新しい介護認定ソフト2009による一次判定と、新たなルールによる審査適用については当初、認定期間の始まりが本年4月1日からの分とされていた。(新規認定期間が4/1以降のケースは、申請日に関係なく全て新判定によるとされていたという意味。)

そうなると更新申請において新規認定期間が4/1から始まりの分が含まれることになり、申請が60日前からできることにより1/31申請分から新ソフトと新ルールによる認定作業が必要なケースが出てくるということになって、各地で認定審査員研修や認定調査員研修が急がれていた。

ところが国から都道府県等に必要なデータが送られてこないことから、認定ソフト2009の新基準認定審査事務に必要なソフト開発が遅れ、新認定が3月以降しかできない市町村が続出して悲鳴が上がっていた。そうした事情があってか先週になって、国は唐突に、新ソフトによる調査と認定作業は「4/1申請分」から適用するとするルール変更を行った。

このため定期見直し分については4/30に認定期間が終了するケースについては、3月中に申請したものは旧ソフト、4/1以降に申請を出したケースのみ新ソフトと、同じ認定期間でも新旧両ソフトで別な判定を行うという混在が出現するものの、3月末までに認定期間が切れる分の更新分は全て旧ソフトと現行方法による審査判定となり4月前の調査および判定は新ソフトと旧ソフトの混在はなく、審査員や調査員で今年度限りで任期を終えるものについては新判定ルールの研修を受ける必要は必ずしもなくなった。

ところで僕は認定審査員研修を3/9に受講する予定であるが(これも今回の適用期間変更で2/16から延期されたものである)、認定調査員研修を先週受講してきた。その理由は審査員を行っていない地域の調査を行うことがあるためである。

そこで気がついたこの新ソフトに関する「隠されたロジック」について今日は書こうと思う。

昨年書いた「新判定ソフトで要介護5は激減?」の中で、状態がまったく変わらない「要介護2」の対象者が、新判定ソフトでは「要支援2」と変更されるケースがあることと、新ソフトによる要介護5の出現率が現行より2割少なくなっていることを紹介している。

しかしこれはあくまで新ソフトの一次判定のロジックにおける結果であり、現行の調査基準をこのソフトに当てはめると、そのような違いが出現するというだけである。

ところが認定調査員研修を受講して驚いたのは、実は今回変更されているのは新ソフトの調査項目の変更(削除14項目、追加6項目の計74項目に変更)と1分間タイムスタディのやり直しによる介護の基準時間を導き出す樹形図の変更だけではなく、調査方法と調査結果の判定方法も変えられていることである。それもすべて軽度誘導の方向に変更になっている。

その内容を具体的に示す前に確認してほしいことは、今回の新ルールにおいては、調査結果を導き出す判断基準について、現行の基準は各項目すべて「能力」「介助方法」「精神・行動障害等の有無」が評価軸として混在しており調査する人によって解釈や判断基準にばらつきが大きかったことから、今回の判断基準では調査項目別に「能力で評価する項目(18項目)」、「介助の方法で評価する項目(16項目)」、「麻痺・拘縮や精神・行動症状の有無で判断する項目(21項目)」に分け、判定方法も変えられている、という点である。

(※お笑いなのは、認定調査員研修で説明する道の担当者が、このテキストの解説(つまり旧ソフトから新ソフトに変えた言い訳)を無批判にレクチャーすることである。主体性のかけらがない解説というのは役人としては適正なのかもしれないが、現場の調査員に一律にそういう説明で通すとき、彼らは国の情報操作の片棒を担ぐ役割に成り下がるということに気がついているのだろうか?そもそも1分間タイムスタディによる基準時間の導き出し方が13年度のデータを使用しているから不正確という理由は、高齢者の状況がその時と違うからと言っているが、具体的にどこのどのような状況が違うのかについて言及されていない。調査する対象より、調査する目的と対象作業により、これが著しく違ってくる:つまり基準時間は客観データというより誘導が働きやすいデータであるということの批判や理解がない説明は笑止千万である。

しかし「調査する人によって解釈や判断基準にばらつきが大きかった」ことが、この方法の変更によってなくなるかと言えば、そんなことはなく、実際に「有無」で判断する21項目については解説で「一定期間(調査日より概ね過去1週間)の状況において、より頻回に見られる状況や日頃の状況で選択する。」として調査員の解釈判断が不可欠な部分を残している。変更ロジックの一貫性、論理の整合性のなさがここでも現われているということである。

しかしそんなことより、さらに大きな問題点が、調査結果の判断の方法変更による一次判定結果の「軽介護誘導」である。これにより要介護5の出現率は旧ソフトより2割減どころか、もっと増えるであろうと予測されるのである。

具体的には、どこがどう変わっているのだろう。これは調査員研修を受講した方は既に十分承知だろうが、あらためて旧調査方法と比較することにより、その「政策誘導」が如実に明らかになるので、あらためてここで示してみたい。

しかし長くなったし時間もなくなってしまった。この続きは明日書こうと思う。
(明日に続く)

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