今度こそ、今年の最後の観戦記事です。前回書いた公立大会の準決勝の一週間後に3位決定戦と決勝戦が行われました。以下の組み合わせです。

3位決定戦 八尾×大塚

今回、僕は3位決定戦のみの観戦でした。決勝は雨は降るし、寒いしで耐えられませんでした…

それでは、試合のほうにいきますか。

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試合前の円陣。今大会、キャプテン代理、4番も代理という重役を担ったのは井上漱太。キャプテンを中心に円になって精神統一をするが、井上は「初めてやから…」と慣れない役を任された本音が漏れて苦笑い。

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両校のスタメン。今回は八尾もちゃんと名前が出るぞ。なんか、選手の表記が上に寄ってるっていうツッコミがあるかもだが、慣れてないと文字が小さかったりとかも。カウント表示もそうだけど、慣れないとけっこう難しいらしいね、これ。

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試合前の投球練習でブルペンに入ったのは清。秋の府大会でもベンチ入りしており、大阪桐蔭戦までは隠しておいた秘密兵器だったが、結局登板はなく秘密兵器のままで終わってしまった。前週の今宮戦でも登板し1回を無失点、秋の練習試合でもいい内容の投球を続けていたそう。

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公立校の成績において近年は大塚の方が八尾よりも実績面で目立った成績を残している。だが、八尾も8強などはないが、未だにコンスタントに勝ち星は積み重ねている。そして、過去の実績においては八尾は府内でも屈指の伝統と実績がある。共に相手に対して立ち向かうという構図だ。

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先発の清は右のアンダーハンド。大阪桐蔭戦まで隠しておきたかったという話も納得の投手だろう。

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しかし、八尾には上位打線には左打者が多く並んでいる。この1番重村が初球を引っ張ってライトへとヒットで出塁すると、三連打で瞬く間に八尾が2点を先制する。さらに6番福本のライト線へのポテンヒットも続き3点目も入る。やはり、大塚の清としては左打者に苦労したといった立ち上がりだが、手玉に取りたい右打者にも当たりが出ており、かなり苦しい投球になった。

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八尾の先発は背番号10の藤澤。この前の天王寺戦でも投げてたかな?常時セットから投げ下ろすような投球フォームの右腕。二人、似たタイプの右腕がいてたが、どちらも天王寺戦では好投を見せたが?

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こちらも立ち上がりは制球に苦しむ。1番上野に四球を与える。

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2番のスタメンに抜擢された山本がサードゴロを放ち、上野は二塁に進塁。確かこの選手は秋はベンチ外だったはず。なかなか結果が出ないが、この打席は最低限の役割は果たせたか。この後、津島の打球をショートがエラーし、井上のフライがレフトとショートの間に落ちるラッキーが続きチャンスが広がる。

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5番加納がセンターへ犠牲フライを放つ。この際、センターが三塁へタッチアップした二塁走者を刺そうと三塁に投げるが、これが悪送球になり、二塁走者もホームインし大塚が2点を返す。他の選手が秋の大会以降、調子を落としたりする中で加納は未だに成長中という感じだ。さすがに大阪桐蔭の柿木からマルチヒットを放っただけはある。

【高校野球】「最初はマウンドに立つのが怖かった」 大阪桐蔭新エースを襲う「1」の重圧
http://news.livedoor.com/article/detail/13996098/
ちなみに↑の記事にある柿木が「力んだら球は抜けるし、力を抜いて投げれば公立高校の打者にでも簡単に(外野に)持っていかれるし……。」と言っているが、この秋、柿木が公立校相手に投げたのは大塚だけである。外野フライも何本かあったが、レフトオーバーのヒットを放ったのがこの加納だ。たぶん、この一打を指しているのではと思う。

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2回表、八尾は再び攻め立てる。先頭の9番藤井がヒット、打順は1番に帰り重村が今度は右中間へと運ぶヒットで1・3塁と追加点のチャンスを得る。

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立ち直る気配を見せないまま、清は降板。菅に交代する。

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ノーアウト1・3塁と1点は入るのは覚悟と開き直ってもいいぐらいの場面での厳しいマウンドだが…

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まずはセンターフライでアウト。やや浅めで三塁走者は帰れず。3番西浦はサードゴロもホームアウト。

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そして、この日、大塚のバッテリーが一番警戒していたであろう4番の北川はライトフライに仕留めて無失点に。この守りが非常に大きかった。八尾としては絶好の得点機を逃した。

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2回裏、大塚は2アウト2塁のチャンスで打順は1番に帰って上野が粘って左中間を破るツーベースを放つ。

