masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

今年満70歳となる高齢者は、「戦争を知らない子供たち」だったけど・・・。


介護支援専門員には、施設サービス計画や居宅サービス計画の作成に先立ち、利用者の課題分析を行うことが義務付けられている。

課題分析とは、「利用者の有する日常生活上の能力や利用者が既に提供を受けている指定居宅サービスや、介護者の状況等の利用者を取り巻く環境等の評価を通じて、利用者 が生活の質を維持・向上させていく上で生じている問題点を明らかにし、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握すること」である。

よってこの課題の把握(アセスメント)の段階で、介護支援専門員は利用者の病歴を含めた生活歴をも把握することになろうし、現在の生活環境などの生活全般の情報等も知ることになる。

しかしそのことだけで現在の生活課題を把握して分析することは難しいだろうと思っている。どんなに優れたアセスメントツールを使おうとも、見えてこないものがあるからだ。

それはそれぞれの人々が生きてきた時代背景を知るということだ。そのことを知るには、この国の歴史を知ると同時に、その人がどのような社会情勢の中を生き抜いてきたかを知ることである。そんなことが個人別の年表を書くことで見えてくるのである。

例えば、現在デイサービスなどの通所サービスを利用する人は、70代にそろそろ達しようかという年齢の人が多くなっている。そのなかで今年で満70歳を迎える人は、もう戦後生まれの人であり、僕たちと同様に、「戦争を知らない子供たち」である。

昭子さんは23歳で結婚して翌年子供を産んでいたとする。その子が1歳になったとき、昭子さんは25歳の若い主婦だったが、その昭和48年に日本は第一次オイルショックを迎え、街中のスーパーマーケットからトイレットペーパーが消えた。昭子さんは1歳児を抱える主婦として、街中を駆けずり回ってトイレットペーパーを探し回ったという強烈な記憶を持った人だ。

そんな昭子さんが、70歳を目前にして認知症の症状が出てきたことが理由で、今年からデイサービスを利用するようになった時、トイレに度にトイレットペーパーを懐に入れて隠して持ち帰ろうとするのも当たり前といえる行為である。そんな風に理解的に共感できることを受容的態度というのではないだろうか。

しかしそれらの世代と、僕ら50代後半の年齢を迎える世代との違いとは、まだ戦後のにおいが残っている時代に生まれたか、そうでないかの違いにしか過ぎないかもしれない。

今年満70歳に達する人たちの生きてきた時代を、年表を見ながら紐解いてみよう。

それらの人たちが生まれる3年前が敗戦の年であり、新日本国憲法が発布されて2年後にそれらの人は生まれている。しかしその人たちが生まれた年(0歳児)に、日本はまだ米国の占領統治下にあり、GHQの占領はそれらの人が4歳になるまで続いている。

その人たちが7歳となる昭和30年に、電気洗濯機・自動式電気釜発売されている。逆に言えば、それまでは各家庭でお母さんたちが、朝ご飯の支度のために、早朝から起きて、かまどに火を入れるために大変な重労働を強いられてきたのかもしれない。その時6歳か7歳だった○○さんは、その母親の姿をしっかり記憶しているかもしれない。それらの人々が抱く母親のイメージは、そういう姿で、自分の子や嫁に、そうした姿を求めてしまってトラブルが生ずることもあったのかもしれない。

しかしそれらの人が18歳となる昭和40年、あのビートルズが初来日しており、日本は空前のエレキギターブームを迎え、それはやがてグループサウンズの大流行につながっている。今年70歳を迎える昭子さん(もちろん仮名である)が、20歳〜22歳となる昭和42〜44年の、グループサウンズブームはピークを迎え、全国各地のコンサート会場で、20歳前後の若い女の子が「失神」しているニュースが、連日のテレビ報道を賑わせていた。グループサウンズブームは、当時の若い女の子にとっては、失神ブームとイコールである。

今年からデイサービスに通うようになった昭子さんは、コンサート会場で失神している若いファンの一人だったかもしれない。そんな昭子さんにとって、デイサービスで小学校唱歌を唄わせられたり、演歌を歌わせたりすることはちっとも楽しくはない。なぜタイガースやテンプターズの曲を歌わないのか大いに不満である。同じ世代の男性利用者だって、三味線の音より、エレキギターでベンチャーズを1曲弾く機会を求めているのだ。チーチーパッパだけのデイサービスは、時代錯誤であり倒産して当然だ。

しかも今年70歳になる人たちが働きざかりの43歳の時に、バブル経済が崩壊しているのだ。(平成3年)。つまりそれらの人々はバブル真っ盛りの中で、企業戦士であったり、その妻であったりして、バブルの酸いも甘いも知り尽くしている人かもしれない。中には地上げに直接かかわっていた人もいるだろう。

さらに48歳の時に、携帯電話普及率は2桁に到達しているのだ。携帯電話を使いこなせないわけがないし、タブレットやスマートホンも普通に使える人たちであり、デイサービスで、それらの機器を使った文化活動が受けるのは、ある意味当然であり、そうした面からサービスメニューも考えていかないと、利用者から選択される事業者にはなっていかないのも当然である。
3月2日鹿児島ケアマネ向け講演
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講演主催者様の負担を少しでも軽くするために


僕が道外の講演に出かける方法は、航空機と新幹線の二つの選択肢がある。

しかし僕が住む登別〜新幹線の始発駅である新函館北斗駅に行くためには、最寄り駅(東室蘭駅)から特急列車に乗って2時間かかる。新幹線で新函館北斗〜東京は最短で4時間10分だから、新千歳〜羽田空港の100分と比べても長く、前後の乗り継ぎを考えても、新幹線移動の時間の方が長くなる地域がほとんどだ。そうなると青森へ行く場合を除いて、道外のほとんどの地域は、飛行機を利用したほうが時間がかからず、しかも割引サービスを使えば料金も安くなる。

よって今のところ北海道新幹線を利用したことはない。

ところで講演の際の航空チケット代金をはじめとした移動費は、講演主催者の方が実費負担してくださる場合がほとんどだ。(※場合によっては、交通費とこみで講演料が決まる場合もあるので、すべてではない。)

そのため、主催者の方の負担が少しでも少なくなるように、最安値のチケットを購入するように努めている。いわゆる早割チケットである。早割チケットのデメリットは、時間変更ができないために、かならずその便に乗らねばならないが(欠航の場合は変更は可能である)、時間があらかじめ決まっている講演であれば特段の問題にはならない。

ただし予約期間というものがあるので、講演予定が決まればすぐにチケット予約できるわけでもない。逆に講演の決定日が講演実施日に近い場合は早割の対象にならない。そうなると場合によっては、早割料金との差額が往復で7万も8万も違ってくる場合がある。これは大きい。

ところで昨日までは3月24日までの便までしか予約できない状態であった。

しかし本日から、2018年3月25日(日)〜 2018年10月27日(土)搭乗分の会員限定の先行予約サービスが始まった。ここで予約できれば、最安値でチケット購入予約ができるわけである。

そのためには、すでに決まっている講演に行くための搭乗便を確定せねばならない。確定するためには、依頼されている講演の開催会場と、講演開始・終了時間をある程度まで絞っておかねばならない。それによって前泊が必要か、後迫も必要なのかが決まってくるからである。

昨日はその確認のために、4月以降で会場や時間が決まっていなかったものについて、担当者の方にあわただしく問い合わせて、ある程度確認することができた。メールや電話で問い合わせに応じてくれた皆様、大変ご迷惑をおかけしました。ご協力に感謝申し上げます。

ということで本日11時から、3月後半分から10月まで決まっている講演会場までの移動のための航空チケットの予約を行っていたところである。ところがサーバーが混みあって、なかなかつながらない。予約確定のページにたどり着かないのだ。

しかし午後12時を超えて、お昼ご飯を食べる人が増えたためか、やっとつながるようになった。そして無事、現在まで予定のある講演の行き帰りの最安値便のチケットをゲットすることができた。なんやかやで、1時間半くらいかかったが、本日のミッションは終了といったところだ。

というわけで、講演予定は早く立てられれば早いほど、交通費の面ではお安くなるので、よろしくお願いします。

介護実務からケアマネジメント・ソーシャルワーク・ターミナルケア・制度改正・報酬改定など広い範囲でお話しすることができ、場合によっては複数のテーマのある研修講師を僕一人で担当することもできるので(過去に何度も依頼を受けて経験済みです)、講師ご用命の連絡と打診は、是非お気軽にメール等で連絡いただきたい。
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ハローワークが特養求人を後押して人は集まるか?


26日に介護報酬単価が公になるが、先行情報では何やら恐ろしい結果が聞こえてくる。

通所リハビリを併設した在宅復帰型ではない老健はかなりヤバイらしい。通所介護も極めて厳しそうだ。一般型老健に通所リハと通所介護が併設されているとしたら・・・恐ろしい。どちらにしてもプラス改定と浮かれている経営者は腰を抜かす結果になるかもしれない。

さて話は変わるが、介護人材確保に関連して厚労省は、特養が新設される際に職員を確保できるように、ハローワークが自治体と連携して施設を支援するモデル事業を、東京都・さいたま市・千葉市・横浜市で今月内にも始めることを公表した。

現在、全国の開設10年以内の特養で空きベッドがあるうち、職員採用が困難でその空きベッドが生じている施設は13%である。この解消を狙ったものだ。

モデル事業の内容を見ると、まず自治体とハローワーク、介護労働安定センターの担当者による協議会を設置するという。自治体は特養の新設情報をハローワークに提供し、ハローワークは見学会や面接会開催など、職員の採用につながるアドバイスを施設ごとに提案する。求職者にもこうした情報を提供するという。

また各都道府県に支部・支所がある介護労働安定センターも、施設の人事制度や助成金の利用などの相談に乗り、職員の離職を防ぐ取り組みを施設に促すという。

果たしてこのことがどれほどの効果を生むのだろうか?僕はほとんど効果がないと予測している。

なぜなら特養の求人に応募がない理由は、情報不足ではないからだ。募集に応募のない社会福祉法人は、募集情報については、インターネットの公式サイトのみならず、SNSをも酷使してアナウンスに努めている。

しかも特養に限っては、介護保険以前の措置時代に、「公務員準拠(公務員と同じという意味)」の給与水準とされていたため、介護保険以後もその残滓を引き継いで、他の介護事業より職員給与は高い施設が多い。にもかかわらず募集に応募がないという現状にあるのだ。

その理由は、そもそも応募に応じることができる人がいないからだ。そしてその状況は団塊の世代がほとんどいなくなる2040年以降も続いていく。(参照:人口減少社会の中で

つまりハローワークが、地域全体にくまなく情報発信して、施設に採用につながるアドバイスをしたところで、その地域全体で介護人材を確保できるということはあり得ないのだ。そもそもハローワークに、介護人材を確保するノウハウなり、発信力なりがあるのだろうか。ありはしないだろう。

すべての事業所があまねく人員配置に事欠かない状態になるという幻想を抱いてはならないのである。

はっきり言うと、国全体・地域全体をターゲットにした人材確保策など、現時点で期待するほうがどうかしている。勿論20年先、30年先を見据えた国家的プロジェクトとしての人材確保策は必要とされるが、今現在人手が足りないために生じている空きベッドを稼働させる対策は、国全体とか地域ひっくるめてという施策とは一線を画したレベルで、自法人の個別的戦略として、他法人との差別化を図っていかないと人材も人員も集まらない。

必要な人材と人員を確保するための個別の戦略と工夫が、今こそ求められているのだということを肝に銘じておかねばならない。

その工夫の一助になるお話もしているので、そうしたテーマの講演依頼や相談も気軽にしていただきたい。masaの講演予定も参考にしていただければ幸いである。
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鬼畜の所業〜児童養護施設の虐待報道を受けて


