新・筆者のつぶやき

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<顧問弁護士> 弁護士 大西 康嗣  (いろは綜合法律事務所)    http://iroha-law.com/

昨日、なぜみなし(読み替え)を行わなければならないのかを書きました。
実際に読み替えを行う場合にどのようにするのかということまでは規定されていません。

例えば中一種社会の科目区分「日本史及び外国史」(新規則では「日本史・外国史」)の旧法時に開設されていた科目「考古学概説」を例に考えてみます。
「考古学概説」は単なる選択科目という位置づけで新法では教科に関する専門的事項に関する科目として設定されなかった場合読み替えができるのかということです。

答えはできるできないどちらともあります。

できるとなる読み替え方法
「考古学概説」の読み替え先を新規則の科目区分「日本史・外国史」とした場合、この区分の範囲の科目として読み替え可能と判断できるため読み替え可能。

できないとなる読み替え方法
読み替え先を新規則下の科目とした場合、新規則のもとには「考古学概説」がないため読み替え不可。

と科目区分を読み替え先とするのか、実際開講される授業科目を読み替え先とするのかで結論が変わります。
科目区分を読み替え先にすると基本的にほぼ全単位読み替え可能になります。
読み替え先を開講科目にすると、科目がなくなると読み替えができず読み替えできる単位数が減ります。

じゃあ、科目区分を読み替え先にした場合、学力に関する証明書の様式が個別授業科目名を書く形式のものだったらどう科目名を書けばよいのかという疑問にあたると思います。
それは旧科目名を書けばいいだけです。
ここは読み替えた後の科目名を書かなければならないというルールはありません。
以前、京都教育委員会規則で学力に関する証明書の様式ががちがちに規定されていた時代においては、修得時の科目名を記載するよう指導されていました(毎年一括申請の資料に記載上の注意が配られそこに書かれていました。今は規則が変更になり様式は各大学にまかせられていますが)。

私も文科省が示している記載例には「単位修得済授業科目」と記載があるので、旧法時の科目名で書くのが自然なのかなぁと考えています。この件を文部科学省に尋ねたところ大学内で新旧どちらに統一するかきめておけば新旧どちらでもかまわないとの回答をいただきました。そのとおりだと思います。

旧科目名を記載すれば考古学概論が廃止されても、そのまま考古学概論と書けますので、どちらかというと旧科目名で書いていたほうが成績証明書と見比べたときにどの科目が読み替え対象になったのかわかるのでいいのかなぁと思ってます。

先日、阪神地区私立大学教職課程研究連絡協議会の教員免許事務セミナーで使用した資料からの抜粋です。

 そもそもなぜ「読み替え」ということを行う必要があるのかという疑問があると思います。大学の卒業要件上のカリキュラムとしてはずっと同じにもかかわらず、読み替え?と思われると思います。
 教職では卒業要件上のカリキュラムとは別に免許法の考え方によってカリキュラムをとらえる必要があります。
 具体的に説明しますと新法というのは2019年度以降入学生に適用されます。2000~2018年度入学生までは旧法のカリキュラムが適用されます。
 教職課程を履修する場合は原則として新法が適用され(例外は経過措置対象者)、旧法以前のカリキュラムで履修していた者がこれから教職課程を履修する場合は、新法の単位に読み替えられるものは読み替えて、不足する単位を履修するということになります。
 卒業要件上のカリキュラムが2018年度と2019年度で同じであっても、免許法の視点から見ると別のカリキュラムということになります。
 例えば、「日本史概説」という授業科目が開設されていたとします。2018年度と2019年度で同じカリキュラムですから、卒業要件上のカリキュラムからすると内容は同じです。しかし、教職の視点からすると2018年度入学生が履修する「日本史概説」は旧法科目、2019年度入学生が履修する「日本史概説」は新法科目ということになり、この両「日本史概説」が同じ内容かということについて読み替えという手続きでもって確認する必要があります。それをどのレベルの会議体で決定するのか、だれか責任教員の判断で行うのかは各大学に委ねられています。法令上は「新法による認定課程を有する大学が適当であると認めるもの」ということで具体的な学内での手続きには言及されていませんので大学の裁量に委ねられます。
 いったん読み替えると反証を挙げてくつがえすことは認められませんので慎重に行う必要があります。
この読み替えというのは学力に関する証明書上のことですので、通常の成績証明書では読み替えの可否についての表記はでてきません。
 学力に関する証明書の発行の問題を考える場合はこの免許法上の視点から授業科目を眺めるというくせを身につける必要があります。

