masaの介護福祉情報裏板

介護や福祉への思いを中心に日頃の思いを綴ってみました。表の掲示板とは一味違った切り口で、福祉や介護の現状や問題について熱く語っています!!表板は業界屈指の情報掲示板です。

特養の次期報酬改定を読む


来年度の介護報酬改訂議論は、居宅サービスから始まり、前回7/19の介護給付費分科会で初めて施設サービスの中で、特養の報酬改定に向けた資料が示された。

その中で論点として挙げられているのは次の4点である。

1.介護老人福祉施設の入所者のプライバシーに配慮した上で、一人ひとりのニーズに即したケア を実現するために、どのような方策が考えられるか。
2.介護老人福祉施設における看取りや医療ニーズへの対応をさらに進めるために、どのような方 策が考えられるか。
3.施設等における身体的拘束廃止に向けた取組をさらに進めるために、どのような方策が考えら れるか。
4.介護老人福祉施設における障害者支援について、どのように考えるか。


このうち1.3.4については、とってつけたような内容で、喫緊(きっきん)に何かをしなければならないという差し迫った問題があるわけではなく、課題がないと困るので挙げておこう的な内容のような気がしてならない。この部分での大きなルール変更には結びつかないのではないのだろうか。

考えてみれば平成27年度からの介護報酬改定時に、特養については、入所要件の厳格化(原則、要介護3以上)という大きな改革を行うと同時に、光熱水費の額の見直しや、多床室の光熱水費以外の室料の自己負担化など大きな変更が行われたばかりであり、次期報酬改定ではそのような問題は特になく、プチ改定となるのではないだろうか。

その中で前回同様、「看取り介護」が取り上げられているのは、死者数が増えるわが国で、2040年には47万人を超える、「看取り難民」が出現しかねないという問題があり、特養のみならず、介護施設すべてに看取り介護・ターミナルケア機能の充実が求められているという背景があることによるものだ。

資料にも書かれているが、平成27年度介護報酬改定では、施設での看取りをより推進する観点から、看取り介護加算につい て、医師その他の職種による協議の上、看取りの実績等を踏まえ看取り指針の見直しを実施するこ と等を新たに要件として、死亡日以前4日以上30日以下の期間における単位数の引き上げがされた。

基本サービス費が大幅に引き下げられた中で、この加算を算定することは、特養の経営上より重要になることで、特養での看取り介護実施の促進を図ったものである。

このことに関連して、本年3/22に行われた、『医療と介護の連携に関する意見交換(第1回)』では、「多くの特別養護老人ホームでは看取りに積極的に取り組んでいる一方で、 一部の特別養護老人ホームでは、看取りに際して入所者を医療機関に搬送 している。」・「特別養護老人ホームにおいては、多くの施設で看取りを行っている一方 で、必要な体制の確保ができていない、施設の方針として看取りを行わな い等の理由で看取りを行っていない施設が約 10%ある。」という指摘がされた。

そして、「特別養護老人ホーム及び居住系サービスの入所者の看取り期における医 療ニーズに適切に対応するため、特別養護老人ホーム及び居住系サービス が提供するべき医療の範囲と、外部の医療機関等が提供するべき医療の範 囲について、どのように考えるか。 」という課題が検討されるべきとされている。

それを受けての報酬改定論議であり、すべての特養で看取り介護が実施できるように、外部の医療・看護サービス(訪問診療や訪問看護)の導入促進が検討されているわけである。

例えば特養利用者に対する訪問診療については、がん末期などの対象者については認められているが、これをすべての利用者を対象にしてはどうかという議論が、診療報酬改定議論と並行して行われる可能性が高い。訪問看護も同様に規制を撤廃する必要がないかという議論に向かうだろう。

しかしこのことは極めて的外れな議論であると指摘しておきたい。

なぜなら今の体制であっても8割以上の特養が看取り介護を実施できる体制があると言っているのだ。(※ただし、その中には看取り介護加算は算定していても、実際は施設内孤独死をさすているだけの特養もあり、看取り介護とはいいがたい状態で利用者を死なせている施設もある。筆者はそれを看取り介護とは認めていない。)そうであれば残り1割強の特養が看取り介護を実施できないのは、医療体制の問題ではなく、看取り介護に対する考え方とケアサービスの力量の問題である。

看取り介護を特別視したり、看取り医療と勘違いしている施設において、その実施が阻まれているだけである。そうした施設は、外部の訪問診療や訪問介護の規制がいくら緩和されても、それを使いこなして看取り介護を実施できるようになるとは思えない。

そもそも看取り介護は、ケアサービスが中心になって、脇を適切な医療と看護で支えるというものであり、ここが有機的に結びつかないと品質を保つことは難しい。ただでさえ難しい多職種連携を、施設内チームのみならず、外部の他機関を交えてとろうとするのは、よほど腕の良いコーディネーターが必要で、今現在看取り介護ができていない施設に、そのような力量があるのかを考えると、それは極めて疑わしいと言えよう。

厚労省が、特養利用者に対する外部の医療・看護サービスの導入促進を図る先には、将来的に特養の医務室設置義務や医師配置義務をなくし、外部の医療との連携だけで特養が運営できるようにしようとする意図も見え隠れしている。それはとりもなおさず基本サービス費の引き下げの方便である。つまり医師配置部分の費用を基本サービス費から削って、利用者の医療対応を外部のサービスに委ねようという形を模索しているようにしか感じられないのだ。特養経営者はこのことにもっと危機感をもって、異を唱えるべきではないだろうか。

むしろ特養の機能を考えるなら、医師配置がされ、その中できちんと最後の瞬間までケアサービスを提供できる特養の看取り介護加算は、もっと単価が引き上げられてよいと主張すべきで、外部のサービスとの組み合わせで看取りを行うサービスとの差別化を、より図る方向で議論すべきではないかと思う。

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無題


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可愛い生徒のスキルアップに汗してますわ。


介護福祉士養成校の集中授業も、残すところ今日午後からの授業一コマ90分となった。

僕の担当は1講座15コマのみであるから、学生の人となりの深い部分の教育には手が届かないが、自分の受け持つ範囲で、できるだけ個人の力を引き上げようと努力はしているつもりだ。

しかしいかんせん時間が足りない。しかも学生の人数が減っていることに比例して、その資質は下がっているような気がしてならない。優秀な学生もいる反面、同じことを繰り返し教えても、打って響かない学生がいることも事実だ。授業態度や学びの姿勢について、同じことを何度も注意しないとならない学生もいる。

より深刻なのは、コミュニケーション能力の欠如である。考え方を言語化する能力、文章力の低下には危機感を持たざるを得ないレベルである。

恐らくその原因は、本を読む習慣がないことである。高校を卒業した者なら、当然すらすらと音読できなければならない文章を、何度もつかえてやっと読めるならまだましで、漢字を読めないというレベルの学生に、どうやってコミュニケーションスキルを訓練するのか頭を悩ませる毎日である。小中学生のうちから、もっと本を読む習慣を、すべての生徒につけるような教育プログラムの改正が必要なのではないだろうか。

そのため僕の授業の冒頭は、演習に使うテキストを順番に音読させることから始めている。一つの演習授業に使うテキストは、19人の学生がほぼ全員音読にあたる量にしている。つかえつかえで、聞き取りにくい学生や、相変わらず漢字を正確に読み取ることができない学生もいるが、何とか与えられた箇所を、クラス全員に聞き取ることができる声で、音読することはできるようになってきている。・・・ここから始めなければならない学生もいるという事実には、愕然とするものがあるかもしれないが、これが現実である。

加えて自分の考え方を文章化・言語化するための訓練も続けている。演習課題の討議内容は、発表者が下限時間と上限時間の範囲で、発表を行うことにしており、僕の授業の中で一人最低3回は発表しなければならなくなる。下限時間を5分としているから、5分を下回る発表は許されず、実質の発表時間が5分を超えるまで、課題と関係のない話題でもなんでも話さねばならないというのがルールで、演習討議内容の記録だけを読んでも、この時間はクリアしないので、必然的に自分の考えを交えながらの発表になる。

最初の発表でうまくいかなかった学生も、回を重ねるごとに何とか下限時間はクリアできるようになっているので、この部分は当初よりもスキルアップしていると認めてあげても良いだろう。

介護福祉士の資格取得に際し、介護福祉士養成校の卒業者にも、国家試験の合格が必要になるのは2022年度からである。そういう意味で、今教えている学生は、学校を卒業さえできれば介護福祉士になれる。その中には、国家試験を受けたら合格が難しいと思われる学生もいることは事実だ。

そういう意味で、資格取得の新ルールを先延ばしたことは良かったのか、悪かったのか・・・。介護福祉士の数の確保という面では、介護福祉士養成校への入学者がこれ以上減らせないという意味も含めて、先延ばしはやむを得なかったのかもしれないが、質を考えると、先延ばしによって人員確保はされても人材確保はますます難しくなったと言えるのかもしれない。

看護学校でも特別講義を行う機会があるが、教科書を読むことができない看護学生はいないことと比べると、介護福祉士養成校の学生の質の低下は、もっと深刻に議論されても良い気がする。

そうした中で少しでも質の引き上げを図るべく、忍耐と努力を重ねているのが、養成校講師の現状である。

そうは言っても、可愛い生徒であるから、近い将来の飛躍を期待して、大事に磨いてきたつもりである。来春お世話になる皆様にも、どうか長い目で見てやっていただきたい

よろしくお願いします。


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ヒエラレキーを作り出しているのは国ではないのか


僕の知る限り、公表されている介護事業経営実態調査の最新データは、平成26年度のものであると思うが(違っていたら指摘してください)、それを見ると居宅介護支援事業所の収支率は、−1.0%である。

調査対象事業で収支率がマイナスとなっているのは、居宅介護支援事業所と複合型サービスだけで、居宅介護支援事業所は2000年の制度開始以来ずっと収支率がマイナスである。

そうであるにもかかわらず、次期報酬改定においても居宅介護支援事業所の収支率改善のために、基本サービス費を引き上げる必要があるのではないかという議論は全くない。

その理由の一つは、解釈通知老企第22号の、2 人員に関する基準(1)介護支援専門員の員数にある。ここでは、「介護支援専門員については、他の業務との兼務を認められているところであるが、これは、居宅介護支援の事業が、指定居宅サービス等の実態を知悉する者により併せて行われることが効果的であるとされる場合もあることに配慮したものである。」と規定している。つまり介護支援専門員は、居宅介護支援事業のみで報酬を得るのではなく、他の業務を兼ねてそちらの報酬を得ることが可能であり、それらをすべて含めて居宅介護支援事業の経営は成り立つという理屈である。

兼務を認めているからと言って、単独で事業経営が難しいことを想定した事業を、制度の中心に据えてどうするのだと言いたい。

さらに国は、居宅介護支援事業所が単独で安定経営を目指すのであれば、事業規模を大きくして主任介護支援専門員のほか、介護支援専門員を複数配置して、「特定事業所加算」を算定できる運営をすべきだと考えている。

しかしこのことは「囲い込み」を否定する制度の理念と矛盾していると言えるかもしれない。事業規模を大きくするためには、事業経営母体の体力が必要で、大きな母体が経営する居宅介護支援事業所は、母体のサービス事業を優先利用する傾向にあるからだ。どちらにしてもこの加算を算定できない事業所は、事業単独では赤字でもやむを得ないという報酬設定はあまりに乱暴だろうと思う。

そんな中で、経営母体の方針により、利用者本位の支援がゆがめられることを嫌って、本当の意味の独立・中立のケアマネジメントを目指す人々が、居宅介護支援事業所を自ら立ち上げて、一人ケアマネ兼管理者として、各地域でその専門性を発揮しながら、利用者支援に携わっておられる。

しかしそのことについても国は否定的な見方をしている。

どういう意味かといえば、金曜日に書いた、「居宅介護支援の論点」でも示しているように、「介護支援専門員一人のみの事業所については、その担当者が怪我や病気で業務に就けなくなることが懸念される。」という理屈である。

その理屈がいかにおかしいかということを、僕のフェイスブックにコメントしてくださった方がいる。本日はコメントを書いてくださった、浜松市の独立・中立型居宅介護支援事業所「ジョアン」の管理者兼介護支援専門員・粟倉 敏貴氏の許可を得て、そのコメントを転載させていただく。
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医師や弁護士に対して「一人親方でやっていて病気や事故になったらどうする?」なんて愚問はしませんよね。当人が患者やクライエントの治療や弁護を継続している最中に不測の事態があれば、他の同業者が(前任者と全く同質の仕事ができないにせよ)代わって請け負えば良い話です。ケアマネジャーに関してのみ執拗にそんな議論がされるのは、失笑を禁じ得ません。
政策側には、過去、業界を混乱させた一部の「一人勝ち」「自分さえ良ければ」型の一人親方に対するアレルギーがあるのでしょうか。
(粟倉氏のコメント)
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まったくその通りである。厚労省は介護支援専門員という資格を、「作ってやった」という意識があるから、自分たちの考え方ひとつで、どのようにもできるし、しなければならないと考えているのではないだろうか。

