みなさんお久しぶりです。
右手が麻痺してしばらくスマホ使えなかったのでブログ更新できてませんでした…(嘘です)

なんかブログで書くほどのネタ無いな…とか(言い訳)
俺めちゃんこ文才無いな…とか(言い訳)
ブログ書く時間とかねーし!…とか(言い訳)
ブログ書くのがめんどくさかったりしたのでお休みしてました。(本音)

これからもここで続けるかは分かりませんが更新していきたいと思います。
久しぶりにきたら今でもちょこちょこ来訪してくれてる人がいるみたいで嬉しかったです。

今回はちょっと…いや結構長くなります。
お風呂入りながら読むといい感じに長風呂、リカバリーできてオススメです。
※のぼせてタコになっても自己責任でお願い致します。





















さて




















2018 日本山岳耐久レース ハセツネCUP

















AM 6:00
目が覚める。
緊張して浅い眠りだった。
スマホには通知がかなりきていた。
まだ早いな。二度寝。















AM 8:00
二度目の起床。起きる時間だ。
寝起きの格好でランニングキャップを被り、外に出る。いい天気だな、今日も。
予報では32℃
今年も過酷なレースになるだろう。
少し体を動かす。体の調子は悪くない。
近くのスーパーでようかんを2つ、水2Lを購入して帰宅する。ようかんはつぶあんに限るのだ。

卵かけご飯をDNSのスポーツドリンクで流し込み、足早に家を出る。













今年で5回目のハセツネのチャレンジになる。












電車に乗り込むと遅延の放送が入る。
取材の予定が入っていたMtSNの一ノ瀬さんに会場に遅れて着く旨を送る。
Facebook、Instagram、Twitterについたコメントに目を通して、ひとつずつ返信していく。そして疲れない程度にフィードを眺める。

立川駅で乗り換え。
周りにはハセツネに出場するであろう選手たちが列を作っている。明らかにトレランザックとトレランシューズのみで来ている人もちらほら見かけるがその格好で帰るのだろうか?
電車に乗り込むと、僕はサングラスをかけ目を閉じた。

























 





今までのハセツネに思いを馳せた。































2014年 初めてのハセツネ 
このとき大学1年で僕は18歳だった。
試走では電車を間違えて上田瑠偉さんとの約束をほっぽかした挙げ句、アバウトな地図を頼りに一人で試走しようしていたが、たまたま同じ時間に居合わせた同郷山梨県のトレイルランナー井出さんがまるまるゴールまでナビゲートしてくれた。懐が深いイケオヤジである。(失礼)

レース当日は「これがハセツネか…」とスタート前の雰囲気に完全に舞い上がっていた。レースは特に見せ場もなく、メンタルも足も売り切れて西原峠でレースを終えた。自分のレースよりもリタイアして戻ってきた時の、瑠偉さんの大会記録のフィニッシュが強く目に焼き付いている。
「俺もいつかハセツネで優勝する。」
そう思ったのが僕の初めてのハセツネ。
































2015年
大学2年生になった僕は正式にチームスポルティバに加入。石井スポーツでのアルバイトを辞めて、海老名市にあるエルブレスでアルバイトスタッフを始めた頃だった。
2度目のハセツネも舞い上がっていた。勝てる実力は無いかもしれないが、絶対にインパクトを残してやる。そう思いスタートした。
今熊神社の登り始めまでトップで通過した。醍醐丸過ぎまで先頭集団でレースを進み、進み、、脱落した。第一関門までもトップについていけない自分の実力が悔しかった。関門前で加藤淳一さんに「ジャケット着ないと完走できないよ。この先はまだ長いから。」そう抜かれる時に優しく助言してくれた。そしてその言葉は正しかった。長く辛いハセツネだったが、最後の金比羅尾根で街の光が見えてきた時は視界が滲んだ。

9時間11分53秒 総合42位
終えてみて悔しさよりも、充実感に満たされた。
これが僕の2回目のハセツネ。





































2016年
大学3年生になった僕は、この年大きな壁にぶち当たった。オーバートレーニングによる故障で6月から8月までまともに走ることができなかった。(スリーピークス途中棄権、北丹沢途中棄権、スカイU23世界選手権16位、STY中断)
ハセツネに向けて復調はしてきていたものの、自信は無かった。それでも出るからには3度目の正直、結果を残さなければという重圧もあった。焦りから装備を見誤った。ペースは過去一番良かったものの数馬峠前で水切れ。脱水症状でまともに進むことができなかった。手足が痺れて三頭山の登りで足が止まった。

3度目のハセツネは三頭山山頂前の避難小屋であっさりと幕を閉じた。少しハセツネが嫌になった。いつになったら俺はまともに完走できるのだろう?


