旧法以前から現行法に読み替えた証明書は最終的に免許状取得に至る場合、2回は出身校に発行を求めます。
証明書なので証明内容は何度発行しても同じはずなんですが、これが不思議なことに発行するたびに証明単位数が変わることがあります。

それはなぜか。
発行するたびに読み替えのルールを変えているからです。
一度、読み替えた証明書を出せば、次発行する際は発行年月日を変えるだけで修得単位については変更することはないはずなんですが、過去に読み替えた証明書を発行したかどうかの履歴を確認せず、発行年度の読み替えルールを適用して証明するので発行するたびに証明単位数がかわるということがあります。

読み替えた証明書をもとに不足単位を修得したはずなのに、本番の免許状申請の場面において都道府県教育委員会に提出したら以前修得の証明がされていた単位の証明がなく、その日は申請ができなかった。
そして発行した大学に電話をしたら確かに単位は取れていないというわけのわからない説明をされる(前回発行した証明書との関係が理解できていないからそのような回答になります。)
そしてトラブルになるということです。

この場合、本人に交通費やこのミスのために生じた損害が発生した場合の賠償責任が発生しますので注意が必要です。

 来年度から旧課程の修得単位があった方で、経過措置の適用を受けることができず、新課程で履修を開始しなければならない方が出てきます。

 その場合、不足単位を確認するためには新法に読み替えることができる単位を確認しなければなりません。
 こうした場合、通常は新法に読み替えた学力に関する関する証明書の発行を相談者に求めます。

 読み替えが可能なのは新課程を有する大学であると免許法施行規則に定められており、現時点において認定を可とする答申も出されていない状況であるのと、新法の施行は来年4月1日のため現時点では発行できません。


☆教育公務員特例法等の一部を改正する法律等に関する質問回答集(平成30年5月18日版)No.54
Q 新課程の科目による「学力に関する証明書」は、いつから発行可能となるのか。

A
○改正教育職員免許法及び同法施行規則の施行日以降。
○再課程認定の認定前であっても、申請の内容に基づいた新旧科目の読替え表や不足単位の確認をするための書類を作成し、履修指導を行うことは可能である。なお、その場合においては、「文部科学省による審査の結果、予定している教職課程の内容や開設時期が変更となる可能性がある」旨を申し添えること。


 私が文科省の担当者であっても上記の回答をすると思います。
 しかし、実務上は発行されないと相談に学生・大学・教育委員会とも支障をきたします。
 そこで、新法に読み替えた証明書を停止条件付きで発行するというのはどうだろうかと考えます。証明書のいつもの文言の部分を次のように書きます。

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 上記の者は、下記のとおり、教育職員免許法別表第1第2欄に定める基礎資格を有し、同表第3欄に定める単位を修得したことを証明する。ただし、単位の修得証明(教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目は除く)については、平成31年4月1日からの教職課程の再認定を文部科学大臣から受けることを前提としており、認定を受けた場合には平成31年4月1日から証明の効力を有する。
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 または証明書ではなく、タイトルを「不足単位の確認をするための資料」というものを発行し、どういうふうに読み替えることができるか相手にわかる資料を出すというのもありです。
 ただ、公印がないものだと本当にその資料が信用できるかどうか不安であるのと、何かあったときに責任の所在をはっきりとさせるためにも公印が必要だと思います。

文科省HPに掲載されました概算要求書からわかること。
http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h31/1409015.htm

上記サイトに「第2表 概算要求額明細表」というPDFファイルがあります。
1,400ページあります。

右上もしくは左上にページ数が振られています。
そこの205-206ページに来年度委託調査事業として予定されている事業が掲載されています。
そこには主なものとして今年度に引き続き「教科教育コアカリキュラム」、「教職課程の第三者評価」があります。
ちなみに私は昨年度、今年度と「教職課程の第三者評価」の委託調査事業の検討メンバーに入れていただいてます。

211ページには実地視察の予算があります。来年度は当初予定どおり実地視察が再開されます。

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