。奈落の底に突き落とされる。
おやっ、フロントガラス左側を拭きだしたヒト。顔は見えないが女性だ。素速くクルマから降りる。
おぉ!!!あの美人ねぇさんだ。ついに逢えた。心はパッとヒマワリのように明るくなった。
「今、サバサンド食べてきました!」
「おいしいですよね~あたしも好きです!」
「この会話、昨年もしました!」
「え~。アタシ進歩がないですね!あははは!」
美人なだけでなく、気さくで明るい。
「わっはっはっはっ。3年前に50日かけてクルマで日本一周。富山から新潟に行く途中でここに寄ってキレイなヒトが居るなぁ~って思いました。当時のブログに『きれいなヒトが居た』って書いてます!」
「え~~~っ!このスタンド、長いんですね!今日はどういう?」
「タイヤ交換したんで慣らしに高速道路一周450km走ってます!」
「お住まいはどちらですか?」
「群馬です。タイヤ44マンしました!」
「高いですね!」
またもやタイヤ高額出費ジマン。どこでもやる。言う本人がそろそろ飽きてきた。でも聞く方は初めてだからみんな驚いてくれる。
「GT-Rカッコイイですね!」
「ありがとうございます!」
「あたし昔シルビア乗ってたんですよ~」
「シルビアも良いですね!」
「クルマ、あと何台持ってるんですか?」
「黄色いダイハツ・コペンです。オープンで走ると気持ちいいですよ~」
「あ~可愛いヤツですね。GT-R何年乗ってますか?」
「6年半です。もう82千kmですよ」
「きれいですね!」
「コーティング2回やりました!」
「あ、そうなんですか!」
ここでついにヒゲじまん。
「昨年大分で鬚自慢コンクールに出て準優勝しました!」
「すごい!サラサラですもんね!」
「はい」
「肌も艶々、ぜんぜんシワがないですね!」
「はい、馬油つけてます!」
「おカネ掛けてるんですね!」
「いえ、馬の脂ですよ」
給油の数分間でこんなに会話。ふたりのトークが気持ちよく噛み合う。楽しい時間。
嗚呼~給油もまた楽しからず哉!
今度はコペンをオープンにして訪れよう。美人ねぇさん出勤してるとイイな。(2018.9.28)