2017年
大学4年になった僕は学生生活の集大成として充実したシーズンを送っていた。奥久慈50K、八重山、北丹沢と3連勝、スカイU23世界選手権6位という結果でリベンジを果たし、韓国のDMZトレイル100kmで2位とハセツネまで過去一番の状態で迎えた。迎えたはずだった。

4度目のハセツネは鞘口峠で幕を閉じた。
第一関門手前から水もジェルも受け付けなくなってしまい意識が朦朧とした。不思議なほどフィニッシュへの執着が沸かなかった。「今シーズンよくやったよ」という甘えがそうさせたのだろうか?
ハセツネで結果を残すための何かが俺には抜け落ちている。

フィニッシュへの執着。
それは速さよりも強さに直結する部分になるだろう。簡単にレースを投げない、これが2018年の僕のテーマになった。


































目を開ける。
武蔵五日市駅。
見慣れた風景。信号待ちの時に「名取くん!」と声をかけられる。
菊入さんだ。僕が海老名のエルブレスで働いてた時の常連さんで70歳でハセツネを完走したトレランと釣りを愛するおじさんである。菊入さんからいただいたテンカラ釣りの竿は今でも大切に手入れしてる。(腕が無いので僕はまったく釣れない。)

「今年はどう?期待してるからね!日の出山で待ってるからね!」

ピンクのビブをつけた菊入さんは嬉しそうだった。膝が悪く今年は挑戦できないことは聞いていたがこうして再会できたことに感謝、ハセツネには必ず出会いがある。


菊入さんと別れたあとは獣人ベースでkegさん、ジンケンさん、南嶋さんにあいさつし、獣人フィルター(ライトに貼るイエローフィルター)を購入し後にする。獣人ベースはトレイルランナーの憩いの場。俺もいつかあんな店作りたいなぁ…(密かな夢w)


会場に着くまで、着いてからも同窓会かと言わんばかりに声をかけていただいた。本当にありがたい。考え方は人それぞれだが、僕はレース前でも声をかけていただける方にはできる限り応じたいと思っている。もしかしたら、レース後にはその人と会えないかもしれないし、そうなったら次に会える日はずっと先になるかもしれない。だからそうした出会いをレース前であろうと無下にしたくないのだ。
(アスリートとしてポンコツ)

俺もここで一度も勝ったことはおろか、入賞したことすら無いのに声をかけてきてくれる方がたくさんいて、涙は出ないけど嬉しいっす。
(なぜかTwitterいつも見てますと言われる方が多かった…謎)
今年は今まで以上に声をかけられて、ほんのちょっとスター気分を味わえた。
(浮かれんなポンコツ。)


そういう俺もミーハーなのだ。
ちゃっかり一ノ瀬さんに撮っていただいた。

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めちゃんこ嬉しい!!!
心なしかレジェンド望月選手も嬉しそうである。
(よく都合のいい思考回路してるね!と褒められます。)



このあと上田瑠偉選手から「車で送ってあげようと思ったけど、お前起きるの遅すぎだし、会場着くの遅すぎな。」
とありがたいお言葉、いやありがたいお灸を据えられました。さすがプリンス、自称ジャニーズのナトリとは格が違う。

※追記
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取材を受けたり、メーカーさんにあいさつ回りしたり、ニューハレを芥田さんに貼り貼りしてもらっていたらレース20分前である。あっという間だった。

はっ、今からレースだった…

そそくさとトイレで瞑想、いや用を足す。
用を足すのが僕のレース前の最重要ルーティーンである。レース直前で用を足せるかどうかは死活問題である。しかし用を足したら12時50分を過ぎていた。ぎりぎり過ぎた。
昨年の海外遠征で日本でお財布をすられてぎりぎり成田空港に着いたことをのんきに思い出しながらいそいでスタート地点に向かった。