技術が先にあって、資格が後からできた医師には言えないことも、介護支援専門員にはズバズバ言いたい放題というところが見えなくもない。しかしこのことは国自らが意味不明のヒエラレキーを創りあげているようなもので、医師と介護支援専門員の間に、見えない高い壁を作っているようなものだ。その結果、「医療関係者が連携をとりにくい相手1位はケアマネ」で紹介したように、医師とケアマネのそれぞれが連携しずらさを感じている。まさに無意味なヒエラレキーが、連携を阻害している状態と言えよう。

地域包括ケアシステムとは、多職種連携が基盤になるのだから、それを阻害する一番の要因となるヒエラルキーをなくすためにも、国の居宅介護支援事業に対する考え方は、根本から見直されるべきであるし、当然その際に、独立・中立ケアマネジメントを目指す一人ケアマネ事業所は、もっと高く評価されるべきである。

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居宅介護支援の論点


19日に行われた社保審・介護給付費分科会では、居宅介護支援事業所、特養、特定施設の報酬改訂議論が行われた。

議論の中心となったのは、居宅介護支援である。その論点はすでに5日の分科会資料で示されており、以下の4点である。

1.居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進する観点から、居宅介護支援事業所の管理者のあり方についてどのように考えるか。
2.公正中立なケアマネジメントを確保する観点から、特定事業所集中減算のあり方や利用者やその家族に対する説明・同意プロセス等についてどう考えるか。
3.退院後に円滑に必要な居宅サービスを受けられるようにするために、入院時を含めた医療機関と居宅介護支援事業所との更なる連携に向けた取組みについてどう考えるか。
4.末期の悪性腫瘍の患者に係るケアマネジメントについてどう考えるか。


1については、「7/5開催の社保審・介護給付費分科会の論点」で解説した通り、管理者要件を主任ケアマネに限定したい国の意向が強くにじみ出ている。

その根拠として「厚労省の昨年度の調査結果によると、主任ケアマネが管理者に就いているところは全体の44.9%。そうでないところと比較して、事業所内の検討会を定期的に開催していたり、後輩の相談に乗る時間を設けていたりする割合が高い。」と報告されているが、データをどこから求めているのか首をかしげたくなるような理屈だ。検討会の定期開催などほとんどの事業所で行っているだろうし、上司が部下や後輩の相談に乗るのも当たり前のことではないか。ことさら主任ケアマネが管理者の事業所がそれを行っているというデータを出されても、こじつけとしか思えない。

これに対して委員からは、「主任ケアマネには研修を受ければ誰でもなれる。資質や技能のない人を排除する仕組みが必要。」(日本医師会・鈴木邦彦常任理事)という意見も出されているが、国はこの意見を逆手にとって、「主任ケアマネの資格試験導入」の動きを見せている。

管理者を主任ケアマネに限定〜主任ケアマネ資格取得試験の導入と、それに伴う研修の実施〜資格更新研修という形の集金システムがますます充実するというわけである。しかもこうした変更が、居宅介護支援費の額を据え置いたまま行われる可能性が高い。居宅介護支援事業所もしくは、そこに所属する介護支援専門員は、収入が増えないのに義務支出がおのずと増えざるを得ないというわけである。この矛盾が介護給付費分科会の中で全く議論されていないのはどうしてだろう。介護支援専門員の職能団体はいったい何をしているのだろうか?

それとこの問題で、もう一つ気になることがある。仮に居宅介護支援事業所の管理者が主任ケアマネに限定された場合(もちろん経過期間は設けられるのだろう)、一人ケアマネの事業所の場合、例外なく主任ケアマネの資格を取得しなければならないことになる。しかし国が主任ケアマネを管理者とするメリットとして挙げている、事業所内の定期検討会とか後輩の後輩の相談に乗るという事柄は、一人の事業所であるがゆえに、事業所内ではその機会はないと言える。そうであれば一人ケアマネ事業所にとって、管理者が主任ケアマネに限定されることは、(仮にその資格取得がスキルアップにつながるとしても)費用負担の増加というデメリットにしかならないわけである。それをどう考えるのかということを見据えると、一部の情報として、「一人ケアマネ事業所は廃止し、統合再編する」という考えがあるとされている。

独立・中立のケアマネジメントを行っている一人ケアマネ事業所にとって、これは由々しきことだ。しかし僕自身も、厚労省の関係者とお話をする機会がある際に、よく聞く話は、「一人ケアマネ事業所が、いくら頑張っているといっても、その人が病気や怪我で、仕事ができなくなったらどうするの」ということである。

このように管理者兼務の一人ケアマネ事業所に対し、国は極めて冷たいのだ。加えて居宅介護支援については、特定事業所加算を算定できる規模の事業所をスタンダードとするために、居宅介護支援費自体の引き上げは行わないという国の基本姿勢が垣間見える。

となると居宅介護支援事業所は、一定規模の事業所に向けて、強制的に統廃合が進められていく可能性があるということだ。この辺りは注視していかねばならない。

2については、特定事業所集中減算の廃止議論が中心であるが、その方向性は支持する意見が多いものの、「何らかの歯止めは必要。より効果的な手段を抜本的に考え直して欲しい」(全国市長会の代表・大西秀人高松市長)という意見もある。このことは市町村のケアプランチェックの強化という形で行政機関の介入強化が図られ、自立支援の名のもとに事業者への縛り強化と介護サービス事業所の選別へとつながっていく恐れがあり、その阻止を図るための行動が求められるところである。

さらに適切なケアマネジメントという部分では、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームで暮らす高齢者のケアマネジメントを適正化する必要性が唱えられている。「自分の施設の入居者を囲い込み、儲けを増やす目的で過剰にサービスを提供している事業者が後を絶たない 」という意見と共に、厚労省は、サ高住などに併設されているケアマネ事業所はそうでないところと比べて移動時間が短いとのデータを提示しており、居宅介護支援費の「集合住宅減算」が新設される可能性が高まった。

3については、診療報酬とのダブル改定なので、さらなる連携強化の加算が、介護・診療両報酬で検討されることになる。

4については、スピード感を持った支援がより求められてくるわけであるが、2号被保険者の場合、がん末期は特定疾病として介護保険サービスの導入が可能という意味で、それは患者にとっては、介護サービス利用=がん末期の告知(宣告)という意味になる。よってこの部分での精神的負担との兼ね合いが必要となり、デリケートな議論とならざるを得ない。がん告知と余命宣告が当たり前になりつつある時代だからこそ、慎重な議論が求められるとことである。

どちらにしても居宅介護支援事業者にとって、さらに規模しい縛りが、介護給付費を据え置いたままで行われるという厳しい方向性しか見えない議論である。
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まだ終わっていない九州北部豪雨災害


気象庁は19日、7月5日から6日に九州北部地方で発生した豪雨について、「平成29年7月九州北部豪雨」と命名した。

この災害では7/17現在・福岡と大分の死者は34人、安否不明者が7人となっている。

被害が集中した大分県日田市や隣接する福岡県朝倉市など3か所では、昨日から現地調査が本格的に実施されているが、その爪痕は深い。現地に住む人からは、「お陰様で、迂回路ができましたので何とか日常の形は取り戻せそうです。しかし…被災した傷は大きく これからが大切な支援となります。」という一報が入った。現地の様子を知らせる画像を何枚か紹介させていただきたい。

九州北部豪雨(大分県日田市)3
崩れた家屋。

九州北部豪雨(大分県日田市)4
九州北部豪雨(大分県日田市)1
九州北部豪雨(大分県日田市)2
九州北部豪雨(大分県日田市)6
九州北部豪雨(大分県日田市)7
九州北部豪雨(大分県日田市)9
被災された方々が、気軽に生活用品を入手できるように、流された公民館が利用されている。
九州北部豪雨(大分県日田市)11
九州北部豪雨(大分県日田市)8
被災された方々の中には、生活用品が全て流され今日の生活が送れない方々も沢山おられるそうである。

今必要なものは、物資とお金だろう。必要な物資を届けるための支援金が何よりも求められると思う。「九州北部豪雨 支援金」と検索すると、緊急支援金の募集サイトがヒットするので、信用できる団体にできる限りの寄付協力をお願いしたい。

今頑張っている人が、これからも頑張れるように、後方支援が必要です。

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利用者本位を貫く先に生まれるもの


特養に勤め始めた当初、利用者の入浴支援が午前中から行われていることをおかしなことだと感じた。そこには入浴介助というプログラムは存在していたが、人の暮らしを支えるための入浴支援という行為は存在していないように思えた。

勿論、一般家庭でも朝風呂を習慣にしている人はいるだろうし、社会人現役世代でも、出勤前にシャワーを浴びて出かける人もいるだろう。しかしそれらの人は、おそらく毎日のようにその習慣を続けているだけではなく、仕事帰りや、夕食前後にも入浴する習慣がある人が多いのではないだろうか。

しかし僕が特養に初めて入職した当時、入浴支援は週2回しか行われていないのが現実で、その中で午前中に入浴させられている人たちは、その日午後から汗をかいても、その後2日なり、3日なり、その汗を流すこともできないという生活スタイルであった。

それは人の暮らしとしてどうかと疑問に思いながら、その後何年も様々なバリアによって改善を行えないまま過ぎ、やっと2000年の介護保険制度への移行がきっかけとなって、毎日入浴支援が行われる体制へと改善することができた。

その時に、日中に汗をかいた人々が、夕食後にゆっくりとその汗を流して眠ることができるように、希望する人には夜間入浴も実施できるように提案した。当然そのためには、遅出などのシフトの見直しが伴い、それまでより遅い勤務時間で出勤しなければならない介護職員が増えるとともに、その分日中の勤務者が減るということになるわけで、日課プログラム全体の見直しも必要となった。そのため、そのことに対しては根強い反対意見があった。

反対者の理屈の中には、「全員が夜間入浴を希望したら対応できない。」という意見まであった。しかしこれは反対のための反対論でしかない。

当時、実際に夜間入浴を希望されていた方は、100人の利用者中、わずか3名である。それだけの希望者しかいないのに、全員が夜間入浴を希望するという、ありえない想定で反対する人の考え方こそ、介護の質を劣悪なものにする根源であると考え、そうした考え方がいかにネガティブで、人の暮らしを支える現場で不必要なものであるのかということを認識してもらうために、時には強い言葉と態度で、反対論者には教育的指導を行いながら、現状からの脱皮を図った。

そもそも入浴支援で、我々が一番困るのは、入浴が必要なのにお風呂に入ってくれないという介護拒否であって、喜んで入浴支援を受けてくれる人ばかりなら、何も苦労はないわけである。だから全員が毎日、夜間入浴したくなる施設であれば、喜んでその体制に向けて改善・進化すべきであるが、そのような可能性は少ないだろう。

そんな紆余曲折を経て、夜間入浴希望者のニーズにも応えられるようにしたが、毎日夜間入浴をしたいという方はおられず、日中の入浴に加えて週1〜2回の夜間入浴を希望する人が数名おられた中で、曜日限定での夜間入浴支援が今でも続けられている。勿論、日中の入浴支援は毎日が基本となっている。そんな施設もあるという事実に、週2回しか入浴支援をしない施設の人々は、何も感じないのだろうか。

入浴一つ取り上げても、それだけの違いがあるということは、ケア全般に対する利用者本位の考え方は、様々な場面で差となって表れてくるということだ。この施設間格差は、僕自身が体験的に感じているところであり、全体の水準の引き上げのためには、利用者本位という言葉を、建前ではなく本音に変えることが必要だろうと思う。

そのためには自分が生活の糧を得ている職業の使命感を意識し、その仕事に対する誇りを抱く必要があるということだ。

入浴支援という行為を、利用者本位の視点から考え直す時に、業務負担は増えるのかもしれない。介護業界全体が人手不足の中で、そのような負担増に職員は耐えられるのかという声が聞こえそうだが、利用者本位を貫こうとする職場で、実習する学生は、その職場に就職したいと言う。そういう職場には就職希望者が集まる傾向が強い。

介護職員の募集に応募がなく、雇用しても短期間に職員が辞めていく職場では、どんなに介護を切り捨てて、業務を軽減しても、常に職員不足で現場は疲弊していく。しかしその原因は、介護という職業に誇りを持つことができないレベルの低いサービスの実態そのものであったりする。人手不足を理由としてケアレベルが下がることを仕方ないとする考え方は、さらに人が集まらないという悪循環を引き起こす最大の要因で、そのようなネガティブな考え方のリーダーを現場に持つ施設・事業所には将来はないだろう。

