経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

今年の始め頃に弊社で主催しました
原価管理のセミナーは、
非常に好評で、
多くの皆様にご参加いただきました。
一般的にこうしたセミナーは、
内容の良し悪しより、
タイトルの良し悪しで
参加者数が決まるもので、
多くの皆様に
ご参加いただいたということは、
この原価管理というテーマに、
より多くの企業様が
深い関心を寄せている証拠
といえます。
受講後のアンケートを拝見しますと、
企業における様々な課題
が浮き彫りになってきます。
アンケートの中では、
原価管理における自社の課題
を問う質問があるのですが、
回答された方の実に6割の方が、
「正しい原価の把握」
を課題として認識されておられました。
こうしたセミナーに来られるのですから、
そういうお悩みを持っておられることは
当然といえば当然なのですが、
参加者の数も然ることながら、
回答率の高さからも、
正しい原価を把握するという、
一見当たり前のことが、
多くの企業で課題として
認識されている事実は見逃せません。
次に、「値決めのルール作り」
を課題として認識されている方が、
全体の5割に上りました。
こちらも非常に高い回答率です。
以前にも、このコラムで
お話しさせていただきましたが、

企業経営にとって値決めは生命線

であるという類のお話しを
させていただきましたが、
やはり多くの企業様が、
この値決めについて公正で、
適切な値決めが行われていない
という現実を認識されておられるようです。

多くの業界で、
差別化の難しい商品を扱い、
値引き合戦で業界全体の収益性を
低下させています。
こういう流れになりますと、
どんどん寡占化が進み、
いずれは業界内の再編により、
少数の大規模事業者に
絞り込まれていくことに
ならざるを得ません。
また、需給ギャップが依然大きい昨今、
個別の企業で見てみても、
製品(商品)自体に
よほどの差別優位性がない限り、
かなりの確率で利益率は
下がる方向に圧力が掛かります。

どうしてこのような状況
になってしまうのか。
ほとんどの場合、
自社の製品(商品)について、
どれだけの原価、
あるいは販売するコストが掛かるのかが、
明確になっていないことが挙げられます。
特に製造業の場合、
原材料に様々なコストをかけて、
製品を製造しますので、
実際の製品原価を把握するということは、
それほど簡単ではありません。
加えて、お客様毎に様々な取引条件
がありますので、
そうしたものが一連で管理
されていなければ、
(厳しい経営環境下ゆえに)
必ず悪い方向に向かうのです。
先にも述べましたが、

企業にとって値決めは生命線です。

企業のコストと今後の継続と発展
のために必要な利益を賄うための、
適切な販売量と販売価格という点には
明確な指針を持っておく必要があります。

それには、まず自社の営業構造と
コスト構造をしっかり把握しておく必要
があります。
その中で最も基本的で重要なものが
原価管理でしょう。
自社で販売する製品の原価
が分かっていないようでは、
適切な販売戦略も価格戦略も
構築しようがありません。


企業の持続的な発展成長
を実現するためには、
「構想力」と「実行力」
という二つの切り口から
組織の能力を高める必要があります。
「構想力」とは、
夢のあるビジョンや
ビジョン実現のための具体的な
経営戦略や経営計画を企画する力
であります。
精鋭の叡智を結集し、
より優れた構想力によって、
企業が進むべき道を示します。

一方の「実行力」は、
示された通りに
戦略や計画を実行し、
着実に成果に結びつける力であり、
優れた戦略も実行されなければ、
まったく意味がないという観点から、
場合によっては
「構想力」以上に重要な要件
となります。

