経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

コロナショックの影響により、
慢性的な人手不足は一気に人余りとなり、
これから多くの人材が転職市場にあふれて
くる可能性が高いといえます。

今後は、AIやRPA等の発達により、
省人化の流れが更に進むと同時に、
こうした景気の影響も受けながら、
人材の需給関係は微妙に変化
していくことでしょう。

それでも、いつの時代でも、どんな状況でも
優秀な人材が必要であることは
間違いありません。
企業の競争力を維持し続けるためにも、
優秀な社員の育成は重要な経営課題
として位置付ける必要があります。

ここ最近、尋常ではない成長
を続けている企業の状況を観察していますと、
いくつかの共通する要素が確認できます。
その一つに、社員が非常に楽しそうに働いている
という状況があります。
傍から見れば大変そうな仕事であっても、
当の本人達はすごく楽しそうに
取り組んでいるのです。
そういう会社は、
だいだい業績が良いものです。
では、どうすればそういう状態を
つくり出すことができるのでしょう。
この“楽しい”という状況は、
達成感や充実感といった感情と
色濃く関係があると考えられます。
すなわち、仕事を通じて、
達成感や充実感が常に得られる状態
をつくることができれば、
仕事は楽しいものと感じ、
労力や時間を惜しむことは無くなります。
仕事に情熱を傾け、
限られた時間の中でも
自らの精一杯を発揮して
頑張ろうと考えてする仕事が、
ただ時間に流されてする仕事とは
全く次元の異なるものであることは
想像に難くありません。
成果が大きく違って当然なのです。
では、仕事を通じて達成感や充実感を
得るにはどうすればよいか。
これにはいくつものアプローチがありますが、
“働くことの価値観”という観点から見ると、
内向きより外向き、
すなわち“自己の成長”よりも“社会への貢献”
という方向に働く価値を見出せるほうが、
仕事の達成感や充実感が得られやすいように思います。
また、そうした想いを強く持てれば持てるほど、
仕事への使命感が高まり、
同時に達成感や充実感は
より得やすいものになると思うのです。
ただ、こうした状態まで持っていくには、
時間がかかります。
新人が社会に出て、
直ぐには受け入れがたい価値観(やっぱり自分が大事)
といえるかもしれません。
入社三年程度でこういう価値観を醸成できなければ、
仕事ができるようになるにつれ、
徐々に横柄で、傲慢な態度を取るようになります。
こういう状況では、
とても仕事に充実感や達成感等
得られるはずもありませんので、
いまの組織に不平不満を言い、
いずれ辞めていくことになります。
こうならないためにも、
組織においては教育というアプローチが
極めて重要になります。
早い段階で仕事に対する正しい価値観を
身に付けさせ、
仕事ができるようになることで生ずる
副作用を上手くコントロール
できるように育てなければいけません。
それには、好ましいものの考え方、
捉え方が非常に重要なのです。

優れたチームが、予想以上の成果を上げる
という体験を、誰しも一度は
経験しているのではないでしょうか。
このように成果を上げるチームには、
どのような特徴があるのでしょう。
優秀なメンバーを集めさえすれば、
いつも大きな成果を上げられるのでしょうか。
決して、そうではありません。
いくら優秀なメンバーが
多数集まったとしても、
個々が自分の成果だけを考え、
チームワークを無視した行動を繰り返せば、
このチームもいずれ凡庸な成果
しか上がらない、普通のチーム
となってしまうことでしょう。
一方で、個々人の能力は平凡であったとしても、
チームとしての機能が強化され、
個々人の良い部分が最大限発揮できるような状態
を作り上げることができれば、
このチームは周りが驚くような大きな成果
を上げることができるかもしれません。
ここには、どういうメカニズムがあるのでしょう。
なかなか説明し難いテーマではありますが、
要するにチームメンバーが
その場の空気によって“上がる”状態ができ、
メンバー一人ひとりが自分の持つ(潜在)能力を
発揮しやすい状況が生まれているのです。
時にチームにある“空気”は、
個々人に属する性格的な要因を超え、
個々人の言動に色濃く影響を及ぼすことがあります。
普段はおとなしい人が、
ひとたびチームとともに仕事をすると、
人が変わったように積極的に行動する
というような現象が生まれるのです。
この“チームに存在する空気”を、
風土と呼びます。
この風土は、あらゆる組織において、
様々なバリエーションで存在します。
本来、それらは良いとか悪いとかいう問題
ではないのですが、
組織(共通の目的を実現するために集った集団)
という概念に当てはめると、
成果を上げる上で、好ましい組織風土、
好ましくない組織風土は存在するでしょう。