残念ながらエリートゾーンには入れなかった。
自称ミスターパーフェクト(痛っ)の俺には痛すぎるミスだった。ただ韓国から来ている沈さんも俺と同じミスを犯していたのでほっこりしていた。トイレ同盟である。
ただそれでもずかずか前に並ぼうと果敢に割り込んでいく沈さんのメンタルには俺と雲泥の差があることをレース前から思い知らされた。

「これがハセツネ覇者の強さか…」

エリートゾーンではないが僕も限界まで前の方に行き待機する。ハセツネはトップグループ以外でもピリピリ感があり、それがまた学生時代、陸上部だったあの時を思い出させてくれるので嫌いじゃない。ゆるーい雰囲気はそれはそれで好きなんですが、ハセツネはこうでなくちゃ。








































そうこうしているうちに瑠偉さんが
「ハセツネさいこー!!!」
とか言ってた。たぶん言わされてるのである。(真顔)

































スタート1分前。
目を閉じる。
不思議と緊張は無い。
望月さんと目が合う。にこっとしてくれて、僕もそれにつられて返す。





































さぁ、今年も運動会が始まった。
ヤマケンさんの「ゴールしたらみんなチャンピオン、100点」という言葉を唱える。
簡単にやめんなよ、俺。







































【スタート~醍醐丸】
号砲が鳴ってから20秒ぐらいしてからゲートをくぐった。整列ミスが響く。スタートでUTMBでお会いした今田さんがスマホを構えてるのが見えた。軽く手を振る。
そのあと一気にギアを上げて、道の脇から前に前に進んでいく。たいした遅れは問題ないが、渋滞だけは回避しなくては。
小川壮太さんの背中を捉えた。今日はここの位置でまずは行こうと決める。70kmは長い。僕にとってはウルトラディスタンス。焦らず行こう。

コースは台風の被害で多くの枝が落ちていたものの実行委員会の皆様のおかけで走りやすいように整備されていた。感謝、感謝である。

さぁペースも落ち着き今熊神社の登りに入る。壮太さんは軽快に走って登っていく。焦んな俺。例年のようにここで心拍ジェットコースターを起こして浅間峠でダウンはごめんだ。周りはみな走って駆け上がっていく中歩いて進む。

途中、小柴カメラマン(昨年遠征前財布すられた事件の時にお金貸してくれたマイヒーロー)の前だけ小走りした。なぜかって?ジャニーズだからだ。

さて今熊神社の登りが終わりいよいよ走りやすくなる。後ろから「名取くん!」という声援が聞こえる。嬉しいな、顔色は変えず、右手をあげて応えて進む。

そこから先で伊藤努さんを捉える。知る人ぞ知るミスターハセツネである。この人についていけば間違いない。そう確信している選手の一人である。伊藤さんの後ろに着きながら入山峠、市道分岐を通過。
カメラを構えてる一ノ瀬さんにもお会いした、言葉は交わさなくても十分だった。長い一日になりますね、一ノ瀬さん。体に気を付けて。

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ペースは例年、また試走した時に比べてゆっくりなのに心拍が落ち着かない。スタートしてからずっと180~185のあたりで推移している。ただ感覚的にはそこまでまだ苦しくない。アドレナリンで感覚が鈍くなっているだけか?
OCCの時の悪夢がよみがえってくる。このままいつもみたいにコース脇でお休みだけはしたくないと思いながらも、このパックに振り落とされるのはさすがに上位を狙う上ではまずい。たぶん20位台で今走ってるはずだ。後ろからロストした土屋さん、徐々に上がってきた山室さんも追い付いてくる。
徐々に肺がきつくなってきた。