僕は北星学園大学・文学部社会福祉学科を卒業している。というわけで学生時代は社会福祉を専門に学んできたわけであるが、専攻は高齢者福祉ではなく、児童福祉であった。

そのため社会福祉実習は、児童相談所で行い、数多くの児童施設を訪ね歩いた。児童養護施設もそんな施設の一つである。

児童養護施設とは、児童福祉法41条において定められている施設で、「児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童など、環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設」と定義されており、児童相談所長の判断に基づき、都道府県知事が入所措置を決定する児童福祉施設である。

そんな児童養護施設で信じがたい虐待が行われていたことが明らかになった。

道央の児童養護施設で2013年8月から2014年3月にかけて、道が措置入所させた女児らに対し、男性職員(当時)がわいせつ行為を繰り返していたことが、北海道新聞の調べで明らかになった。

この職員は女児2人に対し、消灯後の女子居室で、それぞれ胸や下半身を無理やり触ったほか、別の女児とも施設内で複数回、性交渉を行っていたという。事件は被害女児からの訴えで発覚し、道と同施設を運営する社会福祉法人が、それぞれ200万円支払うなどで和解しているという。なお犯人は、懲戒解雇され、2014年9月に、強制わいせつ、児童福祉法違反(淫行させる行為)などの罪で懲役4年6カ月の実刑判決を受け確定している。今も塀の中であるということか・・・。

本件は最初に女児から性的虐待を聞いた職員から報告を受けた上司が、すぐに施設長らに報告していなかったなど、事件の重大性を認識していないかのような施設側の対応の問題も明らかにされている。

今朝の北海道新聞朝刊の3面記事では本件に関連して、「助けてと言えなかった 養護施設の性的虐待被害者 恐怖や不信感、口止めも」と題した特集記事を掲載している。その中で被害女性が、「施設を追い出されたら行くところがない、どうしようと怖かった」と性的被害を訴えられなかった理由を語っている。
北海道新聞1/19朝刊
さらに被害女性は、事件が明らかになり加害男性がいなくなってからも悪夢にうなされ、警察や検察の事情聴取も、「あの時のことを思いだそうと頑張らなきゃいけなくて、つらかった」と語り、何度も死のうと思いリストカットを繰り返した過去を振り返っている。まさに悲痛な声としか言いようがない。

これから先の社会が彼女を温かく包み込んで、なんとか1日も早く立ち直ってくれることを祈るのみである。

様々な事情から、家族と暮らせない子供たちにとって、児童養護施設はセーフティネットであり、一時的滞在の場所ではあっても、ある時期、そこは子供たちにとって安住の場所でなければならない。そのような場所に、鬼畜のような職員が存在することいよって、子供の人生がゆがめられ、今回の報道で明らかになったように、ひとりの女性の人生がひん曲げられることを許すわけにはいかない。

人を護る場所で、このような鬼畜が存在した場合、被害が子供たちに及ぶ前に、それを察し未然に事件を防ぐことはできないものかを、今一度真剣に考え直さねばならない。

そのためには社会がもっと、命を尊び、尊厳を護る意識を育てることが必要だ。人が人に対してもっと優しくなるためには何が必要で、何がそれを阻害しているのか、僕たち社会福祉の専門家は、もう一度そのことを振り返って考えねばならない。

これは児童問題ではなく、この国の社会問題だ。社会全体で対策を講じていかねば解決しない問題だと思う。
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丁寧語が固苦しくて、利用者との壁になるという誤解


丁寧語で利用者に接すると、自分と利用者の間に壁ができると思い込み、わざわざ言葉を崩している人がいます。

崩した言葉で伝わるものは、親しみやすさではなく、馴れ馴れしさだけです。それは時に相手にとっては無礼で、不快な言葉にしか過ぎなくなります。

介護サービスの場では、利用者が職員の無礼で馴れ馴れしい言葉遣いに不快を感じても、遠慮して言い出せない人が多々存在します。そんな場面が多々あります。認知症が原因で、苦情を伝えられない人も数多くいます。

そういう人たちにとって、崩した言葉は時に刃(やいば)にも等しいものです。

認知症の人は、どれだけ長く付き合いがある介護職員でも、毎日その職員の顔を忘れてしまいます。それらの人にとって、職員の側が慣れ親しんだ利用者であると思っていても、利用者にとってその職員は初めて会う人です。そんな見ず知らずの初対面の人が、自分に向かって馴れ馴れしいタメ口で言葉をかけるとしたら、自分を馬鹿にしているのか、喧嘩を売っているのではないかと感じます。どちらにしても、そのような言葉かけは、不快この上ないものだと思うでしょう。自分を攻撃していると勘違いするのも当然です。

つまり言葉を崩して生まれるものは、深い谷なのです。

利用者と職員の壁を崩すような結果は生まれません。そもそも丁寧な言葉をかけることにおいて、利用者と職員の間に壁など生じないのです。汚らしいタメ口による声掛けとは、利用者と職員の間に暗くて深い谷をつくって、場合によってはその谷に、利用者を突き落とすことなのです。

言葉を崩して親しまれようとしたとき、どこまでの崩れが親しみにつながり、どのレベルを超えたときに、相手に不快感を与えるかという線引きなど不可能なのです。線を引くとしたら、お客さん様に接する際にとって良い態度であるか、使ってよい言葉であるかというところしかありません。

言葉を崩した先に生まれるものは、利用者と職員の親しい関係ではなく、言葉を崩した側の思い込みから発生する感覚麻痺に他ならないのです。タメ口を利用者が喜んでいるという勘違いから、自らの不適切さを気付きにくくさせる感覚麻痺がどんどん広がって、人を小ばかにして不快にさせ、人を傷つける行為さえ見えなくする感覚麻痺なのです。

利用者をお客様として認識して、接客として正しい丁寧語で接することは、利用者と職員の間に壁を作ることにはなりません。対人援助であるからといって、対価をいただき職業として利用者に接している以上、お客様に接するプロとして相応の対応が求められるのですから、丁寧語はプロの技を示して、お客様に信頼感を抱いていただくツールです。それを示すことにほかなりません。

どうぞ正しい丁寧語で、利用者の皆様を護る介護従事者でいてください。

2月24日(土)と25日(日)に、福岡と岡山で行うセミナーは、こうした感覚麻痺につながる、言葉の乱れの恐ろしさを具体的に伝えるセミナーです。過去に同じ内容で行ったセミナーで、多くの介護従事者の方々が、間違いに気づいて、職場の中で言葉の改革に取り組んでおります。介護事業経営者の皆様には、是非職員さんが間違いに気が付くように、このセミナーへの参加機会を与えていただきたくお願い申し上げます。

正味5時間この内容でお話しするセミナーは、今回の福岡と岡山で終了します。是非この機会をお見逃しがないように、よろしくお願いします。

下記の案内を参照してください。
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介護現場のペーパーワーク半減は実現するのか?


昨年末の12/31に経済財政諮問会議が行われたが、その中で政府は2015年度に策定した「経済・財政再生計画」の工程表の改定版をまとめた。

介護の関連では、ICTやロボットを積極的に活用してサービスの効率化、生産性の向上を推し進めると説明し、行政が施設・事業所に求めるペーパーワークを2020年代初頭までに半減させるとの目標も明記した。

しかし本年4月からの介護報酬改定の内容を鑑みると、新たに必要となる書類・記録は増えるばかりで、ペーパーワークの半減など現実的なこととは思えない。

例えば運営基準改正では、特養に新たに入所者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ配置医師による対応 その他の方法による対応方針を定めなければならないことが義務付けられるため、この書式を新たに作成する必要がある。それは1回きりの作業(見直しは別に必要だが)で終わる問題で、作業負担としてはさほど重くないが、そのほかにも新たに求められる記録は多々ある。

介護保険3施設の身体拘束廃止のに向けた適正化策として、身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況 並びに緊急やむを得ない理由を記録することが新基準には明記され、さらに身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催すると ともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ることとされているので、議事録に加え周知の記録も必要となる。

身体的拘束等の適正化のための指針を整備する必要もあり、介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施した記録も求められる。

介護サービスの質評価として、特養と老健に新設された褥瘡の発生予防のための管理に対する加算では、モニタリング指標という指定書式で評価を定期的に行わねばならなくなった。ここの作業負担は増えることになる。

特養・老健・介護療養型医療施設・介護医療院に共通する排泄にかかる機能を向上させる取組に対する評価加算では、要介護認定調査の「排尿」または「排便」の項目が「全介助」から「一部介助」以上に、または「一部介助」から「見守り等」以上に改善するための計画が求められるのだから、単に現在実施している排泄の方法を計画に落とすだけではなく、その状態を改善する方法を計画に落とし込んで、改善方法としてプランニングしている方法の実施状況を記録しておかねばならず、その評価記録も定期的に必要となる。

特養の現行より高い額の看取り介護加算や、入所者の医療ニーズへの対応の新加算は、入所者に対する緊急時の注意事項や病状等についての情報共有の方法及び曜日や時間帯ごとの医師との連絡方法や診察を依頼するタイミングなどについて、医師と施設の間で、具体的な取り 決めがなされていることを証明する契約書等を作成しなければならないだけではなく、実際に医師が早朝・夜間又は深夜に施設を訪問し、診療を行う必要があった理由を記録しなければならない。

通所リハビリでも、リハビリテーションマネジメント加算の新算定要件として、医師の詳細な指示について、リハビリテーションの目的及びリハビリテーション開始前の留意事項、リハビリテーション中の留意事項、中止基準、リハビリテーションにおける負荷量等のうち1つの計2つ以上の事項を加算算定利用者全員に記録しておかねばならなくなる。

通所介護の心身機能の維持に係るアウトカム評価加算については、Barthel Indexによる評価が求められるので、これに関する一連の記録は必須となる。

このようにざっと書き出しただけで、すごい量の記録が増大することがわかる。つまり来年度からの報酬改定・基準改正においては、記録の削減という視点は皆無で、むしろ記録は増大しているのである。これらを2021年度以降に半減することが本当にできるだろうか。そもそも半減とは、どの時点との比較なのだろうか?

それらのことを考えると、記録の半減は掛け声だけの幻で終わる可能性が極めて高いと思え、このことに関係者はあまり期待を寄せないほうが良いのではないだろうか。

どちらにしてもペーパーワークに時間を削られ、人手の少ない現場の疲弊がさらに助長されるという状況に、まったく対策されないまま、人員枯渇はさらに進んでいくのだから、介護従事者にとってわずかばかりの給与引き上げは、労働対価に見合ったものとは言えないだろう。
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新・藤ケ谷明子さんの切れ味


明日、15:00〜行われる第157回社会保障審議会介護給付費分科会(参照:開催案内)において、介護報酬改定に向けた諮問・答申が行われる予定であるが、報酬単価が示されるのは、さらに1週間後の26日にずれ込むそうである。

どちらにしても明日以降、12月に示された平成30年度介護報酬改定に関する審議報告の変更点などがないかどうか、確認作業が続くので、その前の今日までに、現在抱えている連載原稿を仕上げておこうと、昨日からずっとデスクにかじりついて執筆作業を続けているところだ。

幸い今月中に書き上げてしまわねばならない原稿は、ほぼ書き終えて、あとはじっくり推敲するだけである。すべて〆切に間に合いそうである。

そんなふうに現在僕は、業界紙やインターネットで連載を7本抱えているが、その中でも一番長く連載を続けているのは、僕の執筆本人を語らずして介護を語るな」シリーズや、介護の詩〜明日につなぐ言葉の出版元であるヒューマン・ケア・システム社の季刊誌「シニア コミュニティ」である。

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連載がいつ始まったのか記憶にないほど前から執筆を続けている。その年月はゆうに10年を超えているだろう。

執筆陣のなかには、日ごろからお世話になっている、「介護・福祉系法律事務所 おかげさま」の外岡 潤弁護士もおられて、「弁護士直伝!介護トラブル解決塾」を毎回愛読しているところだが、もう一人、毎回そのコラムを楽しみにしている人がおられる。

