Sound+Vision ver.2

masa's Selfish Diary by masa2soul

パープルレインとリマスターと私

Purple Rain Deluxe (Expanded Edition)

3年ぶり、ひさびさの更新で長いっす。

アルバム『Purple Rain』を手に入れ初めて聴いたのは84年の夏、ハワイでのこと。
既にアルバムからの1stカットシングル”When Doves Cry”は巷で流れていたけど、正直あまりピンと来ていなかった。
ホノルル滞在中のホテルでのテレビは当時開局したばかりのMTVをつけっぱなしにしていたので、度々”When Doves Cry”のPVが流れる。プリンスがバスタブから這い出し、画面に向かって手を差し出す姿をいったい何度見たことだろう。
2ndシングルの”Let’s Go Crazy”のPVも流れていて、こちらは映画のシーンを織り込んだテンポの良いもの。これはカッコイイと思った。
部屋にあったエンターテイメント誌のページをめくり眺めていると、ワイキキの映画館で映画『Purple Rain』を上映していることを知る。
ホノルル滞在最終日、友人たちがアラモアナショッピングセンターに買い物に行くというので、自分は一人『Purple Rain』を観に行くことにした。
常夏の楽園で、真っ昼間に映画。それも見た目気持ち悪い黒人ミュージシャンの映画なんて観に来る人は当然いないわけで、公開されて間もない時期にも関わらず劇場の中はガラガラ。外気温と20度以上差があるんじゃないかと思うくらいアホみたいに強い冷房にさらされ震えながら大画面のプリンスを見る。
正直映画は陳腐なストーリーだったけど、とにかくライブシーンがカッコよく、こりゃちゃんとアルバムを聞こうと思い立った。
旅先なのでレコード盤を手に入れても当然聴けない。なので映画館の近くのスーパー「Woolworths」で『Purple Rain』のミュージックカセットを買い、aiwaのポータブルカセットプレーヤー(オートリバース)に突っ込み聴く。
それからのホノルル滞在中、帰りの飛行機の中で、ずっと『Purple Rain』を聴き続けていた。
これがアルバム『Purple Rain』との出会い。

帰国後すぐに新宿のレコードショップ「CISCO」に行って『Purple Rain』のアナログ盤LPを購入。
レコードプレーヤーにLP盤をセットし、そっと針を落とすとカセットとは比べ物にならない鮮やかな音が広がる。
音の細部にまで耳をすませ、ひとつひとつの音を聴きこんで行く。
A面が終わり盤を返し、針を落とす前にコーヒーを飲み、ジャケットやインナースリーブの読みづらい文字を眺めながら一息付く。そしてB面をまたじっくりと聴き込む。
この一連の儀式が楽しかったし、当時としてはこれが当たり前の音楽の聴き方だった。

それから数年が経ち、世の中はデジタル時代。
CDが登場してもアナログ盤へのこだわりがあったので、CDは聞かずにアナログ盤を購入し聴いていた。
ある日CDプレーヤーを手に入れた友人が「プリンスの『Parade』のCDを買って聴いたんだけど、音の分離が凄いぞ!」と電話をかけて来た。
CDの音ってそんなに凄いのか!?これは確かめなければ!と友人宅を訪れCDの『Parade』を聴かせてもらう。
最初のドラムからぶったまげた。

なんだこの音は!音がクッキリしてる!デジタルってスゲェー!未来の音だ!

デジタル化により音が痩せスカスカになっていただけだったと気づくのは、それからだいぶ先の話。

その体験からそんなに時間を置かずにCDプレーヤーを手に入れ、それからはCDを購入し聴くようになる。
この頃からより音楽が手軽に聴けるようになり、音楽の楽しみ方も変わり、アナログ盤の時のような儀式をせず、CDの特性から徐々に流し聞きをするようになって行った。
LP盤で持っているアルバムはCD化されても後回しにしていたので『Purple Rain』のCDを手に入れたのはしばらく経ってからのことだった。
流し聞きが常となっていたが、この時ばかりはアナログ盤との音の変化を探ろうと珍しく真剣に耳をすませてCDを聴いた。

今まで聞こえなかった音が聴こえる!デジタルってスゲェー!未来の音だ!

アナログ盤にもちゃんとその音は収録されていて、そこまで気合を入れて聴いていなかっただけだったと気づくのは、それからしばらく経ってからの話。

それから約30年の年月が過ぎ、ようやくアルバム『Purple Rain』がリマスタリングされリリースされた。
その間に数々のリマスタリングされたCDを聞きリマスターの良し悪しがわかってきたり、改めてアナログ盤の音圧や温かみが良いと感じたり、ハイレゾの音は自分の好みではないことに気づいたり、その音へのこだわりを持った上での耳で今回の『Purple Rain』を聴いてみた。

なんだこの音は!今まで聞こえなかった音が聴こえる!リマスターってスゲェー!

