masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

認知症の症状緩和に利用されている馬油の使い方について


馬油と書いて、「ばあゆ」と読む。その馬油は古来から皮膚治療等の民間薬として使われてきたほか、育毛剤としても使われてきたようだ。

馬油の不飽和脂肪酸の保温・保湿効果、セラミドの血行促進効果により肌を活性化するが、この肌を守る効果は頭皮にとっても同じである。薄毛の原因は様々だが、頭皮環境を整えるということでは馬油はすばらしい効果を発揮するらしい。神奈川の岡さんに勧めたいものだものだ・・・。

そのほか馬油には不飽和脂肪酸の美肌効果や血行促進効果があることが広く知られている。 

ところでプロ野球やJリーグ、プロテニス界、ゴルフプレーヤーなどでマッサージの際に馬油が使われていることを皆さんはご存じだろうか。

馬油には筋肉の疲労回復効果があり、疲れた筋肉に馬油を塗ることで肌の表面の血のめぐりが良くなる。血流がよくなり代謝もよくなるのである。このように馬油は「血行」と「代謝」という疲労回復に欠かせない2つの要素を促進する力をもち、マッサージオイルとして採用されているのである。特にプロのアスリートには、運動する前後の両方のマッサージに馬油が使うことが効果的であるとされているほか、プレー後の疲れをとるのに、お風呂上りに馬油で全身マッサージも推奨されているところだ。

そのような馬油が、介護の場面でも使われるようになった。札幌市で行われている認知症サポーター養成講座では、馬油アロマオイルを用いて家庭で実践できるハンドケアを体験する時間が設けられたりしている。

認知症にはアロマテラピーが効果的であると言われる所以は、嗅覚の刺激に関係深いととされている。嗅覚という神経は、他の脳神経よりも再生する能力が高いことから、適切な香りによる効果的な刺激は機能を回復させやすいといわれている。嗅覚の神経が活性化されれば、海馬も活性化し、認知症の予防や行動・心理症状の緩和が期待できると言われているのである。

認知症の人に対しては、馬油を使ってハンドケアを行うことで、血流改善による新陳代謝改善等の体質改善、精神の安定や介護者との信頼関係の構築につながる可能性が指摘されているのである。

札幌で活動しているある介護支援専門員の方は、『新介護の時代は介護する側も癒される必要がある。認知症は20年前から発症するといわれておりその予防として世代を超えた相手と自分でハンドケアで介護の一歩をはじめてはいかがでしょう。』と馬油によるハンドケアを推奨している。

アロマオイルが馬油である利点性としては、馬油は人間の皮脂に一番近いものとされており、浸透率が高い点が挙げられる。また人の体温でとろけるように融解しニオイがなくベタつかない点も利点だ。特に添加物なしの100%馬油の場合、アロマテラピー(ハンドケア)に適しているだけでなく、乾燥肌の改善という効果も期待できる。また高齢者はオイルを塗るという経験に対しなじみが薄いかもしれないが、昔から民間治療として使われていた馬油にはなじみがあって受け入れやすいという傾向にも注目できる。

そういう意味で、馬油というキーワードは、コミュニケーションの潤滑油にもなると言えるかもしれない。

北国馬油
画像は100%純粋馬油【北海道クリスタルBAYU】という製品だが、その特長は次のように紹介されている。

・人間の皮脂に最も近い成分の為、強力な浸透力で皮膚の隙間に皮脂が満たされ潤います。
・不飽和脂肪酸(オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸)が多く含まれ皮膚に潤いと張りをもたらします。
・炎症を沈め、熱を取り去るので軽度のやけど、日焼けにも良い。
・抗酸化作用や殺菌作用がありニキビ、水虫にも良い
・馬肉は食用として用いられています。当然、馬油も食べることが出来ますので誤って口に入れても安全です。

僕は来週、5月24日(木)の午後に、神楽坂で行われる東京都社会福祉協議会主催・機能訓練指導員研修で講師を務めるが、たまたまこの試供品が手に入ったので、特養や通所介護等で機能訓練指導員として活躍されている皆さんに、それをお土産として持参したいと思っている。

それぞれの皆さんが機能訓練指導員として活動する場で、是非一度、この馬油をお試しいただければと思う。それだけ優れた効果が期待できるという意味である。

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介護報酬と診療報酬の擦り合わせ


介護報酬が3年に一度改定されるのに対し、診療報酬は2年に一度改定される。

つまり診療報酬の方が介護報酬より改定サイクルが短いということになり、それによって国が目指す流れをより早く診療報酬評価に取り込むという結果を生んでいる。すなわちそのことは改定サイクルが長い介護報酬が、常に診療報酬の風下(あるいは川下)に置かれるという意味だ。

そんな介護・診療報酬は、必然的に6年に一度同時改定となる。その時には、両者のインセンティブ(報酬)をすり合わせ、整合性をとる方向で改定されることになる。

現在国が目指しているのは、介護と医療制度の持続可能性を高めることであり、限りある財源を必要性の高いところに重点給付するために、地域包括ケアシステムを深化させようとしている。

そこでは入院治療は本当に必要な人のみとし、医療から介護への付け替えを進める施策がとられ、療養の場は暮らしの場へと移っていく。つまり療養の場で暮らしを支援する必要が生ずるわけである。そこでは介護サービスに医療が深く食い込んでくることとなり、そのために介護・医療連携が必然となる。いわば介護と医療は、それぞれの専門性の枠からはみ出して、Hybrid化(異なった要素を混ぜ合わせたもの・組合わせたもの)が求められているわけである。

そのため今回の介護・診療両報酬でも、医療機関からの退院支援に関する報酬評価が、よりしやすく、より高くという方向で議論された。

例えば介護報酬の居宅介護支援費における「退院・退所加算」については、退院後の初回のケアプラン作成を評価するとともに、すべての区分で退院時の院内カンファレンス参加を評価する改定が行われた。カンファレンスに参加してより適切な情報に基づく居宅サービス計画を立案し、退院直後のより早い支援を評価することになったものだ。

しかしこのことでは従前の診療報酬の算定ルールに問題が存在していた。それは退院した日から即使える居宅サービス計画を立案するには、ケアマネジャーが入院先からより早い段階で利用者情報を得なければならない。ところが従前の「診療情報提供料」については、入院中の情報提供では算定できないというルールがあり、退院後の情報提供のみが算定対象となっていた。

これについて今回の診療報酬改定では、退院前2週間の情報提供も算定要件となったため、ケアマネジャーは、利用者の退院前から退院に向けた医療側の情報提供を受けられるようになり、退院後の初回プランを退院日に間に合わせて作成しやすくなるというメリットが生まれた。

また情報を得る方法としてのカンファレンスについては、従前では「退院時共同指導料2」できる3者以上が参加する共同指導の場をカンファレンスとしていたが、これについては医師の参加が必須であった。そのため入院先の主治医が多忙でカンファレンスの調整困難というケースが多かった。そこで今回の改定では、「退院時共同指導料2」について、主催する医療機関側の参加者が医師だけではなく、看護師でも可とされた。これによって主治医が不在や多忙でカンファレンスに参加できない場合も、看護師参加の共同指導カンファレンスにケアマネジャーが参加し情報を得ることで、介護・診療の両報酬の当該費用の算定も可能になったわけである。

ただこの問題に関連しては、解釈通知(平成 12 年3月1日老企第 36 号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)の第3・居宅介護支援費、13 退院・退所加算についてにおいて、この加算を算定できる医療機関のカンファレンスが次のように記載されている。

(2)に規定するカンファレンスは以下のとおりとする。
イ 病院又は診療所 診療報酬の算定方法(平成 20 年厚生労働省告示第 59 号)別表第1医科診療報酬点数表の 退院時共同指導料2の注3の要件を満たすもの。


ここが問題である。平成 30 年厚生労働省告示第 59 号であれば、このカンファレンスは「注1の場合において、入院中の保険医療機関の保険医又は看護師等が〜」と医師以外の看護師が加えられているのであるが、平成 20 年厚生労働省告示第 59 号では、この部分は「注1の場合において、入院中の保険医療機関の保険医が〜」となっている。このため居宅介護支援費の退院・退所加算算定を行うためのカンファレンスは、診療報酬の算定ルールが変わっているにも関わらず、看護師しか参加しないカンファレンスでは算定できないのではないかという疑問が生じ、そのことが表の掲示板の「居宅介護支援の退院退所加算について 」で議論されている。

そのNo.12とNo.14 のレスポンス、「告示を一部改正する場合は、元の告示の番号が生きています。」・「今回の改正告示により元の告示が改正されています 」というのが真相のようで、解釈通知の文言が「平成 20 年厚生労働省告示第 59 号」であっても、最新の「平成 30 年厚生労働省告示第 59 号」の内容が反映されるということで、結果的に医師参加のないカンファレンスにケアマネジャーが参加して、退院退所加算を算定することは問題ないようである。

居宅介護支援事業所のケアマネジャーの皆さんは、このことも確認しながら、より早い段階での退院支援に努めていただきたい。

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公共ICTフォーラム2018 で語る地域包括ケア


Society5.0」(情報技術など複数の技術を組み合わせ、新たな製品やサービスを生み出すための研究)が進み、「超スマート社会」の到来が目前に迫る中、様々な分野で情報化の在り方も変化を迎えつつある。

この変化を捉え公共ICTフォーラムin東京(6/8金)と公共ICTフォーラムin大阪(6/15金)が開催される。

主催するのは株式会社・内田洋行で、内容はAIやIoT、ロボット活用などのICTの最新動向や、働き方改革、マイナンバーカード活用、教育情報化や情報セキュリティなどの地方自治情報化のトレンドをテーマに据え、先進的な取組を進めている地方自治体の事例講演の他、様々な分野での業界第一人者による講演を多数開催することになっている。

しかもこのフォーラムは、参加料が無料である。受講対象者は地方公共団体職員・教育関係者・社会福祉法人関係者を優先させていただく予定だ。

詳しい内容は張り付いたリンク先から確認していただきたいが、僕も介護分野からの情報発信として、東京と大阪の両会場で講演を行う。
(※下の画像は大阪会場のポスター:東京会場はこちらをクリックしてください。)
公共ICTフォーラム
僕の講演テーマは、「地域共生社会の実現に向けた地域包括ケアシステムの方向性〜自治体・介護現場それぞれの視点から見たしくみづくり〜」である。

この中で僕は、顧問先でもある博多の株式会社ワーコンプロジェクトが取り組む在宅看取り介護について紹介したいと思っている。IoTを活用した高齢者見守り事業を展開する螢錙璽灰鵐廛蹈献Дトは、活力センサーや心電図、血圧、サチュレーションなどが測定できる独自開発の非接触型センサー「ウォッチコンシェルジュ生体センサーシステムズ」を見守り対象者の居住空間に設置。測定値を、現場を離れた看護師など医療知識が豊富なスタッフで構成している看護りコールセンターにICTで送り、24時間体制でモニタリングする。また、宅配クリーニングや家事代行会社など民間企業と提携し、生活面も同時にサポートするなど、細やかな気配りでトータルサービスの仕組みを整えている。

さらにロボットメーカーのMJI(東京都港区、トニーシュウ社長)が開発したAIロボット「タピア」を事業に導入。AIでの簡単な会話や遠隔操作による周囲の確認、モニターを通じて顔を見ながらの通話などが可能で、大幅にコミュニケーションの領域を広げた。これらの技術を駆使することで、同社が狢2のナースステーション″となり、これまで夜間や勤務時間外にも過酷な労働負担を背負っていた訪問看護師は緊急時のみの出勤が可能となっている。これらの活動の一端を紹介しながら、地域包括ケアシステムでのICTの可能性を考えたいと思う。

6月は是非、両会場へのお越しをお待ちしております。

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フィクションは書けない


現在、機関誌・新聞・インターネット等に合計7本の連載を持っている。先週の木曜日と金曜日は、そのうち6本の今月の記事の〆切案内が届き、それに向けて執筆活動を行っているところだ。

それらの連載コーナーに何を書くかについては、編集者が指定する場合と、僕が勝手にテーマを選ぶことができる場合とに分かれている。

テーマ指定とされている連載については、その都度書いてほしい内容と共に、締め切り日が指定される場合と、半年や3月間など、ある一定期間を定めてテーマをあらかじめ複数指定される場合がある。

僕の連載を担当する冊子や新聞等の編集者は、僕の著作本やブログ記事を読んで、僕に連載依頼をしてくれている方なので、テーマの指定といっても、かねてから僕が主張している考えから遠く離れたテーマを指定してくることはない。例えば「介護サービスの割れ窓理論」を唱えている僕に対して、連載担当編集者が、「介護現場において利用者に対するため口での会話も、親しみにつながる場合は許される」などと言うテーマを依頼してくることはない。僕が主張していること、僕が書けるであろうことの中から、テーマを選んでくれる。

しかし年度が変わるときに、たまたま編集担当者が変わって、新担当者が僕の著書等を読んでいない人で、依頼すれば何でも書いてくれると勘違いしている場合は、そうではない場合がある。そんな時にぼくの考え方と違う指定テーマの依頼がされることがあるが、その場合は拒否することになる。その際には、勘違いしないようにはっきり書くことができない理由を告げることになる。

基本的に僕が書くことができるテーマは、僕が今まで実践現場でやってきたことだけであり、できもしないことを、さもできているように書くことはできないし、自分ができないことを誰かにやれともいえない。

今回も連載の一つで担当者が変わり、5月以降の半年分のテーマ依頼がされたケースがある。そのテーマのうち、いくつかは僕の主張と違うテーマであったり、僕が実践できないテーマであったので、お断りさせていただいた。

具体的に言うと、まず一つ目は「育たない職員がいた場合、リーダーはどのように対応すべきか」というテーマがあった。リーダーにどのような能力があったとしても、すべての職員が教育で育つということはない。中にはどう教育してもまったく芽が出ない人・介護人材として不向きな人はいるのだ。それをリーダーだからどうにかしろ的な論理で教育論を展開しても始まらない。きゅうりは茄子にならないのだから、育たない職員がいた場合、辞めてもらうだけの話だ。だからこのテーマで僕は執筆できない。