それはジャーナリストの藤ケ谷 明子氏である。彼女のコラムについては5年前に「藤ケ谷明子さんの切れ味」という記事を書いて、このブログでも紹介させていただいたが、5年経ってもその切れ味が鈍ることなく、毎回鋭い指摘で勉強させられているところだ。

シニア・コミュニテイ1・2月号(最新号)で、藤ケ谷氏は『自立支援を妨げる「はじめの一歩」の踏み違え』というコラムを書かれているが、これがまた鋭くて、読みごたえがある。

氏はこの中で、「自立支援とはそれほど難しいことなのだろうか」と問いながら、利用者に対して、いわゆるタメ口で話す施設職員やヘルパーがいると指摘したうえで、そのタメ口の具体例を示している。そして高齢者に幼児向けの言葉で話す輩がいることは、世間ではありえないと指摘したうえで、返す刀で『粗雑に扱われた言葉が飛び交う中で「自立」に向かうことができるのだろうか』と問題提起している。

さらに、「言葉を使えない者に引退勧告を」として、「凶器」と呼ばれる「言葉」を軽視する現場に人を支える資格はないとし、ぶった斬っている。

強い言葉が随所に使われているが、氏の育ちの良さがわかる上品な批判文となっており、僕のように乱暴・下品一辺倒ではないため、決して気分が悪くなる内容でもなく、何とも気持ちの良い文章である。

詳しくはシニアコミュニティ1.2月号から、同氏の連載コラムを読んでいただきたい。

多くの読者の方が気づいたであろうが、その内容は僕が日ごろ提唱している、「介護サービスの割れ窓理論」と共通するものではないかと考える。

利用者の暮らしと尊厳を護るというなら、粗雑な言葉や幼児言葉がそれを阻害することに気が付かねばばらないし、自立支援を建前ではなく本年の介護実践とするためには、高齢者の自立を支える丁寧な言葉が必要であることを、あらためて意識するきっかけになるだろう。

それができない人は、今後も藤ケ谷さんの切れ味鋭い文章で、どんどんぶった斬られてほしいものである。
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終末期医療の指針が改定されますね。


終末期医療に関連して、治療方針の決定手順などを定めた国の指針(ガイドライン)について、厚生労働省は今月中に有識者検討会に改定案を示したうえで、3月末までに新しい指針をまとめる方針を示している。

現在の指針は、2007年に策定されたもので、その策定のきっかけになったのは、2006年に発覚した事案である。富山県の医療機関で、2000年から05年にかけ、医師2名が50代〜90代の末期患者6人の延命治療を中止するとして、人工呼吸器を外し死亡させたとされることが問題視され、それぞれ殺人容疑で富山地検に書類送検された。(※のちに富山地検は、呼吸器の装着から取り外しまでの行為を「延命措置とその中止であり、殺人の実行行為と認めるのは困難」と判断したため不起訴として事件化しなかった。)

この問題を巡っては、当初から当該医師を「赤ひげ先生」として称賛する声と、殺人事件であると批判する声の両方があったが、結果的に遺族が厳しい処罰を望んでいなかったことも影響し、不起訴処分となっている。勿論理由はそれだけではないが、今回の記事は主旨が異なるので詳しい解説は割愛する。

どちらにしてもこの事案がきっかけとなり、終末期医療について延命中止の判断等において、患者や家族の同意をどうするのかなどが問題となり、現在の指針が策定されたわけである。

しかし策定から10年が過ぎて、社会情勢が著しく変化してきた。国民の8割以上が医療機関で亡くなるといった状況に変化はないものの、徐々に在宅死の割合が増えてきており、ターミナルケアの専門医師も増えている。

さらに死者数が大幅に増加するわが国では、医療制度改革により医療機関のベッド数が減るだけではなく、医療機関の入院日数制限が厳しくなり、入院期間が短縮され、居住系施設(特養・グループホーム・特定施設等)を含めた在宅復帰が強く求められている。そのため死ぬためだけに入院することは難しくなってきており、2030年には47万人の看取り難民が生まれる危険性が指摘されているところである。

そのため暮らしの場での看取り介護・ターミナルケアの実践がさらに求められるわけであるが、現在の指針は、終末期医療を受ける場所を医療機関と想定した内容であるために、居住系施設や自宅で亡くなる人が今後も増えるであろう実態にそぐわなくなってきている。そのため在宅医療や介護施設での看取り介護もカバーしうる内容に変更しようというものである。

ここで重要となるのは、近年取り組みが進んできた「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」という考え方である。それは患者と家族・医師らが治療内容や療養場所を繰り返し話し合って決めるという取り組みであるが、看取りの場の選択という意味では、ここにソーシャルワーカーが深く介入する必要もあると考えている。

余談だが、「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」という言葉・・・もっとわかりやすい日本語に替えてくれないだろうか?患者本人や家族もわかりやすい言葉で、終末期の居所や過ごし方・医療の在り方を説明して考えることが、専門職と患者・家族の協働・連携には何より必要なことだと思え、専門用語や略語・わかりづらい外国語をできるだけ使わないという配慮も必要とされるのではないだろうか。

どちらにしても患者不在の終末期医療など、くその役にも立たないのであって、そのことを徹底的に排除し、患者本人の意思が最大限に守られる終末期医療の在り方が議論されることは良いことだ。

それにしても、「患者と家族・医師らが治療内容や療養場所を繰り返し話し合って決める。」ということは、医師の側の説明責任がより重要になるという意味である。医療の専門家ではない患者や家族に、きちんと伝わる言葉で話せるかどうかが終末期医療にかかわる医師のスキルとして問われてくる。

一方的な指示・命令を説明と勘違いするような医師であっては困るわけである。

特に終末期医療にかかわる医師の言葉は、患者や家族にとって安心や安楽に重要な役割を果たす、「言霊ことだま」であることを十分理解してほしいと思う。
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講師が厚労省の役人ばかりのセミナーは参加する価値なし


4月からの介護報酬改定に向けて、そろそろ諮問・答申がされる時期となった。

その際に改定率がプラス0.54とされた新しい介護報酬単価が明らかになるが、それはこのブログで何度も指摘してきたように、介護事業者が一律収益アップにつなげられる単価にはなり得ない。

特に昨年度の経営実態調査で民間の中小企業より収益率が高いとされた事業種別については、「適正化」の名のもとに単価が下げられる。このことは12/18の麻生太郎財務相と加藤勝信厚生労働相の折衝の中で、マイナス0.5%程度の適正化を断行することでも一致しており、通所介護等の経営者には頭の痛い改定となるだろう。

そのような中で、新たな加算などが創設される。今後の事業経営を考えると、これらの加算は重要で、基本サービス費以外の加算を細かく確実に拾っていかねばならず、算定漏れがないように算定要件をしっかり理解しておかねばならない。

そのためには、介護報酬の諮問・答申後に示される報酬告示と解釈通知を必死に読み込むことが必要になる。同時にその解釈を巡って、全国各地で様々な研修会・説明会も行われることになるだろう。

そうした中で、僕も介護保険制度改正や報酬改定をテーマにしたセミナーなどに講師としてご招待を受けることが多い。

そうしたセミナーで、厚労省の方とご一緒にお話しする機会もある。よって必然的に厚労省の方の講演・講義を聴く機会も多くなる。しかしその内容が自分自身の学びになるかといえば、正直「否」といいたくなるところだ。

厚労省の方々は、国の内部で議論された様々な情報をお持ちであることは間違いのないところである。しかし研修会やセミナーという公の場で、「実は〜。」といった形で舞台裏のエピソードを語ってくるるかといえば、それはほとんど期待できない。立場上、公に示された内容を超えた個人的意見で発言することはできないので、誰を講師に呼んだとしても、同じ資料でほぼ同じ内容を語ることになる。

その資料も一般的に公開されている資料であり、内部文書を出すこともない。さらに介護報酬単価の改定額等は、それが現時点で最も適正な額であり、最も適切な算定ルールであるという前提で語ることになるので、その部分に批判的な意見は皆無である。

制度改正や報酬改定時の新しいルール等には、次の改正や改定の橋頭保となる様々な布石が隠されたりしているが、厚労省の役人という立場で、そのことに触れるわけにはいかない。同時に過去の改正のどの部分が布石となっていて、今のルールにつながっているという解説もできないし、今後の見通しも基本的には示すことはできない。

ましてや介護事業の経営戦略につながる話や、収益を挙げるための工夫について、彼らは触れることを許されていない。それは事業者の個別の経営努力の問題とされ、国がその部分に少しでも容喙(ようかい:ちばしを入れること。横から口出しをすること。)することがあっては、責任問題になるからだ。

つまり厚労省の方々の講演は、介護現場であまり役に立つ内容ではなく、基本資料の説明にとどまり、あたりさわりのない内容で終わることがほとんどだ。最初からあまり期待してはいけないのである。

一方、僕のような立場だと、地位的責任がないので、自由に発言できる部分は多い。介護保険制度開始当初から、今までの流れもすべて知っており、かつ介護経営にもか関わっているので、制度や報酬単価に対する批判的批評もできるし、隠された布石や、今につながっている過去の改正点にも触れて、今後の事業戦略という部分に触れてお話しすることもできるわけである。その際には、大胆な今後の予測も交えることもできる。(※過去の事実からいえば、その予測は概ね当たっていることを付け加えておく。)

そのため厚労省の方とご一緒する講演においても、僕の講演の方が評判が良いことも多い。

しかしこれは能力の問題ではなく、立場の違いという問題である。国のお役人様がその立場を超えて自由に発言できるわけではないという、彼らの立場を思いやって、その分を差し引いて講演を受講すべきである。

よって所轄官庁の担当者が講演を行うというセミナーに対し、過度な期待を持つことは禁物である。本当に必要な情報や、聞くべき意見は、国とは対峙する立場の人の中にあることも多いのである。

というわけで、僕は今日も来月行う、「介護報酬改定の要点」に関する講演資料を作成している真っ最中である。
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生活施設を標榜しながら家庭とかけ離れた感覚麻痺が蔓延している特養


松の内も過ぎて、正月気分からすっかり抜けだして日常業務に忙しく走り回っている人が多いのではないだろうか。

介護施設や介護サービス事業所も、日常を取り戻して、通常のサービスを、通常のテンションで提供できる時期である。

そうであるからこそ、年末・年始を介護施設で過ごした方や、自宅で介護サービスを使いながら過ごした方々の過ごし方がどのようなものだったのかと振り返ってみる必要もあるのではないだろうか。そこに日本人が古くから過ごしてきた慣習や生活習慣を楽しむ余裕はあったのだろうか。新しい年を迎える希望が垣間見えたのだろうか。もう一度振り返ってみると見えてくるものがあるのかもしれない。

僕達の仕事は、人々の日々の営みに寄り添うものであるがゆえに、惰性に流されて気づかなくなってしまうものがたくさん存在すると思う。時の移ろいの中に自然に身を委ねて、特別なことを考えなくとも暮らしを営むことができるということは悪いことではない。それが最も求められる場合もある。

しかし忘れてはならないのは、僕たちは様々な支援を求めている人々の日常生活に深く介入して、本来他者が踏み込んではならないかもしれないプライべートな領域で活動を行う場合が多い。その時、土足で人の心を踏みにじることがあってはならず、常にそのことを自戒して活動に取り組む必要がある。

なぜなら人の感じ方、感性は様々で、僕たちの側に悪意や悪気がなくとも、簡単に傷ついてしまうのが人の心だからである。しかも厄介なことに、体の傷は見えたとしても、心の傷は見えないのである。僕たちには五感を働かせて、人の喜怒哀楽に敏感になって、心の傷さえ見つめようとする心根と、自戒が常に求められているのだ。

何かと行事が多い年末年始に、利用者が楽しむための行事を企画するのは良いが、高齢者の方々が大人として対応されていない場面を見ると哀しくなる。認知症になったからといって、なぜ子供のような扱いを受けるのだろうか?

