「グループ」と「チーム」

授業でのチーム作り

教育的効果という側面から、チームティーチング、グループ制作の有効性があらゆる方面から聞こえてきます。教師対数十名の生徒という従来型の授業形態を打ち破り、新たな教育法の一環として注目をあびているようです。

デザイン教育の世界でもチーム制作や、グループ学習はよく取り入れる手法です。僕も自分の受け持つ授業では頻繁にチームを作らせ、制作をしたり、グループを組ませ、企画や検討をさせたりしています。こういった授業を行う利点は授業内での気付きや発見を促進し、自然とコミュニケーションが生まれる仕掛けにあります。そういった意味では教育方法の中でも非常に有効な手段のひとつであるのは間違いありません。

チームとグループの違いについて、ウィキペディアを引用します。

チームとグループの違い
ワーキング・グループの目的はメンバー個々の業績水準を底上げすることであり、その成果は個人の成果の総和にしかならない。いっぽうチームには、他人の意見に耳を傾け、建設的に反応し、ときには他人の主張の疑わしき点も善意に解釈し、彼らの関心ごとや成功を認めるといった価値観が集約されたチーム・ワークが存在し、その成果は集合的作業成果による共同の貢献が含まれるので、グループのそれより大きくなる。

これは学習目的とその到達点の違いともいえます。個々の教育成果に対する相乗効果を主目的とする「グループ」と、ある目的に向かう過程の価値観を他者と共有し、個人ではなしえない成果を出すことに重点を置く「チーム」。これを「グループ」と「チーム」の定義とすると授業を構築する上で非常に興味深い境界線となります。

ちなみに、チーム制作、グループ制作といったキーワードで検索をかけると、その授業の目的、授業の結果や成果等の情報は得られるものの、実際にどのようにグルーピングが行われているかについてはほとんどといっていいくらい情報がありません。「まず◯名のグループを作り〜」というところから話が始まっていたりします。グルーピングの代表的な手法としては、普段仲の良い友人でグループを作る方法や、くじを引くなどして本人の意志とは関係なく偶然性に頼ったグループ分けの方法などがあげられますが、おそらく大体のグループ学習で使われている手法ではないでしょうか。そしてそれは個々の教育効果の向上を目的とした、「グループ」の定義に当てはまる、理にかなう授業形態なのかもしれません。

ここからは仮説ですが、それでは、「チーム」に定義される教育効果を目標とした授業を計画する場合、前述したグルーピングの方法で良いのかどうか、という疑問が生まれます。他者との関係が教育成果に大きく影響を与える「チーム」においては、その作り方の重要性は無視できません。逆に「チーム」に定義される教育効果を目標としているにも関わらず、「グループ」と混同した授業形態になっていないかどうかの検証も有意義なものと言えます。

現在計画している授業シラバスに、新たな視点での「チーム」作りを取り込めないものかと頭を悩ませている毎日です。
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