次に、「人が育つ褒め方、叱り方」というテーマがあった。世の中の教育本には、これと似たテーマで書かれているものがたくさんある。しかし人が育つ褒め方のエビデンスなど存在していないところを見れば、「人が育つ褒め方、叱り方」も存在していないというのが僕の考え方だ。そもそもそんな方法を僕は知らないから書けない。叱られたことを怒られたと勘違いする人は、叱る方の態度や言葉に関係なく、己の問題として勘違いする人の方が多いのだ。叱るほうに一定の法則を求めても、叱られる方の受け取り方は様々で、それは叱られる側の性格や環境に影響されるものであり、このテーマは成立しないというのが僕の考えだ。

もう一つ、「方針の変更など、大きな転換時に職員がついてきてもらうリーダーのあり方とは」というテーマがあった。これもリーダーの能力に頼りすぎたテーマだ。こんなリーダーに職員はついていくということを書いても、それは幻想だ。素晴らしい資質のリーダーも、すべての職員がそれを肯定するなんてことはなく、反対分子は常に存在するものだ。それをどうまとめていくかは、一人のリーダー論として語るのではなく、組織運営の在り方として語らねばならない。政権政党だって、すべての党員が同じ考え方ではなく、主流・反主流が反目しあいながら、ある一点でまとまるというものだ。大きな転換時に皆が同じ方向を向くのはリーダーの力ではなく、組織の力なのだ。

ということでこれらのテーマは書けないとお断りした。その際には今後のお付き合いをしていくうえで勘違いされても困るので、奥歯にものが挟まったような言い方をしたくないので次の通り書いて送った。

余りに幻想的、理想論に満ちたテーマ設定と思います。そのテーマで書ける人もごまんといますよ。でもそれすべて嘘八百。」

これで嫌われて連載が中止になっても仕方がない。自分ができもしないフィクションを書く作家ではないのである。

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市町村もつらいよな。


介護報酬改定・基準改正等への対応で、昨年度末から今日まで介護事業者の担当者は大変な思いをしたと拝察する。

しかし大変なのは介護事業者ばかりではない。市町村の職員も、介護関連事業の対応に追われて大変な思いをしておられる人が多いのではないだろうか。

なぜなら地域包括ケアシステムの構築と深化が求めらられている中で、市町村の責務が増えており、新しく市町村の義務とされた対策等について、2018年4月から発動するものが数多くあるからだ。

例えば認知症総合支援事業のメニューの一つとなっている、「認知症初期集中支援チーム」について、2018年4月から、すべての市町村に設置が義務付けられている。

また地域支援事業の包括的支援事業の一つである、「生活支援体制整備事業」も2018年4月からスタートするため、各市町村は地域課題を発見し、解決策を図るための「協議体」を設置しねければならない。この協議体には、生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)を配置し、かつ「地域住民の代表(町内会やボランティア団体等)」なども加えるビジョンが示されている。

さらに在宅医療・介護連携推進事業としての8事業が、2018年4月から全市町村でスタートする。その事業内容は下記のとおりである。

(ア)地域の医療・介護の資源の把握
地域の医療機関や介護事業所の連絡先や機能等の情報収集を行い、リストやマップなどで共有・活用できるようにする。
(イ)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策
地域の医療・介護関係者等が参画する会議を開催し在宅医療・介護連携の現状を把握・共有しながら課題の抽出、対応策を検討する。
(ウ)切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築
地域の医療・介護関係者の協力を得ながら、切れ目ない在宅医療サービス体制の構築を目指した取り組みを行う。
(エ)在宅医療・介護関係者の情報共有支援
手順等を含めた情報共有のツールやルール作りなど、それぞれの場面で医療・介護関係者間の情報が共有できるよう支援する。
(オ)在宅医療・介護関係者に関する相談支援
 医療・介護関係者の連携を支援するコディネーターを配置し、在宅医療・介護連携に関する相談に応ずる。
(カ)医療・介護関係者の研修
地域の医療・介護関係者が連携を図れるよう多職種でのグループワーク等の研修を行います。また、医療・介護の相互理解がすすむよう研修会等を行う。
(キ)地域住民への普及啓発
地域住民を対象にしたシンポジウムや講演会の開催や、資源マップやパンフレット、HPを利用し、地域住民の在宅医療・介護サービスに関する理解を促進する。
(ク)在宅医療・介護連携に関する関係市区町村の連携
複数の関係市区町村等が連携して、広域連携が必要な事項について検討する。

こんなふうにして市町村の業務も大幅に増えているわけだ。その事業がスムースに実施できるように、関係者もできる範囲で協力していかねばならない。当然そこでは所属事業所という枠を超えた多職種連携が求められてくるわけであるが、その旗振り役の市町村職員自身が、縦割り行政にがんじがらめにされて、身動きが取れないのでは、連携など絵に描いた餅にならざるを得ない。

どちらにしても地域包括ケアシステムは、市町村に下駄を預ける部分が多くなるという意味なのだから、地域間格差は確実に大きくなるので、市町村行政職員の覚悟と仕事ぶりで、地域住民の暮らしの質が左右されることを忘れてはならない。

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締まりのない体を鍛えなおす時期。


北海道の冬は寒い。外に出るのも億劫になる。そもそも雪道は滑るし道路も狭くなり、散歩するのはあまりにも厳しい環境だ。

そんなわけで仕事以外の時間は家にこもりがちになる。しかし仕事といっても、講演以外は執筆作業が主だから、どうしても机に向かってPC作業が主になる。頭脳は使うが、肉体を使う機会が減ってくる。

そんなわけでこの半年ほど体を動かす機会がめっきり減っていた。すると案の定、お腹周りにも贅肉がついて、筋肉がゆるみ締まりのない体つきになってきた。そこでしばらく放置していた体重計に乗ると、昨年の今時期より4キロも体重が増加している。

そういえばつい先日、スリーピースのスーツがなんとなくきついと思ったら、ベストのボタンがはじけ飛んだ。これはヤバイ。

というわけで今週からウオーキングを中心に運動を始めるとともに、食べる量も控えてダイエットを始めている。

僕は身長が170センチだが、今回の測定では68.2キロ。若いころは野球等のスポーツをしていたので、スピードとパワーの両方がベストになる体重を66キロと設定していたが、スポーツ競技を行っていない現在は、パワーは気にする必要がないので、健康とスタイルを考えると、その体重を何とか64キロくらいまで落としたい。それが無理としても65キロには是非ともしたいところだ。すると今より3キロ〜4キロ体重を減らさねばならない。

食事制限はストレスにもなるのであまりそれはしたくない。まったく食事量を落とさないで体重が落ちるわけはないので、昼食を今よりやや少なめにして、腹八分目を心がける。夕食の制限はしない。s酒も飲む。(※ちなみに朝食はここ3年ほど摂らないことが当たり前になっている。)

ウオーキングは雨が降らない限り毎日行い、1時間以上〜2時間程度が基本である。1日平均50g体重を減らせば2月で3キロ減だから、体にも負担をかけることはないし、目標としても決してきつくはない設定である。7月までには目標体重に達したいと思う。

しかしそれは、そうたやすいことでもなく、障壁は多々ある。特に来週以降は講演の旅が毎週続くので、運動機会も減るし、飲み食いする機会が増えるのが問題だ。僕にとって講演の旅は、仕事であるだけではなく、人と出会い、そこでおいしいものを食べたり飲んだりしながら、対人援助について語り合うという貴重な機会だ。暑く語り合える人々と一緒に飲み食いするというのは一番の愉しみでもある。その愉しみは奪われたくないので、旅の前後の家にいる時間に、いかに運動量を増やし、適度な食事制限ができるのかが勝負である。

これから夏に向けて、服装も薄着になると、締まりのない体つきはさらに目立つので、何とか頑張りたい。目標を達成するために、一昨日には買い物に出かけ、夏のスーツのインナーを購入してきた。

インナー
ビシッとしまった体にそれを身に付けているスーツ姿の自分を想像して、目標を達成できるように自らを鼓舞している。おかげで今週は。順調に1日平均100gは体重が減り続けており、66キロ台が目前である。これが順調に続けば、目標達成時期はかなり前倒しされるが、昨日までは少し頑張りすぎた感がある。焦らずにペースを少し落として、ゆっくり目標に向かいたい。

そもそも今の頑張りが3日坊主にならないかという心配がないではない。そのためにこうしてブログ記事を書いて、「宣言」することで、逃げ道をなくそうとしているところだ。皆さんの応援を期待したい。

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生き残る介護・伸びる介護


GWが終わって、そろそろ休みボケもとれ、さらに新年度のスタートのあわただしさからも解放されて、いつものペースで仕事をこなせるようになった人が多いのではないだろうか。

この時期からは各地で研修会が開催される時期でもある。僕も講師として全国を駆け回る時期だ。(参照:masaの講演予定

セミナーや研修会は、会員向けのクローズなものと、一般公開されているオープンのものがある。僕の近直の講演予定でも、5/15(火)の飯田橋講演、5/20(日)の旭川講演、5/24(木)の新宿講演は、それぞれ会員向けのセミナーで、一般公開はされていない。

一番近い時期で、一般公開されているのは、5/25(金)10:25〜16:50(開場10:00)の予定で、神田駅 徒歩1分のエッサム神田ホール1号館で行われる、株式会社ヒューマン・ヘルスケア・システム主催、介護事業&社会福祉法人 経営セミナー「生き残る介護 伸びる介護である。

5.25生き残る介護・伸びる介護セミナー
前半午前の部の講演は、派遣社員を切って経営改革を行っている、社会福祉法人愛隣会・特別養護老人ホーム駒場苑の中村 浩士施設長の講演である。

ヒューマン・ヘルスケア・システム社が刊行している、シニアコミュニティ2017年11・12月号に中村氏のインタビュー記事が掲載されているが、この中で氏は、「見た目で人数が揃っていても、雇用した職員で固めた10人のチームと、雇用が6人・派遣が4人の混成チームでは、まったくモチベーションが違う。サービスの質にも差ができる。サービスの質が下がれば、雇用職員のモチベーションも下がり退職してしまう」と問題点を指摘している。そして派遣をきるために職員を雇用するときに、「やる気だけで採用してもどうにもならない、翌日にやめてしまうとか」・「やる気より思い、利用者に対する想い、施設の理念に対する想い、それらに共鳴する人を採用することで定着率は確実に上がる」と指摘している。

同氏の「派遣職員を切って、社会福祉法人の人材不足を乗り超える」をテーマにした講演は、経験と実践に基づいた内容であるから、注目に値する。

僕は午後の第2部を受け持ち、13:10〜「変わる介護。介護事業、社会福祉法人の生き残り戦略」をテーマにして、170分の講演を行う。

先の社会福祉法改正につながる問題として、社会福祉法人のどのような体質が問題とされ、改正法では何が求められたのか。改正法に潜む社会福祉法人の危機などを明らかにしたうえで、今後の見通し、経営戦略などについて語る予定である。

さらに第3部では、僕と中村浩士氏のトークタイム「本音をぶつけて、介護事業の現状を切る!」が予定されている。しかしこのトークは、事前に何も打ち合わせがなく、ぶっつけ本番だから、どのような展開になるのか、僕自身も予測不能だ。

どちらにしても興味深いセミナーであることは間違いない。介護事業の管理者や、管理職の方々にぜひ聴いてほしいセミナーである。

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基準回数を超える生活援助プランの届け出について


訪問介護の生活援助中心サービスについて、利用回数が統計的に見て通常の居宅サービス計画より多いとされる場合、居宅介護支援事業所は市町村に届け出なければならないというルールが本年10月から発効する。

このことに関して厚労省は、パブリックコメントを求めていたが、この度その結果が公表された。

パブリックコメントには165件の意見が寄せられたそうだ。

寄せられた意見としては、「市町村への届出の要否の基準となる生活援助の利用回数を示すことにより、ケアマネジャーが当該 回数に達しないよう生活援助の提供回数を抑制し、認知症や難病を持っている者や施設に入所できず やむを得ず在宅ケアを利用する者など、真に生活援助を必要とする利用者に対しても、生活援助の提供を躊躇することが懸念されるため、個々の利用者の生活実態を考慮したケアプランの作成を阻害す るものである。」・「ケアマネジャーのアセスメント・課題分析により作成したケアプランを市町村へ届出し、地域ケア会議で検証することは、関係者の負担が増えるだけでなく、ケアマネジャーの専門性の否定や裁量 権の侵害にあたると考える。」とされている。

これに対して厚労省側は、「今回の見直しは、利用者の自立支援・重度化防止や地域資源の有効活用等の観点から、より良いサービスに繋げていくため」とし、「あくまでも、より良いケアプランとするために内容の是正、再検討を促すものであり、利用回数を超えたことによって一律に利用制限を行うものではない。」とばっさりとそれらの意見を切り捨てている。

その結果、意見の大半は制度の中止を求めるものであるなか、利用回数は基準案通りとなり、それは以下の回数である。

・要介護1→ 27 回
・要介護2→ 34 回
・要介護3→ 43 回
・要介護4→ 38 回
・要介護5 →31 回


僕はかねてからパブリックコメントは、国が一応国民の意見を聞いたというアリバイ作りでしかなく、そこにどんな意見を寄せても何も変わらず、意味がないものと思っている。介護保険関連で言えば、居宅介護支援事業所の特定事業所注中減算が新設された際にもパブリックコメントが募集されたが、僕らがそこに意見を寄せた内容は結果にまったく反映されていなかった。

今回、反対意見の内容は示されたが、それに対して実質ゼロ回答で応じており、無視されたのと変りはない。意味がないパブリックコメントの募集で、それに応じた皆さんには「ご苦労様」というしかない。

ところで指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(抄) (平成 11 年7月 29 日老企発第 22 号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)によると 、この届出は以下のように規定されている。