グループホームや特養や老健で、認知症の方がクリスマスに、紙で作った帽子をかぶらされてクリスマスソングを歌わされている姿は、僕から見ると少しもほのぼのとした姿に見えない。そこには認知症という冠をつけられた高齢者が、子ども扱いされている哀しい姿としか映らない。

介護施設の玄関先に展示されている様々な作品。折り紙や水彩画、習字・・・。頑張って作ったのだろうけど、決して見事とは言えない作品が数多く展示されている。それは本来プライベート空間に置くだけでよいものではないのだろうか。それらの作品から伝わる妙な物哀しさ。ああここはやはり特別な場所で、日常の存在しない場所なんだと思ったりする。

特養の総合施設長を務めていた当時、もっと世間一般的に、大人が楽しむイベントとして、介護施設や介護サービス事業所の行事が行われる方法はないのか、大人が楽しむ方法はないのかをずっと考えてきた。そのために僕が施設長に就任する以前から慣例的に行われていた行事や方法をたくさん壊してきた。

それが全て正しかったかどうかはわからないが、少なくとも僕は、相手の立場に立って物事を考え、その結果を確認するように努めてきたつもりだ。それが特養を「暮らしの場」にするための唯一の方法だと思い続けてきた。

そういう思いを全国の仲間に伝えるために、講演活動も続けている。

介護の場にはびこる、「世間の非常識」をなくすための日総研セミナー・「介護施設・事業所で虐待を発生させない〜介護サービス質向上の具体策」も残すところ2/24(土)の福岡と、2/25(日)の岡山の2会場になった。

介護の質を護る実践論を5時間お話しさせていただくので、志を同じくする皆さんには是非、今から勤務調整をお願いして、会場にお越しいただきたい。受講料が決して安くはないセミナーだが、決して損をさせないセミナーにしているつもりなので、よろしくお願いします。

会場で共に、僕たちに求められているものは何なのかを、本当の介護実践とはなにかを考えましょう。
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悠長なことを言っていられない認知症ドライバー問題


新年早々、認知症のドライバーによる悲惨な交通事故がまた起こった。

9日午前8時20分ごろ、群馬県前橋市北代田町の県道で、85歳の男性が運転する乗用車が、始業式のために登校途中の自転車の女子高校生2人をはねた。女子高校生は2人とも意識不明の重体。

加害者は走行中、対向車線にはみ出し、路側帯を走っていた女子高生をはね、民家の塀に衝突した後、さらにもう一人の女子高生をはねた。さらに走行車線に戻り、渋滞で止まっていた軽乗用車に衝突したという。現場にブレーキ痕はなかったそうである。なお加害者の男は頭に軽傷を負った。

目撃者は、「渋滞の車列に並んでいたら、ものすごい速度の車がセンターラインをはみ出して追い越していった」と証言しているという。

この事故については上毛新聞社のネットニュースが画像も含めて詳しく報道している。

別の報道記事では、『男性の息子の妻(56)によると、男性には普段から物忘れなどがみられ、免許返納を勧めていたが拒まれていた。昨秋には認知機能検査を経て免許が更新されたという。「物損事故を数え切れないくらい起こし、いつも『運転はやめて』と話していた。今朝も(家族にとめられないよう)隠れるように出て行ってしまった」と話す。「高校生の子が心配で、心配で……。本当に申し訳ない」と涙を流した。』とされている。

認知症ドライバーが運転する車の事故により、尊い命が失われる事故が後を絶たない。そのために道路交通法を改正し、75歳以上の高齢者が運転免許の更新時か違反時に「認知症のおそれあり」と判定されたら、例外なく医師の診断が必要になり、認知症であると診断された場合、運転免許は失効・取り消しされるようになった。

しかしこの診断に関わる医師の中には、認知症だからといって運転できないわけではないと言って、免許の失効・取り消しに反対する意見もある。(参照:認知症診断で運転免許を取り消す法律について

そんな悠長なことを言っていてよいのだろうか。

そもそも検査がされる前に認知症の症状が出ている人は、この法律改正でもカバーできない。

そうであるとしたら、すべての国民が、認知症であっても運転行為はできてしまう(参照:記憶を失っても、感情が残される理由)という事実を知るとともに、その状態は正常な運転ができているわけではないという危険性を十分認識し、病識のない認知症高齢者本人には、運転をしないという判断力も欠如しているので、家族などの周囲の人々が、何が何でも運転させないという方策をとらねばならないことを自覚すべきである。

今回のような悲惨な事故が起こった後に、『あの時に鍵を取り上げていればよかった。(被害者が)大変心配』なんていっても始まらないのである。鍵を取り上げていなかった家族の責任も問われて仕方のない問題なのである。

居宅介護支援事業所の介護支援専門員で、認知症の症状が出始めた利用者に関わる人は、当該利用者が運転しないための支援を行う必要性がさらに増すだろう。その自覚が必要だ。

同時に自動車メーカーには、自動運転技術を1日でも早く確立してほしいし、国もその方向で法改正を行ってもらいたい。しかしそれがまだまだ先であるという現状を考えるなら、自動車メーカーは、とりあえず手続き記憶だけで運転できる車の製造を止めてもらいたい。その技術は簡単なことである。車のカギをもって、ボタンを押すだけでエンジンがかかってしまうのではなく、そこに暗証番号を打ち込むという1手順を加えないとエンジンがかからない仕組みにするだけでよい。そうするだけでエピソード記憶が低下している認知症の初期段階の人は車のエンジンをかけられなくなり、今回のような事故は大幅に減るだろう。

車を運転しなくとも、高齢者の生活上の移動手段を整備して確保する方策も必要だが、幼い子供や未来のある若者が、認知症高齢者の運転の犠牲になる事故が、毎年増え続ける現状を考えるならば、認知症になったら運転させない、認知症になる前に、一定の年齢を過ぎたら運転行為から勇退するという考え方が当たり前となる社会を作ることが求められるのではないだろうか。

尊い命を護るために・・・。
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人口減少社会の中で


昨日は成人の日で、各地で成人式が行われたことと思う。(※登別市は成人の日の前日7日に成人式が行われたが、そういう地域も多かったのではないだろうか。)

新成人の皆さんには心よりお祝いをしたい。ところで毎年、成人式を荒らす心無い新成人の暴挙が話題となるが、今年はそのようなニュースは聞こえてこない。自覚ある新成人が多かったのであろうか?とにもかくにも人前で一升瓶の酒をラッパ飲みするのは格好いい行為ではない。酒に強いのは何の自慢にもならないことに気が付いてほしい。(呑んべえの僕が言うのだから間違いない。)

そんな中、新成人を祝う側の「晴れ着業者」が、成人式当日に店を閉じて責任者に連絡が取れず、楽しみにしていた晴れ着を着れなくなった新成人がたくさん居たというニュースが巷に飛び交っている。一生に一度の晴れの日に味噌をつけられたような新成人の方々は本当に気の毒である。新成人の手本になるべき大人が、このような行為に及ぶことは決して許されることではない。当該業者の経営陣は、人として許されないと思う。

それはともかく、今年の新成人の数も昨年より減少している。

総務省統計局が公表している平成30年1月1日現在の人口推計によると、新成人の人口は123万人(男性63万人、女性60万人。)で、総人口に占める割合は前年と同じ0.97%で、8年連続1%を下回った。

新成人人口
人口推計を開始した昭和43年からの推移をみると、第1次ベビーブーム(昭和22〜24年)世代の昭和24年生まれが成人に達した昭和45年の246万人をピークに新成人人口は減少し、昭和50年代後半から再び増加したのち、平成7年から減少傾向が続いている。さらに、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、今後も新成人人口は減少傾向で推移し、平成37年(2025年)には110万人を下回ると見込まれている。

30代の女性の出産数が増えたことで、合計特殊出生率(一人の女性が一生のうちに出産する子供の平均数)が2012年から上昇に転じているが、その数値はわずか1.44であり、人口維持のために必要な合計特殊出生率2.07には遠く及ばず、人口減少を解消する数値にはなっていない。

これは日本の人口減少がさらに進むという意味であり、生産労働人口が減って、様々な産業の人手不足がさらに深刻化するという意味にもつながる。この問題がAI・ロボットの進化により解決に向かうだろうか?

人工知能を持ったロボットで代替できる仕事も多いだろうから、その開発は大いに期待したい。ただし全産業がロボットで代替できるとは限らず、人の確保はより重要になることも間違いがない。

介護の分野でも、見守りロボットは実用化が進んでいるが、実際の介護行為を代替できる人工知能ロボットは存在していない。力の必要な行為と巧緻性が必要な行為が混在する介護という仕事を、個別のボディメカニズムに配慮した形でそれぞれの動作をつないで、一連の介護支援という行為につなげることができる介護ロボットが完成するのはいつのことになるだろう?それが開発できたとして、一般市民がそれを使って介護支援を受けられるコストになり得るのだろうか?まだまだ気の遠い話である。

しかも高齢者介護支援ということに限って言えば、我が国の人口ピラミッドには大きな問題が存在している。

日本の出生数と出生率1900-2010
社会保障に関連して、地域包括ケアシステムの構築と深化の必要性が叫ばれている一番の要因は、1950年代に生まれた団塊の世代の人々が65歳に達した2015年、その方々が後期高齢者となる2025年を見据えて、この塊(かたまり)の人々をどう支えるかという視点が主眼となっている。

その方々が90歳となって、徐々にその数が減っていく2040年ころまでが、高齢者介護の正念場であると指摘する向きもある。しかし2040年以降、高齢者の数がどんどん減る中でも、介護業界の人手不足の問題は解決しないどころか、その問題はさらに深刻化する。

なぜなら現在、団塊の世代の人々が介護支援を必要な状態になりつつあると言っても、団塊の世代の人々を支えるもう一つの塊が人口ピラミッドの中に存在しているからだ。それは1970年代の第2次ベビーブーム時代に生まれた人々であり、団塊の世代の数より少ないと言っても、団塊の世代の人々が高齢期になっている時期に、生産労働人口として一定の塊となって存在しているのである。

しかし2040年以降、団塊の世代の人々の数が急激に減る中で、その第2次ベビーブームの世代の人々が70代になってくるわけだが、その塊を支える塊は存在しない。第3次ベビーブームが存在していないからだ。

そうなると204年以降、介護事業者の数は減少することになり、廃業する介護事業はの数も多くなるが、少なくなった介護事業者で働く従業者を探すことは、現在よりされに難しくなるということになる。

事業者数が減るから、人材確保・人員確保の問題も解決することにはならないのである。これは極めて深刻な問題である。その解決に有効な回答は、いまだに示されていないというのが実状だ。
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プラス改定とモデル事業に隠された国のメッセージ


来年度の介護報酬の改定率は全体でプラス0.54%となるが、それを正式に決定した12/18の麻生太郎財務相と加藤勝信厚生労働相の折衝の中で、マイナス0.5%程度の適正化を断行することでも一致していることを忘れてはならない。

つまり引き下げるサービスと引き上げるサービスをトータルでみてプラス0.54%とするという意味である。これに関連しては12/21の第17回経済諮問会議がまとめた工程表で、介護報酬改定の方向性として下記の2点が明記された。

○ 身体介護・生活援助の報酬にメリハリをつける

○ 通所介護など各種の給付の適正化を実施する


訪問介護の生活援助は、これ以上単価を引き下げると、サービスの担い手がいなくなるという懸念も示されているが、今回は生活援助サービスを提供できる資格者の要件を緩和し、130時間の初任者研修より短い研修を創設し、この修了者もサービス提供できるようにする。つまりボランティアができる程度の知識と体力がある人に、生活援助サービスを実施を担ってもらえるようにして、報酬単価を引き下げるわけである。悪い言葉を使えば、元気な高齢者の小遣い稼ぎとしてできるサービスに生活援助を貶めるというわけである。