いやいや、待てよ。
また同じ間違いをしてるんじゃないの?もう一回聴いてみよう。

やっぱり音が良い。

一つ一つの音が鮮明になり
今まで埋もれていた音も聞き取りやすくなっているし、音圧が上がり中低域の迫力が増し、奥行きも広がりもあり、一聴してそれまでのCDとは違う音になったと感じた。

最近の音圧を上げまくり逆にメリハリの無くなるようなリマスタリングではなく、アナログ盤のような質感。これは好みの音だ。
しかし音の良し悪しは個人の主観によるところが大きく、人によって何を良い音と感じるかは違ってくる。なので今回の『Purple Rain - Deluxe Expanded Edition』の音は個人的に好みの音ということにとどめておきたい。

今回の『Purple Rain - Deluxe Expanded Edition』で昔のワクワクして音楽を聴いていた時の感覚を思い出した。
2009年のビートルズのリマスター、先日の『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のリミックスでも似たような感覚があった。
散々聴き倒して来た音を改めて聴き込むことで新たな発見と驚きを楽しめた。
好きな音楽を真剣に聴くって楽しいね。

Prince『Purple Rain 30th Anniversary Edition』

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プリンス(Prince)のワーナー・ブラザーズ時代のアルバム群が新規リマスタリングされて再登場する模様。
ワーナーから、プリンスとのリリース合意についてのプレスリリースが出たようで、今回のリイシューには未発表音源のリリースも含まれるようです。
第1弾として『Purple Rain』の発売30周年デラックス・エディションが今夏にリリースされる予定です。
具体的な発売日などの詳細は今後発表される予定。
http://amass.jp/38515 (amass.jpより)

ついにこの時が来た!という感じです。
長らくワーナー・ブラザーズとプリンスとの間で契約を巡り関係が険悪な状態にあり、過去のカタログがリマスタリングされること無く手つかず、廃盤となっているタイトルまであるという事態となっていましたが『Purple Rain』30周年の今年、ついにワーナーと和解。最新リマスタリング盤でのカタログリイシューとなったようです。
さらに未発表曲も含んだデラックス・エディションでのリリースはとても嬉しい。シングルオンリーの楽曲や12インチバージョンなどもたくさんあるので、最終的にどのような内容でリリースされるか詳細が出るのが楽しみです。

Johnny Bristol

RESIZE-JOHNNY-BRISTOL

昨年来、もっぱら70年代から80年代初頭のR&Bばかりを聴いていた。
それまでもR&Bは大好きで多くのアーティストを耳にしてきたが、ここに来てまた新しい発見の数々で素晴らしい音楽と日々出会っている。

その中でも心惹かれたアーティストの1人がジョニー・ブリストル。
元々はモータウンのアーティストに楽曲提供していた職業作家、プロデューサーで、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの「Ain't No Mountain High Enough」やスティービー・ワンダーの「Yester-Me, Yester-You, Yesterday」などが彼の手によるもの。
他にもジャクソン5やシュプリームス、グラディス・ナイト&ザ・ピップスなど多くのアーティストに楽曲を提供しており、知らずうちに彼の作品を耳にしていた。

その彼が1974年にMGMからリリースした初のソロアルバムが『Hang on In There Baby』となる。
このアルバムはとにかくタイトル曲の「Hang on In There Baby」に尽きる。
メロディ、アレンジすべてに於いて文句無しの名曲で、全米R&Bシングル・チャートで2位、ビルボードトップ100でも8位とブリストルの最大のヒット曲となる。ブリストルはその後、ボズ・スキャッグスの『Slow Dancer』をプロデュースし、AORを基盤を作り上げる。
2004年に65歳と若くして他界してしまうが、それまでに76年の『Bristol's Cream』、78年『Strangers』と名作をリリース。とくに『Bristol's Cream』は最良のブラックコンテンポラリーアルバムで大のお気に入りの一枚となった。

90年代にFree Soulの名曲として「Hang on In There Baby」が脚光を浴び、日本でもかなりメジャーな存在となったブリストルだが、自分は当時のFree Soulブームには乗り切れず、知らずに来てしまい彼だけで無く数多くの名曲との出会いを逃してきたことを今になって後悔している。

70年代後半から80年代初頭にかけてのブラックミュージックはスタジオミュージシャンを起用し優秀なスタッフの製作による洗練されたものから、ディスコブームの流れを汲むもの、AORからのフィードバックから登場したブラコン、打込みからHIP-HOPまでバラエティに富み、70年代初頭のニュー・ソウル・ムーブメントに負けないくらいのパワーがある。ちょうどその時期に洋楽を聴くようになったのもあり、聴くものすべてが心地良く聞こえる。今後も多くの出会いがあると思うが、ここ最近気に入ったアーティスト、アルバムを紹介していこうと思う。


Hang on In There Baby.

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Johnny Bristol『Hang on In There Baby』1974

PROFILE

masa2soul

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