居宅サービス計画の届出(第 18 号の2) 訪問介護(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成 12 年厚生省告示 第 19 号)別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 訪問介護費の注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護に限る。以下この海砲いて同じ。)の利用回数が統計的に見て通常の居宅サービス計画よりかけ離れている場合には、利用者の自立支援・重度化防止 や地域資源の有効活用等の観点から、市町村が確認し、必要に応じて是正を促していくこと が適当である。このため、基準第 13 条第 18 号の2は、一定回数(基準第 13 条第 18 号の2 により厚生労働大臣が定める回数をいう。以下同じ。)以上の訪問介護を位置づける場合に その必要性を居宅サービス計画に記載するとともに、当該居宅サービス計画を市町村に届け出なければならないことを規定するものである。届出にあたっては、当該月において作成又 は変更(阿砲ける軽微な変更を除く。)した居宅サービス計画のうち一定回数以上の訪問 介護を位置づけたものについて、翌月の末日までに市町村に届け出ることとする。なお、こ こで言う当該月において作成又は変更した居宅サービス計画とは、当該月において利用者の 同意を得て交付をした居宅サービス計画を言う。 なお、基準第 13 条第 18 号の2については、平成 30 年 10 月1日より施行されるため、同 年 10 月以降に作成又は変更した居宅サービス計画について届出を行うこと。

ここで問題となるのは届け出が必要な「生活援助が中心である指定訪問介護」とは、身体介護に引き続き行われる生活援助が中心である訪問介護計画も含まれるのかということで、研修講師がそれも含まれると言い切っている地域もあるそうだ。

しかし解釈通知文をよく読むと、「別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 訪問介護費の注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護に限る」とされている。

別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 は訪問介護の種別についての説明がされており、以下の通りの内容となっている。
注2は、身体介護中心型サービスのみを提供するケース
注3は、生活援助中心型サービスのみを提供するケース
注4は、通院等乗降介助
注5は、身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間30分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を提供するケース

解釈通知文はこのうち、「注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護に限る」と書いているのだ。繰り返す「注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護」に限っているのである。よって注5に規定する「身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間30分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を提供するケース」は対象外としか読めない。

もし身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き所要時間30分以上の生活援助が中心である指定訪問介護を提供するケースも該当するとしたら、老企22号の文章は、「別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1 訪問介護費の注3に規定する生活援助が中心である指定訪問介護及び注5に規定する生活援助が中心である指定訪問介護」となるはずである。

そうではないのだから届け出が必要な居宅サービス計画の生活援助が中心である訪問介護とは、身体介護が中心である指定訪問介護を行った後に引き続き行われる生活援助が中心である訪問介護は含まれないのである。

老施22号の通知文が変わらない限り、それ以外の解釈はあり得ないのである。

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利用者負担率増加議論に思うこと


僕は1999年の秋に行われた、第1回の介護支援専門員実務研修受講試験に合格している。いわばケアマネ1期生というわけである。

しかしその時、介護支援専門員とは何をする人なのかということは明確には示されていなかった。

介護施設の介護支援専門員については、施設のケアプランをつくる義務を担う人で、それまでの相談員業務とさして変わらないというイメージは持っていたが、居宅サービスを担当する介護支援専門員については、漠然と居宅サービスの計画をつくる人というイメージしかなかった。

その後、居宅介護支援事業所の業務内容が具体的に示されたのは、その冬のことであった。確か年末に近い時期であったと記憶しているが、気温がかなり下がったある日、凍えるような寒さの中を、札幌の厚生年金会館(当時)まで出向き、そこで道の説明を受けた記憶がある。(※時期の記憶はあいまいで、もしかしたら年明けだったかもしれない。いずれにしても尋常ではない寒さの日であったことは間違いない。)

その会場で、第1分冊と第2分冊という分厚い説明資料を初めて受け取って、居宅介護支援業務について説明を受けたわけである。

その時初めて、居宅介護支援事業所とは何かということを知り、その中で介護支援専門員とは、居宅サービス計画を作成するだけではなく、給付管理業務という「お金の計算と請求業務」を行うことを知った。

介護支援専門員は文系出身の人が多いだろうし、事務員は実務経験にはならないために、利用料の計算や請求業務に携わった経験のある人は少なかっただろうから、これには驚いた人が多いだろう。しかも後に、居宅介護支援事業所においては、居宅サービス計画を作成するだけでは報酬が発生せず、給付管理を行って初めて収入を得られることを知り、二重の驚きとともに、そうした業務に自分が携わることができるだろうかと不安を持った人も多かったのではないだろうか。

ただ実際に、その業務に就いてみると、給付管理業務は簡単な算数ができればこなせる程度の業務で、なおかつ大部分は、コンピューターソフトが自動計算してくれることになり、その業務に対する不安や負担感は解消されたように思う。

しかも給付管理業務は、介護支援専門員にとって、決して付帯業務ではなく、主業務として大切であることが分かってきた。それは利用者の懐具合を知り、それに見合ったサービスを考えるうえで、必要不可欠な業務であるという理解を促すものだったのである。

居宅サービスを利用する人の経済事情は様々で、負担能力に関係なく応益負担となった介護保険サービスにおける1割負担が、まったく問題とならない人もいれば、自己負担が生活費に影響する人もいて、居宅サービス計画とは、心身ニーズだけを考えれておればよいわけではないことを知った介護支援専門員も多いだろう。

その時に僕が考えたことは、1割負担でさえも暮らしに影響を与える状況を考えると、未来永劫この負担率が続くわけでもないだろうから、利用自己負担割合が増えたときに、サービスを抑制して必要な支援が受けられない人が出てくるのではないかということである。

しかし介護保険制度は、その持続可能性を担保するとして、走りながら改革が行われており、その結果、一定以上の所得者については既に2割負担となり、今年10月以上は、さらなる高所得者の3割負担も導入される。

しかし4月25日に行われた財政制度等審議会で財務省は、介護保険利用者負担割合の一律2割負担を提案している。

さらにこのことについては経団連が、軽度者の負担割合の引き上げを求めており、次期報酬改定に向けて利用者負担割合の見直し論議が避けられないところとなっている。

我が国では、2025年まで75歳以上の人口が急速に伸びていく。それ以降は、75歳以上の人口増は落ち着くが、85歳以上の人口が伸びていく中で、40歳〜64歳の第2号被保険者も減少し、現役世代が減少していくという情勢変化が確実となっている。そのため高齢者の「支え手」が財政・サービス両面で急速に縮小していくのも確実だ。そんな中で、利用者負担率の増加をはじめとした、国民の痛みを求める傾向がより強くなることも必然の状況ではある。

しかし団塊の世代より年金収入が減る世代が高齢期を迎えるという視点が一方で必要となり。社会保障費は、社会のセーフティネットであるという視点も忘れてはならない。

それは我が国の経済をも支える基盤でもあるのだから、応益負担だけではなく、応能負担の考え方も取り入れて、暮らしに困窮しない減免制度の導入が、一律の負担増の条件として求められることを指摘しておきたい。

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ルポ・GWの介護事業者


ゴールデンウイークが明けて、今日から仕事だという人が多い月曜日ではないだろうか。その中には、9連休を楽しんだといううらやましい人がいるかもしれない。いずれにしても少しでも早く休みボケを振り払っていただきたい。

一方で、世間の暦に関係なくGW中も休みなく働き続けた人もいるだろう。介護事業者はそういう人々に支えられていると言っても過言ではない。

僕は現在フリーランスで働いているが、このGWはとある法人さんからの依頼を受けて、GW期間中の介護事業者のサービスの質を調査する特命業務に携わっていたため、GW中も休みなく働いていた。調査地域や方法は詳しく書けないが、後に公になるであろう公開データには反映されない部分について、ここで一言・二言書いておこうと思う。

世間が連休中に、その雰囲気に浮かれることもなく、介護サービス事業に携わってくれる人には大いに感謝をせねばならない。だからといって働いてさえいれば良いということにはならず、対人援助であるのだから、サービスの品質には気を配らねばならない。

しかし一部の介護事業者において、サービスの品質を無視した事業運営が行われているのも事実である。これを放置してしまえば、介護事業はいつまでも、安かろう悪かろうサービスというレッテルから抜け出せずに、労働対価も低くて当然という評価をなくすことはできない。今回の調査は、そうしないためのデータ集めという意味もある。(と想像している・・・。)

僕が調査中に一番気になった点は、職員の利用者に対する言葉遣いの悪さである。介護事業者の多くで、相も変わらず利用者に対する、「ため口」が横行している様は、他の職業と比較して最も恥ずべき点である。

職員に悪気はなくとも、利用者に対して「ため口」で話しかけている状態は、第3者の耳にはずいぶん乱暴で横柄な言葉に聞こえる。中には、「そこまできついこと言わなくて良いだろう」と思えるような会話も見られ、それはあたかも利用者を叱りつけているようにしか聞こえない。こうした会話を聞いた人が、「介護事業者の職員はずいぶんと偉そうな立場に置かれているのだな」と印象付けられてしまうのではないだろうか。この状態を何とかせねばならない。

サービスの質という点で言えば、連休中で配置職員も少ないためか、利用者の「放置」が目についた。とある認知症対応型通所介護事業所では、午前中の活動メニューがほとんどなく、事業所に到着後、バイタルチェックとトイレ誘導が行われた後、利用者全員がテレビの前に集められて、お笑いビデオの鑑賞会である。そこでは利用者同士の会話もなく、表情の変化も見られず、テレビの前に座らされているだけのようにも見えた。

ショートステイでも似たような状態が見受けられた。寝たきりにさせられてはいない、「座ったきり老人」を見せつけられたように思えてならない。これはサービスの質としてはいかがなものか。利用者自身のためにならないレスパイトケアは、いつか保険給付してよいのかという議論につながりかねない。

またこの連休中の先週木曜日〜日曜日までの期間は、入浴支援が行われないことを条件にして、ショートを受け入れている事業者があった。それでもショート利用せざるを得ない人にとっては、受け入れてくれるだけでよいというのかもしれないが、これは極めて不適切な状態といえ、介護サービス事業の社会的な価値を下げるものとしか言いようがない。介護事業者としての矜持が問われる問題である。

GW中のショート利用の理由について、小さな子供さんがいる同居家族世帯では、主介護者である子や嫁が、自分の子供を連れてレジャーに出かけるとして、親を預けるケースがみられ、これはレスパイト利用として、十分必要性が認められる理由だと思えた。

しかしレアケースであろうが、とある訪問介護事業が、訪問介護員に休みを与えるために、この間の訪問介護サービスが通常通り提供されないとして、その代替サービスとしてショート利用のケースが見られた。これは極めて不適切で問題といえるのではないだろうか。

計画担当ケアマネジャーは、こうした訪問介護事業所を日常的に利用することが良いのかどうなのか、今一度評価をし直していただきたい。

以上、不適切あるいは問題があると思えた事例を紹介したが、きちんと品質の高いサービスを行っている事業者も多々あることを申し添えておきたい。

それにしても気が張り、疲れる仕事であった。少しゆっくりしたい。

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桜を見ながら思うこと


僕は大学を出てすぐ介護業界に入って、それ以外の仕事をしたことはない。だから世間の暦に関係なく職場は年中無休で、誰かが常に働いているということを当たり前として今まで過ごしてきた。

しかし僕自身は介護職員の経験はなく、ずっと相談援助職や管理職として勤務してきたので、世間の暦と同様に休みをとってきた。日直として休日勤務があったり、休み中に緊急呼びだしを受けることがあっても、基本的にはGWも人並みに休むことができる状態で三十数年間の介護施設の職務を続けてきた。

その際に、GWや年末年始のまとまった休みなどをとれる自分の身分について、介護職員などと比較すると随分恵まれていると思い続けてきた。それと同時に僕たちが休んでいる間に、職場を守ってくれる休みのとれない人たちには、常に感謝の念を持ってきた。その分僕らが働いている最中に、それらの人たちが休みをとれるように、様々な改革にも取り組んできたつもりである。

今日も世間の暦と関係なく、日本中の様々な介護事業者で、たくさんの人たちが働いてくれていると思う。その人たちに改めて感謝すると同時に、その人達が額に汗して働いてくれることが少しでも報われるように、待遇改善をはじめとして、介護事業従事者が仕事に誇りと喜びを感じられるように、僕自身ができるアクションに努めていきたいと思う。

さて連休後半に入った北海道は、一昨日・昨日と雨模様が続いていたが、今日はその雨も上がって青空が見えつつある。

今年の北海道は例年より桜の開花が早く、このGW前半に満開となったところが多い。その花が連日の雨で散ってしまわないかと心配したものの、今日時点でもまだ元気に花をつけている木が多い。
登別の桜
エゾヤマザクラ
僕の散歩コースに咲いている桜も、まだ十分見ごろである。

少し空気は肌寒いが、これから徐々に気温が上がりそうなので、今日から日曜日にかけて、「お花見」はピークとなるだろう。ところで北海道のお花見といえば、「ジンギスカン」である。間違ってお花見弁当などもっていこうものならば、周りが全てジンギスカンで、その匂いで豪華な弁当の味も得て感じなくなるので注意が必要だ。

現在の僕は、どこにも所属せずに一人親方で働いているので、世間の暦とも関係なく、このGWも仕事をこなしながら、空いた時間で桜を眺めるなど気分転換を図りながら原稿を書いたり、講演スライドを作成したりしている。

この間も講演依頼などの連絡が来るので、日程調整や航空チケットなどの手配も行っている。秘書がいるわけではないので、すべてのマネージメントを一人でこなしているが、これは結構大事な業務で、この部分に漏れがあると講演に穴が開くなどの大問題になるので、決しておろそかにできない調整業務だ。

北海道を拠点としている僕であるが、道内の仕事は意外と少なく、道外の仕事が中心となっている。そのため飛行機で移動することになる。すると下記のような状態になることもある。

旅程
今現在予約中のチケットで、購入はまだ先であるが、この予定では10/20に北海道を経って福岡空港に飛び、10/21は大分県日田市で講演を行った後、翌10/22に北海道に帰って2日間のみ北海道に滞在し、10/24には再び上京して講演となっている。それでも特に問題はないが、できれば北海道に一旦帰る手間がないように、九州から東京へ直接移動したいものである。そのためには10/22と10/23にも九州か東京のどちらか、もしくはその途中の地域で講演依頼があると、そのことが実現するのである。まだ先の予定なので、講演希望のある方は、是非その日程で検討いただければありがたい。