通所介護も大規模事業所の報酬を下げるだけでなく、サービス提供時間単位を1時間ごとに細分化することで実質、報酬削減を狙っている。また小規模デイが下げられないという保障もない。Barthel Index(バーセルインデックス:ADL評価法)による一定期間内の利用者の機能回復や維持に対する評価加算を算定できない事業者は非常に苦しい経営状態に陥る可能性が高い。特にサービス提供時間が4時間程度のリハビリ特化型デイサービスは、大きな報酬ダウンとなる可能性が高い。(参照:リハビリ特化型デイサービスは国の覚えがめでたくない)

そもそも通所介護の報酬構造は、すでにすべての加算を算定しないと、将来にわたって収益を確保することは難しくなっているのだから、18人までしか受け入れられない地域密着型通所介護の経営戦略は破綻している。今収益を挙げていたとしても、1日18人しか加算算定できない事業で、10年職員の定期昇給を行いながら収益を挙げ続けることは不可能だ。地域密着型通所介護は顧客数を増やし、1日でも早く都道府県指定の事業に変更していくべきであり、月450人以上の顧客確保を目指していかねばならない。

昨年度の経営実態調査で、通所介護より収益率が高かった通所リハビリも報酬削減が予測される。特に3時間以上の通所リハビリテーションの基本報酬について、同じ時間、同等規模の事業所で通所介護を提供した場合の基本報酬との均衡を考慮した見直し案が示されているので、通所リハビリもサービス提供時間区分が1時間ごとに細分化されたうえで、報酬ダウンとなる可能性が高い。拡大・緩和されるリハビリテーションマネジメント加算の新要件に対応して、この加算を算定しないと経営状態が厳しくなるだろう。

ただし通所リハビリについては、短時間リハビリの基準要件緩和が図られるほか、小規模多機能型居宅介護利用者も、短時間リハビリに限って通所リハビリの利用を認めるよう要件緩和が実現される可能性が高く、顧客確保の間口が広がることから、経営戦略上大きなサービスとなり得る。ここの部分の事業戦略見直しも必要だろう。

今回見送られた混合介護については、訪問介護をメインとしたモデル事業が実施される。その内容は、要介護高齢者等と同居する家族の分の調理や洗濯、ペットの世話、庭の手入れ、電球の付け替え、日用品以外の買い物、長時間のコミュニケーションなどを連続的、あるいは一体的に提供していくというものだ。自費による外出支援をフレキシブルに組み合わせる形も試す。見守りのためのICT機器を上乗せ料金で導入・運用するサービスもテストする。

そのためにモデル事業では、保険外サービスの提供計画を別途作り、利用者の同意を得ることも求める。この提供計画をケアマネと共有することも義務付けるとともに、実地指導やケアプラン点検に取り組む。利用者保護の規定を盛り込む契約書も必須とされ、関係者と協議して標準的な様式を定めることとしている。

さらに再来年度以降になれば、デイサービスのサービス提供時間内の買い物支援や、ヘルパーの「指名料」の実験などにも発展していくとされている。

これらは国が介護事業者に送るメッセージを含んだものだ。

それは介護事業者は、いつまでも保険給付事業だけに寄りかかって、食っていくことはできないぞというメッセージである。
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介護人材確保策は機能するか


介護事業経営を考えるとき、最大の経営リスクは事業を支える基盤となる人材を確保できなくなることだ。

社会保障費の削減策の中で、介護給付費が厳しい単価となって、収益が挙がりずらくなることも経営リスクの一つであるが、保険給付費という財源があり利用者ニーズがある限り、経営者の手腕で収益を挙げる事業経営戦略を立てることは可能である。しかしいくら適切な事業戦略を立て、それを実現するノウハウを持っていたとしても、事業経営者一人だけで介護事業は成り立たず、それを支える人材が必要になる。人材を確保し、適切な人員を配置することが、今後の介護事業経営上、最も重視されねばならない。

しかし深刻な人材枯渇を顕著に表しているのが、介護福祉士養成校の入学者の激減具合である。学校数が減り、残った学校でもクラス数が減り、さらにそのクラスの定員が埋まらないという専門学校が、全国そこかしこで生まれている。

そんな中で政府は、昨年末の12/22に2兆8,964億円を追加歳出する補正予算案を閣議決定し、その中で介護福祉士の養成校に通う学生を支える既存の「修学資金貸し付け制度」の財源が底をつかないよう、新たに14億円の原資を積み増しすることを決定した。

この貸付制度は、入学する際に20万円、通学期間中に毎月5万円、卒業する際に20万円(就職準備金)を受けられもので、他の業界に就職すると返済しなければならないが、国家資格を取って現場で5年以上働けば全く返さなくてよいというものだ。この制度を利用して、介護福祉士養成校に入学してくれる学生が増えることを期待したいが、残念ながら現状を見ると、この貸付制度を活用して介護福祉士養成校に入学しようとしているのは、外国人の留学生が主で、日本の高校生等の介護福祉士養成校への入学志望者が増えているという現状はない。

この制度を使って介護福祉士となる外国人留学生が増えることだけでも、それなりに意味があるのではないかと考える人もいるだろうが、日本の介護人材確保策を考えると、それはほとんど意味のないことである。なぜなら「留学生の増加は人材難を救うか?」で指摘しているように、多くの留学生は、日本の学校で勉強して資格を得て、その資格を生かして日本の介護サービス事業者で働いて、ある程度の技術を身に着けた後は、母国に帰って日本で身に着けた介護知識と介護技術をもって、母国の介護ベンチャーなり、介護リーダーとして働きたいという動機づけを持った人たちであり、一時的な人材対策にしかならないからだ。(※この部分は、来週のブログ記事で詳しく解説したい。)

介護難民が生じないための介護人材確保を考えると、日本人の若者たちの中で、介護の職業に就きたいと思う人たちをもっと増やす対策が必要不可欠である。それを阻害しているのが、高校の進路指導の在り方である。

介護福祉士養成校に入学して通うための奨学金がいくら充実し、返済の必要もないからといっても、養成校を卒業した後に就職した後に、将来に不安のない収入が得られないとして、介護福祉士の仕事がいまだに、「将来性のない仕事」であるというレッテルを張られ、進路指導の担当教員が、介護福祉士養成校に入学する学生に対し、考えを変えて進路を選びなおすように指導されている。その状況が変わらないと、日本の介護人材確保策は実効性のないものとならざるを得ない。

この状況を変えるためには、介護労働で得られる収入を改善して、介護職員という職業に将来性がないというイメージを払拭せねばならない。

本年10月から実施される、政府パッケージによる介護福祉士の月額8万円の給与改善策は、その切り札になるだろうか?

介護職員の給与は全産業平均と比較すると月額8万円低いと言われているので、政府パッケージによりこの差はなくなるわけである。しかも介護職員の多数派である女性だけを取り上げれば、現在全産業平均との差額は−2万円だから、むしろ全産業平均給与より月額6万円高くなるわけである。

そうであれば、このことは介護福祉士を目指そうとする学生が増える動機にもなるし、他産業の他職種から介護福祉士を目指そうとする動機づけにもなりそうなものである。

しかしこの月額給与改善8万円というものは、1事業所で10年以上継続勤務している介護福祉士がベースになっているもので、介護福祉士養成校の来春卒業者が、介護事業者に就業した途端に、現在より8万円多い給料が保障されるものではない。他産業からの転職者も、転職先で10年以上働いてやっとそのベースに達するの過ぎない。

しかも就業途中で、別な事業者に転職した人は、転職した年からさらに10年かけて、政府パッケージのベースに達するというもので、案外気の遠くなるような給与改善策であると言えるのではないだろうか。

そう考えるとこの政府パッケージは、現在介護職員として就業している人が、その事業所で働き続けるという動機づけに結びつき、介護職員の定着率の向上には結びつくであろうが、このことで介護福祉士を目指そうという若者が増えるかといえば、首をかしげざるを得ない。

修学資金貸し付け制度も、政府パッケージによる給与改善策にも、どちらも人材対策としてある程度の機能は果たすと評価しても良いだろうが、このことで人材確保に結びついて、将来に不安のない状態で介護サービスが国民全体に提供できるとこにはならない。もっともっと対策が必要なのである。

それはなぜかということについては、来週以降のブログ記事で論ずる機会があるだろう。
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介護作家と呼ばれてもおかしくない日々


正月も三が日が過ぎて、そろそろ日常モードに切り替えが必要になる。このブログも、今日から通常の更新モードに入ろうと思うが、今日のところはアイドリング運転から始めるといったところか・・・。介護に関連した情報や論評については、明日から本格的に取り掛かろうと思う。

世間でも今日4日が仕事始めという人が多いのだろう。僕も昨年までは、毎年4日が仕事始めであったが、今年はフリーランスとして活動しているので、仕事納めも仕事始めもないといった感覚である。

現在機関誌やインターネットサイトに、連載を7本抱えているので、その原稿の〆切は年末年始に関係なくやってくる。一番近直の原稿締め切り日は今日であり、大晦日から今日までにあわただしく原稿執筆〜推考を行い、何とか完成させて先ほどメールで原稿を入稿した。

しかしそれにほっとする暇はなく、別の連載原稿の〆切日が複数本迫っているので、新たな原稿執筆にかからねばならない。エンドレスの作業であるが、これも生活の糧を得る手段の一つなので、精神を集中して作業に取り掛からねばならない。そしてその合間に、講演ファイルを作成しているのが、現在の日常だ。

それにしても年末から正月にかけての期間は、作家業にとっては執筆作業がはかどらない期間であった。何かとあわただしい雰囲気は、執筆作業に集中できない精神状態をつくるために、筆は全く進まない。それに加えてお酒を飲む機会も増え、元旦などは昼間から杯を口に含んでしまう。当然、酒気を帯びた状態で書いた文章は世に出せるものではないために、1日いっぱい執筆作業ができない状態となる。2かと3日は、朝からテレビにかじりついて、箱根駅伝を観戦し続けたいという誘惑にかられる。

そんな中でも執筆作業を続けて〆切を守って原稿を入稿し続けているのだから、合格点はもらえるのではないだろうか。

なお現在連載中の冊子及びインターネットコラムは、以下のとおりである。

現在連載中の新聞・冊子について
・ヒューマン、ヘルスケアシステム社「シニア・コミュニティ」に、「介護福祉道場あかい花発 masaの声」連載中。
・日総研出版「地域包括ケアを担う施設ケアマネ&相談員」に「masaの相談員雑感」連載中。
シルバー産業新聞に、「施設サービスは、どう変わっていくか」連載中。
・日総研出版「エンド・オブ・ライフケア」(2017年1月創刊:隔月刊)に、「死を語ることは愛を語ること」連載
・日本医療企画「介護ビジョン」に2018年1月より連載開始。

インターネット・サイトへのコラム連載について
ユープラスmasaの介護・福祉よもやま話
CBnewsマネジメント快筆乱摩・masaが読み解く介護の今

このほか単発の原稿依頼を受けたり、監修依頼を受けたりしている。北海道介護福祉道場 あかい花のサイトではそれらも紹介しているので、是非参照いただきたい。

今年も介護業界は厳しい逆風の中で運営を行わねばならない。人材枯渇・人員不足の問題はより深刻化していく。

そのような厳しい情勢の中でも、サービスの品質保持に努め、利用者の暮らしを支え守り続ける介護の在り方について、様々な角度から情報発信を続けていく所存なので、今後ともよろしくお願いします。

何か意見や依頼がありましたら、いつでもお気軽にメールください。
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2018年の年頭に際して


ブログ読者の皆さん、明けましておめでとうございます。2018年が皆様にとって幸多い年になることをお祈りしております。

今年もこのブログは、僕の魂の叫びを書き続けます。そのためずいぶん乱暴な内容となることもありますが、それでも良いと思う人のみ、このブログをご愛顧ください。

それはこのブログは僕の心の叫びを吐き出す場所として個人的に設置している場所だからです。僕自身は読み手が増えることを求めてはいないし、誰からも読まれなくても構わない場所であると思っています。ですから読者に媚を売る内容は書きません。