利用者本位を貫いて、高品質なサービスを提供しようとする事業者には人が集まり、離職率が低下し、援助技術と知識に長けた指導者が生まれる傾向もみられる。

そういう意味では、財源も人的資源も厳しい時代に、生き残っていく事業者とは、対人援助サービスの根源である、「人間愛」の精神を忘れることなく、人の暮らしを支えるための利用者本位の精神を貫く事業者ではないだろうか。
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医師による死亡診断に基準緩和の動き


医師が常駐していない特養で、看取り介護を行う場合に、死亡診断がネックになっているという施設がある。

義務配置されている医師が常駐ではないからといって、死亡確認に支障をきたすという状態はいかがなものかと思うが、実際に医師が何らかの事情で死亡確認・死亡診断に訪れることができず、長時間遺体を施設にとどめ置いたり、死亡確認のために救急車を要請し、それに死体を乗せて医療機関に搬送する不適切事例も見られる。(参照:看取り介護講演で考えたこと

そんなこともあってか、自宅や介護施設で患者が亡くなった際の死亡診断を、遠隔地にいる医師が看護師を通じてできるように、厚生労働省が月内にも規制を緩和する方針が示されている。準備期間を経て、九月以降に新制度が始まる見通しとのことだ。

具体的には、医師が遠隔地にいる場合など、日ごろから死亡対象者の訪問看護を担当する看護師等が、患者宅で心停止や呼吸停止、虐待が疑われる外傷の有無など体の状況を観察したうえで、タブレット端末のような情報通信技術機器を活用して画像やデータを医師に報告し、医師はそれを基に死亡診断を行い死亡確認後、遺族にテレビ電話などで状況を説明し、看護師に死亡診断書の代筆を指示するというものだ。

遠隔死亡診断を認める前提として、患者の死期が近いことを想定したうえで、以下の条件にするとしている。
1.終末期の対応を医師と看護師が事前に十分連携しており患者や家族の同意がある
2.医師がすぐに訪問できなことが想定できる
3.看護師が医師の判断に必要な情報を報告できる


看護師が遠隔死亡診断を担当するには、5年以上の勤務実績に加え、3年以上の訪問看護の経験などが必要とすることも検討している。早ければ九月ごろ、希望する看護師に患者の状況把握に必要な法医学分野の研修を実施し、研修後すぐに現場で活動を始めるそうである。

これは多死社会を迎える中で、医療機関のベッド数が減る現状を踏まえ、在宅での看取り介護、介護施設での看取り介護・ターミナルケアをより増やす取り組みの一環である。

しかしこれによって安易に機械的に、遠隔からの死亡診断が行われるようになり、死亡確認のためだけの施設訪問を行わないことを原則にする施設医師が多くなっても困るわけである。

医師が直接遺体を確認しないことで、不審死が深い闇に隠されてしまっては困るわけである。

例えば別事件ではあるが、千葉県の老人ホームに勤務していた准看護師が、同僚に睡眠導入剤を混ぜたお茶を飲ませ、交通事故を起こさせたとして逮捕された事件で、施設に保管されていた睡眠導入剤を含む薬は、准看護師が、ほぼ1人で管理していたことが明らかになっている。

こうしたニュース報道を目にすると、看取り介護・ターミナルケアに唯一の医療専門職として一人の看護職だけで関わって、その職員が死亡診断の実質的な判断にも関わるということに、危うさも感じるのは僕だけだろうか。それは考え過ぎなのだろうか。

どちらにしても死亡診断に対する医師の社会的責任、道義的責任を果たすという意識を重ねたうえで、多死社会における様々な死亡場所に対応した新基準という意味では、このことは求められる対応なんだろう。

現在、死者を救急車で搬送して死亡確認しているような特養は、早急に新基準に備えたシステム作りに取り掛かる必要があるだろう。

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あわただしい祝日


先週の水曜日から昨日の日曜日にかけて、兵庫・尼崎〜大阪・池田〜愛媛・松山と4泊5日の講演の旅に出ていた。

そんなわけで、6日ぶりに帰宅する僕を、普段無関心な家族もさすがに、それなりにお帰りなさいという気持ちをもって迎えてくれるのではないかと思って家に着くと、家には誰もいなかった。

同居している二男はシフト勤務なので、日曜日も出勤していることはままあるが、妻はどうしたのかと思って、はたと思い出した。昨日から今日にかけては、年に一度の新日本プロレス・G1クライマックス札幌大会である。

毎年そのイベントには、札幌で暮らしている長男から招待券が届いて、妻は不在となるのである。ちょうど昨日と今日がその日である。そんなわけで、僕の久しぶりの我が家への帰宅も、誰にも知られず、声もかけられずに、一人寂しく、「ただいま」とつぶやきながら玄関を入るわけである。

この日は、次男は早出だったようで、午後3時過ぎに一旦帰宅し、そのあとスポーツジムで汗をかいて6時前に帰宅した。というわけで、昨晩は次男と二人で、室蘭やきとりの有名店で食事をした。(参照:masaの血と骨と肉・串と髪が勝負したら、くしかつ

早めの夕食で、まだ明るいうちに自宅に戻ったが、次男は翌日も早出のため、朝ご飯のためのお米をといだり、次の日の準備にいそしむ中、呑み足りなかった僕は、ウイスキーの水割りをちびちびやりながら、旅の疲れもあってかいつの間にかうとうとして、早めに就寝した。

そして今朝は、二男が起きる時間に合わせて起床。といっても僕が何かをするわけではなく、二男が飯を食って出かけるのを見送るだけであった。

二男の朝食は、妻が作り置きしておいたビーフシチューで、これを昨晩自分で研いで炊いた米にかけた、ビーフシチューライスであったが、どうやら盛り過ぎだったようで、残りを僕に食べてほしいと言いながら、あわただしく朝の用意をして会社に出かけて行った。

一人残された僕は、食欲がいまいちわかないために、次男が残したビーフシチューライスの皿にラップをかけ、冷蔵庫に入れて、ウオーキングに出かけた。今日の登別は蒸し暑く、最高気温も30度近くになる予報で、朝からじりじりと太陽が照り付けていたが、十分水分をとりながら1時間以上歩き続け、たっぷり良い汗をかいてきた。

ウオーキングから戻り、シャワーを浴びた後は主夫業だ。4泊5日の旅でたまった自分の洗い物を中心に、洗濯をして、洗濯物畳みをしながら、掃除機もひととおりかけた。天気が良いので、洗濯物は外にシッカリ干した。

そのうちに昼になってきたので、朝飯の時次男が残したビーフシチューライスを温めなおし、ちょっとそれだけでは物足りなかったので、家にあったシーフードヌードルにお湯を入れて、昼食とした。カップヌードルはたまに食べると本当にうまい。

腹もすっかりいっぱいになったところで、たまっていたキッチンの洗い物を一気に行い、すっかりきれいになったところで、締め切りが10日後に迫っている2本の連載原稿を書き始めようとPCを立ち上げたところ、外から大音響が聞こえた。

なんとあれほど晴れ上がっていた空が、真っ黒となり、雷が落ち、にわか雨が降ってきたではないか・・・。慌てて外に干していた洗濯物を取り込んで、開いていた窓をすべて閉めた。しかし蒸し暑さはひとしきりである。だがこんなことに備えて、今年買ったエアコンの活躍だとばかりに、設定温度を22度としてスイッチオン。快適になるだろうと思いながら、部屋が冷えるのを待てども待てども、蒸し暑さが消えない。

・・・あっ、閉め忘れている窓がある。それも2ケ所も・・・。これでは冷えないわけである。エアコンを使い慣れていないことバレバレ。でも誰もいないからいいか・・・。とここまでが今日の僕の一日である。

二男が帰ってきたら、今日も早々とどこかに飯食いに行こう。今日は「つぼ八」でも行くかな。それとも寿司屋かな。二男が帰ってきてから決めましょう。・・・どの前に原稿書きだ。ファイト、ファイト。頑張れ自分。


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介護サービス事業管理者向け研修で話すこと


僕は今、大阪国際空港(伊丹空港)のラウンジで、この記事を更新している。これから乗継便を待って愛媛県松山空港に向かう予定である。

松山に向かう目的は、明日開催予定の愛媛県老人福祉施設協議会主催・第1回管理職員研修会の講師を務めるためである。

僕は2012年7月まで、四国には一度も足を踏み入れたことがなかった。しかし同年7月に愛媛県老施協さんと、愛媛県地域包括支援センター協議会さんが共同で僕を講師として招いてくれたことがきっかけで、その後四国とご縁ができて、高知県や徳島県でも講演を行うことができた。

ちなみに香川県は、まだ一度も講演を行ったことがない県なので、そちらに招待される日があることを願って、『うどん専門店』には足を踏み入れないようにしている。本格的なうどんは、是非『うどん県』として名高い香川県に行ってから食べてみたいという願掛けである。

おっと話がそれた・・・元に戻そう。2012年にご招待を受けて以来、愛媛県老施協さんには毎年のようにご招待いただいている。そのため僕にとって四国で最もなじみのある街が、坊ちゃん列車の走る街、『松山市』である。

昨年度までの松山での研修は、介護サービス事業所の職員や、介護支援専門員に向けたものであったが、今年の研修は参加対象者が、『施設長、管理者、人材育成担当者、リーダー職員等 』とされている。

研修内容は、僕の3つの講義が柱になっており、タイムスケジュールは以下のとおりである。
10:00〜10:30  受 付
10:30〜10:35  開会・オリエンテーション
10:35〜12:00  講 義 崙きがいのある魅力的な職場づくり」
12:00〜13:00  昼食休憩
13:00〜14:30  講 義◆嵶タΔ鯔匹依諭垢兵茲蠢箸漾
14:40〜15:30  講 義「管理職のストレスマネジメント」
15:30         閉 会


講義,鉢△牢慙∪が高く、ほぼ同一線上の講義を午前と午後に分けて行うと考えてもらって構わない。ここでは組織管理に関することのほか、職員の定着率を高めるための組織作りについて、介護事業への就業動機とモチベーションという視点から具体案を示したいと思っている。人事考課が必ずしも職員のモチベーションにつながらずに、職員を育てる視点を欠如させるというデメリットも、あえて触れてみたい。介護事業コンサルタントの講義ではないのだから、それらの人々とは違った視点から、本音の介護経営を語りたい。

そもそもコンサル会社が言うとおりになるなら、コンサル会社はすべて介護事業経営に乗り出してるって。そうではなくコンサル業務にとどまっている意味を、介護事業経営者はもっと現実に即して考えてほしいものだ。

講義は、職員のメンタルヘルスに関連して、法律改正により実施義務が課せられたストレスチェック制度についての現状と課題を示すとともに、ストレスとは何かということを具体的に明らかにしながら、介護サービス特有のストレスから職員を守る方法の具体策も示したいと思っている。

なおこの研修会は8/27(月)にも、明日と同じ内容で実施されることになり、愛媛県老施協の会員事業所の経営者・管理職の方々が、どちらかの研修会に参加できるようになっているので、多くの方とつながりも持つことができる貴重な機会でもある。

今回はどんな方々に出会えるのか楽しみであるとともに、旧交を温める人々との再会も楽しみにしている。もうすぐフライト時間である。


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旅の愉しみを奪う「やらせ口コミ」


ありがたいことに、全国各地の皆様から声をかけていただき、様々な場所で講演をさせていただく機会に恵まれている。

日本の都道府県で講演を行ったことのない4県のうち、このたび島根県からオファーをいただき講演をすることになったので、講演していない県は、山梨県・鳥取県・香川県の3県だけになる。この3県で今後、講演オファーをいただく機会があり、いつか全県制覇を成し遂げるのが僕の目標である。

そんな講演の旅は、いつの間にか僕の生きがいになりつつある。講演という仕事で出かけることを、『』と呼んでよいのかには疑問を感ずる人もいようとは思うが、たとえ講演会場と空港の往復だけで終わったとしても、僕にとっては貴重な時間であり、『』の気分を堪能している。

そんな旅の一番の愉しみは、人との出会いであるが、それと同じくらい楽しみなのが、『』である。

『北海道はもともとおいしいものがたくさんあるから、他の土地の食べ物は物足りないでしょう。』と言われることがあるが、旅先でその土地の名物を食べるというのは、日常の食事とはまた異なり、大いなる楽しみなのである。そしてその土地の人々と酒を酌み交わしながら、食べるその土地の食べ物は、どれもこのうえなく旨いのである。(※ちなみに僕の普段の食卓は、masaの血と骨と肉、で紹介しているので参照願いたい。)