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これで二塁走者が帰り、一気に同点に追いつく。秋の大会以降は調子が下降気味だったという上野だが、ここへ来てらしいヒットが出て同点タイムリーに。さらに、この後、津島のタイムリーヒットで勝ち越しのホームも踏む。

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一方の勝ち越しを許した八尾だが、3回表に打撃妨害から四球と送りバント敢行からの内野安打で満塁のチャンスを作ると、この日、既に2安打の1番重村が四球を選び押し出しで再び同点に追いつく。

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同点に追いつかれたが、二番手の菅の投球そのものは快調だ。立ち投げ気味のフォームから繰り出す快速球を駆使する小気味のいい投球で試合が締まっていく。

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八尾は3回表の攻撃で先発の藤澤に代打が出た関係で3回裏からはエースナンバーの瀧本がマウンドへ。フォームなどの特徴は先発の藤澤に似ているが、決め球、カウント球にも使える変化のキレが良さそうだ。大塚の打者から三振も奪う場面も目立つ。

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対する菅は低めに集めて打たせて取る投球で4回表、5回表は無失点。四球で走者を許す場面もあったが、バックの守りにも助けられ、試合を立て直した。

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三振によるアウトが目立つ八尾の瀧本の投球だが、守備陣も負けてはいない。ファーストの景気のいい掛け声や気合の入った二遊間も瀧本を盛り立てる。

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大塚は4回表に代打で冨永が登場。前週は4番で出場していたが、チャンスで併殺などブレーキに。この打席では走者のいない場面で当てにいく打撃はせずにフルスイング。相手エースの瀧本の投球の前に空振り三振に倒れてしまうが、1年生ながらチームでもトップクラスというスイングスピードは見せた。今はこのフルスイングを貫いて欲しい。

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試合は後半に入り、大塚は二番手で踏ん張っていた菅に代わり田守が登板。お兄さんは去年卒業したばかりの第98回大会時の主将だった。いわゆるベンチから支える控えの主将だった兄に対して、自らの投球をグラウンドでアピールできるか?

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その立ち上がりを打ち砕いたのは八尾の1番の重村だ。初球を叩きセンター前へ。このヒットで3安打目だ。ファーストストライクを積極的に振ってくるだけにバッテリーは初球の入りに注意したいところだ。

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いきなり、走者を背負う投球となったが、牽制を入れるなどしてケア。マウンド捌きは冷静に見えるが、球が上ずる場面も多くやや緊張気味か?低めに決まった速球はなかなかの威力なだけにこの精度が高まれば、もっと安定した投球ができそうだが?

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この後、4番北川を歩かせて5番井上の打球はショート後方にふらふらっと上がる嫌な当たりだったが、ショートの近藤が追いかけて転がり込みながらキャッチ。さすがの守備範囲と打球判断だ。

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ただ、後半になって八尾の攻勢は続く。7回表、先頭の6番福本が左中間オーバーのツーベースでノーアウト2塁のチャンスを作る。ベースに到達しスライディングした際にベルトが切れたようだ。

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バント失敗で1アウトを取ったが、8番瀧本に四球を与えたところで田守は降板し、堀尾がマウンドへ。田守が「ごめん」と声をかけてボールを堀尾に渡してベンチへ下がる。

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1アウト1・2塁という厳しい状況からの登板だが、1年時から公式戦経験登板の多い堀尾はこの日、投げた3人のどの投手よりも経験豊富だ。9番から好調の1番重村に回っていく打順をどう捉えてマウンドに向かったか?

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八尾は9番藤井に送りバント。2アウトにしてでも2・3塁という場面を作って1番重村に回っていく。この日、既に3安打を放っている八尾で最ものっている打者だろう。

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初球はボールから入り、ストライク、ボール、ストライクと交互に投げてカウントを整えていく。

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そして、5球目を重村が見逃し…

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審判の右手が上がる!この日、好調の1番重村を一度もバットを振らせず見逃し三振!

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その裏の大塚の攻撃、1アウト走者なしから4番井上が初球を振り抜いた当たりはレフトへいい角度で上がっていく!

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打球の行方はスタンドイン!ついに見せたそのパワー!