この場所は、自分の意見の垂れ流し状態であって良い場所にしています。毎日、思いつくままに10分〜15分程度の時間でまとめているだけですので、文章を推敲している暇もありませんし、誰かに気を使っている暇もありません。自分の魂の叫びを自らの言葉にしているだけの内容です。なぜなら熱い思いを心の中だけにしまいこんでしまえば、僕はいつか自分の身を焦がしてしまうような気がするからです。そのことを理解してくれ方のみ、この場所を訪れてほしいと思います。

さて介護業界は一段と厳しい時代に向かっていきます。介護報酬はプラス改定だと言っても、人件費の高騰などの経費増加で、報酬アップ分で介護事業者の収益が増加する構造にはなっておりません。しかもアウトカム評価の流れから、基本サービス費は下がり、新加算を算定しないと収益が大幅に下がる事業者が多くなります。

そんな中で、事業の基盤となる人材をどう確保するのかという課題について、それを克服できる明確なビジョンは示されておりません。本年10月に予定されている政府パッケージによる勤続10年以上の介護福祉士の月額8万円の給与改善策は、いままで政府が行ってきたどの人材対策にも増して効果が期待できるものと考えますが、それだけで全事業者が必要な人材を確保できる環境にはありません。それだけ労働者の絶対数が足りないからです。

僕はその課題を克服するために、「人材確保と定着のための人材育成策」という内容でも講演を行っていますので、どうぞお気軽に講演依頼をしていただければ幸いです。ご相談は「北海道介護福祉道場 あかい花」のサイトから、直接メールもしくは電話でお願いします。(その他の講演内容も、こちらで確認してください。)

ところで人材育成に関連して、東京のユアハウス弥生の取締役で、NPO法人もんじゅの代表でもある飯塚裕久氏が副学長を務めるKAIGO LAB SCHOOの2期生の卒業が間近に迫っております。

しかし、KAIGO LAB SCHOOL自体が多くの方の善意によって運営を続けており、助成金なども受けていないため、この修了式のための費用が足りていません。これからもこのKAIGO LAB SCHOOLの取り組みを続け、同じように学び・成長していきたいと考える次の世代へバトンを繋ぐために、ぜひ皆様のお力をお貸しいただけませんでしょうか?

介護の未来を変える!次世代からの提案を多くの方へ届けたい!」にて支援金を募集しております。次代の介護をしょって立つ若者に力と勇気を与えるためにも、是非ご協力をお願いします。

ちなみに2/6の卒業式には、僕も会場までかけつけてお祝いしたいと思っております。
介護の誇り



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街も暮れゆく


日中の最高気温が20度に達した沖縄県名護市での講演を終え、昨日午後の飛行機で北海道に帰り、降り立った千歳空港の午後5時30分の気温は氷点下3度だった。日本は広い。

そういえば南国の沖縄では「紅葉」の季節はないそうである。そうした常緑の沖縄では、桜祭りが1月に行われるというのにも驚く。

こんなふうにして今年も日本全国をまわり歩いて講演を行い、様々な人々との出会いがあった。そんな旅の中で思うことは、南北に長い日本では、その地域地域で様々な慣習があり、暮らしがあるということだ。

地域包括ケアシステムとは、そうした地域の慣習や、そこで暮らす人々の日々の営みを護ることを目指すものでなければならない。そのシステムがお題目に終わってもならないし、その言葉が給付制限の方便として使われることがあってはならない。

そのためには徹底的に人を見つめ、人を思い、人を護ることが、我々対人援助に携わる者の使命だということを自覚しなければならない。保険・医療・福祉・介護は、経営主体の目的が達せられるために存在するのではなく、この国に暮らす人々の命と暮らしを護るために存在するのだという根幹となるものを揺るがせてはならない。

我々のミッションとは、事業者が潤うこと以前に、支援を受ける人々がこの国で幸福な暮らしを送るということが実現するためのものである。勿論、経営母体の基盤が揺らいでは、支援行為自体が成り立たないので、収益を上げながら経営を続けるためのミッションも必要になる。しかしそれが利用者の生命や生活の質に優先されるものではないことを自覚せねばならない。

残念なことに介護業界には、事業者目標さえ達せられれば、利用者の暮らしの質などどうでもよいと考えている人も存在する。科学的根拠のない理論を普及させるために、利用者の悲哀を無視して、根拠のない行為を続けている事業者も存在する。竹内理論による大量の強制的水分摂取は、その最たるものである。しかし今月22日にNHKがその欺瞞的理論を紹介する番組を放送した。これによって水分の大量摂取が行われて命を落とす人が出てくるかもしれない。NHKはその責任をとれるのだろうか?

脱水によるせん妄は、脱水状態でなくなれば改善するだろうが、大量の水分摂取で認知症が治ることなどありえないことがなぜ理解できないのか。アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が壊死して症状がおこるのであり、脳細胞が再生しないのに、どうして水分摂取で認知症が改善するなどと言うインチキ理論がまかり通るのだろう。

その番組内容を批判したスレッドが、表の掲示板に立っているが、今更こんな議論がされることが残念である。洗脳介護とはかくも恐ろしいものである。

竹内理論による洗脳介護、そこで行われている人権を無視した強制水分摂取は虐待そのものである。そうしたことを行わずとも、認知症の方々の行動・心理症状は改善することは、カンフォータブルケアの実践でも証明されている。

竹内理論の実践としての、利用者を引きずり回す歩行介助や、舌を血豆だらけにして無理やり口をこじ開けて行う水分摂取は、利用者の家族には見えない場所で密室化されて行われる。カンフォータブルケアの実践は、誰にでも目が届く場所でオープンに行われる。どちらが優れた実践なのかということは、今更言うまでもない。

こんな間違った介護方法がこれ以上広がらないように、科学的根拠に基づいた介護の方法論が浸透するように、来年も僕は全国をまわって伝え続けていくだろう。

介護の質を護る実践論を伝え続けていく。2/24(土)は福岡で、2/25(日)は岡山で、「介護施設・事業所で虐待を発生させない〜介護サービス質向上の具体策」を行う予定である。

人々の暮らしを護る介護実践の具体策を示すセミナーに、是非たくさんの方においでいただきたい。1月に入ったら、このセミナーに備えて是非2月の勤務調整を行っていただき、多くの皆様に参加していただきたい。ぜひよろしくお願いします。

介護の仕事に携わっている人は、年末年始に関係なく働いている方が多いだろう。今日が仕事納めという人もいるかもしれない。僕は2/1まで講演を一時お休みするが、1/4に締め切りとなっている連載原稿の執筆をはじめ、原稿書きで予定が埋まっている。皆さんも体に気を付けて新年を迎えていただきたい。今年のブログ記事は、今日を書き納めにする予定である。

新年は元旦から記事更新する予定であるが、大晦日の酩酊具合によっては予定を変更するかもしれない。

それでは読者の皆さん、今年も僕の拙いブログ記事を読んでいただき心より感謝申し上げます。どうぞ良い年をお迎え下さい。


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未来(つぎ)の空へ・那覇空港より


沖縄に、「行逢りば兄弟 (いちゃりばちょおでぇ)」という諺がある。その意味は、「出会う人は兄弟のようになるもの」というものである。同時にこの諺には、「一期一会」という意味が含まれているそうである。

今年最後の講演の旅となった、沖縄県名護市講演でも、またいくつかの新たな出会いがあった。

株式会社コスモエンジェル北島社長と
今回講演を主催された株式会社コスモエンジェルの北島社長とは、株式会社はっぴーライフの辻川社長から紹介していただき、今回の貴重なご縁が生まれた。それは僕にとって今後にもつながっていく得難いご縁となった。

玉城さんと
名護中央公民館に来ていただいた受講者の中には、かねてからフェイスブックでつながっており、友達のようにコミュニケーションを交わしていながら、一度もお会いしたことがなかった竜ちゃんこと玉城竜一さんもおられた。今回念願かなって初めてお会いできた。

また数年前に茨城県石岡市で講演を行った際に、わざわざ沖縄から駆けつけて受講してくれた友寄さんとも数年ぶりに講演会場でお会いできた。今度僕を浦添氏に呼びたいと声をかけていただいた。ありがたいことである。

その他、多くの初対面の方々から声をかけていただいた。それはこの世で縁を結んで、つながることができたという意味だと思う。それらはすべて僕にとって何にも替え難い貴重な財産である。

僕はこれから伊丹空港経由で北海道に戻る予定だ。次の講演予定は2/1の岩手県一関市講演の予定で、それまで自宅のある登別で、「北海道介護福祉道場 あかい花」の活動に専念しながら、連載原稿の〆切に間に合うように執筆活動に力を注ぐ日々がしばらく続く。

それにしても今年もたくさんの人々と出会い、素敵な交流ができ、貴重な縁を結ぶ日々が続いた。本当に忘れがたい一年となった。

この縁を大切にして、来年に向かって新しい空に羽ばたいていきたい。

今日ひとまず沖縄にサヨナラするが、さよならは哀しい言葉ではない。また巡り合うそのときまで、いきのもがかりのエールを聴きながら、新しい年に向かっていこう。
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介護支援専門員の責務


僕はかねてから、介護支援専門員の誕生によって、日本の福祉の底辺は確実に底上げされていると考えている。

特に居宅介護支援事業所ができ、そこに所属する介護支援専門員が、居宅サービス計画作成担当者として地域の要介護高齢者の、「担当者」として存在していることは重要な意義がある。それは地域で暮らしに営む要介護高齢者にとって、自分に何かがあれば、いつでも相談でき、いつでも駆けつけてくれる介護の専門家がいるという意味で、これほど心強いことはない。

3.11のときも、地齋地では要介護高齢者の「担当者」である介護支援専門員の獅子奮迅の活躍があった。自分や家族が被災しているにもかかわらず、自分が担当する利用者を探して、避難所を訪ね歩く介護支援専門員の姿が見られた。その中には、家族の安否が不明であるにも関わらず、自分の担当利用者の安否を確認しようと、被災地を駆けずり回っている人もおられた。

家族を失って泣きながら、被災地で支援業務を続けている人々の姿を見ると、ただただ頭が下がる思いで、かける言葉さえ失った。そんな素晴らしい対人援助の専門家を誕生させたのが、介護保険制度という制度でもある。

しかし昨今のケアマネジメントの質議論でも問題になることだが、日本の福祉の底辺を引き上げる原動力になっている介護支援専門員がいる反面、利用者の暮らしより事業者の利益優先の仕事しかしてくれない介護支援専門員も存在することは事実だ。

とくに利用者が連絡をとろうとしても、様々な理由をつけて、なかなか連絡が取れない介護支援専門員がいたりして、利用者が困惑している状況がみられる。連絡が取れない理由も様々であるが、中には職場の会議中であることを理由にして、利用者からの電話連絡を取り次がない事業所がある。

しかしこれは法令違反である。

指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年7月29日付け老企第22号)の、2人員に関する基準、(1)介護支援専門員の員数
介護支援専門員は、指定居宅介護支援事業所ごとに必ず1人以上を常勤で置くこととされており、常勤の考え方は(3)の[1]のとおりである。常勤の介護支援専門員を置くべきこととしたのは、指定居宅介護支援事業所の営業時間中は、介護支援専門員は常に利用者からの相談等に対応できる体制を整えている必要があるという趣旨であり、介護支援専門員がその業務上の必要性から、又は他の業務を兼ねていることから、当該事業所に不在となる場合であっても、管理者、その他の従業者等を通じ、利用者が適切に介護支援専門員に連絡が取れる体制としておく必要がある。

いかなる理由があろうとも、事業所に介護支援専門員がいる場合、営業時間中は「相談等に対応できる体制」でなければならず、「重要な会議」を理由に、電話を取り次がないことは運営基準違反である。ましてや営業時間中に、事業所に不在であるからといって、連絡方法も不明という状態は許されないのである。