僕の場合、一人寂しく飲むのを可哀そうと思ってくれるためか、講演とオフ会がセットになっている場合も多い。そうでないときも、寂しく一人飲みさせてはならないと思ってくださる仲間が全国各地にたくさんいて、一緒に食事に付き合ってくれる人がいる。

昨日も講演前日に尼崎入りした僕が寂しい思いをしないように、兵庫県付近に住む気の置けない仲間が、夜オフ会を開いて楽しい夜を一緒に過ごしてくれた。今日も講演主催者の方がオフ会を開催してくれる予定だ。ありがたいことだ。こんな仲間が全国にいる僕は幸せ者だ。

そんなふうに、行く先々で地元の方と呑んで食べる場所は、地元の方のおすすめの場所が多いので、外れはない。

しかしたまに一人呑みを余儀なくされることがある。その場合はインターネットの口コミ情報を頼って、店を見つけるのが常だ。・・・しかし評判の良い店であっても、口コミ情報とまったく異なり、残念なお店も多い。こんなふうにすべて当たりとはいかないのがネット情報の怖いところである。

どうやら口コミ情報を書くプロというのも存在していて、店側から何かしらの利益を得て、商売として口コミを書いている人がいるようだ。そうなってくるとインターネットの口コミ職情報は、もはや信じるに値しない情報に貶められてしまうのではないだろうか。最近そんな不信感が募ってきている。それほど外れは多いのである。

そういえば先日、芸能人のグッチ裕三が、情報番組で自分の経営する店を、あたかも関係ない店であるかのように、なおかつその店の商品をほめちぎったというニュース報道があった。(数日後にリンクは切れるかもしれません。)

店側は、『やらせ取材ではない』と反論しているが、店の経営者たる者がそのこと隠して、第3者のようにその店の良い評価をテレビという公器を通じて流しているんだから情報操作のそしりは免れない。法的責任はなくとも、道義上の問題はあるだろう。そもそもその根性はさもしい。

訪れる場所によっては、たった一度きりの場所になる可能性もあるのだから、残念なお店で過ごすと、残念な記憶にしかならないので、ネット情報は操作のない正直な情報として伝えてもらいたいものだ。食情報サイト運営者は、この辺りのコンプライアンス意識がないと、いずれ食情報サイト自体が不信感一杯で無視されるべきサイトとになってしまうかもしれないという危機感はないのだろうか。

今回の旅で金曜日から2泊する愛媛県松山市も、一人呑みの夜もあるので、どうしようかと迷っている。少なくとも口コミ情報サイトより、フェイスブックでつながっている人の情報のほうが信頼度が高いので、そちらを頼りにしようかと思ったりしている。

どちらにしても日曜まで4泊5日の、尼崎〜松山の旅を楽しんでいる最中である。ちなみに講演は5講演を予定している。


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またも的外れな国の人材確保対策


僕はこれから関西国際空港に飛び、関空からリムジンバスに乗って、明日の講演場所である兵庫県尼崎市に向かうが、搭乗待ちしている新千歳空港内で憤っている。

あほか・・・という一言とともに、開いた口がふさがらないニュースがネット配信されているからである。

7/10(月) 12:06配信の読売新聞のニュースによると、介護現場の深刻な人手不足を補うため、厚生労働省は、介護の経験がない人を対象にした全国共通の『入門研修制度』を創設する方針を決めたそうである。

入門研修は、初任者研修と無資格者の間に位置づけられ、初任者研修(130時間)よりも短い30〜40時間程度を検討しているとのこと。研修内容は、介護保険の概要・着替えやトイレへの移動の介助・緊急時の対応など、介護に関する最低限の知識と技術を学ぶとされ、試験はないそうである。

これによって何が変わるというのか?

記事によれば、『修了者は、主に施設で簡単な介助や配膳、掃除など補助的な業務を担う。その分、介護福祉士らが、認知症の人の介護など専門性の高い仕事に専念できるようにする。修了者がキャリアアップのため初任者研修を受ける際には、科目の一部を免除する考えだ』とされている。

もう一度言う。『あほか‼︎』。そんなことで今の人手不足が解消されるわけがないだろう、というより何の役にも立たない。

初任者研修資格が必要なのは、訪問介護サービスにおける、保険給付の訪問介護事業だけだ。

圧倒的に人手不足が叫ばれている(夜勤を伴う)介護施設の介護職員は、何の資格も必要ない。それにも関わらず介護職員の募集に人が集まらないのは、資格がネックになっているのではなく、業務負担に比して報酬が低いと思われているからだ。介護職員処遇改善加算などといういびつな報酬体系でいくばくか給与が上がっても、事業経営を危機的にする介護報酬体系化で、介護事業の将来に不安を感じて他業種へ転職する職員が多い中、ますます業務量が増えることに疲弊しているためだ。

施設での簡単な介助や配膳、掃除など補助的な業務しかできない職員なんて何の役にも立たんわ!!そんな職員が増えて、有資格者が専門性の高い介護に専念なんてできんわ!!簡単な介助や間接的介助しかできない人のしりぬぐいに奔走して疲弊して、みんなやめていくわ!!

そもそも現状では、ヘルパー2級資格も持たず、初任者研修受講経験もない人であっても、施設に就職すれば介護福祉士と同様の業務を行っているし、そのうえで夜勤もしてもらえなきゃあ意味がないだろうが。介護施設のOJTでおこなうような内容の研修を増やして、そんな意味のない有資格者を増やして何が変わるというんだ?

このことが人手不足対策としてまじめに考えられた結果であるというなら、厚労省の役人の頭の中身は相当腐ってるぞ。そうではなく何らかの利権がらみの研修制度だとしたら、心が相当腐っているということだ。例えば入門研修制度を受託する組織が水面下で決まっていて、そこで生ずる利権がらみの資格創設ということであればこの世は闇だ。

どちらにしても、こんな対策しか打ち出せない国に任せていては、人手不足など無策のままと同じである。もっとまともな役人はいないものなのか。これではまるで厄人ではないか。

政治家ももっと勉強して(この程度のことは勉強せんでも判断できそうなものだが・・・。)、下らん厄人の浅はかな考えをたしなめ、正せよと言いたい。

本当に現実を分かっていない暇な役人が考えることは、介護サービスの現状を知るものからすれば荒唐無稽である。つまらないお笑い芸人のコント以下で笑うことすらできない。


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家族の面会を拒否する権利が施設にあるのか?


神奈川・三浦市の特養に入所していた85歳の男性が、肋骨や尾骨の骨折や顔のあざなどを負う虐待を受けた疑いが浮上し、容疑者不詳のまま刑事告訴するとともに、法人および介護担当の男性介護福祉士を相手取って慰謝料など計約1,680万円の損害賠償を求める民事訴訟を横浜地地方裁判所横須賀支部に提訴した。

この件に関する報道記事をリンク先からご覧いただきたいが、リンク先の記事が消える可能性があるので、要旨を抜粋させていただく。
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訴えを起こした男性は、昨年11/24の施設入所。12/24に右目の腫れや左腰打撲のけがをしたということで、ホーム側から家族に「男性が転倒したのでこれから医師に診せる。骨折などはないが、身体中に痛みがあり、車いす生活になるかもしれない。ただしベッドからの転落は今回なかった」といった主旨の電話連絡をしたとされる。そのご医師の往診をうけてホーム生活に戻り、同30日に家族側が男性への面会に訪れようとしたが、「男性の状態が悪い」との理由で会うことを拒否されたという。

今年1月1日になって再び家族が面会に訪れると、車いすに乗ってホーム職員に連れられてきた男性利用者は、両目まぶたや頬・手にあざが出来ていた。男性の状況に驚いた家族側が救急車を呼び、別の病院に緊急搬送。搬送先の別病院による診断では、新たに左右の肋骨計7本の骨折と尾骨骨折、さらに両目・後頭部・腹・背中などが皮下出血していることも確認された。

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そのほか記録の改ざんが疑われる内容などが記事に書かれているが、怪我の程度や部位を考えると、単なるt転倒であるとは考えにくく、暴力的行為が行われていた可能性が高い。しかし被害者である元入所男性は軽度の認知症もあるそうだから、何が起こったかという真実は明らかにされない恐れもある。

しかしそうであったとしても、この施設が不適切運営を行っていることは明らかだ。感染症の発症などの正当な理由もなく、家族の面会を拒否しているからだ。この一点をもってして糾弾されてよいものだ。

恐らく怪我をさせていた事実を覆い隠そうとして、面会拒否につながったものであろうが、生活施設において本人の拒否がない限り、それ相応の正当な理由なく家族の面会を拒むことはできないはずである。「男性の状態が悪い。」との理由は、正当な理由に当たらず、状態が悪いなら、その状態を確認していただくのが、本来必要な対応である。

過去にも面会を拒否するケースについて批判記事を書いたことがある。例えば2006年に指定取り消しになった札幌のグループホームのケースについて、『介護サービスの「割れ窓理論」再び』で論評したが、このグループホームでは、日常的に家族の面会拒否が行われていたことが後に明らかになった。ホーム側の言い分は、「会うと自宅に帰りたくなる。」というものであった。まったくひどい理由だ。このグループホームでは面会を断られ続け、一度も会えないまま、やせ細って入所〜2月に入院したとの連絡を受けたというケースも報告されている。

面会を拒むというホームには、隠したい何かがあると考えてよいだろう。そんな施設やサービス事業所に、大事な家族を任せてはならない。

そもそもこれからの介護経営リスクマネジメントには、組織力の強化が欠かせないが、その組織力とは、組織内部で行われたことを包み隠す力ではなく、すべてを公にして恥じない状態を作り出す組織力である。組織にとって不都合な状態が生じた場合も、その情報を公開して、改善するという自浄作用を高める組織力である。

これからの時代のコンプライアンスとは法令の遵守を含めた「社会的要請」へ応えることである。法令に違反しているのか、いないのか、のみを基準として画一的に考えるのではなく、介護サービス事業者に社会が期待していることに応えられるように事業運営することが生き残っていく事業者につながる。

そのためには法令に精通した管理部門が内部監査等を含めて違法性をチェックするとともに、サービスの質を管理する必要がある。そうした安全と安心の担保がない事業者は、介護給付費が削減される波の中で、利用者の選択肢が広がり、選ばれて使ってもらえる事業者しか生き残れない時代に、消滅の危機に瀕していくだろう。

事業者のビジョンに反する行為や疑いが生じた場合は見過ごさずに素早く対応し、発生した問題とそれに関連する事実を全面的に把握し、その原因を究明して再発予防の是正措置をとるという治療的コンプライアンスの視点がない事業者は、生き残ることができない事業者になっていくのだ。不適切サービスを密室化させる事業者からは、利用者だけではなく、従業者も消えていなくなっていくだろう。

そうならないために、対人援助サービスの使命を感じ、介護業務にプロとしての誇りをもって従事する人材を育てていく必要がある。

10月から全国7ケ所を廻るセミナーが、その一助になれば幸いである。
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九州北部豪雨災害に対してできること


先週九州北部を襲った豪雨では、今朝までに死者数が20人となり、いまだに20人超の方々が行方不明となっており、250名の方がいまだに孤立しているそうである。幼子を腕に抱えたまま息絶えた妊婦さんの記事を読んで、心を痛めた方も多いだろう。

その豪雨の直前の3日間、僕は博多に滞在していた。7月1日(土)〜3日(月)まで福岡市・博多に滞在して2講演を行っていたのである。

土曜日の講演には、福岡市の人だけではなく、大分県日田市や、福岡県内の朝倉市や久留米市の方々も多数駆けつけてくださった。さらに日曜日の講演には、鹿児島県や宮崎県・長崎県・佐賀県などの方々もおられ、たぶん九州全県の人が、2日間の2講演に駆けつけてくれたものと思う。

その時の博多はうだるような暑さで、青空が広がり太陽が燦々と降り注いていた。しかし天気予報を見ると、沖縄の近くまで台風3号が接近しており、九州に上陸して列島を横断するかもしれないという予報が出されていた。

僕は3日・月曜日の午後の便で北海道に戻ったが、その時の福岡は天気の崩れもなく、その後の大雨の兆候さえなかった。しかも僕が戻ってきた北海道は、やっと夏らしい暑さになりつつある状態で、それからずっと良い天気が続いていた。そんなこともあり、同じ日本の中で豪雨被害が起こることを想像できる状態ではなかった。

