2009年03月27日
3月議会で反対討論
3月議会で以下の反対討論をしました。
和泉市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例制定について(反対討論)
和泉市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例制定について反対の立場から討論させていただきます。
この条例は先般の非常勤職員への特別報酬の支給が給与条例主義に反するものであるとの住民監査請求に対し、条例上しかるべき対応が必要との監査委員の意見に従い提案されたものと理解します。非常勤職員の報酬について条例で定める趣旨の条例改正はその意見に沿ったものとして賛成するものです。
しかしながら、条例提案の仕方や条例の内容について到底承服しがたい点があります。
一点目は、今回条例提案に際し条例が委任している規則の提示が無かった事です。今回問題となった給与条例主義とは、既にご承知の事と存じますが、地方公務員の給与や報酬は市民の税金を原資にしていることから、市民を代表する議会が決定する条例でそれを定める事により民主的コントロールを担保する趣旨のものであります。従って条例で直接給与や報酬が決定できることが望ましいことでありますが、種々の事情から立法技術上から一部について規則に委任することを認めたものです。
規則は議会の議決事項ではありませんが、委任する条例の審議に当たっては当然委任された規則の内容も含め検討しなければなりません。
特にこの条例では、規則において適用する号俸を定め、更にその職種勤務日数、職務内容その他の条件に応じた率をその号俸に乗じる事によって報酬を決めるとなっています。即ち条例では号俸に応じた報酬のみを定め、実際に決定される報酬は規則に委任されています。
条例の審議に当たり規則の提示が法的に義務づけられてはいませんが、この条例については本来条例で定めるべき事項を規則に委任しているもので、通常の条例と規則の関係ではありません。
規則の提供が無いという事は、条例さえ定めておけば後は何とでも規則で決めれば良いと言うことに等しい事になります。それは給与条例主義の趣旨に反するもので、そのような状態では到底この条例の審議は出来ません。来月から具体的な支給が始まるというこの時期に規則がまだ決まっていないとは何とも理解できません。
二点目は、定期昇給的要素が折り込まれていることです。
今年の1月に総務省の地方公務員の短時間勤務の在り方に関する研究会報告書が出されました。地方自治体で非正規職員問題が大きな課題となっており、それに対応して今後の方向をまとめた報告書ですが、行政側は私が情報提供するまでこれを読んでいなかった様ですが信じられません。
この報告書には、非常勤職員や臨時職員などの短時間勤務職員について、常勤の職員と同様の職に就いていること、原則1年しか認められていないにも拘わらず、長期にわたって任用されているなど、本来法で規定した趣旨と離れる実体が存在することを指摘し、P24から再度の任用について記されています。
その中に、再度の任用はあくまで新たな任用であること明らかにし、
「同一の職務内容の職に再度任用され、職務の責任・困難度が同じである場合には、職務の内容と責任に応じて報酬を決定するという職務給の原則からすれば、報酬額は同一となるものである。」
と記されています。
所がこの条例改正案では、同一の職であっても再度の任用に当たっては原則1号俸昇給する制度となっていますが、これは地公法の趣旨に反するのであります。
東京都港区で本件と同じような非常勤職員にたいし定期昇給の制度を導入する事を計画していたところ、総務省から非常勤職員は継続雇用を前提としない制度で、導入は好ましくないとの指摘が東京都にあり、それに従い東京都は港区に指導を行い、港区はその指導に従い制度の導入を断念した事例があります。
理事者は経験を積むことにより職務の能力が向上する事をこの制度の導入の理由としています。しかしこの考えは再度の任用の趣旨に合致しないものです。
再度の任用はあくまでそれまでの任用はリセットされ、新たに任用する行為です。新たな任用に当たっては、改めて職務内容を含めた勤務条件を提示し、一般に公募し、能力の実証を経て任用されるべきで、その折に任用する職務を新しい人と、継続して任用を予定している人即ち経験を積んだ人で異なった職務とすることは出来ません。公務員の給与や報酬は職務と責任に応じるものでなければならないとされています。同じ職の非常勤職員でも経験や能力に応じ、複数の職を設定し、経験を積んだ人を高位の職に配置し、給与や報酬を引き上げるのは可能です。東京都の荒川区がその方式で、非常勤職員の能力に見合う給与や報酬の制度を採用しています。今回の1年経てば自動的に昇給する制度は、非常勤職員制度の根本に抵触するものです。このまま強行すると再び住民監査請求や住民訴訟の対象になりかねません。荒川区のように非常勤の方々が安心して働ける職場環境を作ることを提案すべきでした。
三点目は再雇用職員についてです。
今回提案された報酬を見ますと、非常勤職員のイメージとは全く違った多額の報酬を受けています。現職の報酬を上回っている人もおられるようです。週4日勤務で、窓口業務など職務の内容からしてもこの報酬は市民の方の理解を得る事は困難です。先程も述べましたが、地方公務員法では給料は「その職務と責任に応ずる」となっています。これに反することになります。早期退職に伴う給与補償の点を考慮しても、職務と責任に対し余りに報酬が高すぎると思います。
このような異常に高額な報酬を受けている非常勤職員が存在することは、今まで一切明らかにされていませんでした。今回の条例改正で初めて明らかとなったのです。給与条例主義の目的の一端がうかがい知れると思います。
四点目は任期付き職員制度についてであります。