吊尾根に入ったところでいよいよパックから振り落とされた。振り落とされたというよりもあまりにも呼吸が辛すぎてペースを落とさざる得なかった。息が上がる、足が鈍く上がらなくなってくる。酸素が足りないのか?OCCの悪夢が振りかかってきた。おいおいまだ醍醐丸の前だぜ…勘弁してくれ、と体に鞭を入れるも気持ちとは裏腹にペースはみるみる落ちている。
呼吸が辛い。
呼吸が辛い。
魔の時間がやってきた。落ち着け、ペースを落とせば心拍は戻る。
少し止まる度に一気に抜かれて順位が落ちていくので焦る。たかちゃんに「名取、大丈夫?」と声をかけられる。
今日はここでかわされたか、屈辱的である。
「大丈夫です、先行ってください。」
と答えるのが精一杯。
もうこの先追い付かないだろうと早くも弱気になっている自分がいる。考えたくなくてもまだ5分の1も行ってない…やめんのか、俺…と負の思考に支配されてく。
それでも進むしかない。和尚さん、nuca.ataさんのパック、L.L.Lの高梨さんにパスされる。みんな声をかけてくれる。ありがたいけど、残念ながら体は動きません、ひねくれる俺である。ちくしょう。
それでも進むしかない、まだ腰をおろしてないのがせめてもの意地だった。

そして醍醐丸についた。
丹羽薫さん、フィールズオンアースの久保さんの前で腰を下ろした。
今日のレースで「勝負」から身を引いた瞬間がここだった。
なんか今日俺、十分頑張ったなと意味の分からないことを考え始める。久保さんに「OCCの時みたいに心拍戻らないです」と弱音をこぼす。「無理しないで。やめときな。」とでも言って欲しかったのだろうか。醍醐丸の声援にはいつも元気が沸いてくる。

重い腰を上げた。
みんなの前で休むのは、ダメだ。
進もう。

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【醍醐丸~浅間峠】
醍醐丸から少し下ったところでもう一度腰を下ろした。
考える。やめるのか、進むのか。

正直迷っていた。残りまだ40km以上ある。進めるのか、俺は?
ひとまず心拍が落ち着くまで休むことにした。
アスリチューンを飲む。心拍が上がるとひどく喉が乾く、水を予想以上に消費していたようだ。俺のレースは浅間峠までか?

途中、スポルティバの大ベテラン森岡さんと昨年2位の吉原さんが駆け抜けていった。吉原さんはだいぶ苦しそうだったが、目は死んでいなかった。吉原さん、やっぱり先輩は強いよ。

そんなことを考えている間に若葉台整骨院の岩井さん、そして僕の愛弟子である国士舘大学の平賀くんと合流した。しばし今の各々の状態を話し、ゆっくりと時間が流れる。3人とも本調子じゃない。

「どうする?やめるか?どちらにせよここじゃやめれない。浅間峠までいこう。」

そう言って切り替える。少し休んだことで、下りと平坦は少し走れるようになった。だが登りで息が上がると一気にペースダウンし二人から離されていく。心拍はちょっとの登りで190bpmを越えるようになっていた。腰を下ろす、進む、腰を下ろす、進むの繰り返しだ。

だがそれも限界にきて、浅間峠まであと3kmのところで草むらに身を投げた。限界である。眠くなってきた。浅間峠でやめるか。やめよう。いややめる理由はなんだ。じゃあ進むのか?こんな状態で?水も少ないのに?
コースからは見えないように木の影に隠れ、選手の姿を眺めながらぼーっと考える。見知った選手がそれぞれ軽快に進んでいく。斎藤綾乃さん、望月さんの愛弟子、谷さん、渡邉ゆかりさん。
みんな頑張ってるなぁ。

このままではいずれレースを続けるにしろ、暑さで水分が奪われる。そう思いシャツを脱いで半裸になった。気持ちいい。
少し気持ちが楽になった、進もう。
一人、また一人と抜き返していく。
「名取さん、なんでこんなとこにいるんですか!?」
「どうかしたんですか?なんで裸?」
今シーズン耳にタコができるほど言われた言葉、みんな案外期待してくれてるんだなぁと嬉しくもあり、今の自分の状態に悲しくもあり。
「今日はなんかきついですねー」
と答えるのが精一杯。
やっぱ今日は浅間峠までか。
仕方ないか。
なら、出し切ろう。もういいじゃないか。
今日のゴールは浅間峠だ。
かのセバスチャン・セニョーも言っていた。
「ゴールじゃない、次のエイドまでどうやってたどり着くか、それだけを考えるんだ。」と
もう腰を下ろすこともなく、ダウンヒルでは見える選手全員をぶち抜き、平坦も走って走って、谷さん、ゆかりさん、綾乃さんも抜き去って猛スピードで浅間峠に飛び込んできた。