しかし九州はといえば、7月5日(水)から記録的な大雨が降り、九州北部を中心に、土砂災害などにより行方不明者が多数出ているとの報道が飛び込んできた。

そのニュースには、甚大な被害が出た地域として、僕の講演を受講してくれた方々の住む、大分県日田市や福岡県朝倉市という地名が出ていた。しかもそれらの地域は、10月に僕が講演で訪れる予定の地域で、今回の福岡滞在中に、その講演の打ち合わせなどもしていたので、ニュース映像で災害の甚大さを目にして、それらの方々の顔が目に浮かび、ご無事であることを祈らずにはいられなかった。
(※ちなみに10月は、10月14日(土)福岡市講演・15日(日)大分県日田市講演・16日(月)岡県粕屋町と朝倉市の2講演・17日(火)久留米市講演の予定である。参照:masaの講演予定。)

僕の知り合いの方が被害にあわれたという話は今のところ聞いていないが、しかし被害は思ったよりも甚大である。被害にあわれた地域では、いまだに避難所生活を送っている人も多く、その数は1.500人を超えているそうである。物資も足りていない避難所もあるそうで、ミネラルウオーターやスポーツドリンク、生理用品などを送ってほしいと訴えているところもある。

そんな中で、被災地域に近い関係者が懸命に物資を届けたり、救援活動に携わったりしている。フェイスブックでも協力を仰ぐ書き込みが目立っている。

九州から遠い地域に住む僕たちは、それらの方々のように直接的に手を貸すという支援行為は難しい。それでも手をこまねいているわけにはいかない。僕たちのできることは、義援金という形で、被災者支援に間接的に協力することだと思う。

インターネットでも、九州北部大雨被害の義援金を募集するサイトがたくさんヒットする。

信用できるサイトを通じて、義援金を送ることが、今僕たちにできることだろうと思う。僕達は大きなことはできないが、小さなことでもできることはある。そういう小さなことを行う積み重ねが大きな力になる可能性がある。

一番ダメなことは、どうせ何も役に立たないと決めつけて、ただの傍観者で終わってしまうことだ。できることがある限り、それを行うことによって、誰かのためになることを信じて、できる限りのことをしたいと思う。

それは他人のためではなく、この国で暮らす同じ仲間のためであり、決して他人ごとではないはずである。

今日の午前中は、介護福祉士養成校での1コマ目、2コマ目の授業を担当して、先ほどその授業を終えたばかりである。学生たちは義援金を送る余裕はないのかもしれないが、できる範囲で、できることをしようと話してきた。

勿論、かくいう僕自身も、真っ先に義援金という形で協力しているのは言うまでもないことである。

小さな力でも、できるだけ広く、長く協力することが大切だろうと思う。みんなで始めよう。みんなで助け合おう。

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7/5開催の社保審・介護給付費分科会の論点


5日に行われた社保審・介護給付費分科会では、居宅介護支援もテーマの一つとされ、特定事業所集中減算がどうなるかなどに注目して傍聴していた関係者もいたようであるが、訪問介護や訪問看護、共生型サービスといった別のテーマに時間がかかってしまったため、タイムオーバーでその議論は次回以降に持ち越しとなった。

居宅介護支援事業の関係者にとっては、肩透かしといったところだ。

ところで審議に時間がとられた原因は何だろう。それは訪問介護の生活援助の在り方が議論の俎上にのぼって、それに対する意見が割れたということのようだ。

厚労省は財政削減の観点から、生活援助主体のサービスは市町村の総合事業へ移行させるか、介護給付の生活援助とした場合も、資格要件を緩和すべきという方向に意見を集約したかったようであるが、それに対する賛否が分かれたということである。

訪問介護の生活援助については制度開始当初は、「家事援助」と呼称されていたサービスで、「掃除」・「洗濯」・「買物」といったサービスが主になることで、誰でもできるサービスとして、制度改正のたびに、保険給付サービスとしての適性が議論され続けている。

そのことに加え、本年4月以降に全保険者で始まった「新総合事業」の、要支援者に対する、「基準を緩和した訪問型サービス」においては、ヘルパー資格等が必要がない、保険者主催研修受講のみでサービスを提供できる仕組みになっている。

わずか1〜2日の研修受講のみで、生活援助サービスが提供できるならば、それは介護給付も同様にしてよいもので、これによって多様なサービス提供者による、単価の低いサービス提供が可能になるという意味だろう。

これに対する賛成意見は、「人員基準を緩和して役割分担すべき」、「段階的に地域へ委ねていくべき」というもの。

一方では、「高齢者の在宅生活を支えるのに不可欠」、「生活援助への評価が低すぎるのではないか」、「介護離職ゼロを目指す方針に基いて慎重に検討すべき」という反論の声も挙がり、その意見陳述に時間がかかったということのようである。

訪問介護事業者にとっては、生活援助が介護のプロの知識と技術で行われているのかが問われる結果となる。次回まででに、この賛否の声を国側がどうまとめるのかが注目されることだ。

なお生活援助については、ひと月に100回を超えて利用しているケースが認められた(昨年10月審査分)ことについて、先月27日に調査結果を公表した際に財務省から、「必要以上のサービス提供を招きやすい。1日に算定できる上限の設定など報酬のあり方を見直すべき」と注文をつけたことも取り上げられたが、これに対しては上限設定に賛成意見が出された一方で、「必要なサービス回数ではないか」、「丁寧に考えてほしい」などの多数訪問に肯定的な意見も出されている。

また集合住宅におけるサービスの適正化については、同一建物のサービスについて厳しい意見が相次ぎ、次回報酬では同一建物減算のさらなる強化が現実的になっている。

次回まで先送りされた居宅介護支援事業については、論点資料が出されている。

5日は時間切れで説明はなかったものの、その内容を読むと、居宅介護支援事業所の管理者について、どうやら国は、「主任介護支援専門員」の資格者としたいようである。なるほど、この案の本音は、研修費という形での費用徴収であろう。主任介護支援専門員の資格を得るため、その資格を更新するために、研修受講義務があるので、これによって研修費という形で居宅介護支援事業所あるいは介護支援専門員個人から、定期的に費用を回収できるというわけである。こずるい考え方である。

特定事業所集中減算については、廃止の色があまり強く見えない。ルールやプロセスのマイナーチェンジに終わってしまうのだろうか?

連携加算については、末期がん患者の退院支援に新加算が設けられるかもしれない。また退院時だけではなく、入院時に居宅介護支援事業所から医療機関への情報提供を強化するような新ルールが設けられる可能性もある。どちらにしても居宅介護支援費は、基本サービス費用の変更はないので、管理者等の配置基準と、加算・減算の新ルールに注目である。

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不便を知ることの大切さ


自分の体のことは、自分が一番よく知っているという考えは、場合によってはまるで的外れとなる。

特に病気そのものの知識がない状態での判断は、極めて危険である。例えば、一般的な病気といってよい「糖尿病」も、罹患した本人であったとしても、その病気が一体どういう病気なのかということを知らない場合がある。

単に尿から尿が出る病気だとか、血糖値が高くなる病気だとかという理解にとどまり、その合併症の恐ろしさや、重度化した場合の悲惨な状態を知らずに、血糖値管理をおろそかにしたり、食事療法を拒否して病状を悪化させるケースが実に多い。

そうしないために、医師をはじめとした関係者は、一般の方々が持つ病気に対する知識は、決して深いものではないという前提から、丁寧に真摯に、その病気の症状や、症状悪化に伴う様々な健康障害について説明してほしい。

高齢者の方々が、「病識に欠ける」最大の理由は、知識のなさ以前に、専門家による説明不足であっては困るわけである。

一方、病気に伴うその症状については、病気になった人しかわからない不快感や不便が伴う。介護サービスに携わる人は、この部分の理解と受容に努める必要がある。

阪神大震災で被災したTさんは、震災の朝、大きな揺れで目を覚まし、慌てて家を飛び出した瞬間に家屋が倒壊したという経験を持つ人だ。Tさんの震災認定は、「家屋全壊」だった。

足腰も達者で、お元気なTさんであったが、彼女には人に言えない悩みがあった。それは彼女が抱える持病により、「頻尿」という症状があることだった。

ほぼ20分〜30分おきにトイレに通わねばならない状態は、自宅で一人暮らしをしている限り、あまり障害にはならなかった。しかし震災によって避難所で生活しなければならない身になったとき、1月の寒空の下で、たくさんの避難民の方々が、トイレの個室の前で用を足すために並んでいる最中、自分だけが何度もトイレに通って、用を足すことは難しかった。だからといって人目を忍んで、トイレではない場所で用を足すこともできず、我慢を重ねていたが、失禁するようになり、その状態も羞恥心によって人に訴えられず、失禁により風邪から肺炎を併発した状態で発見された。

Tさんの姪が、僕が以前勤めていた特養のある地域に住んでいたことが縁で、僕の施設に彼女が緊急入所してきたのには、そのような経緯がある。

その後、Tさんは体調も回復し、元気に施設生活を送るようになった。僕は当時、相談室長という立場で、彼女に接し、いろいろ相談にも乗り震災後の諸手続きの代行も行った。

そんなTさんであったが、施設から外出するレクリエーションに不参加であることが常だった。せっかく自然豊かで、名所のたくさんある地域なのだから、長く神戸におられて、震災という被害にあわれ、住み慣れた土地を離れなければならなくなったさTんに、新たに住まう地域を第2の故郷に感じてもらおうと、誘うのであるが、ことごとく断られた。

その時僕は、Tさんが外に出かけようとしない理由が、「頻尿」であることに、長く気づかないという重大なミスを犯していたのだ。わずか20分でたどり着けるテーマパークであったとしても、バスの中で尿意を感じて、失禁することをTさんは恐れていたのである。それは避難所で、失禁から肺炎となったという記憶とともに、トラウマともいえる状態に近かったと言えるかもしれない。

そうであれば、頻尿を改善する治療と共に、その症状があることを前提に、Tさんの排泄ペースに合わせた個別対応を行いながら、「外出できる個別プラン」が必要になることは当然である。

医師や看護師は、病気の症状改善に直直接向かい合うが、相談援助職や介護職は、病気の症状を持った人の暮らしに直接向かい合う仕事だ。それはその症状理解と、それによる生活上の不便に思いを寄せる必要があるということだ。

そのことは決しておざなりにしてよいことではない。そんなことをなんとなく思い出しした。

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心で泣いて叱る愛


非常勤講師として教壇に立っている介護福祉士養成校の学生の半分は、20歳前後の若者である。

彼ら、彼女らは熱意もやる気もあるのだが、いかんせんそのやる気を示す方向性が違っていたり、ちゃらんぽらんであったりすえることが多い。知識もまだ拙(つたな)く、自分の思いを正しく言語化する術(すべ)を持っていない。

教壇に立つ身としては、学生に対して単に介護の基礎知識を暗記させるのではなく、人として成長させるのが務めと考えているので、彼らのやる気を正しい方向に向かわせ、他者に誤解されないように、彼らの素直な思いを伝えることができるようになる訓練を心がけている。特に学生たちが目指すものは、対人援助の専門家になるということなのだから、人に対して優しく思いやることの意味や、その思いをどう表現するのかということを伝えたいと思っている。

そのため時には、叱咤激励の意味を込めて、強い言葉で叱ることもある。しかしそれは感情にまかせての怒りの発露とは違うと思っている。

僕が6月と7月に担当している授業は、社会福祉演習という授業で、高齢者に限らず社会福祉全体を網羅する事例研究を、演習授業という形で行う授業だ。4人〜5人のグループで、毎回司会進行役、記録係、発表者を順番で担当しながら、それぞれの役割の責任を負い、決められた課題についてグループの意見をまとめて、発表を行うというものだ。

発表者は指定された時間内で発表を終えるだけではなく、指定時間以下の発表も許されないというルールを設けている。

学生にとって上限時間内で話すより、下限時間以上に話をすることのほうが難しいのが実態で、グループでまとめた意見を、単に棒読みするだけではこの下限時間はクリアできない。そのために発表者には、自分の意見を交えながら工夫して話をすることが求められる。そしてどうしても下限時間をクリアできない場合は、授業に関係のないプライベートのことでもなんでもよいから、「話をする」時間が下限時間を超えればよいとしている。

ドメスティック・バイオレンスが行われている家庭で育った子どもが、そのことによって受ける影響に関する演習発表では、自分がその体験者であることを滔々と語る子もいたりして、その話は一教師の講義より学生の心を打つ内容であったりする。僕自身の学びにもなる。

幼児虐待の事例演習では、しつけのための暴力と、虐待といえる暴力はどこに線引きがあるのかという疑問が呈されたりする。

これらの疑問に対して僕は、正答を示すことはできないだろうが、疑問に対する僕なりの見解を示すことは避けることができない。教師の務めとして、疑問に真摯に応えることは避けて通ることができないからである。

僕は二人の子を育てた親として、その意見を述べる。僕自身は、暴力がしつけになるとは思わないが、どうしても子の頬を、自分の掌で打つ必要がある場合、それは自らの感情に任せての行為ではないと思う。親が子の体を痛める行為を行うときは、親の感情で暴力をふるうということではなく、心で泣きながら、自分の掌の痛みも厭わずに、子の頬を打つのだろうと思う。そこにあふれんばかりの愛情があるからこそ、その行為は許され、それはしつけになるのだろうと思う。

