2006年12月01日

住基ネット違憲の判決

大阪高裁で住基ネットに違憲の判決が出ました。
私たちが提訴している訴訟も現在大阪高裁で係争中です。今回の判決は私たちの訴訟にとっても極めて意義深いものです。
この判決では、自己情報コントロール権を認め、収集された個人情報が本人の意図しないところで使用される危険性が大きく、同意しない原告に対する住基ネットの運用はプライバシー権を著しく侵害し、憲法13条に違反すると結論付けました。
金沢地裁での違憲判決以来、私たちの訴訟も含め多くの訴訟が原告敗訴の結果でしたが、今回高裁レベルで初めて違憲の判決が出たものです。
12月11日に名古屋高裁で、金沢地裁の控訴審の判決があります。ここで違憲の判決が出れば決定打となります。

住基ネット大阪高裁判決クリックすると拡大します。

 

 

 

 

判決文(要旨)は続きを読むから



住基ネット訴訟高裁判決(要旨)

大阪高裁が30日、住民基本台帳ネットワークのプライバシー権侵害を認め、原告の住民票コードの削除を命じた判決の要旨は次の通り。
●プライバシー権について
他人からみだりに自己の私的な情報を取得されたり、第三者に私的な事柄をみだりに公表された
り利用されたりしないというプライバシーの権利は、憲法13条によって保障されている。
個人情報が自己の知らないうちに他者によって収集・利用されれば、行動の自由や私生活上の平
穏が脅かされることになる。情報化社会の進展している今日、自己のプライバシー情報の取り扱い
について自己決定する権利(自己情報コントロール権)は憲法上保障されているプライバシー権の
重要な一内容となっていると解するのが相当だ。住民票コードが記載されたデーターベースがつく
られた場合、検索・名寄せのマスターキーとして利用できるので、その秘匿の必要性は高度であ
る。秘匿の必要性の高くない氏名、生年月日などの情報や住民票コードもその取扱によっては情報主体たる個人の私生活上の自由を脅かす危険を生ずることがあるから、,本人確認情報はプライバシーにかかわる情報として法的保護の対象となり、自己情報コントロール権の対象となる。
個人識別情報の収集・保有・利用等については、それを行う正当な行政目的・必要性があり、その実現手段として合理的なものである場合は自己情報コントロール権を侵害するものでない。しかし、本人確認情報の漏洩(ろうえい)や目的外利用など住民のプライバシーや私生活の平穏が侵害される危険がある場合は、自己情報コントローール権を侵害するものとして住基ネットによる本人確認情報の利用差し止めをすべき場合もある。
●本人確認情報の漏洩の危険性
住基ネットはハードウエァ面も人的側面でも一定の個人情報保護措置が講じられている。現時点
で住基ネットのセキュリティーが不備で不当にアクセスされたりして漏洩する危険があるとまでは
認められない。
●データマッチング等の危険性
個人情報保護法は個人情報の利用目的を変更して保有することを許容している。しかし、こうした目的変更による利用について、適切な監視機関は置かれておらず、住基法の利用目的明示の原則が形該(けいがい)化する可能性は高い。住基法では本人が開示請求できるのは本人確認情報の記録された磁気ディスクに限定され、本人の情報がいかなる機関に提供され、それ以外の情報を国や自治体などが保有していないかを確認するのが事実上不可能な状態にある。
また、住基法上、住民票コードの民間利用は禁止されているが、個人情報そのものが商品価値を
もち、大量の個人情報の流出がある現状を考えると、実効性は疑わしい。
行政機関による、個人情報の目的外利用禁止のための制度的担保は十分とはいい難い。行政機関が個別に保有する個入情報の範囲が拡大し、少数の行政機関によって、行政全体が保有する多くの重要な個人情報が結合、集積され、利用される可能性は決して小さくない。
住基ネットの運用で、データマッチングや名寄せを含む目的外利用を中立的立場から監視する第三者機関はない。
住民が住基力ードを使って行政サービスを受けた場合、記録が行政機関のコンピューターに残り、その記録を住民票コードで名寄せすることも可能だ。
以上を考慮すれは、住基ネット制度には個ム報保護対策の点で無視できない欠陥があるといざるを得ない。行政機関で住民個々人の個人情報が住民票コードを付さて集積され、それがデータマツチングや名寄せれ、多くのプライバシー情報が本人の予期しない時に予期しない範囲で政機関に保有され、利用される危険性が相当あと認められる。
したがって、住基ネットはその行政目的実現手段として合理性を有しないと言わざるを得ず、その運用に同意しない原告らに住基ネットの運用をするのは、原告らの人格的自律を著しく脅かし、原告らのプライバシー権(自己情報コントロール権)を著しく侵害するものというべきだ。
住基ネットを明示的に拒否している原告らに運用するのは、憲法13条に違反するといわざるを得ない。
●差し止め請求の可否
住民票コードを除く本人確認情報が大阪府に保有されているだけの状態では権利侵害の危険性は
小さい。個人情報のデータマッチングや名寄せによる権利侵害の排除には、住民票コードの排除が最も実効性がある。従って、住民票コード削除の請求を認容し、知事に対する本人確認情報の通
知差し止め請求を棄却す一る。



masako_hiroba at 13:26コメント(0)トラックバック(0) 

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和泉市の環境市民派女性議員です。
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