ランボーのすーすーさんが出迎えてくれた。
「僕、今日、ここでやめます。」
カメラマンが寄ってきた。
カメラを向けられる。
「やめられるんですか?」
言葉に詰まる。
「いやー、調子悪くて…」
「水も少なくて…」
「最初は良かったんですけど…」

ちょっと話すのが辛くなってきた。

そそくさとトイレにいく。
ふと「おしっこ飲めないかなー」と思いフラスコに注いで口にしてみる。
速攻口から吐き出した。無理だった。
思考回路ショート気味である。

トイレから戻り、ブルーシートに深く腰を下ろし、そして倒れた。
スタッフの方が心配そうに聞いてくる
「お兄さん大丈夫?リタイア?」
「いや、休憩です。」
「そう?顔色悪いけど?」
「いや、休憩です。」
もう少し考えさせてくれ。
将棋風に言うとまだまだ持ち時間はたっぷりだ。
 
同学年の阿部くんを発見した。
「ハセツネってこんなにきついの!?」
そう聞きながらも阿部くんは楽しそうだった。
俺も1回目、2回目のハセツネは冒険みたいで楽しかったなぁと懐かしく思った。
「阿部くん、いつもはもっと楽しいよ。今年は暑いからきついんだ。俺はちょっと厳しいかもしれない。ゴールで会おう。」
阿部くんは元気に浅間峠を駆け登っていった。

後からきたゆかりさん、谷さんはここでレースをやめるという。二人は同じスポルティバのサポート選手である。
谷さんのハイドレの水、分けてほしいなぁ…そんな目で物欲しげに見つめていたが当然そんなことをしたらルール違反、失格である。
今残っている水は600mlしかなかった。
月夜見までいけるのか?いや、絶対もたない。
じゃあやめるのか?
目を閉じて考える。

もしヤマケンさんが同じ状態だったらやめるか?
もし望月さんが同じ状態だったらやめるか?
もし奥宮さんが同じ状態だったらやめるか?

「ゆかりさん、谷さん、やっぱ僕もうちょっと頑張ってみます。」
二人の分、そんなの余計なお世話かな、でも二人とも笑顔で送り出してくれた。
水がなくなって進めなくなったらその時やめればいいじゃないか。
すーすーさんにも進むことを伝えて、大声援の浅間峠を駆け登った。スタートしてから3時間20分。

「簡単にやめんなよ、俺。」

































【浅間峠~月夜見駐車場】
声援のおかげで一時的に復活したものの、体は思うように動かないことは自分が一番分かっていた。浅間峠から3キロ程走るとすでに限界だった。草むらに半裸のまま身を投げる。抜いた選手はおろか後ろからきた選手がどんどん過ぎ去っていく。立ち上がって、進んで、横になって、立ち上がって…の繰り返し。
浅間峠では行きますと行ってみたものの後悔してきた。
今ならまだ戻ればやめれる。
ついにあたりは暗くなってきた。
ハセツネは夜を迎える。
笛吹峠のあたりだろうか。
完全に足が止まった。
明日のジョーのような格好で切り株に座りうなだれた。

まだ戻れる。今ならまだ戻れる。
一瞬引き換えそうとした。
その時、見覚えのある選手が声をかけてくれた。
「名取くん?なんで裸なの?こんな順位ってことはだいぶ苦しんでるんだね。でもやめずに進んでるのは凄いね。頑張ろう。」
inov-8の湯浅綾子さんだった。
強くて綺麗な方である。
(ナトリは美人トレイルランナーには目がない。)

やめれなくなっちまったな。
進むしかないな。
とぼとぼと走り始めた。

それから何か分からない意地で湯浅さんには抜かれないようにくたばらないで進むという気持ちだけで西原峠あたりまで進めた。

だがそこでいよいよ水の残量も0になり、大の字で横になった。さすがに服とジャケットを着た。目を閉じた。
ハセツネは夜は寒いのだ。足が寒いなーとは思いつつもそれより月夜見までいけんのか?という不安の方が大きかった。

起き上がったら少し仮眠したこともあり、動けるようになった。ポケモン的に言うとげんきのかけらである。半分も回復するわけはないのだが。登りの途中でKI Trail Channelでお馴染みの伊藤さんを発見。


まだまだ余力がありそう。先を行かせてもらう。またフィニッシュで!