そういう前提のない暴力は、すべて虐待行為である。年端のいかない子を、力の強い大人が、その力でもって支配するだけの行為を、「しつけ」とは言わない。愛情の伴わない、「教育」はあり得ないのである。

しかし、最初から親であった親はいない。誰しも親になるときは、初心者なのである。だから間違えることもある。子をやったことがある親であっても、親をやったことのない親は、間違えるのである。だから感情に任せて、子に怒りをぶつけてしまう親も時に入るのだろう。その時に愛情があって、後悔する気持ちがある親なら、愛するあなたのお子さんは、間違うあなたを許してくれるのではないだろうか。

過去に発達心理学を学び、児童福祉の専門家を気取っていた僕であっても、この程度の見解しか示すことはできないが、そのことを心をこめて、真摯に伝えるのが、僕の授業に臨む姿勢である。

そしてこうした教育の場が、僕にとって何よりやりがいのある場所になりつつある。その授業もあと数日で終わり、その授業を受けている学生たちとの別れが近づいている。あと数回の授業で、学生たちに何をどれだけ手渡すことができるかを、寂しさとともに、思う日々が続いている。

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看取り介護を通じて伝えられること


僕が講演を行うことができるテーマは複数あり、それもかなり広範囲に及んでいると思う。(参照:masaの講演予定

その理由は、僕が特養・老健・居宅介護支援事業所・通所介護等で、介護支援専門員業務を含めた相談援助業務や管理業務に携わった実務経験があって、その実務に基づく方法論を言語化できているからだと思う。

最近は管理職向けのテーマ依頼も増えて、「働き甲斐のある職場づくり」・「職員の離職を防ぐ取り組み」・「介護サービスの場でのストレスマネジメント」などのテーマで講演することが多くなった。また時節柄、「介護報酬改定」・「介護保険制度改正」・「地域包括ケアシステム」に関する講演依頼も多い。

しかしそれにも増して依頼が多いテーマは、「介護実務」についてである。

介護サービスの場で、間違った介護の方法論がとられている事例がたくさんあり、そのことによって悪意がないのに、利用者の福祉の低下につながっているケースがたくさんある。良い介護をする前に、当たり前の介護を実現することで、利用者が笑顔になって、職員のモチベーションのアップにつながる事例がたくさんある。そのことを実践できる方法論として言語化して伝えることができているから、講演を聴いた方の満足度が高いという結果につながり、講演を聴いた方が、他の職員にも同じ内容を聞かせたいと、さらに講演依頼をしてくれる結果にもつながっているものと思う。

7/2(日)に博多で行った、「看取り介護セミナー」のアンケート結果が早速届いた。最近は特養だけではなく、老健や医療機関、在宅の看護・介護関係者の受講者も増えているこのセミナーは、毎回好評をいただいているが、それは「看取り介護・ターミナルケア」という時期の方法論を学ぶという意味ではなく、看取り介護・ターミナルケアの実践は、日常のケアの延長線上にあるもので、決して特別なケアではなく、その実践を図る過程で必ず、日常のケアの高品質化が必要となり、日常の中で、利用者と職員のより深い信頼関係の構築が必要になるということを多くの受講者が理解してくれるからだと思う。

その結果、このセミナーを受講した方が、自らの所属する組織団体でも、看取り介護をテーマにした講演会を開きたいと考えてくれて、僕を講師に招いてくれたりする。講演予定に掲載している、7/13に尼崎で行う講演も、大阪での看取り介護セミナーを受講された方が、セミナー終了直後に依頼されて実現した研修会である。

そういう意味では、看取り介護・ターミナルケアに携わっていない方々にも、ぜひ受講していただきたいのが看取り介護をテーマとした講演である。それは日常のケアの大切さ、そこで何をすればよいのかが新たに見えてくる研修会だと思う。

日総研セミナーのアンケート結果の中から、いくつかの声を紹介したい。

・今介護現場では人材不足に陥ってしまい、悪循環で沢山の仲間が退職しています。今日の講義を聞き、又、是非、現場で働きたいと強く思いました。退職した元同僚にもブログ、本を紹介しています。自分自身を今日はリセットする事が出来ました。生きた講義を聞けました。元気が出ました。ありがとうございました。私も再び利用者様に寄り添い現場に戻りたいです。頑張ります。

・看取りをしていることを他の入所者に知らせるべきなのかどうか課題になっていました。先生の経験上、知らせるべきだと(個人個人で違ってくると思いますが)きいてそのほうこうで進めていこうとおもいました。

・看取り開始後の医療行為に対してとまどいがありましたが、家族の要望などで変っていくものなのでその都度対応していこうと思います。

・看取りは日常からの支援の延長であり、普段から本人家族との関係性をしっかりと構築していく事が重要であることが理解できた。

・看取り介護は決して特別な介護ではなく日々の介護の延長線上であること。本日の研修会で話された全ての事がとても良かったです。ご利用者にその方のことを伝えても普通と変わらなかった事を思い出しました。

・菊地先生のご講義の全てが聞けてよかったです

・看取りを他のご利用者に伝えるかどうかについて、密室ではいけない事をきけてすっきりしました。

・看取りに付いての本当の意味、われわれに何ができるのかわかりました。

・様々な事例を聞くことができ、その時の場面を想像しやすい。看取りの素晴らしさを感じる事ができた。

・介護の仕事への考え方や誇りが持てた。


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福岡空港より


僕は今、福岡空港のJAL「さくらラウンジ」で、この記事を更新発信しているところだ。

先週土曜日の朝に自宅を経ち、新千歳空港〜福岡空港に飛び、その日の午後3時〜福岡県糟屋郡志免町にある栄光病院にて、社会医療法人・栄光会の職員研修として、「介護の誇り〜やる気を引き出す実践論」をテーマに、120分の講演を行った。

その後、同会事務局の方で、かねてからフェイスブックでつながっていた方などのお誘いを受け、博多の街に繰り出してオフ会と相成った。一次会の会場は、先日テレビの「けんみんショー」で取り上げられた、「もつ幸」というお店であった。

もつ鍋の本場、博多でも珍しく、「鶏ガラスープで炊き、ポン酢で食べる」という、同じく博多名物の、「水炊き」を連想させるちょっと変わったもつ鍋をいただいた。味は絶品であった。

日曜日は、日総研出版社主催の、「看取り介護セミナー」。正味5時間の座学のみのセミナーであるが、今年の福岡会場にもたくさんの人が集まっていただきありがたかった。セミナー後のアンケートを読むと、内容も概ね高評価をいただいたようである。

全国7ケ所を廻るこのセミナーも、残すところ8月6日(日)の岡山会場だけになった。岡山市周辺の皆さん、よろしくお願いします。

今までは午後4時にセミナーを終えた後、あわただしく福岡空港に向かい、夕方遅くの羽田経由の便で(その時間に北海道への直行便がないため)、新千歳空港まで戻って空港内のホテルに泊まり、月曜の仕事に備えるのが常であったが、現在フリーランスの立場で、月曜日に出勤する必要もないため、今回は福岡でもう一泊としゃれこんだ。

日曜の夜は、一人で博多の街に繰り出して、これも福岡名物の『水炊き』を愉しんだ。福岡の地酒を飲みながら日曜の夜をまったりと過ごして、今日北海道に帰るところである。

なお博多で食べたものは、本日更新のmasaの血と骨と肉、にアップしているので参照ください。

今回の福岡2講演の受講者の中には、過去の何度か僕の講演を受講してくれた方もいた。それらの人たちが、自分の所属する団体や職場のひとに、僕の話を聞かせたいとのことで、その打診や打ち合わせに来てくださる人もいた。そのため今回の福岡滞在中に、新たに3講演を行う予定が入った。

次回、福岡に来るのは10/14の予定だが、その際は福岡と大分に四泊して5講演を行なう予定である。その時も何回かオフ会が予定されるだろうから、また美味しいものを食べ、楽しくお酒を飲みながら、素敵な仲間と語り合える。今から楽しみである。待ち遠しいなあ!

それでは素敵な九州、素敵な福岡、さようなら。台風が近づいているので十分お気をつけください。

今週末は、東京で学研eランニングの撮影録画の予定が入っている。北海道に帰って早速準備にかかる予定だ。

10日に〆切が迫っている連載原稿も書き上げねばならない。束の間の休日を楽しむのも今日までである。頑張らねば、、、。

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医療関係者が連携をとりにくい相手1位はケアマネ


CBニュースが、2017年06月29日 11:00にネット発信した記事で、「医療関係者はケアマネジャーを、ケアマネジャーは医師を、最も連携が取りにくい相手と考えている」というアンケート結果を明らかにしている。

ちなみにこの記事を書いている記者は、快筆乱麻!masaが読み解く介護の今の担当者の方である。まあそれはともかく、このアンケート結果は実に興味深い。

ケアマネが、医師を最も連携が取りにくい相手と考えているのはなんとなく理解できる。いわゆる、「敷居が高い」という状態で、そもそも連携のためのアポイントさえ取れない、とる方法がないと考えているのかもしれない。

そもそも医師の中には、他職種との連携の必要性を感じていない人も多く、患者の担当ケアマネジャーという立場であっても、それがどうしたという態度の人もいる。連絡をすること自体を嫌う人もいる。医師は連携するのではなく、指示命令するものだと決めつけている人もいるから、連絡するだけで怒られたりする場合もあるので、この「敷居高い感」はなくならないだろう。

そういう意味では、医療関係者ではないすべての職種では、最も連携が取りにくい相手は医師であると考える傾向にあるのではないだろうか。

一方医療関係者が、「ケアマネジャーが最も連携が取りにくい相手」と考える理由については、配信記事の中で、「知識が乏しいことが多く明確に状況を説明できない」というふうに、ケアマネジャーの医療的知識について不安を覚える医師が多い、というふうに解説されている。

しかしそうであれば、連携をとりにくい相手としては下位に位置する「事務職」などは知識が乏しくはないと考えているのだろうか。そうではないだろう。

おそらく医療関係者が、ケアマネを連携のとりにくい相手だと考える一番の理由は、「連携しなければならない相手先として、一番に挙げられる職種がケアマネジャーである」という理由だと想像する。それゆえ自身の要求が伝われないことにジレンマを感じている医療関係者が多いということではないだろうか。

医療関係者が連携をとりにくくはないリハビリスタッフなどは、そもそも同一医療機関の中で、連携しあうシステムの中に位置する職種であるという意味があろうし、連携のとりにくい職種として、ケアマネジャーより、ヘルパーが下位にある理由は、医療関係者がヘルパーと直接連携する必要はなく、ケアマネジャーを通じて連携する相手先だと考えているからではないのだろうか。

それにしても医療関係者が指摘する、「ケアマネジャーの知識不足」とは一体何だろう。もっと具体的に、○○の関しての知識というふうに指摘してもらいたい。

まさかケアマネに対し、医師と同じ医療知識を求めているわけではあるまい。どの部分の、どんな知識を求めているかがもっと具体化されないと、知識不足と指摘されたケアマネジャーにとっては心外なことに思える。

その内容によっては、連携の障害となるものの実態は、ケアマネの知識不足ではなく、医療関係者の伝達力不足であったり、連携に臨む姿勢であったりするのではないだろうか。

対人援助における連携とは、「複数の人(非専門職も含む)及び機関が、利用者支援という目的を共有し、単独では解決できない課題に対して、主体的に協力関係を構築して、目的達成に向けて取り組む相互関係の過程」である。そして協力とは、誰かの力を借りる前に、自分の担当領域を自分自身の力でしっかりカバーするという前提によって成り立つものである。

自分と異なる専門性をもった人に、自分がカバーしきれない領域のコンサルテーションを受けるという意味として協力を仰ぐのである。その時に自分と同じ知識をメンバー全員に求めるものではないはずだ。

勿論、他職種や他領域のことをまったく知らないと、所属意識の弊害が発生して、思考が自分の専門領域のみの利益に偏る恐れがあり、他のメンバーの役割りや思いを理解しようとする態度は、多職種連携の基盤であるともいえる。そういう意味でケアマネジャーには、医療関係者とのコミュニケーションスキルとして、最低限の医療知識や看護知識は必要とされるわけであるが、それ以上でも、それ以下でもないはずである。

ケアマネジャーとしても、忙しい医師に対し、ケアマネと同様の介護保険制度の知識を求めているわけではないはずだ。

このあたりのことを踏まえて、指摘されているケアマネの知識不足という部分については、もっと具体的内容を示してほしいと思うのである。
看取り介護セミナー
看取り介護セミナー2

