毎日の電子版より。





 政府税制調査会は7日、東日本大震災の復興財源確保に向けた増税議論を再開した。しかし、与党内に根強い増税慎重論を反映し、この日の会合では増税への反対論が相次いだ。2年ぶりに復活した民主党税制調査会との関係をどうするかも定まっておらず、政府のシナリオ通りに進むかは見通せない。【小倉祥徳、坂井隆之】
 野田佳彦首相は政府税調の冒頭のあいさつで「負担を先送りするのではなく、今の世代でいかに分かち合うかが基本理念。財源を捻出しながら足りない部分は時限的な税制措置を行う」と述べ、増税の具体化を指示した。
 政府税調は増税規模を当面13・2兆円と想定しているが、7日の会合では「党内の圧倒的な意見は反対だ」(福田昭夫総務政務官)、「増税期間は慎重に検討すべきだ」(松原仁副国土交通相)などの異論が続出した。
 また、国民新党の亀井静香代表は7日、「井戸が壊れている時に底にたまっているわずかな水のくみ上げを考えるのは物理的に不可能」と景気悪化を理由に増税に反対する考えを野田首相に伝えた。
 こうした空気を踏まえて、政府・与党には増税開始時期を13年度に先送りする案が浮上。さらに11年度税制改正法案に盛り込まれながら震災後に凍結された法人税減税(国・地方合計の実効税率を40・69%から5%引き下げ)を12年度から実施し、同規模の法人税の臨時増税を3年程度実施して、企業の負担を当面変えずに協力を求める案も検討する。
 だが、意見集約は難航が予想され、安住淳財務相は6日の会見で増税の複数案を来週中に示す意向を示していたが、五十嵐文彦副財務相は7日の政府税調後の会見で「来週中に(増税案を示す作業が)終わるか確約できない」と述べた。
 政府・民主党は、歳出削減と税外収入による財源捻出額を当初の3兆円から上積みして増税額を圧縮する考えで、安住財務相は上積み額について「兆円単位」と号令をかけた。柱は日本たばこ産業(JT)など政府保有株の売却。過半出資を義務づけているJT法を改正し、出資比率を現行50%から34%程度まで引き下げれば、6000億円程度を確保できる。ただ、「政府とJTとの関係が薄まり、政府の葉タバコ農家育成策にも支障が出かねない」として、葉タバコ農家を選挙区に抱える議員の反発は必至だ。

 ◇増税不満抑制も狙い

 民主党は政権交代直後、「政策決定を政府に一元化する」として党税調を廃止した。自民党政権時代、税制改正の決定権を党税調が握り、「自民党に近い特定業界の税制優遇措置が多く採用される弊害があった」(民主党衆院議員)のを改めるためだ。その代わりに、有識者による提言機関の役割を果たしてきた政府税調を、各省政務三役をメンバーとする決定機関に改変した。
 だが、政府税調は、各府省の利害の対立する課題を調整する機能を十分果たせなかった。6月に政府・与党がまとめた「税と社会保障の一体改革案」作りでも、主導権を発揮できず、当初「15年度まで」としていた増税時期の明記は党側の反発で見送られた。党側に論議を取りまとめられる場がなく、増税への不満を抑えきれなかったことも一因とされる。
 この反省を踏まえ首相は、党税調を政調の下に復活させることを決め、与党内、対野党双方の協議を担わせることにした。
 ただ、党税調と政府税調の連携のあり方ははっきりしていない。小沢一郎元代表を支持する民主党議員の7日の会合では「増税の前にやるべきことがある」との声が出ており、党税調の議論がかえって税制改正を混乱させる可能性もある。
 一方、自民、公明両党は当面、与党内論議を見定める構え。増税を巡る与野党協議が滑り出すめどは立っていない。【松尾良】





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