事業者や介護支援専門員からみれば、とるに足らない理由であったとしても、直接電話連絡してくる利用者にとっては、それは重要な問題であり、即応していほしい状況が存在しているのである。その気持ちにより沿うことが、ソーシャルワーカーたる介護支援専門員に一番求められる姿勢であり、その気持ちを忘れてしまっている状態は、介護支援専門員としての重大な欠陥を抱えている状態といっても過言ではないだろう。

この国にとってなくてはならない有資格者である介護支援専門員として、その仕事の誇りを胸に地域で活動するためには、一番大切なのは地域で暮らす一人一人の住民であり、自分が縁あって担当する一人一人の利用者の暮らしを護るということが何よりも優先されるという基本を忘れないでほしい。

不安な気持ちになったときに、いつでも相談できる誰かがいるということが、いかに心強いことかということを理解すれば、利用者からの連絡に「取るに足らない相談事」などありえず、利用者にとってそれは、いついかなる時でも重要な相談事であると考えてほしい。

そういう介護支援専門員がいることによって、要介護高齢者の方々は、今日も安心して地域の様々な場所で暮らしを営み、心安らかに新年を迎えられるのではないだろうか。
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続・変わりつつある働き方


僕は今、羽田空港で、この記事を更新している。

今朝7:10東室蘭駅発のJR特急に乗って新千歳空港に向かい、10:00発の便で羽田まで飛び、これから沖縄に向かう予定だが、出発が25分ほど遅れている。

沖縄に初めて行ったのは、介護保険制度創設の前の年である1999年のことであり、その時は沖縄で行われた全国老施協の研修会に参加するためだった。今から8年前には、那覇市とうるま市で3講演を行ったことがある。それ以来の沖縄で非常に楽しみにしている。

勿論、今回も遊びではなく仕事である。明日名護市で講演を行うための前日入りである。年末のこの時期に、僕の講演を聴きに、会場にお越しいただく皆様には感謝の気持ちでいっぱいである。明日会えることを楽しみにしています。

さてそれはさておき、「人材が集まり定着するための新しい働き方」に関して昨日の記事の続きである。

介護施設等で働く職員のうち、特殊技能がある職員については、本業に支障のない範囲で、その特殊技能を生かして副業を行えるように支援するのが、人材が集まり定着する職場づくりの重要な要素の一つとなっていくだろう。

国もこのことを推し進める改革に着手している。

12/20厚生労働省は、企業が就業規則を制定する際のひな型となる「モデル就業規則」について、副業を認める内容に改正する案を有識者検討会に提示した。現在は副業を原則禁止としているが、事前に届け出を行うことを前提に副業ができると明記した。中小企業のなかには自社の就業規則にモデル就業規則を転用する場合も多く、一定の普及効果を見込んでいる。具体的には、現在のモデル就業規則にある「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を削除した上で、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」との規定を新設し、2017年度中に改正する。
 
政府が3月にまとめた働き方改革の実行計画でも、副業・兼業の推進を掲げており、今回のモデル就業規則の改正も、この流れの中にある。

副業を認めた際に、長時間労働とか労務管理はどうなるのかという問題があるが、僕が推奨する副業・兼業とは、本業を持つ人がその本業とは別に、本業に支障がない範囲で個人事業主として副業を行うというものだ。

本業、副業とも雇用されている場合は、合算して労務管理し、あとで雇用契約を結んだ方が労務管理を行うことになるが、副業部分が個人事業主であれば、管理職と同様で労基法の対象外である。自分の働きたい範囲で、働くことができる時間のみ、自分の判断において副業を行い、確定申告を行うだけでよいことになる。勿論、そのような副業が可能となるためには、顧客ニーズにマッチした能力が必要になることは言うまでもない。

例えば介護職員の中には、本業のために特別な資格や能力を獲得しようと努力している人も多い。アロマセラピーや、高齢者の健康維持・身体機能維持のためのヨガの指導をできる人材もいる。セラピストの中には、自立支援のための独自の運動や高齢者支援方法を編み出した人もいる。

それらの人々は、本業の業務の中で利用者支援の一環として、そうした活動を行っているが、そうした支援活動を欲する人は事業所内にとどまるとは限らない。そうであればそうした資格や能力を生かした活動を、本業の利用者だけではなく、広く地域住民を対象に行ってもよいだろう。

昨日指摘したように、コーチングができる介護リーダーは、外部講師ができるのだから、各地で開催される介護研修等の講師役を積極的に勤めれば良い…

そこで「参加料」とか「指導料」もしくは「講師料」いう形で報酬を得ることはまったく構わないわけである。当然その活動は公休の日や、勤務時間外に行ってもらうことになるし、そうした副業によって本業に支障が来すことがあってはならないという前提条件は守ってもらわねばならない。

しかしそれさえ守れば、副業は自由であるし、むしろ積極的にその活動を応援しても良い。例えばその活動のために、介護施設の地域交流スペースを無料で貸し出しても問題ないだろう。本業の職場全体で、そうした人々に場所と機会を与えるという便宜を図ることは推奨されてよい。

特殊技能や特殊能力を持つ人、コーチングできる現場リーダーが、このように職場を超えた活動が可能になり、そのことによっていくばくかの報酬も得られるとしたら、このことはそうした能力を身に着けようという動機づけにもなるし、そのことは本業の中でのサービスの品質向上にもつながるだろう。同時にそうしたスキルを大事にしてくれる職場で働きたいという動機づけにもつながるし、そうした職場で働き続けたいという思いにもつながっていく可能性は高い。

どちらにしても副業禁止などという過去の亡霊のような縛りにとらわれて、柔軟な発想ができなくる経営方針では、人材が枯渇する時代に、他の事業者と差別化を図って人材を確保し続けることは不可能になる。

そういう事業経営者を、我々は無能と呼ぶ。
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変わりつつある働き方


保健・医療・福祉・介護の事業経営を考える際に、一番の経営リスクは事業を支える人材がいなくなることである。

経営者がどんなに有能であっても、事業収益を挙げるための素晴らしい経営戦略を持っていようとも、適切な人材を確保し、必要な人員を定着させて事業運営していくという方策や見込みがない限り、その事業者は常に経営危機にあると言ってよい。

ではどのようにして人材を確保、定着させていけばよいのだろうか。

例えば来年の10月以降、一つの事業所で10年以上勤続年数がある介護福祉士に月額の平均で8万円相当の賃上げを行う「政府パッケージ」は、介護人材確保の方策としては一定の効果があるだろう。方向違いの人材確保策してしてこなかった日本政府が、初めて有効な人材確保策を示したと言えよう。

しかしそれでも全事業者の人員不足が解消することにはならない。それだけ我が国の生産労働人口の減少は深刻で、かつ夜勤を伴う肉体労働に対応できる体力のある人材がますます少なくなっていくからである。

その中で他の事業者と差別化を図り、人が寄ってくる事業者になろうとすれば、発想の転換が必要だ。例えば介護職員処遇改善加算で、一番高い単位加算を得るために必須とされるキャリアパスは、人が寄ってくる方策となっているだろうか?

キャリアパスとは、ある職位や職務に就任するために必要な業務経験とその順序のことを指すが、この仕組みがあるからといって、人材が育ち定着するとは限らない。例えば人によっては、職場内で一定以上の地位に立って給与が上がったとしても、その責任を考えると、そうした立場には置かれたくないと考える人がいる。

そんな人達にとって、職場内でより上位の職位や職務に就任することなどなんの意味もなく、働き続ける動機づけにはならない。

その時に、職場を超えたキャリアパスの仕組みというか、新しい働き方の仕組みがあればどうだろう。

例えば職場において重要なのは、チームメンバーを引っ張るプレーするリーダーである。こうしたリーダーがいない職場には人が定着せず、事業継続が困難となるため、必ずこうしたリーダーを育ててようとしているはずだ。その時管理職は、ティーチング(指導する)からコーチング(相手に考えさせる・気づかせる)ができるリーダーを育てるという視点が必要になる。

そしてコーチングできるリーダーが育ってきたら、その人材は職場内のコーチングにとどまらず、職場の外に向けたコーチングができる可能性を持つということにも目を向ける必要がある。つまりそうした人材は、職場外の同じ職種に向けた講師役が務まるということである。

そうした人材が存在するのであれば、その人材を職場の中だけで抱え込まず、管理者は積極的にその人材に対して、活躍できる職場外の場所を与えることを考えるべきである。リーダーのスキルを持つ人材であれば、職場の職務にとどまらず、職場外で講師役を務めつことができるという動機づけを、職場で働き続けるモチベーションに昇華できるようにすべきだと思う。

つまり職場内でリーダーとなることができる人は、外部講師もできる可能性があることをアナウンスし、実際にそうなったときには、講師として活躍してもらえるように応援すべきである。その講師業も職場の業務の一環として派遣するとかいうのではなく、職場の業務とは別に、個人の仕事として、職場の勤務時間とは別に講師役を務め、講師料も個人の収入として得られるようにすべきである。

つまり本業に就きながら、個人事業主として講師業を行うことができるような状態にすべきである。いつまでも就業規則でアルバイト禁止などと言う規定で、従業員を縛りつける職場には、人は集まらず、人は定着しないと考えるべきである。専業選任規定で、副業を禁止する就業規則など前時代的な規則だとして否定される必要があると思う。

現に国も働き方の変革にための動きにシフトしている。それは何か?そのことは明日の更新記事で具体的に示すとともに、講師業以外にも考えられる新たな働き方の具体像を示したいと思う。(12月26日の更新記事に続く

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ダブル改定から読み取る今後の医療・介護経営


毎年、全国の様々な場所で数多くの講演を行っているが、自分が講演している姿かたちがどうなっているのかを確認する機会は少ない。

自分自身が講演している様子を写真撮影することはできないから、それはある意味当たり前である。

たまたま撮影禁止ではない講演会で、受講者が撮影した画像をSNSなどを通じて見る機会があったりするが、それも稀なことである。

先週の金曜日は、岡山県津山市の社会医療法人・清風会で講演を行ったが、この講演は仙台に本社がある介護コンサル会社・オールスターLabさんの経営コンサルの一環として、法人の理事長さんや幹部職員向けに行われたものであるが、その際にオールスターLabお齋藤代表取締役に写真撮影してもらった。

社会医療法人・清風会職員研修4
社会医療法人・清風会職員研修5
社会医療法人・清風会職員研修3
社会医療法人・清風会職員研修2
社会医療法人・清風会職員研修
これだけ枚数がそろっているのは僕にとって貴重な画像である。

当日は病院・関連事業の経営の視点が求められる研修会だったので、ミクロ的には来春の診療報酬・介護報酬のダブル改定の内容を読み取りながら、今後の事業経営に必要な視点を明らかにしてきた。当然それは、事業経営を支える人材確保策・職員定着率の向上のための具体策を含んだ内容となる。

さらにマクロ的には、報酬算定方法やその内容がどう変わろうとも、制度がどう変革されようとも、医療と介護に求められる根本的なものは変わらないという視点も含めてお話ししてきた。

法人理事長さんはじめ、参加職員の皆さんは、2時間30分ノンストップの講演を、最後まで熱心に聴いてくださり、質疑応答の際も、たくさんの鋭い質問が出された。終了後は、「とても参考になる良い話だった」という声をたくさんの方からかけていただいた。

その余韻を引き釣りながら、理事長さんには夜の食事までごちそうになって、夜遅くまで熱い語りあいができた。今回も得難い貴重な人とのつながりができた素晴らしい旅になった。

介護報酬改定や介護保険制度改正、人材確保策などに関連した講演依頼も多くなっている。日程の調整さえできれば、全国どこでも飛んでいくので、敷居の高さなど感じずに、お気軽に講演依頼をしていただきたい。ご希望の方はメールか電話で直接お申込みいただければありがたい。いきなり連絡するのも、まったく失礼ではないので、是非連絡いただきたい。

講演テーマ等は、「masaの講演予定・履歴」から確認いただければありがたい。
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旅の空から〜岩手県一関市講演(2/1参加料無料)もよろしくお願いします。