水の代わりにアスリチューンを水分だと思って30分に一本ずつ飲みながら進んだ。時間がかかればかかるほど水が無いのはやばいというショートした思考回路のおかけで一気に三頭山を駆け登り、一気に駆け下りた。あとやっぱり前にリタイアした避難小屋、鞘口峠を越えたあたりからメンタルが回復してきて楽しくなってきた。冒険なのだ。月夜見までとにかく飛ばしまくった。体が水を欲している。



































【月夜見駐車場~大ダワ】
矢のように第二関門、月夜見駐車場に到着した。口は人生で一番の枯渇状態、サバンナである。そこで飲んだ水は間違いなく人生で一番美味しかった。泣きそうである。ここまで辛すぎだろ。
早くも今年の辛すぎレースランキングトップ3のSTY、OCC、道志村を抜き去りランキングトップに躍り出やがった。ふざけんな。きつすぎですよ恒男さん。

給水はレードライドの笠原さん、ニューハレの芥田さんに行っていただいた。芥田さんの「よくここまで止めないで来たね」の言葉に涙腺崩壊寸前だった。うぅ…
後ろではアートスポーツの細田さんがにこにこしている。そうだ、初めてのハセツネでリタイアした時、ゴールまで車で送っていただいたのは細田さんだったなぁ…しみじみ。

ハセツネは同窓会という言葉はあながち間違いじゃないのかもしれないな。

フラスコにスポーツドリンクを水で割ったやつを500ml、ハイドレーションに800mlぐらい入れてもらい月夜見を後にする。

さぁここまできたらフィニッシュまでいくぞ。
時刻は21時30分、スタートしてから8時間半を過ぎていた。今の体なら12時間切れるかも…なんてアホなことを考えていたがすぐにうちのめされた。

なぜ試走ではそんなに苦にしない御前山の登りがあんなにきついのだろうか?
初めて完走した時の辛さがよみがえってきた。
登り始めて3分の2を過ぎたあたりから足取りが重くなる。だめだ、辛い。

今になるとなぜ辛かったかよく思い出せないのだが、くたばる、横になる、寒すぎて起きるを山頂を過ぎたあとも繰り返していた。とりあえず標高を下げないとまともに横になって回復することすらできなくなってしまう。
頭の中で

「大ダワ大ダワ大ダワ大ダワ大ダワ…大ダワ…大ダワ…」

と唱えながら寒さで痛み始めた膝も必死に動かして進んだ。とにかく辛かった記憶しかない。

コース脇にはゾンビのように選手が横たわっているのを多くみかけた。普段ならありえないが、レース中はあえて声をかけないのが優しさだったりする。ゆっくり静かに休めば体が回復するのはハセツネ仮眠マスターのこの僕が一番知っているからだ。(ポンコツ)


そうこうして大ダワについた。
そして気づいたのだが、大ダワもなんだかんだ寒かった…
リタイア者用の毛布がスイートルームに見えた。。。
でもここで休まないとフィニッシュできないことは自分が一番分かっていた。もう月夜見から水だけで進んでいたからだ。エネルギーも切れてふらふら、眠い、寒い、ハッピーセットである。

とりあえずエイドでめちゃライトを照らしてるとこを発見した。そこを陣取る。ほんのり暖かい!!
ここならナマ足でも寒さに耐えて眠れる。

そしてザックのフロントポケットからジェルのゴミを全て出した。ひとつずつ、入念に一滴残さず絞り出して口に入れる。少しでも残っていればエネルギーにはなるはずだ。

偶然居合わせたコロンビアの山岡さんと話し、
「僕寝ないといけないって体が言ってるんで寝ます。」
と訳分からないことを言って目を瞑った。

しばらくして寝返った時に股間に何か当たった。
ん?ショーツのポケットに何か入ってる…



ようかんじゃあああああ!!!