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2040年以降を見据えて


今週月曜日から、介護福祉士養成校の今年度担当授業が始まった。

非常勤講師として、講義を行うようになってもう15年以上になるが(正確に何年かは忘れた。)、学生に教えながら、彼らの熱意に触れて僕も刺激を受けることができる機会ともなっており、そこは僕にとって得難い貴重な場所である。

しかし心配なこともある。それは毎年生徒数が減っていることであり、そのことには危機感を抱かざるを得ない。

僕が非常勤講師として担当し始めた当初は、1学年2クラスであったものが、いつのころからか1クラスになり、クラスの中の生徒数も少しずつ減ってきており、今年の2年生は19名である。(途中リタイヤした学生が2名いる。)

僕が現在担当している授業は、社会福祉全領域に関する演習授業である。ちなみに本日午後からの演習は、家庭問題をテーマに、DV(配偶者からの暴力)について考える予定である。全15コマの授業すべてが演習授業のため、クラス内で4グループに分けているが、そのうち1グループは4名のメンバーとなってしまう。ちょっと寂しい感じである。

それにも増して憂慮しなければならないことは、介護福祉士というマンパワーの養成現場が、このような状態であって、果たしてこの地域の人材育成がこのままでよいのかという問題である。僕の受け持っている学生が、全員がこのまま無事に卒業したとしても、当校からは今年度20名に満たない介護福祉士しか世に送り出せないということである。しかも、登別・室蘭・伊達という胆振中部〜東部にかけての広い圏域において、介護福祉士養成校は、ここ1校しかないので、この地域全体で新卒の介護福祉士が20名に満たないという意味でもあり、地域の介護職員のマンパワーの確保という面が懸念される状態といえよう。

しかしこの問題に関していえば、特効薬となる処方箋はないと言って過言ではない。各事業者の人材確保は、それぞれの知恵で行うしかないのが現状である。

そのような状態だから当然、卒業生の就職率は100%である。そういう意味では学生側は売り手市場であって、職場の選択肢も多いと言える。人材不足の中で、介護職員処遇改善加算の影響もあって、他産業より低いと言われる待遇も改善傾向にあるし、そもそもこの地域で言えば、介護職員として正規雇用を受ければ、他産業に比して極端に給与が低いわけでもなく、就職先によってはかなりの高待遇で雇用される場合もある。

よって「安定した雇用が期待できる職業」ともいえるわけであり、そういう動機で入学者が増えてほしいところである。

僕は年度最初の授業では、介護福祉士養成校に入学した動機をテーマにした演習を行っている。その中で、介護福祉士という資格を取得することによって、就職にも困らず、将来にわたって安定した仕事を続けられるという意見が出されたりする。

それに対して僕は、「就職に困らない」という現状認識は良しとしても、「将来にわたって安定した職業である」という点については疑問符を投げかけている。

日本の介護問題は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年から約15年間が正念場となる。逆に言えば、2040年以降、介護サービスの必要量は、相当の勢いで減っていくのである。その時に、今と同じ仕事を続けることができるとは限らない。

例えば今年度の卒業予定者の現役世代は、平成9年と平成10年生まれである。男女比で言えば男性6割、女性4割で、介護福祉士養成校もすでに男子の数が女子を上回っている。

そうであれば来春卒業して、介護の職場で働くことになる20歳代の若者が、40歳代の働き盛りの年代に、介護を受ける人が減るという流れ中に身をゆだねることとなる。

僕は教師として、そのことをどう考えるかと問うたうえで、僕なりの分析を披露して、どのような時代になっても、選ばれる介護福祉士になるように、スキルを磨く必要があることを強く訴えている。

介護福祉士の資格見直しに関連して、国家試験を受けずに資格取得できる福祉系養成校卒業生に対する受験合格義務化は、2022年度に先送りになっており、現在の学生は卒業と同時に介護福祉士の資格を得ることができる。そのような状況下で、就職にも困らないという状況であるが、自分を磨かなければ、将来必要とされなくなる恐れがあるとアドバイスしている。

そのために僕もできる限り、知恵を絞って学生に伝えていくつもりであるので、彼らが卒業後に就職する場所の先輩職員が、彼らの理想や思いを壊さずに、延ばす指導を続けてくれるように願ってやまない。
看取り介護セミナー
看取り介護セミナー2

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企業のストレスチェックについて(その2)


企業のストレスチェックについて(その1)より続く
メンタルヘルス不調になりやすい性格というものはあるのかという質問を受けることがあるが、その場合、『あるともいえるし、ないともいえる』と答えるしかないように思う。

一般的には、一人で頑張りすぎる人にも注意が必要であるし、几帳面でまじめな人、完璧主義で責任感が強い人は、ストレスを感じやすいタイプといわれるが、それにしてもストレスに耐えられる量の個人差は大きいといえ、性格やタイプだけで判断することは危険である。

よって事業管理者は、従業員の普段と違う状態には敏感になる必要があるし、ストレスチェックを活用して、メンタルヘルス不調を未然に防ぐという視点が必要になってくる。

過去の流れを見ると、1999年に旧厚生省が職場のストレスがメンタルヘルス不調の原因となることを認めている。さらに近年の状況をみると、過労による自殺などの企業の賠償責任を問う裁判が増えるのと同時に、企業側が賠償命令を受ける判例が増えている。つまり自殺やメンタルヘルス不調の責任は会社側=経営層と管理者にあるというコンセンサスが出来上がっているといえるのである。

よってメンタルヘルス不調に対処する3つの意義があると言える。

1.リスク管理→労災申請や訴訟のような事態を生じさせない

2.コンプライアンス遵守→不調者対応のガイドラインに沿った対応を行う

3.損失の最小化→不調者個人と同僚、職場への影響を少なくする


ストレスチェックの義務化は、この意義を具体化する方法論であると感がえるべきである。

さてストレスチェックで高リスク状態と判断された場合は、次のような流れで対策することになる。

(医師・保健師等から)医師による面接指導を勧める→(受検した従業員から)面接指導を受けたいと申し出る→(会社から)医師に面接指導を依頼する→(医師が)対象者に面接指導を実施する→(会社が)面接した医師から意見を聴取する→(会社が)意見に基づいて、就業に関する措置を行う

しかし上記の各段階で、従業員には会社から不利益を受けるリスクが生ずるわけである。例えば医師の意見も出ていないのに、高リスク状態と判定されただけで、降格や配置転換を余儀なくされるようなケースも考えられるわけである。

受検者がそうした不利益を受けることがないように、1.ストレスチェックを受けるかどうか、2.面接指導を申し出るかどうか、3.ストレスチェックの結果を会社に知らせるかどうか、4.ストレスチェックに関する相談をどこで受けるかの4点については、ストレスチェックを受ける人の自由な判断が認められているわけである。

一方このことは、経営者・管理職にとって従業員のストレスチェックの結果がブラックボックスになってしまうという側面があることも事実で、ある日突然、従業員が医師の意見をもとに、休業を申し出るようなケースもあり得ることになるのである。

そうしたことも含めて、ストレスチェックは課題が山積ではあるが、ストレスチェック制度の義務化によって、経営者や管理者には、一部の不調者だけではなく、すべての従業員のストレスの状況やメンタルヘルスに心配りする必要があるという新しい時代に入ったという事実を受け止める必要がある。

そうであるがゆえに、これからの経営者や管理職は、従業員のストレスやメンタルヘルスに向き合い、常に改善を心がけていく必要があることを十分理解すべきである。

その際、経営層や管理者が、不調者対応で心がけることは次の4点である。

(1.ルールを守る→個人判断・個人対応ではなく職場のルールに従う
2.感情的にならない→善悪の判断に偏らず、終始、客観的で冷静であり続ける
3.労務管理の一環として取り扱う→放置せず、当事者意識を持ち、問題を先送りしない
4.日々の対話を心がける→日ごろから従業員や部下との信頼関係を築いておき、もしも不調になった場合に、それに伴う課題と解消努力への共通理解が持てる素地を作っておく


特に2に関していえば、経営層・管理者自身がパワーハラスメントの元凶になって、ストレス要因になってしまうことがあるので注意が必要だ。

7月と8月に、愛媛県老人福祉施設協議会・管理職研修で、『管理職のストレスマネジメント』をテーマにした講演を予定しているが、このことも具体的に話してきたいと思っている。
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企業のストレスチェックについて(その1)


2009年に民主党政権が誕生した際に、厚労大臣に任命されたのは、年金問題で名をはせた長妻昭であった。

その長妻厚労相が、2010年4月に『職場でのうつ病のスクリーニング』の導入に言及し、労働安全衛生法の改正法案の国会審議が行われた。この法案は諸々の政治情勢下で、いったんは廃案となったが、政権交代を経た自公政権下で、2014年6月に可決され、2015年12月から50人以上の従業者がいる事業所では、1年に1回、定期健康診断とは別にストレスチェックを行うことが義務化された。

ただし、法案審議過程でも専門家団体から様々な反対意見が出されており、例えば2015年11月21日に、日本精神神経学会 ・ 精神保健に関する委員会が、『職場におけるストレスチェック制度実施に関する見解 』を出しているが、ここで示された課題が全て解決されたわけではなく、その懸念は今も存在している。

そもそも従業者が50人に満たない事業者へのストレスチェック義務化が見送られた理由は、職場の負担を考慮したわけではなく、『全事業所に対応できる専門家がいない』という課題と懸念を払拭できなかったことが最大の理由である。そうした問題が山積した中での、ストレスチェック義務化であることを、まず理解しておくべきであり、この改正法も介護保険制度同様、『走りながら考える』という一面があることを理解しておかないとならない。

さてこの制度はすでに実施されているため、その細かな内容を解説するのが、この記事の目的ではなく、ストレスチェックの意味を考えて、経営陣や管理者職の責任と義務という観点から、介護事業者がこの制度に、どう向き合うかということを考えるのが目的である。

ストレスチェックの目的は、一義的にはメンタルヘルス不調の未然予防であって、うつ病などのスクリーニングではない。厚労省は、結果としてメンタルチェックがうつ病を発見する可能性を否定してはいないが、あくまでそれはこの制度の副次的作用というものである。

それというのも、うつ病などの精神科疾患の場合は、治療を受け、療養さえすれば元気になるとは限らないために、その前段階で対策をすることが企業に求められているからである。

精神科医療では、疾病の経過を次の4つの段階で表すこととしている。

反応(はんのう)→治療によって症状が改善すること
寛解(かんかい)→治療が継続しているものの、症状が概ねなくなったこと
回復(かいふく)→寛解の状態が半年以上續いていること
治癒(ちゆ)→治療を受けなくとも安定し、すっかり回復していること


うつ病の場合、治癒につながるケースは少なく、2/3が寛解となり、そのうち半分以上が再発するのが現状であり、そうならないようにするのが、ストレスチェックの最大の目的である。

つまりストレスを感じるという状態は、アラーム(警報機)としての意味があるということで、本人や周囲の人が、アラーム(ネガティブ感情)に気づいて、対処することで身を護ることができるのである。ストレスチェックは、そのために必要な手段として義務化されたと考えるべきである。

とここまで書いたところで、今日も時間が無くなった。昨日同様、今日も1日介護福祉士養成校での集中講義を行っており、まだ昼ごはんも食べていない。これ以上記事更新に時間を費やすと、ご飯を食べる時間が無くなるので、この続きはまた明日ということで、本日はこれにて終了させていただく。(明日に続く)
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メンタルヘルス不調とストレスについて考える


メンタルヘルス不調の原因として、様々なストレスが考えられる。

ただしストレスは、すべて否定されるわけではなく、ストレスが適度にある時に、仕事のパフォーマンスは最も高くなる。例えば売り上げ目標などが仕事のパフォーマンスを高める場合があるが、これも目標を達成せねばならないという適度のストレスが存在する結果であると言えるわけである。

学生時代を振り返って、試験日が近づかないと勉強しないというのも、別な角度から考えると、試験日が近づいてくるというストレスによって、勉強するというパフォーマンスにつながるのだと言えるのかもしれない。

僕は今、専門誌などに6本の連載を抱えているが、締め切り日が迫るというストレスによって、筆が進むという効果も感じながら執筆作業を続けている。

しかし適度なストレスを過ぎて、過剰なストレス状態では、パフォーマンスの低下であったり、イライラなどの精神不安、体調不良などを引き起こすのである。達成不可能な売り上げ目標に毎日苦しめられるような状態がこれにあたるだろう。

このように罰やストレスなどの不快なものが一定量あったほうが、効率が上昇するが、しかし罰やストレスなどの不快なものが最適なレベルを越えて、強い情動が喚起されるような状態になると、パフォーマンスは逆に低下する。すなわち、ストレスとパフォーマンスには逆U字型の関数関係が成立することを『ヤーキース・ドットソンの法則』と呼ぶ。