企業は、企業の目的(自分達らしいやり方で、
社会に必要とされ続けること)を
最小のインプットで達成し続けること
が求められます。
そして、それを為すのは組織であり、
組織を構成する個々人ということになるのですが、
個々人の能力は前述の企業風土という
“空気”に支配されやすいものなのです。
よって、企業をリードするものは、
企業の目的を達成するための
戦略や戦術を描くのと同時に、
より好ましい組織風土の醸成を
意図しなければなりません。
いくら優れた戦略が描けたとしても、
それを一人で実行するのでない限り、
好ましい組織風土があるかないかによって、
成果の大小が決定づけられることになります。
ではどうすれば、好ましい組織風土
が形成できるでしょう。
組織風土には、トップ(あるいはそれに準ずる幹部層)
の言動と社内の制度・施策の影響を
色濃く受けると言われています。
経営者の皆さんの言動は、
好ましい組織風土を醸成するのに相応しい言動
になっているでしょうか。
また、会社の制度・施策は、
よりよい風土を構築する上で、
強いサポートになっているでしょうか。
こうした観点で、
これまでの自身及び自社の取組みを整理してみると、
そこに大きな発見があるかもしれません。

ヒューマンエラーとは、
誰しも経験のある人為的なミスの総称です。
昨今、高齢者による痛ましい交通事故
が頻発しておりますが、
これらは大半が運転手による
ヒューマンエラーが原因と言えます。
ちょっとしたミスなら、
笑って済ますこともできますが、
このように人命に関わるミスや、
企業に多大な損失(賠償責任)を
もたらしてしまうようなミス
は絶対に避けなければいけません。
それでは、このヒューマンエラー
の原因を見てみましょう。
まずは大きく過失と故意に分けられます。
過失とは不注意によって起こる失敗
を指しますが、
これは知識不足や技能不足等
によっておこるエラーと言えます。
また、納期ギリギリで慌てて作業をし、
心理的にかなり追い込まれた状態で
(心理的に動揺してしまったことが原因で)
起こってしまうエラーも、
こうした過失の部類に入るでしょう。
また複数の人が関わる中で起こる
コミュニケーションロス
(報連相の懈怠によるエラー)も
過失の一つです。
コミュニケーションロスの場合、
実損害だけでなく、機会損失というロス
も相当程度出ていると想定されます。
一方、故意によるロスとは
どういうものでしょう。
これはワザとミスをすることではありません。
ルールや既定のやり方をワザと守らず、
結果的にミスが生じてしまうケースです。
ワザとミスをしようとしなくとも、
決められたやり方を故意に守らず、
結果的にミスを発生させてしまえば、
これは故意でミスを生じさせた
と捉えるべきでしょう。
では、こうしたヒューマンエラーを
無くすにはどうすればよいのでしょう。
人がする事ですから、
100%防ぐことは難しいといえますが、
何らかの対策を打つことで、
大幅に減らすことは可能でしょう。
まずは効果的な仕組みを導入することです。
先の交通事故の例でみると、
昨今、自動ブレーキ(誤作動防止装置)
がついた車が増えてきています。
こうした車両では、
死亡事故は大きく減っています。
人間の間違いを設備等が補うというものです。
ここまでたいそうなものでなくとも、
マニュアルや手順の整備等、
仕組みを整えることによって、
既存のエラーは
大きく減らすことができるはずです。
ただ、こうした仕組みが整ったとしても、
その仕組みを故意に守らなければ、
やはりエラーは発生してしまいます。
これには教育が有効でしょう。
こうした仕組みやルールは、
作るだけでなく、
なぜそうしたルールや仕組みが必要なのか
をしっかり教育し、
理解させる必要があります。
その他、教育は知識や技能を高める
という点でも有効な手段です。

AI等の技術の革新が
目を見張る昨今でありますが、
人がする仕事が無くならない限り、
ヒューマンエラーは無くなりません。
「働き方改革」により仕事の生産性
の向上が強く求められるいまこそ、
(それを阻害する)ヒューマンエラーの削減は
非常に大きな経営課題といえるでしょう。


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