非常勤職員や臨時職員等の非正規職員について、法律と実体が乖離している問題の一つの改善策として、任期付き職員制度が定められました。3年ないし5年の継続雇用が保障され、正規職員に準じて各種手当てなどが合法的に支給される等、非正規職員の抱える問題の解決に一定の方向性を与えるもので、先程の報告書でも一部制度の手直しなど必要な点はあるが、有効な手段であるとしています。
しかしながら、市はこの導入に消極的です。枚方市では先の非常勤職員の訴訟問題に対応し、この制度を導入し非常勤職員を任期付き職員に移行しました。
これに比べ今回の条例改正は、給与条例主義を逃れるだけの小手先の対応にしか過ぎません。非正規職員が抱える報酬や雇用保障の問題には何ら根本的対応がなされたとは言えません。
最後は臨時職員の問題です。
臨時職員の給与は、これも全く条例にうたわれていません。非常勤職員と同じ給与条例主義に抵触しています。早期に条例化が必要です。
以上の点から議案26号和泉市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例制定について反対します。
平成21年度和泉市公共下水道事業特別会計予算(反対討論)
反対の立場から討論いたします。
下水道の普及、および未水洗化家屋への接続促進また滞納者への電話催告、夜間休日の戸別訪問など下水道会計の収益を上げるため日々ご努力いただき、4年に一度の料金アップの時期を迎えているにも拘わらず、料金を据え置くことについては評価するところであります。
しかしながら下水道が持つ構造的な宿命、いわゆる人口密度の低いところに下水道管を敷設していけば費用対効果が低くなる。これは自明の理でありますが、昨年から市街化調整区域への整備エリアの拡大にむけての調査が始まりました。計画では160億円の事業費を見ているようであります。しかしながら都市計画税を払いながら未だ水洗化の恩恵に浴していない地域の整備等まずは足下から固める方法も考慮すべきであります。100年に1度と言われる経済危機を迎え、上水の使用が控えられれば自動的に下水道の使用料が減ることを考慮すれば、今後の経営環境は相当に厳しいと予想せざるを得ません。
かつて国交省から下水道の普及率に貢献したと全国規模で表彰された町村が、今はその折りの設備投資の返済で四苦八苦し、やりたい事業が出来ないと嘆く報道がありましたが、他山の石とすべきであります。
下水道で整備しない地域の水洗化は他の手法で早期に実施していただくよう要望致します。
先程述べた理由によりこの会計に反対します。
平成21年度和泉市市街地再開発事業特別会計予算について(反対討論)
平成21年度和泉市市街地再開発事業特別会計予算について反対の立場から討論いたします。
和泉府中駅前再開発事業の遂行は長年の懸案でありそれにかける関係者の思いも十分に理解いたします。
しかしながらこの事業は総事業費が200億円を超えるもので、財政健全化計画を策定し、進行中の本市にとってはこの事業が財政に与える影響はあまりにも大きいといえます。
又事業費の削減を狙って事業規模を小さくしたにもかかわらず、原油価格の高騰や、シャープ(株)の堺市臨海コンビナート進出による人件費の高騰など駅前再開発を取り巻く状況は依然として厳しいものがあります。
又通常事業採算のめどは30パーセントといわれている転出率が本件の場合、85パーセント以上あり非常に厳しい状況であります。
財政健全化計画には折り込み済みとのことですが、想定外の市立病院の経営悪化という問題も浮上してきました。
駅のバリアフリー化や駅前の道路整備は一刻も早くと望むものですが、その他についてはあまりにも財政負担が大きく他の自治体の駅前再開発で成功した事例も少なくよって反対いたします。
平成21年度和泉市後期高齢者医療事業特別会計予算について(反対討論)
平成21年度和泉市後期高齢者医療事業特別会計予算について反対の立場から討論します。
75才以上を対象に発足したこの制度は、年齢により医療の質を劣化せざるを得ない制度であることが判ってきました。
又国民健康保険では担保されていた利用者の声を反映する場も担保されず、高齢者にとってはますます厳しい保険制度となっています。
よってこの会計に反対いたします。
平成21年度和泉市病院事業会計予算について(反対討論)
平成21年度和泉市病院事業会計予算について反対の立場から討論します。
先頃公立病院改革プランの概要が議会に示されました。それによりますと平成18年から10年間で100億円を越える繰入が前提の収支計画となっており、この中にH23年以降従来ルール以外に特別に45億円の経営支援を折り込んだ計画となっています。又病院改革を行っても尚H22年には95億円の累積債務が残り、計画通りに改革が進展しなければ大変な事態となります。
病院の改革が叫ばれ数年になりますが、H18年度から見ても各種の経営指標は悪化を続けており、これが平成20年以降全ての指標で改善されるとの見通しに信頼は持てません。国の医療制度改革の影響を大きく受け、医師類が減り、それに連動して患者数が従来の2/3まで落ち込んでしまった影響は今も大きく残っています。
しかし、一方では今春から医師も増え明るい兆しも見え始めました。病院側のさあこれからと言う気持ちに水を差すわけではありませんが、一年前に提示された入院250人、一日当たり外来693人をベースにして毎年右肩上がりに伸びていくという説明が、一年経てば下方修正され入院231人、外来650人をベースに新たな改革プランが提示されました。これでは数字が一人歩きしているのではと思わざるを得ません。公立病院としての存続を願う事に変わりはありませんが、改革のスピードが遅く、病院の損失が和泉市本体の財政を脅かすことになりかねません。
又病院特例債の発行で早期健全化団体になることを回避できましたが、借金であることに変わりが無く、一時的な痛み止めに過ぎません。
よって本会計に反対します。