テンションめっちゃ上がって、めっちゃ寝た。

約1時間寝た。

起きるとAM 1:30 レース開始から12時間半が経っていた。

しゃあああ!!

ようかんを大事に大事に頬張り、意気揚々と大ダワを後にした。



































【大ダワ~フィニッシュ】

もう頭の中はフィニッシュのイメージが鮮明に沸いた。登りも走る。意気揚々と走る。
こんな時間に登りを走ってる選手は僕ぐらいしかいない。

一瞬で大岳山に登り、駆け下った。
スタッフがびっくりしてた。笑
とにかく走った、ようかんパワーである。


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第三関門までもとにかく登りもめちゃくちゃ走った。

日の出山も一気に駆け上がり、ついにラストの金比羅尾根の下りに入った。

街の光が見えてきた。

今年は視界は滲まなかった。

辛かったけど、嬉しかった。

トレイルランニングはなんて楽しいんだ。

今日の旅が終わる。

辛いことばかりだったから未練は無い。

早くゴールしたい。

舗装路に入る。

あれ、MFでお会いした方発見。

悔しそうな顔でクダリバンチョーさんもスパートする。

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バンチョーさん「ちくしょー!」と一言。
























さて帰ってきましたよ。

長い旅だった。

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15時間23分00秒 366位

なんだこのポンコツなタイムは…
でも、たくさん楽しんだな今回は。
たくさん苦しんで、100回止めようと思って、
その度、進み続けた。

ありがとう。100点満点。

また来年、リベンジ。


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【レース後】

豚汁食べたり、ブースに来た選手と談笑する。
いやぁハセツネ同窓会の後半戦スタートです。
みんなお疲れ様です。

スポルティバの松崎さんからは珍しく止めなかったので褒めていただきました。
俺はこの人のためにもいずれ勝たないといけないなぁ…でも松崎監督、俺まだまだっすわ。

今回のハセツネ、それぞれ辛い人が99%だったと思う。みんな何かをかかえて走ってる。


















それでも
























「ハセツネさいこー!!」
























そうでしょ?瑠偉さん。笑
end

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ブログやめたい…
ブログやめたい…
ブログやめたい…

と最近放置プレイしてたわけですが…

ようやく書く気になりました。
みなさん温かく見守ってください。笑














さて今日はNumber Doを買ってきました。
大迫さんが表紙のやつですね。








そこで凄い共感できる部分、考え方があったわけなので、今日はそこを掘り下げていきたいと思います。


本誌の中で箱根駅伝についてのインタビューの中で

--------------
マラソン練習に特化しているから、冬の駅伝に向けての練習は自分にとっては必要無いものだった。
でもそれも考え方によってはプラス。
あの時の練習が必要ないと分かること自体が、自分にとって学習になっているから。
---------------

と述べていました。








このことは僕も普段の生活、仕事、練習の中で考えていることと近くて共感できたのです。

なにか行動を起こすこと、失敗すること、その全てがこれからの糧になるって考え方。そう過ごすと日常生活の中でたいていのことは乗り越えられるし、前を向ける。





例えば「あの時もっと練習しとけば…」って思うことがあっても、逆にそういう風に思うってことは学習できた、これからはちゃんとやろうってプラスに考えられる。これはめっちゃ大切なこと。

マインドの部分で常にプラスでいるということ。













みなさん知っての通り僕はめちゃくちゃに痛い人間なので、そりゃあもう考え方が子どもです。笑
・自分の人生で失敗するはずがない。
・絶対成功する。
・自分かっこいい。
・自分が言ってることかっこいい。

