7月4日未明に熊本県南を中心に発生した豪雨水害によって、たくさんの人が被害を受けている。心よりお見舞い申し上げたい。

今日午前5時現在、鹿児島県の万之瀬川と加世田川で氾濫危険水位に達しているとの心配な情報も入っている。宮崎県も大雨とのことだ。これ以上の被害が出ないことを祈るしかない。九州各地の皆さん、身の安全にくれぐれも注意してください。

ところで今回の大雨被害の中でも介護関係者がショックを受けたのは、球磨村の特養の浸水被害である。

一昨日の夕方に僕の別ブログ、「masaの徒然草」に、「熊本県の特養水没事故により死者多数の悲報に触れて」という第1報を書いたが、被害にあった施設で心肺停止状態で見つかった14人はいずれも入所者だったことが判明している。残る入所者51人は5日、全員が救助されたそうである。

報道記事では、「死亡」や「死者」という言葉を使わず、「心肺停止」とされているがその理由は、医師による死亡診断がされてはいないが、呼吸が停止していることが明らかであるという意味だろう。何とも痛ましい災害死である。特養という終の棲家で、安心して暮らしていた人の身に、突然ふりかかった災害死という悲劇に対して言葉を失ってしまう思いだ。

被害にあった特養は、球磨川に注ぐ支流の脇に建てられていたそうである。今回の災害は、球磨川という本流が決壊したことにより、支流がせき止められ逆流する、「バックウォーター」という現象が起きたことによるとの見方もあり、浸水が始まってから1階部分が浸水するのもあっという間の出来事だったのだろう。かつてない雨量と川の決壊によって、垂直避難も間に合わないほどの未曽有の災害だったのだと思う。

現に報道でも、1階の入所者を2階に移していた最中に施設内にどんどん水が入ってきて津波のような状態になってどうしようもなかったという証言が伝えられている。

亡くなられた人に心よりご冥福を祈るとともに、このような災害で大切なご家族を奪われた遺族の方々にも心より弔意を捧げたい。

お仲間を失い、自分自身も大変怖い思いをされた生存者の方々の心のケアも大事だ。それは利用者のみならず、施設に勤めている全職員に向けても必要だろう。中にはもっと利用者を救える判断ができたのではないかと悩んでいる人がいるかもしれない。どうか責任を抱え込まないでほしいと思う。

日ごろ災害に注意する意識をいくら持っていても、私たちは想像を絶する自然の力の前に、無力であることも多いのだ。あれもできた、これもしたかったということは、結果がわかってから気が付くことで、予測の範囲を超えた出来事の最中に、すべてベストの判断や選択ができる人は多くはない。くれぐれも過度に自分を責めないでほしいと思う。

勿論、命を失ってしまった人に思いを寄せることは大事だ。

今回の災害で亡くなられた方の命の重みは、大災害で何万人もの人が亡くなった時の一人一人の命の重みと変わらない。だからその命が失われたことを私たちは深く胸に刻まねばならない。このように失われた尊い命、誰かにとってかけがえのない方々が、生まれ変わってまたこの国に生まれたいと思うことができる国を創ることを目指して、一人ひとりの国民が今いる場所で、今できることを続けて行く責任があるのだと思う。

このような大きな災害が起こったからと言って、私たちは自分の日常を変える必要はないと思う。日常の中でできることで支援協力をしていくべきではないのだろうか。今はとりあえず後方支援として義援金等の募金に協力することが最も求められているのではないだろうか。

今朝ネット検索したところ、熊本災害基金<2020熊本水害支援>というサイトにヒットした。今後様々な機関によって義援金が受け付けられていくだろう。

自分のお金をどのように使ってほしいかを、それぞれの皆さんが判断して、最も有効にお金を使ってもらえるところに寄付をすることが大事ではないだろうか。

今は亡くなられた方に思いを馳せ、被害を受けられた方の身を慮り、一日も早く平穏な日が戻ることを祈るのみである。合掌。
※介護事業者における固定費削減で収益を確保するために、介護事業のコスト削減は電気代とガス代の見直しから始まりますという記事を参照してください。

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