ところで10/21(日)の日田講演は、非常に面白い企画となっている。僕自身は「看取り介護」をテーマにした講演を行う予定だが、そのセミナーで僕と共に講演を行ってくださるのは、お酒の蔵元の女社長兼杜氏の井上百合さんである。

彼女の活躍ぶりについては、「百合さんのお酒」で紹介しているところであるが、出会いから1年を経て、僕と井上社長のコラボ講演が実現することになった。アローチャート天領会主催の講演会として行われるが、それは日本初の非常に面白いテーマになりそうである。

当日は是非日田市までお越しいただきたい。

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厚労省の書類半減策は現場の意識と乖離


厚生労働省が介護の現場に課しているペーパーワークの半減に向けて、パブリックコメントを募集している。

その目的は、「事務作業にかかる時間と労力を少なくし、介護職員の負担の軽減やモチベーションのアップ、人手不足の解消につなげる狙いがある。」とされており、意見をまとめたうえで、早ければ5月下旬にも改正省令を公布する予定であるとのことだ。

しかしこの削減案は、介護事業者の「現場感覚」とはかけ離れたものとしか言えない。厚労省が言う「介護の現場」と、介護事業者の、「介護の現場」とは全く違う場所であり、その感覚が大きくずれている実態がある限り、本当に求められるペーパーワークの削減などできるはずがないと思う。

というのも今回削減対象とされたのは、事業所の指定申請や施設の設立認可の際に出さなければいけない書類の一部であり、具体的には以下に該当する項目がある場合はそれを削除するというものだ。

○ 申請者、または開設者の定款、寄附行為
○ 事業所の管理者の経歴
○ 事業所のサービス提供責任者の経歴
○ 事業に係る資産の状況
○ 事業に係る各介護サービス事業費の請求に関する事項
○ 役員の氏名、生年月日、住所
○ 介護支援専門員の氏名、登録番号

これらの書類は、我々が言う「介護の現場書類」ではない。まったく的外れである。

介護事業者に勤めるものの立場からいえば、「介護の現場」とは、利用者に直接かかわる場所のことであり、現場職員とは看護・介護職員や相談援助職等を指すもので、事務職員を指すものではない。

削減対象となっている書類や項目は、介護の現場の書類ではなく、介護事業者の事務書類にしか過ぎない。こんなものがいくら削減されても、「介護職員の負担の軽減やモチベーションのアップ、人手不足の解消」などにつながるわけがない。

事務職は事務の専門職であり、ペーパーワークが主業務になるのだから、この部分の書類や項目などいくら削減しても、それほどありがたみはないだろう。しかもそのことは「介護現場」の負担軽減にはならないのだ。

介護の現場でペーパーワークに疲弊して、モチベーションが下がるなどして、利用者のケアの品質に影響を与えるのは、事務職が作成する書類ではない。削減が求められる書類とは、看護職員や介護職員が、自ら記録しなければならない書類のことであり、日常の支援記録であったり、加算算定の要件をクリアしていることを証明するために記録である。それらの中には、同じことを重複していくつかの記録に分けて書かなければ基準違反になるものや、加算算定要件に合致しなくなることを防ぐことのみの目的で書かねばならないものがあり、介護の質と必要性とは全く関係しないものもある。そうした無駄な書類を含めて、看護・介護職員のペーパーワークを減らすという視点がない限り、厚労省の示す目的は達せられない。

厚労省はこの削減について、自治体へのアンケート調査の結果なども踏まえて選定したという。なぜ行政機関に意見を聞かねばならないのだ?介護現場のペーパーワークを本当に削減するつもりがあるのなら、何が負担になっているのか、どんな無駄があるのかを、介護事業者から直接聞き取りを行う必要があるはずだ。

介護事業者の中に入ってきて、看護・介護職員に直接意見を聞かねば意味がないだろう。

それをしないということは、厚労省の本年は、介護現場の書類削減に意欲がないということだ。だからアリバイ作り的に、行政機関への申請書類ばかり削減対象にしているに過ぎない。

そのことで楽をするのは、介護事業者の事務担当者よりむしろ、書類を受け付ける行政機関=自治体職員にしか過ぎないのかもしれない。

まったく馬鹿なことを平気で行っているとしか言いようがない。厚労省のこの業務を担当する部署に、恥を知るとう文化はないのだろうか。

パブリックコメントも、反対意見は取り上げずに表に出さないとおうアリバイ作りの場だから、実質的にこのことに正論的反対意見を述べる機会は事業者にはない。本当に困ったことである。

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天下のご意見番を必要としていない掲示板


今日からとうとう5月である。介護・医療のダブル改定がされた新年度業務に、忙しく対応していた人々も、やっと落ち着きを取り戻している時期だろうか?それともまだ新報酬の算定解釈に悩んでいる人も多いのだろうか?

どちらにしても1日も早く、算定根拠に基づいた正しい体制と対応になるように心がけてほしい。

ところでこのブログの読者の皆様は、表板である「介護・福祉情報掲示板」の存在を知らないという人はいないだろう。

前述したように今年度は報酬改定があり、その算定ルールが昨年度末ぎりぎりまで示されなかったこともあって、年度末から現在まで、たくさんの人が表の掲示板にアクセスして意見交換が行われている。平日のアクセス数は常時6.000件を超えているところだ。

毎年新年度は、その掲示板に新たな参加者が加わるのが常である。4月に入ってから新たに介護事業に関わった人たちが情報を求めて初めて表の掲示板に参加するケースが多い。移動により数年ぶりで高齢者介護の職場に移動した人なども現在の最新情報、最新事情を求めて表の掲示板にたどり着くケースもみられる。

しかし勘違いしないでもらいたい。その掲示板は公的なものでもないし、公共性を帯びているものでもなく、僕が個人的に設置管理しているものだ。だから何の義務も責任も伴うものではない。

そこに書き込まれた質問に対しては、できるだけ答えるようにしているが、それとて義務ではないし、そもそも質問に答えて対価を得るというものでもなく、あくまでそれは善意の情報提供に過ぎない。場合によっては、その答えは、質問者の求める内容ではないかもしれないし、間違った回答をする場合がないともいえない。

書き込まれた情報やアドバイスをどのように使うのかは、あくまで掲示板を利用する人の自己責任である。誤った情報を信じて不利益が生じたとしても、その情報を信じた人が自ら責任をとらねばならない。

幸いにして僕が管理するその掲示板は、他の人が持っていない情報を得ることができる人や、かなり深い知識を持っている人も常連として利用しているために、あまり変な情報や解釈が放置されることはない。仮に僕や誰かが間違ったコメントを書きこんだとしても、少なくとも24時間以内には、その内容を修正する正しい解釈なり、情報なりが書き込まれるので、そのあたりは安心して良いと思う。

だがそこは、すべての質問に手取り足取り、丁寧に答えるやさしい掲示板ではない。

業界人であれば当然知っておかねばならない基礎中の基礎の知識まで尋ねてくる人に対しては、徹底的にその怠慢をなじることも日常茶飯事である。「勉強不足で申し訳ありませんが〜」なとと書き込もうものなら、「わかっているなら勉強しろよ」と回答する。言い訳を書き込んでも免罪符にはしないのである。

あまりに稚拙な質問や、自分で調べる努力を全くしないで、安易に回答を求める姿勢の投稿者に対しては罵声を浴びせる。僕だけではなく、他の参加者もそうした厳しい言葉でコメントすることは認めている。

悔しかったら自分で調べて答えを出せるようになれという叱咤激励と捉えてもらっても良いし、単なる乱暴な場所と思われても良い。とにもかくにも誰にでも、どんな質問にも優しく答えてもらえる場所とは勘違いしてほしくない。

何から何まで質問して回答してもらって、それで済まそうとするのもご法度だ。根拠と共に回答しているのだから、根拠となる通知文などを自分で確認しようとしない人には退場願う。

こんなふうに様々な情報が飛び交う場所だけに、書き込む情報や回答については、ほぼすべてに根拠を求めている。特に制度等に関する質問の答えについては、法令根拠もしくは法令に準ずる公的通知等に基づいて回答することを求めており、行政職員がこう言っていたとか、他の事業者の職員がそう言っていたという伝聞は、何の意味もないものとしている。根拠のない思い込みのコメントや、ソースのはっきりしない伝聞は不要というだけではなく、弊害だと思っているので、そういう内容を投稿する人にも罵声が浴びせられることになる。

そのため時としてそこには、聖人君子気取りのご意見番的な書き込みがみられる。「質問に対しては、できるだけ丁寧に答えるのが筋ですよ。」・「たくさんの人が見ているのだから、丁寧に親切に応えてください。

あほか!!といいたい。

誰が見ていようと、どれだけたくさんの人がアクセスしようと、ここは個人管理の掲示板である。投稿規定も定めているのだから、これを読まず、これに沿わない投稿に対しては、予告なしに削除したり、アクセス禁止とすることも辞さない。その判断はすべて管理者の胸三寸の範囲であり、誰からの忠告も必要としていない。

情報はお金をかけて手に入れるというこの時代に、まったく費用をかけないで、様々な情報を手に入れることができる場所をつくっているのだから、そこを利用してなおかつ、天下のご意見番を気取って勝手なことを言うなといいたい。

自分の意に添わずに不愉快になるというのなら、わざわざアクセスしてくる必要もないだろう。

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日本在宅医学会第20回記念大会(講師・シンポジスト)報告


世間はゴールデンウイーク真っ最中だが、僕は土曜日から品川に滞在し、昨日と今日グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで行われている、「日本在宅医学会第20回記念大会」に参加している。

この大会には全国の医療関係者、福祉・介護関係者、行政関係者2800人が参加している。シンポジウムやセミナー等は10カ所に分かれた会場で同時進行し、参加者はそれぞれ希望する会場を自由に渡り歩くスタイルだ。

僕は昨日の午前中にシンポジストとして登壇し、介護施設での看取り介護の実際や、その際における相談援助職や介護職員の役割、実際にしていることなどをお話しした後、ほかの3人のシンポジスト(医師2名、厚労省医療課長)と、多死社会における医療・介護連携と終末期援助の在り方について討議した。

そのあと午後から職域横断セミナーの基調講演として「死を語ることは愛を語ること」をテーマに、介護施設での見取り介護で生まれる様々な物語とその意味を中心に語り、看取り介護とは死の瞬間をいかに看取るかというだけではなく、そこまで生き続ける対象者の暮らしにいかに寄り添うかという過程が重要であることを、具体例を示しながら語ってきた。

日本在宅医学会
この学会は在宅医学会ということで、医療関係者が参加者の多数を占めていることから、13:30〜行われた僕の基調講演の会場には、参加者が少ないのではないかと心配していたが、予想を超えて会場がほぼ満席に埋まる盛況ぶりだった。

しかも受講者は福祉・介護関係者だけではなく、在宅ターミナルケアにかかわっている医師や看護師さんも多数おられた。

うれしいことに質疑応答では、在宅医療にかかわっている医師の方から、「質問ではなく感想として、大変すばらしい実践の報告に感動した。自分のモチベーションも上がった」という意見もいただいた。

会場では顔見知りの方も幾人かおられた。かねてより知り合いの方で、何年かぶりにお会いする人もいて懐かしかった。その中には僕が施設長をつとめていた社会福祉法人の母体医療法人に勤めていた懐かしい顔もあった。北海道からもたくさんの関係者が参加していた。

新しくつながることができた人もたくさんおられた。その一人であるシンポジストの司会を務めたS先生は、長崎市で在宅医療にも力を入れている内科病院を経営しておられるそうであるが、特養も経営しているとのことで、僕の話を聞いてぜひその特養の職員にも話を聞かせたいとして、7月に同市で講演を行う依頼を受けた。講師業を中心に個人営業で飯を食っている僕としては大変ありがたい話である。喜んでお受けさせていただいた。

このほか道内や青森、東京、福岡などからも講演を行ってほしいという話をいただいたので、ぜひ具体化してほしいと思っている。全国どこでも駆け付けますよ。

surface
今回の旅は、sarfaceを新規購入して初の旅となった。やはり使い勝手がよくて便利である。こんなふうに羽田空港の「さくらラウンジ」で、この記事を更新しているが、家の書斎でPC作業をしているのと同じで、まったくストレスがない。

そうであるにもかかわらず重量が結構軽いので、スーツケース(キャリーバッグ)で持ち歩く必要はないので、今後の夏の移動なら2泊くらいまで薄いビジネスバッグを片手に一つ持つだけで移動できそうだ。手荷物の大きさと重さが減ることは、旅の多い僕にとってこのことはとても重要なことである。今後の旅がますます楽しくなる。

それにしても、看取り介護は今後、あらゆる場所で求められていくが、看取り介護とは何か、どういう状態を看取り介護というのかは、まだまだ理解されていない部分が多い。それは死の瞬間をいかに支えるかに限るものではなく、死に行く過程までの「生きるを支える介護」である。その中で看取られるものと看取るものとの間に、様々な物語を紡ぎ、命のバトンリレーを行うことであり、看取り介護加算・ターミナルケア加算を算定していること=看取っている、ということにはならない。

こうした正しい知識を示し、職員の使命感と感動につながり、モチベーションがアップする看取り介護の方法論を示す「看取り介護セミナー」をご用命の方は、是非お気軽にメール等で連絡していただきたい。職員の定着率アップにもつながる、真実の看取り介護を伝授します。

いきなりの連絡も何ら失礼ではないので、遠慮なさらずに一度打診していただきたい。それでは全国の皆様からの連絡をお待ちしております。

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ケアマネと障害者福祉の相談支援専門員との連携について


誤解されがちな共生型サービスは、居宅介護支援基準改正とリンクしているから続く)
介護保険制度と障害者福祉サービス制度に共生型サービスが位置付けられた意味は何だろうか。

介護保険事業者からすれば、今後経営体質の強化を求められる状況で、高齢者福祉サービスだけではなく、障害児・者のサービス分野に参入し、事業拡大を図っていく第一歩になるという意味もあるかもしれない。