僕は学生時代軟式庭球部に所属していたので、軟式のテニスボールに例えて、この状態を説明してみる。

軟式テニスボールに人差し指を当てて押し付けるとする。この時にテニスボールは外からかけられた指の圧力によって内側にへこむことになる。

この時の人差し指で押し付けられている状態が『ストレス要因(ストレッサー)』と呼ばれ、ボールが内側にへこんだ状態が、『ストレス反応』である。

このとき、指で押される力がさほど強くない場合、ボールはへこんだ状態であっても、元に戻ろうとして内圧が高くなる。この状態は元のボールの形に戻ろうとするパフォーマンスが高まっているという意味で、良いストレス(ユーストレス)といってよいだろう。

しかしこの圧力が過度にかかるとボールそのものが破裂してしまう。それは良くないストレス(ディストレス)であり、人にこの状態が続けば、深刻な健康被害が生ずる危険性が高まる。

もっと具体的に言えば、人に対して職場などでディストレスがかけられると、生体反応としては、自律神経やホルモンバランスが乱れ、免疫の働きが落ちて、肉体的にも元気がなくなる状態に陥る。場合によってそれは、うつ状態や、不安といった精神症状などを引き起こすことが知られている。

メンタルヘルスケアは、これに対応する対策を総じて指すものである。

ところでわが国では、年間ベースでみると、精神的不調で休職することによる損失が約460億円あり、自ら命を落とすことによる損失も7.000億円、出社していても精神的不調により苦しんでいる損失に至っては4兆円以上といわれている。

この状況を鑑みると、企業によるストレス対策は、コストではなく投資であると言える。そのために2014年6月に労働安全衛生法が改正され、2015年12月〜従業員が50名を超える企業には、1年に1回ストレスチェックを行うことが義務化されたわけである。

そのことについて書くつもりだったが、今日はもう時間がない。

実は今日から、室蘭市の介護福祉士養成校の集中講義に入っている。本来それは10月以降の予定授業であったが、前の職場を退職して次の仕事に備えている僕は、その時期に北海道にはいない可能性があるため、講義を6月と7月に前倒ししてもらったのである。

このため今日も午前9時10分から、午後4時20分まで、1コマ90分の授業を4コマ担当しているのである。

昼休みも45分しかなく、これから昼ご飯を食べてすぐに午後からの講義の準備をしなければならない。そのため記事更新もこの時間までが限界である。この続きは明日の昼休みの書くこととしたい。(明日に続く)
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通所介護の報酬削減が具体化


6月21日に行われた第141回社会保障審議会介護給付費分科会において、厚労省は要介護高齢者の自立支援を促すため、心身機能の訓練に消極的な通所介護(デイサービス)事業所への介護報酬を引き下げる方向を示した。

その意味は、個別機能訓練加算を算定していない事業所の報酬を大幅に削減するという意味だから、基本サービス費を事業所規模に関わらず下げたうえで、個別機能訓練加算については、算定要件の見直しを行ったうえで、引き上げるという結論になるだろう。

もともと通所介護については、前回の報酬引き下げ後も、収益率が一般企業より高いとして、特にレスパイトケア部分の単価はさらに下げられる余地があるとされて、その方向性がありきの議論が進められていたので、この結果は予想の範囲ではある。

今回の資料にも記載されているが、社会保障審議会介護保険部会 の意見書(平成28年12月9日)においても、 『通所介護事業所間で見ても、リハビリテーション専門職の配置と 個別機能訓練加算の算定の有無によって、機能訓練の効果(日常生活自立度の変化)に差がみられ た。』と、その方向性を正論化する意見がかかれていたし、、財政制度等審議会財政制度分科会(平成29年4月20日提出資料)において提出された資料 でも、 『機能訓練などの自立支援・重度化防止に向けた質の高いサービス提供がほとんど行われていない ような場合には、事業所の規模にかかわらず、基本報酬の減算措置も含めた介護報酬の適正化を図 るべき。』とされていたこともあり、今回の厚労省の見解に今更驚いている関係者はいないだろう。

しかし収益率が高いという点についえば、前回報酬改定後に事業撤退した数多くの小規模通所介護事業所の存在を無視したデータ集めというそしりは免れないし、機能訓練効果の有意差についても疑問符が付く。しかしどのような批判があるとしても、基本サービス費の削減方向は変わらないのだろう。

しかも一連議論や、今回の資料を見てわかるように、レスパイトケアの単価を引き下げるのと同時に、レスパイトケア自体は否定しないという矛盾が見て取れる。

どういうことかというと、今回の資料の3ページには、『介護支援の充実を図り、介護をしながら仕事を続けることができる「介護離職ゼロ」に向け、現 役世代の安心を確保することが重要であり、総合的に取組を進めて行くこととしている。』・『こうした中、通所介護の開所時間について、保育所との比較で指摘がある他、仕事と介護の両立 の観点から、一億総活躍社会の構築に向けた提言(平成29年5月10日自由民主党一億総活躍本部)に おいて、通所介護について、 「特に夜間帯のデイサービス提供体制を充実させるため、平成30年度介護報酬改定において夜間帯 の加算措置を十分に検討すること」 とされている。』と書いてある。

つまりレスパイトケアは単価は低くするけれど、保育所並みに時間を延長するという意味で、現在最長7-9の時間単位をさらに長くした区分の単位を創り、延長加算は新区分のサービス提供時間を超えた部分から算定せよという意味である。

場合によっては9-12時間というサービス単位がつくられて、延長加算はサービス提供時間が12時間を超えた場合に算定ということになるやもしれない。これはもうデイサービスではなく、ナイトサービスを含んだサービス事業ということになる。

それでは基本サービス費の単価が下がった分を、機能訓練加算の算定で補ったり、時間延長で収益確保をできるかというとそうたやすい問題でもない。

個別機能訓練課加算を算定しても、小規模事業所の場合最大18人/日であり、上限がそこまでの事業所で、将来にわたって職員を昇給させながら事業運営を続けられるかを考えたとき、地域密着型通所介護として事業運営を継続するには限界が見えてくる。しかも現在個別機能訓練加算を算定している事業所については、そこで収益をアップする方策はない中で、基本サービス費が下がるのだから死活問題だ。

それじゃあ新たに設けられる9-12?サービスと延長加算で収益を確保するのかといえば、そんな長い時間に対応する職員をどう確保するかという悩まし問題が出てくる。現在デーサービスが、施設サービスに比べると人員確保がしやすい理由は、夜勤がない、遅出や早出がないという理由によるものなのに、12時間サービス+延長サービスであれば、これはもう夜勤と変わらない職員配置が必要で、そこまでの職員確保をするためには、人件費は現在の水準より高くなるだろうし、人集めはますます難しくなる。経営母体の規模が大きな事業者しかできないサービスだろう。

それらを考えると、小規模事業者の通所介護経営はかなり限界に近づいていると言わざるを得ない。

従業員の立場を考えると、そこで将来にわたって昇給されながら、事業経営が続けられていくのかを考えると不安しかないだろうから、今から大規模事業者への転職や、他業種への転職を考える人も増えるだろう。そういう意味でも次期改正は、通所介護事業者、とくに小規模事業者にとって極めて厳しいものだと言わざるを得ない。
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魅力ある職場づくりに必要なこと、不要なこと


講演依頼の相談をいただく際に、講演テーマについては主催者の希望に沿うように努めている。

僕の場合、特養の相談員(勤め始めた当時は生活指導員という職名だったが・・・。)から始まり、通所介護の相談員、施設の介護支援専門員や居宅介護支援事業所の介護支援専門員、そして特養の総合施設長などを歴任してきたので、その実務経験に即したお話ができ、その守備範囲もかなり広いと思う。

そんななか、愛媛県老施協からは、ここ4〜5年続けて講演依頼を受けていた。今までは職員対象の講演であったが、今年度は管理職員研修会ということで、それも7月と8月に分けて、2回同じ内容の研修を行うことになった。(参照:masaの講演予定。)

ということは愛媛県老施協に加入している事業者の管理者は、その2回のうちどちらかに参加することが前提となっているかもしれない。僕の知識と経験が、それらの方々に受け入れられるのか期待と不安の入り混じった気持ちにさせられている。

この研修の対象者は、愛媛県老施協に加入している事業者の、施設長、管理者、人材育成担当者、リーダー職員等である。

研修の目的としては、「管理職が“魅力ある職場づくり”や“ストレスマネジメント”等の知識や技術を身につけ、職員がいきいきと働くことができる環境整備と、離職防止等による人材確保等を図ること。」とされている。

そのために今回いただいたテーマは下記の3つである。(※つまり1回の研修で、3講義を行う予定になっている。)

10:30〜12:00 講義 崙きがいのある魅力的な職場づくり」
13:00〜14:30 講義◆嵶タΔ鯔匹絢茲蠢箸漾
14:40〜15:30 講義「管理職のストレスマネジメント」


ここで語るべき内容としていくつかのキーワードもいただいており、それは下記のようなものである。

・安全衛生管理(メンタルヘルス、職場の安全管理等)
・労務管理(労働時間、就業条件等)
・管理職に求められる役割
・介護の魅力をアピールする取り組み
・人材育成
・人事考課
・他職種間との相互連携 ・職業理念
・ストレスマネジメント


講義時間の関係上、すべてのキーワードに及ぶ説明はできないかもしれないが、できるだけ要望に沿った講演内容にしようと、昨日から本格的にスライドづくりに取り掛かっているところだ。ただ僕はあくまで実務に即した本年の講義しかしないので、教科書的な内容にはならないので、その点、研修主催者の方の意図から外れないかと、我ながら心配になることもある。

例えばキーワードの一つである、「人事考課」についていえば、本来は職員のモチベーションアップを図り、就業意欲につながる人事考課のあり方をレクチャーせねばならないのだろうが、経営コンサルタント的な講義内容にしたくない僕としては、そもそも人事考課が介護事業者に必要なのかという問いかけから始めたくなるのである。

本来の介護サービスの場面では、人相手のサービスであるがゆえに「教科書ではそうなっているけど、〇〇さんの表情を見た?どこか嫌がっていたよね、それって何故だかわかる?」というような人の感情にアプローチするアドバイスや評価が不可欠である。ところが、このように細かく評価を下すことを人事考課による評価は奪っていく。成果主義で「客観的」に項目を埋め数字で評価をつけていく方が楽だからである。

その結果、動作の評価はできても行為そのものの評価はしなくなるから、業務としてできていても、人の心に暖かにアプローチする支援者を育てる結果にはならないことが多い。

そういう意味では、人事考課と成果報酬は介護サービスの質を下げこそすれ、上げることはないし、その中で職員間の評価されるストレスと、評価するストレスがぶつかり合う結果を生み、介護職員のモチベーションは下がり、他業種への人材流出を促進こそすれ、減らすことはなくなるという結果になることも多い。

そのため講義に使うスライドの一つがこんな内容になっている。
人事考課
人事考課は上司の人を育てるという行為を自然に奪って、職員のモチベーションをますます下げる結果を生むことがあるのだ。

その理由は、成果主義は評価が難しいと誤解されるが、実は逆に簡単だからだ。評価の書式などコンサルタント会社に、お金を払って依頼すれば簡単に手渡してくれる。評価者たる上司は、その書式の内容を埋めるだけで機械的に点数をつけていけばよいのだから何の判断も下さなくてよくなる。

しかし優秀な人材は若いうちにいろいろな経験を積まなければ育たない。いろんなことに挑戦して失敗を重ねながら成長していくのである。失敗をするのが当たり前なのだから、それをいちいちとがめるのはおかしな話で、経験を積んでいる間の給与は、結果に応じて差をつけるべきではないのである。

成長して責任を取れるようになったら、そこで給料や昇進を結果にリンクさせればよく、かつて日本企業は年功制の下でそうした賃金制度を実行してきたわけである。

スライドに書いているように、人事考課を取り入れる介護事業者が増えている理由は、厳しい介護報酬改定の下で、給与体系の見直しを行う際に、経営コンサルタントを入れて、改革に努めている結果であるが、経営コンサルタントからすれば、人事考課の導入は、システム指南にとどまらず、その運用の教育もセットで受注できるために、大きな収益につながるという一面がある。

よって経営コンサル会社が、人事考課を勧めるのは当然と言えば当然であるのだが、前述したように、そのシステムによって、評価する職員も、評価させる職員も、新たなストレスを抱えるという一面もあることを、経営者や管理者は十分理解した上で、システムを導入の可否を決定し、導入するとしたら、どのようなシステムが良いのかという判断をする必要がある。

そんなことも話してこようかと思っているところだ。その前に、講演スライドを仕上げなければならない。午後から早速、とりかかろうと思う。
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