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この男の勝ち越しの一発に三塁ランコーにも笑顔が溢れる。この状況で勝ち越しのホームランが出たことよりも井上という選手に一発が出たことに嬉しそうだ。

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旧チームから練習試合などでは4番で出場していたこともあった井上だが、公式戦ではいまいちその力を発揮する場面が少なかった。だが、準公式戦とはいえ実戦においてキャプテン、4番の代理をこなすという重圧を見事に力に変えた。

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大塚も勝つことはもちろんだが、秋ではベンチ入りしながらもなかなか出番のなかった選手も使っていく。近藤の代打で出た大木も積極的に打ちに行くがショートフライに倒れる。他にも別枝、塩路といった内野組、小原の影に隠れて出番のなかった捕手陣では川上の他に奥水も使われていく。

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試合は大塚が7回裏に井上の放ったソロによる1点リードを保ったまま9回に入る。8回裏に堀尾に代打が出た関係で森田がマウンドに上がる。こちらも1年生ながら夏、秋とベンチ入りし経験豊富な右腕だ。

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先頭の6番福本は見逃し三振に倒れるが、八尾も簡単には終わらない。7番和泉の代打で出た柴田がレフトへヒットを放つ。

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これで三塁側ベンチが盛り上がり、1アウトながら同点の走者が出た。

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さらにここで代走に山下を起用。2球目で大胆にも単独スチールを敢行。バントと見ていた大塚サイドの虚を突き、これが捕手の悪送球を誘い、山下は一気に三塁まで進んだ。

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1アウト3塁という場面が出来て8番瀧本はサードゴロ。これに山下は迷わずホームへ突っ込む。やや送球が一塁側へ逸れるも捕手の奥水が必死に身体を伸ばして山下にタッチ!判定はやや微妙ながらアウトに。同点のチャンスが2アウト1塁と変わり、八尾としては痛いプレーに。

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しかし、まだ試合は終わらない。9番藤井の代打で出た長谷部が四球を選び、この日、好調の1番重村に繋げる。大塚としては一番危険な打者で、八尾としては一番頼りになる打者だろう。

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重村はまたも初球から振りぬく!

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快音は残すが、レフトの守備範囲!

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ゲームセット!辛くも大塚が逃げ切った。敗れた八尾は詰めが甘く、要所でのあと1点が遠かった。1番重村、4番北川を中心とした打者陣に加え、エースの瀧本のキレのある変化球を駆使する投球など、可能性を感じるチーム力だ。重村のファーストストライクを狙う打撃、代走・山下の走塁など積極的な姿勢が大きな武器なのだろう。この積極さの中に緻密さと根拠も入ってくれば、さらに野球の質が高まるだろう。この冬で力を付けると同時にどこまで煮詰めていけるかが見物だ。ひょっとすると、半世紀の時を越えての夏の甲子園もあるかも?

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大塚は最後はキャプテン、4番の代理を務めた井上の一発が効いた形になった。この日の試合はやはり7回の攻防がハイライトだ。経験豊富な堀尾が一打勝ち越しというピンチの場面で好調の相手打者を見逃し三振に切って取り、その裏の攻撃で4番井上が一発を放ち勝ち越しを決めるという流れが綺麗な試合運びだった。また、二番手の菅のテンポのいい投球も野手陣にいいリズムを与えたことだろう。秋の主力だった海江田、永島、小原、石橋などがいない中で今いるメンバーで得たこの一勝の価値は大きい。このメンバーが何人、夏のベンチに入れるかわからないが、この公立大会で得た経験を練習から生かせれば、たとえベンチ入りできなくてもチームが同じ方向に向いてくれるはずだ。そうなれば、8強の壁、南大阪代表も夢ではない。

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それで、決勝はちょろっとだけ見ていったんですが、あの後、天王寺が延長13回の激闘を制して2年連続の優勝を決めました。おめでとうございます。今宮もいい選手は揃ってるんだけど、天王寺のチーム力の高さも侮れないですね。大塚は秋は大阪桐蔭に敗れてますが、天王寺は履正社に敗れてます。夏は北と南に分かれて当たらないですが、春はどうでしょうかね。またも、対決ということになって成長した姿を見せれるか?今宮も春、夏と履正社に負けてますし、その時の経験者組も残ります。八尾は直近では二強の対決はないですが、第96回の時に選抜準優勝帰りの履正社に接戦だったり、ある年の春の大会では完全試合を喰らいながらも1点に抑えたりと苦しめてるんですよね。こうして、各校の戦いぶりを見てみると、色々と興味深い。

南地区は近大付、大体大浪商などが軸になりつつも混戦が予想されるので、この4校も本当にチャンスがありそうです。もうすぐ、年明けますけど、選抜が終わってからの4校の春の戦いぶりに注目ですね。今年のブログ記事はこれで終わりかな?試合記事は終わりなので、なんか雑談みたいなのを久しぶりに書くかも。それでは。