しかし共生型サービス誕生のもともとの意味は、障害児・者の方々の福祉援助の継続性を見据えたものであることは言うまでもない。

障害児・者の方々は、 障害福祉サービスとしての・居宅介護、重度訪問介護・生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)・短期入所・児童発達支援、放課後等デイサービスを継続利用している人が多いわけである。それらの方々が65歳に達するなどで、介護保険の被保険者となった場合、サービスの適用関係によって、原則介護保険サービス利用に移行しなければならない。つまりその時点で、障害福祉サービス相当のサービスが介護保険サービスとして存在しておれば、それまで利用していた 障害福祉サービスが利用できなくなるわけである。

しかし共生型サービスが誕生したことで、 障害福祉サービス事業所が、介護保険制度における、障害福祉サービスとの相当サービスの指定を受けることで、障害児・者の方々は介護保険の被保険者になった以後も、利用事業所を変えることなく、継続して介護保険サービスを利用できるわけである。

障害児・者の方々にとって、このことは介護保険の被保険者になった以降も、自分が信頼できるなじみの職員に継続して支援を受けることができるという意味にもなり、求められていたことでもある。

確かに昨年度までにおいても、介護保険と障害福祉サービスの指定を別々に受ければ、同じ事業所によって両者のサービスが提供できる仕組みはあったが、両者の基準が異なっており、その壁は高かったと言え、今回の改正により、その壁をなくし、なおかつ高齢者の方と障害児・者の方が同一事業所内で同時一体的にサービスを利用できることにもなったわけであり、その違いは大きいと言える。

今回は介護保険制度における訪問介護と通所介護、短期入所生活介護において、このことが実現するわけだが、今後を見据えると共生型サービスは、他の分野にも拡大する可能性が高い。

ところで共生型サービスによって、障害児・者の方々が、介護保険の被保険者になった以降も、それ以前に利用していたサービス事業所で、継続してサービス利用できるケースが増えたとしても、それまでと全く同じようにサービスが受けられることにはならない。

介護保険サービス利用に移行した場合、サービスを現物給付化するためには居宅サービス計画の作成が必要になり、自己作成以外では、居宅介護支援事業所の介護支援専門員にその作成を依頼する必要がある。これは障害児・者の方々にとっては、自分の日常支援の「主担当者」が変わることを意味している。
(※居宅サービス計画がない場合は、サービスは現物給付化されずに、償還払いで利用することになる。)

障害者福祉サービスを利用する場合、一部サービスを除いて「相談支援専門員」による相談支援やサービス利用計画の作成が必要とされている。つまり障害福祉サービス利用者には、相談支援専門員という担当者がいる場合が多いわけである。その担当者が介護保険サービス利用に移行した後は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員に替わるケースが多くなる。

当然のことながらその時に、新たに担当者となるケアマネと、それまで担当していた相談支援専門員との連携が求められるわけである。そのため今回、障害福祉サービスを利用してきた障害者が介護保険サービスを利用する場合等における、ケアマネジャーと障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携を促進するため、指定居宅介護支援事業者が特定相談支援事業者との連携に努める必要がある旨を明確にする省令改正が行われたわけである。居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、この省令改正の意味を理解しているだろうか?

障害福祉サービスと介護保険サービスでは費用負担形態が異なることも大きな問題である。

住民税非課税世帯などに属する障害児・者の方々の、障害福祉サービス利用に関わる負担はゼロであるが、介護保険サービスに移行した時点で、原則1割負担に移行するために、利用者の方々にとっては、いきなり利用者負担が発生して、経済的に困窮する可能性があるのだ。そのためにサービス利用も抑制してしまうかもしれない。

そのために新たに担当者となるケアマネジャーは、費用負担の丁寧な説明が求められるだけではなく、障害福祉分野の費用負担減免制度も知っておかねばならない。例えば障害福祉サービスには、「高額障害福祉サービス等給付」がある。これは世帯における利用者負担額の合計が大きくなり、一定の基準額(月額負担上限額)を超える場合、申請を行うと世帯のサービス利用料(利用者負担額)の合計と基準額との差額が支給(償還)される制度であり、障害福祉サービスと介護保険サービスの併用の場合も該当する。(※障害福祉サービスのうち、居宅介護(=訪問介護)、生活介護(=通所介護)、短期入所を60歳〜65歳になるまで継続して利用している場合、介護保険に移行すると自己負担分は、障害福祉から償還払いされる。)

しかしそれはあくまで申請による償還払いであり、担当者がその制度を知らずに、申請がされない場合、償還も受けられないので注意が必要だ。

将来的には、介護保険制度と障害福祉サービスは、より密接の関わってくることも視野に入れて、今後、介護支援専門員は、障害福祉サービスの勉強もしていく必要があるだろう。

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誤解されがちな共生型サービスは、居宅介護支援基準改正とリンクしている


2017年の地域包括ケアシステム強化法によって誕生した「共生型サービス」は、2018年4月より、介護保険制度と障害者福祉サービス事業の双方に位置付けられた。

このサービスは、高齢者と障がい児・障がい者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため創設されたもので、これにより介護サービス事業者は、障害福祉サービス事業等の指定が受けやすくなるものだ。(※逆に障害福祉サービス事業者等は、介護サービスの指定が受けやすくなる。)

介護保険の共生型サービスは、訪問介護・通所介護・短期入所生活介護の3サービスに位置付けられている。

しかし昨年度まで介護保険の訪問介護・通所介護・短期入所生活介護を行っていた事業者が、今年度から障がい者の方々も受け入れようとしたときに、介護保険の共生型サービスの指定を受けると誤解している人が多い。それは違うのである。

介護保険の共生型サービスの指定を受けるのは、障害福祉サービス事業者である。昨年度まで障がい児・者のみを対象にサービス提供していた障害福祉サービス事業者が、今年度から高齢者も同じ事業所内でサービス提供しようとしたときに介護保険の共生型サービスの指定を受けることになるものだ。

この場合、通所介護や短期入所生活介護で配置義務がある相談員については、障害福祉サービス事業には配置義務がないため、その配置が行われていないことから介護保険の共生型サービスは、本来の通所介護や短期入所生活介護よりも3割減の報酬単位となっている。このとき、例えば共生型通所介護では、障害福祉サービス事業者が相談員を配置して介護保険の共生型通所介護の指定を受けた場合に、新設された「相談員配置加算」が算定できるのであり、もともとの介護保険通所介護事業者が相談員配置加算を算定できることはない。このように共生型サービスでは、サービス種別ごとに3割減算単位を緩和する報酬算定構造としているのだ。

よって介護保険の訪問介護・通所介護・短期入所生活介護を行っていた事業者が、今年度から障がい者の方々も受け入れようとする場合も、介護保険制度上の共生型サービス指定ではなく、それぞれ訪問介護・通所介護・短期入所生活介護の指定のままで、障がい福祉課等で障害福祉サービス事業の共生型サービスの事業指定を受けることになるわけである。

その際の対象サービスは以下のとおりである。
・居宅介護、重度訪問介護
・生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)
・短期入所
・児童発達支援、放課後等デイサービス


このことについては、平成 30 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1) (平成 30 年3月 23 日) において次のような疑義解釈が示されている。

問 44 :平成 30 年4月から、共生型サービス事業所の指定が可能となるが、指定の際は、 現行の「訪問介護」、「通所介護」、「短期入所生活介護」として指定するのか。それと も、新しいサービス類型として、「共生型訪問介護」、「共生型通所介護」、「共生型短 期入所生活介護」として指定が必要となるのか。それとも「みなし指定」されるのか

回答:・共生型サービスは、介護保険又は障害福祉のいずれかの居宅サービス(デイサービ ス、ホームヘルプサービス、ショートステイ)の指定を受けている事業所が、もう一 方の制度における居宅サービスの指定も受けやすくする、あくまでも「居宅サービス の指定の特例」を設けたものであるため、従前通り「訪問介護」、「通所介護」、「短期 入所生活介護」として、事業所の指定申請に基づき自治体が指定する。 ・なお、当該指定の申請は、既に障害福祉サービスの指定を受けた事業所が行うこと となるが、いずれの指定申請先も都道府県(*)であるため、指定手続について可能 な限り簡素化を図る観点から、障害福祉サービス事業所の指定申請の際に既に提出し た事項については、申請書の記載又は書類の提出を省略できることとしているので、 別添を参照されたい。

(*)定員 18 人以下の指定生活介護事業所等は、(共生型)地域密着型通所介護 事業所として指定を受けることとなるが、当該指定申請先は市町村であるため、 申請書又は書類の提出は、生活介護事業所等の指定申請の際に既に都道府県に 提出した申請書又は書類の写しを提出することにより行わせることができるこ ととしている。


なお共生型通所介護の定員については、共生型通所介護の指定を受ける指定生活介護事 業所等において同時にサービス提供を受けることができる利用者数の上限であり、介 護給付の対象となる利用者(要介護者)と障害給付の対象となる利用者(障害者)との合算で、利用定員を定めることとなることもQ&Aで示されていることを付け加えておきたい。

ところで共生型サービスに関連した省令改正が、居宅介護支援事業の中で行われていることに気付いているだろうか?また障害者福祉サービスを受けていた人が、介護保険の共生型サービスに移行する場合に、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、必ず知っておかねばならない給付制度が存在することに気が付いているだろうか?

このことについては明日の記事で詳しく解説したい。(明日に続く)

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制度改正と報酬改定の違いなどを整理してみた


我が国の近年の社会保障改革の流れを見ると、少子化が進行する中で、日本の高度経済成長を支えてきた、「団塊の世代」が、高齢期を迎えることが大きな改革要因となっていたことがわかる。

そこで最初に問題とされたのは、いわゆる「2015年問題」だ。団塊の世代がすべて65歳に達し高齢人口に組み入れられる2015年に、高齢者人口が急速に増加するのに対応して、介護保険制度を創設したが、最大の改革であった。しかし2015年を前にして、1号保険料が月額5.000円を超えてしまっては、介護保険制度は持続できないとして制度改正や報酬改定により、様々な給付抑制策などがとられたのが、制度改正第1期で、それは2012年の報酬改定まで続いたわけである。

その中で2012年度に限定した形で、都道府県が財政安定化基金の一部を取り崩し、保険料上昇の緩和に充てることができる特例規定を設けるなどして、何とか2015年まで1号保険料の全国平均月額は5.000円以内に抑え込んだわけである。

その後の制度改正・報酬改定については、そのターゲットとなる年を2025年においている。当然のことながらその年は、「団塊の世代」がすべて後期高齢者に達する年である。

2025年までは、75歳以上の高齢者数が急激に伸びていくわけである。さらに言えば2025年以降は、75歳以上の人口増は落ち着くが、同時に85歳以上の人口増が目立ってくることとなり、介護支援ニーズは相変わらず増え続けるわけである。しかし同じ時期に、20歳〜39歳の人口が減少し続け、40歳〜64歳の2号被保険者の数も減少し続ける。

2025年までとそれ以降を見据えると、現役世代がダブル減少状態となり、財政・サービス両面で高齢者の、「支え手」が急速に減少していく。そうなると国民一人当たりの税負担や社会保険料負担が重くなるのと反比例して、医療・介護サービスを提供する人は減少し続けるのである。そのような状態を放置するわけにいかないということで、2012年度以降の改革が行われてきたわけである。

具体的には、2012年度から2015年の報酬改定議論が行われてきたわけであるが、その報酬改定に先駆けて、2014年に医療介護総合確保法が制定されている。介護報酬改定の先駆けた介護保険制度改正が行われているわけだ。

そこでは、予防訪問介護と予防通所介護が地域支援事業に移行することや、認知症総合事業の具体化、在宅医療・介護連携推進事業を法的に位置付けることや、65歳以上の一定以上所得者の2割負担導入などが決定された。それを受けて2015年の介護報酬改定は、−2.27%となっているわけである。

そして2017年に地域包括ケアシステム強化法が制定された。これも2018年4月からの介護報酬改定に先駆けて行われた介護保険制度改革である。

そこでは、介護医療院や共生型サービスの創設や、65歳以上の「さらに所得の高い人」に対する3割負担の導入、自立支援・重度化防止に対する保険者責務の明確化などが行われている。

そして本年4月の介護報酬改定は、診療報酬とダブル改定(障害者福祉サービスの報酬改定を加えるとトリプル改定ともいえる)であり、そこでは「介護と医療の連携強化」がより濃く図られていると言えよう。

その意味は、療養を必要とする人をすべて入院医療で賄えば、その費用は一気に膨張するので、入院医療は、「急性期などの本当に入院が必要な人」だけを対象として、それ以外の人は「入院外」でみることになり、療養の場=暮らしの場になるのである。つまり療養しながら慢性疾患とうまく付き合いつつ、生活も同時に支える体制が必要になるわけで、介護と医療の密接な連携が求められるのである。

それは介護の場に、医療サービスが深く食い込んでくるという意味であり、介護・診療のダブル改定も、そのすり合わせを行いながら、両サービスのハイブリット化を促進する内容となっているのである。

このように制度改正と報酬改定の違いをよく理解しつつ、介護報酬と診療報酬のダブル改定の目指すもの、その意味などを確認しておくことで、今後の制度改正・報酬改定の見込みも見えてくるのではないだろうか。

逆に言えば、介護関係者が診療報酬改定の動向をまったく知らずして、事業戦略を立てることはできないということだ。特に2年に一度改定される診療報酬は、3年に一度の改定となる介護報酬の川上に位置し、常に介護報酬はその影響を受けるということを意識しておかねばならない。

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新人が利用者にタメ口で話しかけている職場って哀しくないですか


4月も最終週を迎えている今、4月1日付で新任の辞令交付を受けた人たちは、今どの様な心持ちで利用者と相対しているだろう。

新人職員を見つめる先輩職員たちは、どのような目で新人職員の利用者対応を観察し、どんな指導をしているのだろうか。

初々しく新任の挨拶をしていた新人職員たちも、やっと仕事を覚えてきた時期だと思うが、新たな職場で希望を抱いていた時期の大切な気持ちを失っていないだろうか。日々の仕事に追われて、接遇に注意力を欠く新人に対して、先輩が適切に指導しているだろうか。心に余裕をもって、丁寧な言葉遣いに徹することが大事だと指導できているだろうか。このことが今後の介護事業経営に重大な影響を与えることに気付いている人が何人いるだろう。