この時期、日本中のいろいろな場所で、クリスマスイルミネーションの飾りつけが行われている。

昨日の午後、北海道を経って羽田経由で岡山市に入ったが、岡山空港からバスに乗ってたどり着いた岡山駅前も、きれいなイルミネーションが輝いていた。

それにしても岡山も寒い。北海道より少しは暖かくなるだろうという予測を見事に裏切られた。唯一、北海道との違いを感じるとしたら、夜明けが遅いくらいだろうか。北海道なら今の時期でも天気の良い日は、朝6:30といえば明るい日差しが降り注いでいるが、岡山のその時間はまだ真っ暗であった。

昨日と今日は岡山駅前に泊まりながら、今日の午後から津山市の社会医療法人さんで講演を行う。岡山県では今まで、岡山市と倉敷市で講演を行ったことがあるが、津山市は初めてである。岡山駅からJRローカル線で1時間弱かかる津山市は、ビーズの稲葉さんの故郷ということだが、それ以上に横溝正史の「八墓村」のヒントになった事件、「津山30人殺し事件」(故・古尾谷雅人さん主演で映画化もされた。)を思い浮かべる人も多いかもしれない。

B級グルメとしては、「津山ホルモンうどん」が有名であるが、その他の名物料理として、「そずり鍋」という豪華な鍋料理も有名らしい。こんなふうにして、全国各地の風物を知る機会を得られるのも、講演旅行の楽しいところである。

僕は明日23日に北海道に帰るが、自宅で3日間過ごした後、26日に沖縄に飛んで、27日(水)名護中央公民館で今年最後の講演を行う。すでに定員を超える申し込みがあるが、会場のスペースに余裕があるため、席をあと20席増やしたそうである。そのためまだ10人ほど参加申し込みを受け付けられるそうである。辻川社長は、今後も何度も沖縄で講演機会があると思うが、僕の沖縄講演は今回も8年ぶりであり、次はいつになるのか、はたまた次はあるのかもわからない。そういう意味でもこの機会を是非お見逃しないように、張り付いた文字リンク先からお申込みいただければ幸いである。

この講演を終えると、1月は執筆活動に専念する予定だ。現在8本抱えている連載原稿の他、来年の早い時期に日総研出版社から、「看取り介護」に関する新刊を上梓する予定になっているので、その執筆作業に本格的に取り掛かるためである。

同時に2月以降の講演ファイルも作らねばならない。制度改正や報酬改定にともなう新たなテーマの講演依頼が多いので、介護報酬の諮問・答申も見据えた最新情報でファイルを作る必要がある。ゆっくり新年を過ごしている余裕はない。

年明けの最初の講演は、2/1(木)14:30〜一関文化センターでおこなわれる介護従事者向けMotivation Up 研修にて、「介護の誇り〜職員のやる気を引き出す実践論」をテーマにした講演となる。
2月1日岩手一関講演
一関講演
高齢者や要介護認定者の増加を背景に、介護ニーズが増加・多様化する介護の場において、介護職員の人材不足が課題となっている今、介護職員の職場定着を図り、質の高いサービスを提供できる職員を育成するための研修会である。原則、一関市・平泉町・栗原市・登米市に所在する介護サービス事業所等の職員が対象だそうであるが、近隣市町村または関係団体の方も受講できるとのこと。受講料は無料、先着450名様まで受け付けるそうである。詳しくは研修名に張り付いたリンク先からチラシをダウンロードして申し込んでいただきたい。

岩手県の皆さん、会場でお会いしましょう。
2/24(土)は福岡で、2/25(日)は岡山で、介護の誇り出版記念セミナー介護施設・事業所で虐待を発生させない〜介護サービス質向上の具体策を行います。お近くの方は是非この機会にこちらをクリックしてお申し込みください。


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リハビリ特化型デイサービスは国の覚えがめでたくない


僕は今、新千歳空港のさくらラウンジでコーヒーを飲みながら記事更新している。このあと14:00発の便で羽田を経由でして岡山まで移動予定だ。明日、岡山県津山市に本部のある社会医療法人にて講演を行う予定だからである。

今回の講演は、介護コンサル会社・オールスターLabの斎藤代表から依頼を受けたもので、同社のコンサルの一環として、介護保険制度改正・報酬改定の内容から読み取る介護業界の将来像を見据えたうえで、「日本の福祉が変化する我々が覚悟を決めなければならないこと。〜 介護保険はどこに向かい、そしては我々はこれから何をして行かなければならないのか?」をテーマにお話しするものだ。

対象となる社会医療法人は、内科・脳神経内科・循環器内科・リハビリテーション科・心療内科・耳鼻科を診療科目として持つ母体病院のほか、在宅療養支援診療所であるファミリークリニックを複数持つほか、老健、通所リハ、通所介護、訪問看護、訪問介護、居宅介護支援事業所を傘下に抱えている大きな法人さんである。

今回の講演は医師の方々も多数受講されるとのことで、今後の医療・介護の情報が求められているので、少し肩の荷が重たいが、自分が持つ情報を余すことなく伝え、同時に僕なりの分析もしてきたいと思う。

当然、僕の専門領域である介護が中心の話になり、介護報酬の改定動向が講演内容の中心になるが、それはすべて診療報酬の改定ともつながっているので、その方向で話を進める予定である。

ところで同法人の介護サービス事業所として、通所介護があるが、それはいわゆる「リハビリ特化型デイサービス」であり、午前と午後で利用者を入れ替え、リハビリテーションサービスのみを提供している事業所のようである。

しかしこの形態の事業者は、今後経営戦略の見直しが必須となる。

なぜならば現在「リハビリ特化型デイサービス」として運営している事業所は、3時間〜4時間程度のサービス提供時間で、「3時間以上5時間未満」の単位を算定しているものと思われる。しかし来年4月から通所介護については、大規模事業者の介護報酬が削減されるだけではなく、サービス提供時間が2時間区分から1時間区分に変更されている。となると現行の「3時間以上5時間未満」のデイサービス区分は細分化され、「3時間以上4時間未満」と「4時間以上5時間未満」に分かれることとなり、現行の「3時間以上5時間未満」と同レベルの単位算定ができるのは、「4時間以上5時間未満」だけとなる。つまり3時間〜4時間程度のサービス提供時間となっている通所介護事業所は、減算・減収を余儀なくされるわけである。

そのため減算分を補うために、新しく評価される加算を算定することは不可欠になる。その加算とは、「通所介護の管理者が今しなければならないこと」でも指摘しているが、Barthel Index(バーセルインデックス:ADL評価法)による一定期間内の利用者の機能回復や維持に対する評価加算である。

しかしこの新加算の算定要件には、次の要件がある。

・機能訓練以外のサービスの提供を担保する観点から、利用者の求めに応じて、定期的に食事及び入浴介助を提供した実績があること

つまりリハビリテーションサービスに特化して、昼食提供や入浴支援を行っていない「通所介護事業所」については、この加算を算定できないのである。これは明らかに国が、リハビリ特化型デイに対して、「ダメだし」を行った基準である。

国は通所介護について、個別機能訓練加算を算定する事業所を推奨して、それを算定しない事業所は倒産しても良い方向で報酬改定を行っているが、同時に機能訓練は重要でも、それだけに特化した事業所も望んでいないということだ。通所介護の目的は、「利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。」であり、日常生活上の世話と機能訓練をセットで提供するのが本来の姿であることを強烈にアピールしているのが、今回の報酬改定である。

この流れは今後も継続されることと思われ、リハビリ特化型デイは、経営の岐路に立たされる可能性が高い。

そうであれば今後リハビリ特化型デイは、日常生活の世話をセットで行う一般型デイに移行するのか、通所介護の看板を下ろして、短時間通所リハビリに転換するという選択が迫られる可能性が高い。

例えば短時間デイケアは、今回の報酬改定で、医療保険のリハビリテーション利用者が、より円滑に移行できるように要件が緩和される。医療保険の脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハビリテーションから介護保険のリハビリテー ションへ移行する際に、医療保険と介護保険のリハビリテーションを同一のスペースにおいて行う場合の面積・人員・器具の共用についての要件緩和が図られることになっているのである。よって医療機関が母体となっている場合は、短時間通所リハビリに移行するのが一番メリットがあるのではないだろうか。

どちらにしても今回の報酬改定は、リハビリ特化型デイサービスに対する、国の覚えがめでたくないことを証明した結果が示されたと言えよう。
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共生型サービス創設の先に見え隠れするもの


来年4月以降、訪問介護・通所介護・短期入所生活介護の3分野で共生型サービスが創設される。

共生型サービスとは、障害者福祉サービスと介護保険サービスの垣根を越えて、高齢者と障害者をともに受け入れるサービスである。

しかし現在でも介護保険と障害福祉の両方の運営基準を全て満たしている事業所であれば、事実上の共生型サービスを実施していると言える。例えば訪問介護事業所が、介護保険と障害福祉サービスの両方の指定を受けることで、高齢者と障害者に対し訪問介護サービスを提供して、それぞれの制度から既定の報酬を得ているという事実がある。これも共生型サービスといえなくもない。

来年度からはそうした形態だけではなく、介護保険もしくは障害者福祉サービスのどちらかの指定を受けていれば、原則として共生型サービスとして認め、報酬はそれぞれ対象となる制度に請求することになる。この場合、基準を満たしていない方の報酬は通常の水準とは差をつけるとされており、例えば障害福祉の基準を満たしているが、介護保険の基準を満たしていない通所介護事業所が、共生型サービスの指定を受け、要介護者を受け入れれば介護保険から給付費を得られるものの、その額は本来の介護報酬よりも低くなるというものである。障害福祉の基準を満たしていない介護保険の事業所が、障害者を受け入れるケースも、同様に元々の障害福祉の報酬より低い報酬を算定することとなる。

また介護保険の通所介護が障害者を受け入れる場合、障害福祉の基準を満たしていなくても、サービス管理責任者などの加配によって一定の専門性が保たれる体制をとっており、認知症カフェや健康教室といった地域に貢献する活動も行っていることを要件として、相対的に高い障害報酬を支払うとされており、報酬は3段階のイメージ図が示されている。

どちらにしても共済型サービス(共生型通所介護・共生型訪問介護・共生型短期入所生活介護)の中では、介護保険の被保険者とそうではない障害者の方々が、同時一体的にサービスを受けることができるわけである。

このことは何を意味しているのかをもう少し深く考えると見えてくるものがある。それは制度は統合できなくとも、サービスは統合できるということである。

将来的に障害者福祉サービスは、介護保険制度と統合しようという考え方がある。これは介護保険料の徴取年齢を現行の40歳から20歳に引き下げたいという考えとリンクした統合論である。

しかし障害者の方々は、先天的な障害の方も多く、現役世代の収入がないという人も多い。そうであるがゆえに強制加入の掛け捨て保険料の負担を強いられ、サービス利用に際しても応能負担ではなく、応益負担として一律割合の自己負担が求められる介護保険サービスは、障害者サービスと比較して不利益が多い。そのため制度統合には反対の声が高い。

こうした状況から障害者団体等の反対論も根強く、両制度統合は難しい状況にあるが、制度を統合しなくとも、二つの制度の類似サービスを同時一体的に提供することは、共生型サービスによって実現されるわけである。そうであればその中で、両サービスの共通項・互換性を増やしていくという論理で、自己負担が増やされたり、給付費用が削減されたりする可能性があり、今回の共生型サービスの創設はその布石・橋頭保となり得るものである。

それは同時に、医療保険制と介護保険制度を別建てにしたままで、医療保険サービスと介護保険サービスの一体提供をも将来的に可能にするという意味である。それによって効率化を図って、抑制できる費用は、ぎりぎりまで削っていくという考え方につながっていくだろう。

よって共生型サービスとは、決して薔薇色の未来を描くものではなく、給付抑制や自己負担増加というムチが、片方の手の後ろに隠されたものであるという理解が求められるのである。
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