そんな風に日々過ごしています。
痛いですね…みんなこんな風になっちゃダメだよ笑






でも僕は変える気はないし、本気で自分の人生は失敗するはずがないと思ってる。その自信もある。








どこからそんな根拠が沸いてくるかというと、常に失敗したという概念が無いから。
先に述べたように 

「これも後々成功すれば凄いいい経験になったと思える日が絶対来る。」

「これも道の途中だからミスをしたっていうサクセス。」

「この経験が後々活きるからミスしてラッキー。」

ってマインドで日々過ごしてます。

落ち込むことなんてほぼ無いです。

暗いことは寝て起きれば忘れます。







レースでくたばっても

「ここから復活したらめっちゃかっこいいじゃん」

「ここから巻き返したらヒーローじゃん!」

って気持ちで走ってます。




練習中は

「走ってる俺かっこいいはず、逆ナンされてぇ」

みたいなマインドで走ってます。








で、そういうポジティブで前向きなマインドのやつは自信みたいなものが表情や言動や行動に現れると思うし、そういうやつに人が集まってくると僕は信じています。




僕の世界では僕が主人公だって信じてます。





真面目に俺、大迫さんより、上田瑠偉よりかっこいいと思ってるからね!!!
(痛い…)






なんでそんな痛い僕をみなさんこれからも見ていただければ。
最後に絶対成功してエンターテイナーとしての役目をちゃんと果たしますので。



僕も残りの学生生活はあと一ヶ月ぐらい。

授業も全て終わり、残すは卒業式だけになりました。

今から4年前、高校3年生の時の僕は4年間片想いしてた子にフラれてこたつの中で泣いてました。(遠い目)

そんな僕もいよいよ社会人になる。

寂しい気持ちと不安と期待と、でも学生時代にやり残したことは何も無い。そんな気持ちです。

















今日はこれからトレイルランニングを始めたり、まだ始めてまもない若い選手たちへメッセージを送りたいと思います。















まずこの競技を知ってくれて、始めてくれてありがとう。

僕が18歳の時、同年代の選手は片手で数えるぐらいしかいませんでした。

仲間がいるのは羨ましい。ぜひ友達と一緒に山に行ってほしい。

若いときはたくさん人に怒られます。でもやめないで人の意見は聞きつつ、自分の信念を曲げずにやってほしい。




僕はこの競技を始める時に、絶対有名になって、名声を得て、自分の好きなことで生活する。そんな気持ちで始めました。

今もその気持ちは変わってません。


















僕はとにかくレースでスタートダッシュをしました。

















最初の1kmだけでもいい。
とにかく前で走る。
自分がこの大会で勝てる実力が無いと分かっていても、
とにかくスタートダッシュをするようにしてました。













それは僕の中で、どんなに無難な走りをして入賞することよりも価値がありました。















とにかく実力が無くても目立ちたい。
前を走る選手に意識してもらいたい。
覚えてもらいたい。
「またあの選手スタートダッシュしてるね。」
「彼、よく大会で見るよね。」
それでいいんです。

認知してもらえる手段があるならとにかくやる。
実力が無くてもできることがある。
そうやって僕は競技を続けてきました。







心の中では、いつか最初から最後までトップで走るからスタートダッシュで終わらないよ。
そんな気持ちで走ってました。






メディアもスタートの写真はよく載せるから、
「またあの選手いるな」
って認知されるんです。

スタートダッシュってバカだと思うけど、やろうと思えば誰でもできると思うんです。

だからこれから競技を続けて俺は有名になるんだ!って気持ちのある選手にはスタートダッシュしてもらいたいです。















「どうせ抜かれるならもっと賢い走りしようよ」
「最初だけ早くてもさぁ…」
「そんなに目立ちたいの?」














僕もいろいろ言われましたが、
信念があるなら曲げずにやる。

それが自信になります。
いつかスタートダッシュしたなら、しただけの成績でフィニッシュしなきゃ。
そんな気持ちで自分を鼓舞しながら競技ができるはず。


だから臆せず、スタートダッシュして、攻めてほしい。

ボロボロで帰ってきてもいい。
無難な走りで入賞狙いなんてくそつまらないからさ。
若いうちはガンガン行くことが大切。

人生先行投資が全てだと思っています。

なんでも自分から動きましょう。













僕はトレイルランニングを始める時、

右も左も分からなかったけど、

上田瑠偉さんにお願いして初めてトレイルランニングをしました。
もちろん初対面。
緊張した。

でも自分の中では、あの時、勇気を出して声をかけたのが今の自分を作ってると思っています。














遠慮なんてくその役にも立ちません。










スタートダッシュのすすめ。

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