最初は利用者に対して丁寧語で接していた新人が、日を追うごとに言葉遣いに気を使わないようになって、今では「ため口」が当たり前のような状態で、利用者と会話をしている状態になっていないだろうか。そのような状態を放置している管理者は、介護事業の管理能力を問われるだろうし、そのような状態を「不適切」と思わない職場には、顧客も人材が集まらずに、事業経営が困難とならざるを得ない日は確実にやってくる。しかもそれはすぐ近い将来の話である。

新人職員が、わずか1月で利用者に「ため口」で接するようになる職場は、新人を教育すべき先輩職員たちが、日常的に「ため口」で利用者対応している場合がほとんどだ。プロ意識がない職場といえよう。そういう職場で働くことが喜びにつながるだろうか。勤労意欲は維持できるだろうか。

新人教育研修で講師役を務める管理職が、利用者対応に関する丁寧な対応をいくら教育しても、実際の介護支援の場で、介護職員のタメ口・不適切対応を放置して、是正していない職場では、座学指導も管理職の訓示も、すべてお題目の域を出ない。お題目しか唱えられない管理者も管理職もいなくてよい存在でしかない。

そういう職場では、言葉の乱れが心の乱れに変わり、いつしか横柄な態度で、介護職員が利用者に接するようになり、そのことが日常風景となることによって、不適切な対応に気が付かなくなるという感覚麻痺が生まれる。

虐待は、こうした日常的な感覚麻痺が引き起こすのだ。事件・事故になってそれが大きな問題になってから、そのことに気が付いても遅いのだ。

例えば日常介護の場面で、介護職員が利用者に対して「ちょっと待ってね。」なんて言っている場面があるとする。その言葉は暴力的な表現とは言わないのかもしれないし、その言葉を発している職員に悪気はないのかもしれない。しかしその言葉は命令口調であるとされても仕方がないし、年下の介護職員が、人生の先輩である利用者に対して、そのように声をかけることは適切とは言えない。場合によってそれは「言葉の暴力」と指摘されても仕方がない。

少なくともそうした言葉かけは、顧客に対する言葉かけとしては適切ではないだろう。

時に人は、他人の言葉を刃と感ずる生き物だ。対人援助の場では、身体等にハンデキャップを持つ利用者が、誰かの支援を受けるのだから、その心には常に「負い目」が存在する可能性がある。その負い目が心をデリケートにさせ、何気ない一言に傷つきやすい状況をつくるのだ。

そうであるがゆえに、対人援助に携わる者には、そのデリケートな心を思いやるという配慮を身に付けて関わるという心構えが求められている。それも介護職の専門性の一つと考えてよいのではないか。

李下に冠を正さず」という言葉があるように、人の暮らしに寄り添う我々の職業では、暴力的な言葉・暴言と思われかねない誤解されるような言葉を、日頃から使わないようする心がけが大事だ。それは少しでも人の心を傷つけかねない要素を排除するという心がけである。

堅苦しさを感じさせないようにフレンドリーに言葉を崩すことも誤解を受けるリスクが高い。そもそも親しみやすさを示すために言葉を崩すのは間違っている。適切かつ丁寧な言葉遣いでも、真心は伝わるはずだからである。

介護サービスを必要とする顧客層は、今後団塊の世代の人々が中心となる。それらの人々は日本の高度経済成長を支えてきた人たちで、顧客対応や、そのためのサービスマナー・ビジネスマナーに敏感な人がほとんどだ。

顧客に対して従業員がタメ口で接せることを簡単に許してくれる人達ではない。

同時にそれらの人々は、サービスマナーに敏感であるがゆえに、自分が介護を受ける立場に立って、介護してくれる職員に遠慮して、自分に対する「ため口」に我慢すざるを得ない状況に陥った際に、誰よりもその言葉に傷つく人々でもある。そんな人たちをたくさん産んでしまうのが、言葉遣いに配慮のない介護事業者である。

我々の職業を、我々の職場を、そんな悲しいものにしてしまってよいのだろうか。

わずかひと月の間に、新人職員が利用者に対して、日常的に「ため口」を使っている職場は、このことを今一度考えてほしい。そのことに問題意識を持ってほしい。

そんな状態を良しとする職場には、志の高い人が募集に応募しなくなる。人材が集まらなくなるばかりではなく、人材はどんどん離れていく。そのために事業経営も困難になるのが、団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年という区切りの年だ。それはもう目の前である。

今後の介護事業経営において求められる意識は、事業継続のための顧客確保と職員確保のためには、職員のポスピタリティの意識を育てることが最重要となる。ポスピタリティの基盤は、サービスマナーであり、マナーは、社会人として己が存在するための基本姿勢である。

筆者が主宰する、「北海道介護福祉道場 あかい花」では、今後室蘭登別地区を中心に「介護事業におけるサービスマナー研修」を開催していく予定である。このことをテーマにした研修を希望される方は、講演依頼のメールを送っていただきたい。

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いのちと生活を支える医療介護多職種チームの使命


北海道の網走市では、昨日と今日の気温差が20度以上あるというすごいことになっている。僕が住む登別市も昨日より10度近く気温が下がった。

家の近くのエゾヤマザクラも、下記画像のように、まだ芽ぶく手前である。
芽吹く前のエゾヤマザクラ
まだまだ寒暖差が激しい時期ではあるが、季節は確実に移ろっている。体調を整えて、それぞれのステージで活躍していただきたい。

新入職員などが新たに加わった職場でも、新年度を迎えて3週間が過ぎ、そろそろ普段のペースに戻って通常業務に取り組んでいる方が多い時期ではないだろうか。そんななか今週1週間を頑張れば、いよいよゴールデンウイークである。

介護業界関係者の方は、世間の暦に関係なくシフト勤務である人が多いのだろうが、暦通りに休むことができる人は、どうかつかの間の休日を堪能してほしい。今年は前半の3連休から始まって、火・水と勤務した後、後半が4連休という暦になっている。

その前半3連休のど真ん中29日から、日本在宅医学会第20回記念大会が開催される(30日までの2日間開催)。メインテーマは、「いのちと生活を支える医療介護多職種チームの使命〜病院・行政・市民とともに取り組む街づくり」である。

会場はグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール(東京都品川区)。日程表をご覧になるとわかると思うが、盛りだくさんのプログラムが予定されており、全国各地で看取り介護・ターミナルケアに関わる関係者にとって、またとない機会となっている。今年のゴールデンウイークは、全国の仲間と交流しながら、貴重な情報交換を行う機会を持つことから始めてはいかがだろう。

僕は第1日目(4/29)の午前の拡大シンポジウムのシンポジストとして参加するとともに、同日午後の基調講演の講師としても参加予定である。

午前9:30〜11:50まで第一会場で行われるシンポジストは、「これからの医療介護は 何処を目指すのか」がテーマで、各シンポジストの提言内容は以下の予定だ。
1.菊地 雅洋 先生:(内容)「生きるを支える暮らしの場での看取り介護」
2.佐藤 龍司 先生:(内容)「健康じゃなきゃダメですか?」
3.鷺坂 英輝 先生:(内容)「医療・介護保険制度から見た在宅ケアについて話題提起」
4.迫井 正深 先生:(内容)「今後の医療・介護の将来像=“かくありたい、という「夢」を語る”」


それぞれのシンポジストが、20分の発表を行った後、ディスカッションに入るが、僕は福祉・介護職の立場から、介護支援専門員等の相談援助職や介護職員は、医療ニーズがそれほど高くない時期から高齢者に関わっている場合が多いために、利用者が元気なうちから、利用者自身の終末期を含めた将来について考えることを支援する機能がある点に注目して、その中で医療・介護連携の役割りを果たしていくことを提言する予定である。

同時に、どこで終末期を過ごすのかという判断については、サービスや施設の種別で選ぶべき問題ではなく、個別の情報を精査して、自分や家族が望む看取り介護・ターミナルケアを実践してもらえる場所や機関はどこだろうかという判断が必要であることを提言したい。

午後から第8会場に場所を移して、13:30〜14:20の徒弟で行われる基調講演「死を語ることは愛を語ること」では、多死社会を迎える日本の現状を明らかにしたうえで、「看取り介護は、日常的ケアとは異なる特別なケアである」・「看取り介護は、職員に過度なストレスを与え、離職率が高まる恐れがある」・「看取り介護を実施するためには、特別な医療支援体制が必要とされる」とする考え方は、すべて間違っていることを説明しながら、看取り介護の実際や、そこで求められている支援行為とは何かについて明らかにする予定である。

日本全国から保険・医療・福祉・介護の最前線に立つ錚々たるメンバーが一堂に集まる貴重な機会であり、初日の日程終了後には、名刺交換会も兼ねた懇親会も行われ、新たなつながりも作れる機会ともなっている。

ゴールデンウイークのスタートとなる時期ではあるが、国際館パミールという会場内だけで他に移動する必要がない中で、バラエティに富んだ様々な講義やデスカッションを聴くことができるまたとない機会である。是非時間をとって、グランドプリンスホテル新高輪までお越しいただきたい。

僕は初日の懇親会終了まで参加予定である。会場でお愛しましょう。

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道の人材対策は最も愚劣な策


今朝4月20日の北海道新聞朝刊一面には、「2025年の道内 高齢者172万人」の大見出しが付けられ、「介護の担い手確保 助手養成拡大も」という文字が躍っている。

道内の要介護者数と介護職員数記事要点を抜粋すると、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に、道内の65歳以上の高齢者が172万人を超え、要介護者数等と介護職員の需要数が右図のようになる。

必要な介護職員の需要数は11万7千人であるにもかかわらず、その確保の見込みは立っていないことから、道は介護福祉士らを人材派遣会社を通じ施設へ派遣する事業や、高齢者や主婦を「介護助手」として養成する事業を拡大する。児童生徒に将来、介護の仕事を選んでもらえるよう、小中学校などで3年間で計6千人に介護体験講座を開く。

さらに要支援・要介護者を減らすため、リハビリ専門職が指導する体操教室を、本年度は全道5カ所で新設し、介護予防に力を入れるとしている。

果たしてこの対策が人材確保策として有効なものといえるだろうか。

介護予防に力を入れることは当たり前のことで、実効性のある具体策に取り組む必要はあるだろう。しかし問題になるのはその具体策で、アリバイ作りの介護予防策では意味がないことに意が及ばないと意味がないものとなる。この点はこの記事からは見えてこない。

小中学生に介護の仕事を選んでもらうための体験講座も大事なことだ。しかし体験した子供たちが将来職業を選ぶ段階で、介護の仕事には将来がないと思うような給与体系では何の意味もないわけだが、道の対策はこの部分に相反する対策が含まれている。

例えば、『高齢者や主婦を「介護助手」として養成する事業を拡大する。』という部分であるが、これが訪問介護の生活援助を中心としたサービスの担い手を育成するために今年度に創設された9科目59時間の新研修を指すのか、それ以外の道の独自研修を指すのかは不明瞭だが、どちらにしても介護助手とは、介護事業者の主力となる介護職員ではなく、周辺作業を担う人材確保策にしか過ぎない。それはおそらく老後の小遣い稼ぎ程度の収入しか得られない仕事でしかなくなるだろう。

しかしそうした介護助手が増えたとして、介護サービスの必要な人材確保につながるかといえば首をかしげざるを得ない。僕が特養の総合施設長を務めていた際には、人材確保策として多様な雇用形態・勤務形態を認めていたが、夜勤や主たる身体介護を行わない職員をいくら増やしても、現場の職員から歓迎されることはなかった。業務の省力化にはつながらず、そういう職員を10人雇うより、夜勤もできて、主介護業務がきちんとできる職員を一人採用するほうが歓迎された。

2025年以降は後期高齢者が増え、重度の要介護者に対応しなければならない場面も増えるのだから、主たる介護の周辺業務(生活援助等)しか行えない人をいくら増やしても、「焼け石に水」にしかならないだろう。しかもそれは、介護労働の低賃金化に拍車をかけるものだ。

それよりもさらに愚劣なのは、「介護福祉士らを人材派遣会社を通じ施設へ派遣する事業」である。派遣会社を通じて介護現場で働く職員が増えるという意味は。、派遣会社が、本来介護職員に手渡すべき人件費の一部を、中間マージンとして搾取するという意味である。

介護職員処遇改善加算の活用などの効果で、介護職員の平均年収は上がってきてはいるが、他産業の平均年収ベースとはまだ差がある。その一番の原因は、フランチャイズ・コンサルタント・派遣会社などに支払う費用が増加して、介護サービス事業者の従業者に支払うべき給与の一部が、そこに回ってしまっているからである。

本来介護事業にフランチャイズ展開はそぐわないし、きちんと経営能力のある経営者がトップに居れば、経営コンサルタントに頼る必要はない。それにも増して愚劣なのは、職員確保を中間マージンを搾取する派遣会社に頼ることだ。

道の示した人材確保策は、介護助手という低い収入しか得られず、かつ介護人材確保にもつながらない人員を増やすことと、派遣会社を通じて介護事業者が雇用する人材を増やすということであり、これは中間マージンという搾取により、介護職員全体の給与を含めた待遇が、現在より低下させるものだ。これは「介護労働は社会の底辺」と揶揄される状況につながりかねない。

道に求められているのは、派遣会社を通じて職員を確保させることではなく、なぜ派遣会社が人材を確保できるのに、介護事業者が直接雇用できないかを検証して、その原因を明らかにするとともに、派遣職員ではなく、介護事業者が直接雇用する職員を増やすことができる施策をとることだ。その一部には、現在派遣社員として働いている人を、直接雇用に変えるための助成事業が含まれてよいはずだ。

ちなみに、派遣職員を切って社会福祉法人の人材不足を乗り越えた経験をお持ちの、社会福祉法人愛隣会 特別養護老人ホーム駒場苑 施設長 ・中村 浩士 氏と僕がコラボする講演会が、5/25(金)10:25〜エッサム神田ホール1号館 で行われる。「介護事業&社会福祉法人 経営戦略セミナー 生き残る介護 伸びる介護」では、中村氏の貴重な体験談を聴くことができる。