今回は、この組織の実行力と
組織が有する企業文化(組織風土)
の関係を考えてみたいと思います。
この「実行力」という能力は、
社員一人ひとりの能力と
企業文化(組織風土)
の掛け算で考えることができます。
よって、社員一人ひとりの能力向上を図り、
企業文化(組織風土)を好ましいもの
にできれば、
組織の実行力は格段に上がります。
反面、社員一人ひとりの能力が高くても、
企業文化が個々人の能力にマイナスに
作用するようなものであったり、
個々人の能力を弱めてしまう
ものであれば、
組織の実行力は高まるどころか、
かえって弱まってしまうのです。
このように、
組織の能力を高めることは、
この企業文化(組織風土)抜きでは
考えられないのです。
では、この企業文化(組織風土)
とは何か。
組織風土とは、
組織において共有された価値観であり、
暗黙のうちに共有する
思考や態度・行動の規範
となっているものです。
組織特有の性格ともいえます。
この組織風土に、
経営者の強い意志や方針が加わって
強化されたものが、
企業文化と呼ばれるものです。
この企業文化は、
個々人の思考や言動に
強い影響を与えますので、
企業文化が好ましいものであれば、
それは社員一人ひとりの力を
押し上げる効果が期待できます。
すなわち相乗効果です。
こうした企業文化を
よりよいものに変えていくことが、
組織の能力を高める上で
欠かせない課題となりますが、
今現在、組織にどういう企業文化(組織風土)
が醸成されているかを
何らかの切り口で
明確にする必要があります。
企業文化(組織風土)は、
社員の日常的な思考や言動に
強い影響を及ぼしているわけですが、
それが目に見える形で
存在しているわけではありません。
よって、社員の日常の言動から、
その背景にある志向や感情は
どういうものなのかを
推し量る必要があります。
そして、その思考や感情を
形成している原因は
どこにあるのかを、
つぶさに観察し、
その要因を特定すると同時に、
企業文化(組織風土)を
より好ましいものに変えていくための、
具体的なアクションを
見出さなければいけません。
日本全体が成熟期に入り、
厳しい競争環境の中、
企業の競争力の強化は必須の課題です。
そのために「組織の能力向上」
は欠かせません。
自社の企業文化という切り口から、
最適なアプローチを
見出していく必要があるのです。



中小企業の技術承継は、
事業承継と同様に、
中小メーカーにとって
非常に深刻な問題といえます。
とりわけ、
熟練職人が保有する技能は、
本人のカン・コツに
依存するところが多いという点で、
極めて属人的であり、
標準化が難しい部類
であるともいえます。
とはいえ、
人の高齢化とともに、
技術や技能が失われてよいわけはなく、
未来永劫にわたり、
企業が存続発展していく上で、
この技術や技能の
承継問題は避けては通れない
問題なのです。
ではどうすれば、
効果的にこうした技術や技能を、
若手に承継させることが
できるでしょうか。
様々な手段で技術・技能承継を
試みますが、
なかなか上手くいきません。
そこには、
様々なハードルが存在し、
途中で挫折してしまうケース
も少なくありません。
具体的には、「人」、「時間」、
「方法」、「意識」が
技術承継の大きなハードルとなっており、
これらの阻害要因を排除しない限り、
技術承継はなかなか上手く進みません。
こうしたハードルをクリアするための
有効な手段の一つとして、
技術の標準化・マニュアル化
というアプローチが考えられます。
技術のマニュアル化というアプローチは、
とりわけ目新しいものでもなく、
過去に取組まれた企業様も
多いことと存じます。
それで上手くいかなかったとすれば、
やり方(取組み方)が拙かった
可能性があります。
いくつかのポイントを押さえて
取組むことができれば、
マニュアル化は
技術承継の有効な手段として
機能させることができるはずです。

弊社では、
使える(技術承継)マニュアル
とするためには、
次の「5つのコツ」があると考えています。
「取組みのコツ」
「作成のコツ」
「役立てるコツ」
「管理のコツ」
「改訂のコツ」
ここではあまり詳しく触れられません
(ぜひ、セミナーにご参加ください)が、
これらのポイントにおける
「使い方のコツ」を理解しておけば、
マニュアル導入に成功する確率
はうんと高まることでしょう。
同時に、組織内のコミュニケーション
が活発化するという副次効果
も期待できます。
企業の組織力を強化する上で、
コミュニケーションやルール
が重要であることは周知の事実です。
こうしたマニュアル化への取組みは、
組織力を向上させる上でも
有効な取組みといえるでしょう。

成長しない時代であればこそ、
企業の本質的な強みを見極め、
それを確実に継承していくということは、
企業が永続する上で
欠かせない重要課題であります。
とりわけ、製造業(メーカー)における
技術というものは、
その企業の本質そのものである
ことも少なくありません。
確実に承継できる仕組みを、
組織の中に構築していきたいものです。



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