■吉田調書(5月20日〜6月9日 朝日新聞)
■吉田調書―国民の財産を隠すな(6月6日 朝日新聞)

[引用:開始]誰も助けに来なかった(吉田調書 第1章3節)
 各原発には、原子力安全・保安院、今なら原子力規制庁に所属する原子力保安検査官が、常駐する制度になっている。
 東日本大地震発生時、福島第一原発内にも当然いて、地震後一時、免震重要棟に入っていた。だが、しばらくして南西5kmのところに福島オフサイトセンターが立ち上がると、そこへ移動した。
 2日後の3月13日午前6時48分、そのころオフサイトセンターに詰めていた東電原子力担当副社長の武藤栄が、吉田に、保安検査官が福島第一原発に戻ると連絡してきた。
 「保安院の保安検査官が、そちらに4名常駐をしますと。12時間交替で1時間ごとに原子炉水などプラントデータを、報告をするということになります」
 吉田は即座に「保安検査官対応!」と受け入れ態勢を整えるよう部下に指示した。
 保安検査官はその後しばらくしてやって来たが、3月14日夕方、2号機の状況が急激に悪化するとまたオフサイトセンターに帰ったとみられる。そして、15日朝、オフサイトセンターが原発から60km離れた福島市へ撤収すると、いっしょに行ってしまった。

 一方、原発から5km離れたところにあるそのオフサイトセンターだが、原発事故があったら、10以上の省庁から40人超が集まり、原発や周辺自治体と連携して、情報を収集・発信する拠点になると定められていた。甲状腺がんを防ぐ安定ヨウ素剤の配布指示でも大きな役割を担っていた。
 それなのに、今回の事故では半数強しか来なかった。班が七つ立ち上がり、それぞれが班長の指揮のもと作業にあたることになっていたのだが、班長が3月末近くまで来ない班もあった。

 最も大変な事態が進行しているときに、原発を操作できる唯一の組織である電力会社が収束作業態勢を著しく縮小し、作業にあたる義務のない者が自発的に重要な作業をし、現場に来ることが定められていた役人が来なかった。
 これが多くの震災関連死の人を出し、今もなお13万人以上に避難生活を強いている福島原発事故の収束作業の実相だ。(文中敬称略)
[引用:終了]

6月9日「吉田調書」(朝日新聞)が公開された。
福島第一原発事故から3年経過した今だからこそ、ぜひ全文をお読みいただきたい。

原子炉爆発時、原発に残って被爆しながら命がけで原子炉の崩壊と闘ったのは、吉田所長をトップに、残された60数名の東京電力職員と南明興産、間組の有志。

首相官邸の〇〇は、原子炉への海水注入を許可せず、吉田所長を困らせ、危険度を増加させた。
東京電力本店は、人員派遣も含めて、まともな支援は何もできなかった。
事故現場の情報収集と指導を行うはずの4人の保安検査官は、すぐに帰ってしまったらしい。
緊急時にヨウ素剤の配布等の住民支援のためにオフサイトセンターにかけつけるはずの省庁の役人(7班40人)は半数しか集まらなかった。
原子炉が最悪の状況なのに、原子力安全・保安院(現原子力規制委員会)は、マスコミへの情報統制(隠蔽工作)を行っていた。(怒)

そして、住民の安全はなおざりにされ、避難に必要な情報が正しく伝えられず、住民は余計な被爆を強いられることになった。

中越地震の際に、2つの原子炉の同時停止を経験している故吉田所長が、東京電力本店や首相官邸の意向を無視して行った意思決定が日本を救った。炉心を冷却するための「水」が存在していたことの偶然にも感謝しなければならない。まさに紙一重のオペレーションだった。

このような事故が二度と起きてはならない。
福島第一原発事故の真実を明らかにし、原子力行政の膿と癌を取り除き、原発の再稼働をめざす政府のエネルギー政策を根底から転換させるために、この調書は全て公開するべきである。

※人間は原子力を支配することなどできないのである。原発が一度事故を起こせば、人類が生存している間、放射能に支配されることになる。原子力行政を行う者、原子力産業に関わる者は、このことを全員が自覚するべきである。次に事故が起きた時、そこに「吉田所長」はいないかもしれない...

[追:開始]
■福島第1事故「吉田調書」入手 「全面撤退」明確に否定(8月18日 産経新聞)
■「朝日新聞は事実を曲げてまで日本人をおとしめたいのか」 ジャーナリスト、門田隆将氏(8月18日 産経新聞)

産経新聞が朝日新聞の「吉田調書」のねつ造部分を否定した。職員のほとんどが2F(福島第二原発)へ逃げたことが、吉田所長の「退避」指示の結果だったとしても、「9割以上の職員が1Fの現場を離れた」という事実は変わらない。職員の多くが残ってくれたらメルトダウンは起きなかったのか?いまさら「待機」だ「退避」だといわれても何も進展しない。他国でこんな事故が発生したら、全員逃げていたかもしれない。

従軍慰安婦の「強制連行」記事にもみられる、朝日新聞の「ねつ造体質」の根源は何なのだろう。記者と編集責任者の履歴と思想を公表していただきたい。日本は言論の自由を保証する国であるが、法治国家でもあり国民を辱め名誉を傷つける行為は刑法に基づき罰せられるべきである。
[追:終了]

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