僕も当日、「変わる介護。社会福祉法人の生き残り戦略」というテーマで講演を行うので、当日は是非会場までお越しいただきたい。

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利用者負担がサービスの質のチェックと関連するというのだろうか


介護報酬改定議論のたびに議論となるものとして、居宅介護支援費の利用者自己負担の是非論である。

他の居宅サービスにはすべて自己負担(所得に応じて1保険給付の1割〜3割負担)があることから、居宅介護支援費だけに自己負担がないことが不公平だとして、報酬改定議論のたびに、自己負担導入議論がされるわけである。

もともと居宅介護支援費が全額保険給付されている理由は、「利用者個々の解決すべき課題、その心身の状況や置かれている環境等に応じて保健・医療・福祉にわたる指定居宅サービス等が、多様なサービス提供主体により総合的かつ効率的に提供されるよう、居宅介護支援を保険給付の対象として位置づけたものであり、その重要性に鑑みたものである。」と国は説明していた。

つまり居宅サービス計画は、居宅サービスを現物給付化する手段(計画がない利用は償還払いとなる)という意味だけではなく、利用者の日常生活全般を支援する観点から、計画的なサービス利用を求めている介護サービスにおいて、すべてのサービス利用者が、専門家による計画作成支援を受けることができるように自己負担なしとしているのである。現物給付される他のサービスと、それを計画する居宅介護支援は根本的に異なるわけである。

今年度の報酬改定時も、同じような議論が行われたが、自己負担導入のデメリット(後述)を払しょくできず、結局それは見送られることになった。

しかし先に示された財政制度分科会(平成30年4月11日開催)資料では、財政健全化の方策の一つとして、次期介護報酬改定時に、居宅介護支援費の自己負担導入が提言されている。

厚労省のデータによると、居宅介護支援の給付費は2016年度で約4900億円であり、仮に自己負担を1割に設定した場合、単純計算でおよそ490億円の費用を抑制する効果が生じるとしている。今回の提言は、この費用抑制を狙ったものであることは間違いないが、自己負担導入の理由について、財政審資料では次のように記述されている。

「利用者負担がないことで利用者側からケアマネジャーの業務の質につ いてのチェックが働きにくい構造になっていると考えられる。 また特養などの施設サービス計画の策定等に係る費用は基本サービス費の一部として利用者負担が存在。既に一定の利用者負担の下に介護サービスが利用されていることを踏まえれば、居宅介護支援への利用者負担は、サービス利用の大きな障害にならないと考えられる一方、より一層ケアマネジャーの質のチェックに資すると考えられる」

しかしこの理屈はおかしい。利用者負担の有無と、ケアマネ業務の質のチェックがなぜリンクしていると言えるのだろうか?

介護サービス利用者は、自己負担がないから居宅サービス計画を無批判に受け入れているという事実はない。利用者は自己負担があろうと、なかろうと、自分が希望するサービスを計画してほしいと担当ケアマネに要求するわけである。

そもそも利用者は、ケアプランの質に興味はないし、自立支援に向かう良い計画を立ててもらうことには何の興味もない人が多い。利用者が居宅サービス計画担当者に求めるものは、「自分が望むサービスを利用したいから、何とかして」というものである。利用者にとってのケアプランの質が存在するとすれば、それは「自分の希望通りのサービス利用ができるかどうか」であって、その計画により身体機能が維持されたり、機能が向上したりすることは、付加価値程度の興味しか持たない場合が多いのだ。

つまり利用者の多くがケアマネに求めるものは、「自分の使いたいサービス計画を立ててほしい」ということで、御用聞きのようにそれに従うケアマネが良いケアマネだと勘違いしている利用者が多いのだ。しかしこのとき能力の高いケアマネジャーは、「それはあなたのためになりません。」・「できることは自分でしたほうが、あなたのためですよ」といって、デマンドではなくニーズに沿ったサービス計画を立案し、その意味をきちんと利用者に説明し、納得してもらったうえでサービス利用につなげているのだ。この際に、居宅介護支援費に自己負担がないことは大きな意味があり、自分がお金を1銭も払っていない中で、頭を絞って計画を考えてくれるケアマネさんなら、その考え方を信じて間違いないだろうと受け入れてくれる人が多いのである。

ここに自己負担が導入されたら、「私がお金を払って、あんたに計画を担当させているんだから、私の言うとおりにサービスを入れて」という手合いが増えることは間違いのないところだ。つまり居宅介護支援費の自己負担導入の最大のデメリットは、御用聞きケアマネ・御用聞きケアプランが増えることにほかならず、適切なケアマネジメントによるサービスの計画利用、デマンドにとどまらず、ニーズに沿ったサービス利用を阻害することなのである。

そもそも自己負担の有無が、サービスの質のチェックと関連するとしたら、被保護者で自己負担ゼロで居宅サービスや施設サービスを利用している人が、そのサービスの質に興味がないかどうかを考えれば、そんなことはないことは明らかだ。自分が良いサービスを受けたいという思いは、自己負担の有無や多寡に関係ないのである。その時に利用者が考える「良いサービス」と、実際にその人の生活課題の解決や、生活の質向上に結び付く「良いサービス」は異なる場合があり、それを専門的に判断し、真のニーズに沿った計画利用につなげるには、自己負担がない方が良いことは明らかなのである。

また施設サービス計画は、自己負担がされていると言っても、施設サービス計画費が別途設定されているわけではない。利用者は施設サービスを受けることに対して自己負担しているだけである。そもそも2000年に介護保険制度ができ、介護報酬上の施設サービス費が設定された際に、それまでの措置費などと比較して、施設サービス計画費がそこに上乗せされたという事実はない。それは施設業務の一部であるとして、もともと費用包括されているものとされた。ある意味、施設サービス作成業務は、ただ働き扱いと同様といえるのである。しかも施設サービス計画は、利用者が望んで計画してもらうものではなく、施設サービスが保険給付の条件とされており、介護施設に作成義務があるという種類の計画なのである。居宅サービス計画は自己作成も可能だが、施設サービスは自己作成ができない点でも大きな違いがある。そのような施設サービス計画業務と居宅サービス計画の作成そのものを専門業務とする居宅介護支援費を同列に論じられも始まらないわけである。

次の制度改正をめぐる議論は、介護保険部会で来年から本格化していくことになるが。ここで居宅介護支援費の自己負担導入が取り上げられることになりそうだ。国の御用聞き機関になり下がっている日本介護支援専門員協会に期待できない中で、居宅介護支援事業所の介護支援専門員は、このことに強い危機感をもって、地域から草の根で反対意見を挙げていく必要があるのではないだろうか。

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旅立つ瞬間を看取る意味


我が国において現在、「孤独死」の明確な定義はない。

一般的に孤独死とされているものは、事件・事故以外の病死・自然死等で、「自室内で、誰にも看取られず孤独のまま死亡すること」と解釈されている。だが孤独死の法的な定義が存在しないため、こうした状態は、警察の死因統計上では「変死」という扱いになるほか、行政においては「孤立死」という言葉で表現されることもある。

そしてこうした場合、第三者や身内の方に発見されるまで、しばらく期間が経過していしまうケースが多くなり、遺体が発見されても身元が確認できなかったり、いわゆる特殊清掃が必要になるケースも多い。

向こう三軒両隣の関係が希薄になった現代社会では、隣人の存在を死臭によってはじめて意識するというケースも珍しくなくなっているのである。

そういうケースをできるだけなくそうというのが、地域包括ケアシステムの目的の一つでもある。

ところで、僕が行う看取り介護講演では、医療機関や介護施設で死の瞬間を迎えるからといって、必ず看取り介護・ターミナルケアが行われているわけではないとしたうえで、そこには「医療機関内孤独死」・「施設内孤独死」が存在すると指摘している。それは医療機関入院中の方や、施設入所者の方が、見回りと見回りの間に息を止めて、死の瞬間を誰も看取ることのできなかった死のことを指した表現だ。

それに対して、死の瞬間を看取ることができないからといって、きちんとした終末期の対応が行われておればよいのではないかという意見もある。そこまで頑張る必要はないのではないかという意見もある。

確かにそうだろうと思う。終末期であるというコンセンサスのもとに、適切な対応さえできて居れば、死の瞬間を必ずしも看取らねばならないことではないという意見に反論はない。

在宅死であっても、死の瞬間に誰かが傍らについていなくとも、日常の支援行為が適切に行われておれば、それは孤独死ではなく、「在宅ひとり死」に過ぎないので、見回りの際に息を止めていることが確認される死も、「ひとり死」であり孤独死ではなく、それは不適切ではないという考え方はあって良い。それは一つの価値観として認められて良いだろうと思う。

もともと人間は一人で旅立っていくのが本来の姿なのかもしれない。一人でどこにいても死ぬことができるのが、命ある者の姿なのかも知らない。まして医療機関や介護施設で旅立つ人が、その瞬間を誰からも看取られずとも、その遺体が何時間も放置されることはないのだから、問題はないともいえるわけだ。

しかし同時に思うことは、誰しもが「ひとり死」を受け入れるわけではないということである。そういう人たちの傍らで、手を握って声をかけるために僕たちに何ができるかを考え続けるためにも、医療機関の中でも、介護施設においても、孤独死は存在すると訴え続けたい。

そして旅立つ場面で傍らで看取る誰かが存在するということによってしかできないこと、生まれないものがあるのだということも訴え続けたい。

家族などの親しい関係の人が、旅立ちの瞬間を看取ることで生まれる物語がある。そこには旅立つ人の思いや看取る人の思いが、残された方々の胸に深く刻まれる様がある。それを僕たちは命のリレーと呼んでいる。

家族が旅立ちの瞬間を看取ることができないケースも多々ある。高齢ご夫妻で、連れ合いの死の瞬間を看取りたいと希望しても、自分の体調がそれを許さないケースもある。その時、その人に替わって施設の職員が旅立ちの瞬間を看取ることができたならば、息を止める瞬間にどんな様子だったのか、最期に発した言葉はないのかを、看取ることができなかった遺族に伝えることができる。そこに居たものにしか伝えられない言葉により、遺族は臨場感をもってその思いを受け取ることが可能になる。そこでも命のリレーは生まれるのだ。

想像やフィクションでしかない事実だけが伝えられるものがあるということだ。

90代の夫の死の瞬間を看取ることができなかった80代の妻は、最期の瞬間を看取った職員に、その場面の様子を確認するように問いかけた。「苦しまなかったかい。」・「痛がらなかったかい」・「寂しがっていなかったかい」・・・。安らかに眠るように旅立っていった様子を聴きながら、うなづいきながら涙をぬぐった妻は、その時に介護職員から聴いた話を、お通夜の席で家族や親せきに向かって何度も語り聞かせた。その話の内容は、あたかもそこに自分がいるかのようであった。・・・それはきっと意味のあることなんだろうと思う。

僕達の仕事は、一見無駄と思えることであっても、できることを真摯に続けていくことに意義があるのだろうと思う。そこまで頑張らなくてよいよといわれようが、頑張ることができることは続けていこうと思う。

それは、人間と命という最も崇高なものに向かい合うものの責任である。

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混合介護議論のその後は、混合じゃないじゃん


今年度からの介護報酬改定議論の中で、「混合介護」が話題になったことを知らない人はいないだろう。

混合介護とは、介護保険サービスと介護保険外のサービスを組み合わせて利用する形態のことを言い、例えば保険給付対象である訪問介護の中で、保険給付対象とはなっていない要介護ではない家族への家事援助サービスなどを、同時一体的に提供する方法等が議論された。

通所介護でも、保険給付の対象外である買い物支援などを、通所介護と一体化して行う方法も議論されたところである。

このように介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせ、効率的にサービスを提供することで生産性が上がり、それは介護事業者の収益アップにつながるとされた。

その背景には給付抑制策があることは言うまでもない。今後高齢者の数が増えることを考えたときに、介護保険サービスのための国と国民の負担の自然増を抑えるためには、給付費用の圧縮・削減が不可欠であるということがある。しかしその時に、収益が減って事業運営ができない事業者が介護保険サービスから撤退してしまえば、制度あってサービスなしという状態に陥るために、保険収入以外の収益確保の方法として保険外サービスを組み合わせる方法が考えられたわけである。

しかしそれは、財源に限りがあるという理由で保険給付サービスをどんどん削るための方便に、混合介護が使われかねないという危険性を孕んだ考え方でもある。

また人手不足の折、保険サービスと保険外サービスを組み合わせることは、介護サービスの効率化が図られ、介護職員の仕事も効率化でき、携わる職員の給与アップも期待できるとされた。

しかし保険給付サービスと保険外サービスを組み合わせてサービス提供することは、そもそも介護する職員の労働量を増やすものだから、仕事が楽になるという意味ではないし、保険外サービスからの収益が期待できる分、保険給付サービスが削られてしまえば、結局、担当する介護職員等の給与アップにつながらないという恐れもある。

そのため確実に事業者が収益を得ようとすれば、できるだけ大きな収入につながる保険外サービスの費用負担が可能な利用者を選別して、保険外費用負担ができない利用者の切り捨てが行われる危険性も指摘された。そのためこの議論は先送りされた経緯がある。(参照:先送りされた混合介護)つまり混合介護は、高所得者ばかりが恩恵を受ける不平等につながりかねないという懸念が払しょくできなかったのである。

このことに関して厚生労働省は4月13日、ルールの明確化に向けて策定・発出する予定の通知の概要を明らかにしたが、その報道を読んでひっくり返ってしまった。

例えば通所介護における混合介護については、外出の同行支援や買い物の代行、物販、レンタルサービスなどの保険外サービスを提供することを明確に認めていくとしている。

この際、通所介護をいったん中断する形をとり、保険外サービスの時間を通所介護の時間に含めないことを前提とするとしている。通所介護を中断したうえで明確に区分して提供できる保険外サービスのメニューとして、緊急時の併設医療機関への受診、理美容、巡回健診、予防接種、物販、移動販売、レンタルサービス、買い物代行サービス、個別の同行支援などが挙げられている。

ということは保険外サービスを実施することで、サービス提供時間が減って、算定単位が減る可能性が高くなるということではないのか。その際に保険外サービス部分を外部の事業者に担ってもらうのであれば、通所介護事業者の収益は上がらないだけではなく減ることになる。保険外サービス部分を通所介護事業者が行うとしたら、それはサービス提供時間に含まないサービスということで、これに関わる職員は配置職員から外れてしまう可能性が高い。その時間帯にも通所介護サービスは行っている場合が多いのだから、その配置に支障を来さないのかを考えたとき、この形態の混合介護は、コストパフォーマンスが低いもののならざるを得ないのではないか。

訪問介護はさらにひどい。同居する家族の分の調理や洗濯をセットで済ませるなど、訪問介護と保険外サービスを同時かつ一体的に提供する形については、「提供不可である旨を明示する」としているからだ。

そのうえで、保険内・外を明確に区分し、文書として記録が必要とされ、あらかじめサービス内容などを説明し、同意を得ることを求めている。さらに利用者の認知機能が低下している恐れがあることを踏まえ、利用者の状況に応じ、両サービスの区分を理解しやすくなるような配慮を行うとしているが、その内容が驚きである。例示されている方法は、エプロンの付け替え、スタッフの変更、いったん家の外に出るなどというものだ。あまりにも形式的で、このようなことで両者の区分をつけることに意味があるのかと思う。

そもそも保険サービスと保険外サービスを同時一体的にしないのであれば、これは混合介護とは言えず、時間も区分しているのであれば、現在でも指定訪問介護事業者が保険外サービスを提供している方法と何ら変わりはなく、新しいサービス形態とは言えないのではないか。

どちらにしても使い勝手の悪いサービス形態であり、コストパフォーマンスも期待できないサービスといえるのではないか。

しかも混合介護の提供ルールの中には、「保険外サービスの情報をケアプランに記載する」ことが含まれてくる。担当ケアマネの仕事量は確実に増えるが、このことで居宅介護支援事業所の収入が増えるわけではない。対価の伴わないケアマネの業務負担増となるという意味だ。

混合介護の軸が、変な方向にずれてしまったような気がするのは僕だけだろうか。少なくとも事業者が求める混合介護とは、大きくずれがあるような気がしてならない。

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次の改定の布石とされかねない市町村のケアプランチェック


指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)の改正により、基準第13条第18号の2において、『介護支援専門員は、居宅サービス計画に厚生労働大臣が定める回数以上の訪問介護(厚生労働大臣が定めるものに限る。)を位置付ける場合に、当該居宅サービス計画を市町村に届け出ることとされている。』とされたことで、本年10月以降、居宅サービス計画に位置付ける訪問介護における生活援助中心型サービスについては、一定回数を超えた場合に、市町村に届け出が必要とされることになった。

そのうえで市町村は、地域ケア会議等でその計画が適正なものであるかチェックを行い、過剰サービスと認定すれば当該計画の作成者に是正勧告等を行うことになる。

届け出が必要な生活援助中心型サービスの回数は、直近の1年間(平成28年10月〜平成29年9月分)の給付実績(全国)を基に、各月における要介護度別の「全国平均利用回数+2標準偏差(2SD)」の回数を算出した上で、要介護度別に最大値となる月の回数を用いることとし、要介護状態区分に応じてそれぞれ1月あたり以下の回数とする案が示されている。(出典:厚生労働大臣が定める回数及び訪問介護(仮称)に関する意見募集について
・要介護1 27回
・要介護2 34回
・要介護3 43回
・要介護4 38回
・要介護5 31回


僕は今、様々な地域からの招待を受けて、介護保険施度改正や報酬改定に関する講演を行っている。それらの中には、介護支援専門員の団体向けの研修も含まれている。その際に、この届出とケアプランチェックについては、届け出なければならない居宅サービス計画を作成することを躊躇(ちゅうちょ)しないでくださいと言っている。

国が言う基準回数を超える生活援助中心型サービスを、居宅サービス計画に組み入れることは少しも恥ずかしいことではない。その計画回数に根拠さえあれば良いのだから、きちんとアセスメントした結果として、その必要性を説明できれば何の問題にもならない。

むしろこうしたルールができたことで、その届け出を嫌って、生活援助中心型サービスの回数が基準回数に達しないようにするということありきで計画されることによって、利用者ニーズに対応できなくなることの方が問題だ。

要介護3の方で、生活援助中心型サービスが月43回を超える利用が必要な人はたくさんおられる。必要性を一つ一つ積み上げていけば、国の示す基準回数を超えてしまう人は数多くいるわけである。そのことを計画担当介護支援専門員が、地域ケア会議などに参加して、市町村の担当者等にちきちんと説明できれば良いだけの話だ。

勿論、市町村の担当者等にもいろいろな資質の人がいて、届け出られたプランはすべて過剰なサービスだと思い込んでいる人もいないとも限らないので、ここの部分では介護支援専門員のソーシャルワーカーとしての「説明能力」・「交渉力」が問われてくることは言うまでもない。

この届出ルールは、必然的に市町村のケアプランチェック機能の強化につながっていくわけであるが、きちんとしたアセスメントに基づいた、根拠のある居宅サービス計画を作成している介護支援専門員にとってそれは何ら業務に支障となるものではなく、むしろ自分の立案した居宅サービス計画の根拠や意味を説明できる機会を得るという意味で、行政職員とのコミュニケーション機会の場が増えるなかで、より密接な関係性を創りあげることができるとともに、自らのスキルアップにもつながるとして、ポジティブに考えてほしい。ルールができてしまったんだから、ここはネガティブに考え続けても仕方がないわけである。

しかし一方で、このルールを橋頭保にして、次の報酬改定時に、さらに居宅サービス計画の縛りをきつくしようという動きも垣間見える。

市町村によるケアプランチェックとサービスの標準化
この表は、財政制度分科会(平成30年4月11日開催)資料84頁のものである。

これを読み込んで理解できることは、財務省は今回、訪問介護の生活援助を多く位置付けたプランの市町村への届け出が新たに義務化されたことに言及しながら、基準回数について訪問介護の生活援助中心型サービスに限らず、他のサービスにも広げて設定し、市町村がチェックできる居宅サービス計画の範囲を広げようとしているということだ。

その考えを来月にもまとめる政府への提言(建議)に盛り込む方針も示している。

財務省がそこで主張していることは、介護サービスの過剰な提供を防ぐ観点から、ケアプランの標準的な内容を作成・設定すべきというもので、標準化した居宅サービス計画を具体的に示すべきであるというものでもある。AIを使った居宅サービス計画の自動作成も、これにより一段と現実化するかもしれない。

しかしひとりひとり異なる生活環境とパーソナリティのを持つ要介護者のプランが本当に標準化できるのだろうか。僕はその標準化が進む先に明るい未来は見いだせない。

金太郎飴のような画一的計画によって、過度に抑制されたサービスしか利用できない要介護者の方々が、社会保障の光の当たらない部分で、文化的とは程遠い最低限の暮らしに甘んじる社会にしないためにも、居宅介護支援事業所の介護支援専門員の皆さんは、次期報酬改定に向けて、自らの作成する居宅サービス計画の根拠を、誰に聞かれてもきちんと説明できるスキルを確立せねばならない。

自社の利益誘導に終始した画一的サービス計画は、いずれAIの作成した居宅サービス計画にとってかわられるという危機感をもって、本当の意味でのアセスメントに基づくケアマネジメントを展開していかねばならない。

自動作成できる居宅サービス計画では決して解決できない課題に向き合っていかねばならない。

利用者の生活課題にアプローチして、一人一人の利用者の暮らしの質を向上させるという結果を出していく必要があることを忘れてはならない。

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施策として進められる介護サービスの経営主体の⼤規模化


新年度に入って何かと慌ただしい毎日を過ごしている方が多いと思う。

新人教育に加えて、今年度は報酬改定もあり、しかも解釈通知やQ&Aの発出が年度末ぎりぎりになったことで、新加算等の届け出もこの週末までに作成して届けようとしてバタバタしている担当者も多いだろう。

しかし国は既に次期介護報酬改定に向けて動き出してる。介護単独となる次期介護報酬改定は、非常に厳しいもののなるだろうと予測されているが、それどころの騒ぎではない。「業界再編」という言葉が、脅しでも絵空事でもなく、国の施策として進められようとしている。この流れの中に飲み込まれて、消えてしまう事業者がどれだけいるのか想像もつかないほどの大改革が行われようとしている。

今週行われた財政制度分科会(平成30年4月11日開催)資料を読むと、そのことがよくわかる。

ここではまず、社会保障費の伸びについて、『「高齢化に伴う伸び」は、社会保障関係費に特有のものであり、一定程度やむを得ない増だが、「その他要因に伴う伸び」は、他分野と同様、制度改革や効率化等に取り組むことで抑制していかなければならない。』とし、『2020年度に向けて、社会保障関連費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引き上げと合わせて行う充実等に相当する水準に収めることを目指す』としている。

そのために、利用者負担増を求めるいくつかの案が示されている。

これまでも繰り返し議論されてきた居宅介護支援費の自己負担導入について、「利用者負担がないことで利用者側からケアマネジャーの業務の質につ いてのチェックが働きにくい構造になっていると考えられる。 また特養などの施設サービス計画の策定等に係る費用は基本サービス費の一部として利用者負担が存在。既に一定の利用者負担の下に介護サービスが利用されていることを踏まえれば、居宅介護支援への利用者負担は、サービス利用の大きな障害にならないと考えられる一方、より一層ケアマネジャーの質のチェックに資すると考えられる」として、次期改訂での自己負担導入を提言している。

既に国の言うがままに方針を決める機関に成り下がった、「日本介護支援専門員協会」(※特に現執行部)は、このことにも支持・賛同するのだろうか。注目したいところだ。

また平成27年度介護報酬改定において、特養養護老人ホームの多床室の室料負担を基本サービス費から除く見直しを行ったが、介護老人保健施設、介護療養病床、新設される介護医療院については、室料相当分が介護保険給付の基本サービス費に含まれたままとなっているとして、次期報酬改定で負担を求めるように提言している。

給付抑制策としては、「軽度者に対する生活援助サービスやその他の給付の地域支援事業への移行」が真っ先に挙げられている。軽度者とは要支援者だけではなく、要介護1と2の人が含まれるので、これらの方々の介護給付サービスを地域支援事業へ移行して、財源負担を軽くしようとするものだ。ここには通所介護や福祉用具貸与なども、含まれて議論されることは間違いないところだ。

また訪問介護・通所介護をはじめとした居宅サービスについては、総量規制や公募制などの自治体がサービス供給量をコントロールする仕組みが十分でないとして、それらのサービスも規制対象にすることも提言されている。

本年10月から実施される市町村のケアプランチェック(標準回数より多い生活援助中心型サービス計画を市町村に届け出てチェックを受ける制度)については、保険者によるケアプランチェックのための指針等を早急に策定・周知するとともに、今後、ケアプラン点検の実績も踏まえ、利用者の状態像に応じたサービスの利用回数や内容等について標準化を進めるとして、この機能の強化を図ることが示されている。

しかしこれらの方針が示されることは、予測できたことで、少しの驚きもない。しかし驚いたのは、業界再編をあからさまに誘導する施策が示されていることだ。

この資料では、今後直面する課題として、後期高齢者の増加 ・「支え手」の大幅な減少が挙げられているが、その対応策として、「介護事業所・施設の経営の効率化」が掲げられている。

論点として、『介護サービス事業者の事業所別の規模と経営状況との関係を見ると、規模が大きいほど経費の効率化余地などが高いことから経営 状況も良好なことが伺える。一部の営利企業においては経営主体の合併等により規模拡大は図られている。営利企業とその他の経営主体では同列ではない部分もあるが、介護サービス事業全体で見た場合、介護サービスの経営主体は小規模な法人が多いことが伺える。』としている。

そのため介護サービス事業者の経営の効率化・安定化と、今後も担い手が減少していく中、人材の確保・有効活用やキャリアパスの形成によるサービスの質の向上などの観点から、介護サービスの経営主体の統合・再編等を促すための施策を講じていくべきと提言し、さらに、介護サービス等の事業を行う複数の法人が、人材育成・採用などの本部機能を統合・法人化することで、ケアの品質の底上げや研修・ 採用活動のコスト減を図るなどの取組も存在して例をイメージ図で示している。

そして介護サービスの経営主体の大規模化については、次の3点を提案している。
,海Δ靴寝雜逎機璽咼校業の人事や経営管理の統合・連携事業を自治体が目標を定めるなどして進める
一定の経営規模を有する経営主体の経営状況を介護報酬などの施策の決定にあたって勘案することで経営主体自体の合併・再編を促す、といった施策が考えられる
7弍勅臑里砲弔い動貭蠅侶弍諜模を有することや、小規模法人については人事や経営管理等の統合・連携事業への参加を指定・更新の要件とする、といったことも考えられる

さらに88頁には、下記の図が示されている。この図の中に書かれていることをよく読んでいただきたい。
経営主体の大規模化に向けた施策イメージ
報酬改定等の施策の実施にあたって、一定の経営基盤を有する施設・事業所の収支差平均を勘案としているのだ。

この意味に気が付いているだろうか?これは次期報酬改定では、一定以上の事業規模の収支差率を勘案して報酬設定するという意味である。よってスケールメリットの働かない小規模事業者は収益が出ない報酬設定が当然であるとして、大幅ダウンさせるという意味だ。小規模事業者は統合・合併しないと倒産・撤退せざるを得ない政策誘導が進められていくのである。

そして指定・更新の要件に「一定の経営規模を有する」ことが入るのであれば、財産基準が設定されることも必然となる。それが一定以上にならなければ更新指定が受けられずに、事業撤退せねばならに事になる。大変なことである。

社会福祉法人も、いよいよ1法人1事業(※特養が併設の通所介護と居宅介護支援事業所のみを経営している木部を含む)では経営できなくなる。早急に事業拡大を図って、経営規模の拡大を図らなければ、法人廃止かどこかの法人に吸収合併されてしまうことにならざるを得ない。

どちらにしても大嵐だ。

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