経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

中堅中小企業の採用状況は、
非常に厳しいものとなっています。
いまだ内定ゼロという企業も少なくありません。
こうした状況は一時的なものではありません。
社会の構造上の問題であり、
どこからか人材が入ってこない限り、
企業側の需要を満たせる状況ではないのです。
こうした中、人材の育成は
非常に重要なテーマとなってきています。
人が採用できない時代ですから、
採用した人材をいかに辞めさせないか、
いかに育て上げていくかがポイントになります。
この点を十分に理解し、
取り組んでいる企業とそうでない企業とでは、
中長期的に大きな差となってくることでしょう。
そう考えると、
「イマドキの若者はこれだから困る・・・」等と、
他人事のようには言っていられません。
「金の卵」と考え、
大切に育てていくという認識が大切です。
さて、では一般的に認識されている、
最近の若者の特徴とは、
どういったものでしょうか。


・性格はおおらかで素直
・何事に対しても基本は受け身
・指示されたことはやれるが、
  指示されないとやらない
・厳しく叱られると、(反発ではなく)
  めげてしまう
・目標達成に向けて奮起するなど、
  必死になることが少ない(必死はダサい)
・対人関係には希薄で控えめ
・競争意識が弱い
・基本的な読み書きがやや弱い
・できないことが多いわりに、
  自信は強く持っている(自信過剰型)
・人は人、自分は自分
・ナンバーワンよりオンリーワン
・出世意欲(稼ぐ意欲)が乏しい


すべてが当てはまるということはありませんが、
こうした傾向が強いという特徴はあるように思います。
では、こうした世代に対して、
我々はどのように対応すべきでしょうか。
反発計数が期待できない彼らに、
我々の価値観を無理やり押し付ける
「北風政策」は効果的ではありません。
自ら行動を起こさせるように仕向ける
「太陽政策」が肝要でしょう。
それには、まず彼らの価値観を理解し、
そうした価値観を生みだした背景を
理解することです。
そして、彼ら一人ひとりに深く・温かい関心を持ち、
彼らが本当に素晴らしい人生を送れることを願い、
日々指導していくという姿勢が欠かせません。
「そんなことまでしなければいけないのか・・・」
という声が聞こえてきそうですが、
「金の卵」と考えるなら、
大切に育てていくということも
理解できるのではないでしょうか。


企業は人なり。
経営の神様と謳われた松下幸之助氏の名言に、
「事業は人なり」という言葉があります。
事業を運営する企業体は組織で成り立っており、
更に組織は人の集まりであるがゆえに、
企業の成長と発展の源泉もまた、
「人にある」といえます。
一方、企業の経営資源を端的に表現する言葉として、
「人・モノ・金・情報」というものがあります。
この4つの資源の中で
(本来並列にすべきではないと思うのですが、)
その他と比較して圧倒的に重要であるのが、
やはり「人」に違いありません。
企業の経営とは、時代の変化(流れ)
を適切に読み、
その変化に適応していくことだと言われます。
時代の変化(流れ)に適合するために、
正しいやり方(戦略)を見出し、
それを上手く実行(戦術)することで、
競合他社との競争に先んずることができるのです。
そして、これらを企図するのも「人」、
実行するのもやはり「人」なのです。
人の優劣が企業の経営に圧倒的な
影響を及ぼすことは、
疑いようのない事実なのです。

企業経営の要諦は、
この「人」がそれぞれに期待される役割において、
自身の持てる力を最大限発揮することだといえます。
そして、組織における「人」の頂点
に立つものが経営者です。
よって、経営者が本来の経営者としての役割
を全うできれば、
すべての「人」の力を最大限
発揮させることができるでしょう。
一方、そうした役割を全うできなければ、
個人の力は分散し、
組織としての相乗効果を上げることが難しくなるのです。

それゆえ、経営者は経営を実学として、
常に学び続けなければいけません。
そして、学んだ知識を実践することで、
自身の知恵としていくのです。
優れた経営者は、学びの実践者です。
学ばない人、学びを実践しない人とは一線を画し、
自社の発展にとどまらず、
企業経営を通じて社会に革新をもたらし、
社会全体を引っ張っていく存在にすら
なっていくことでしょう。

また、経営者はツキを味方にしなければいけません。
優れた経営者は、ほぼ間違いなくツキのある経営者です。
ツキのない経営者では、
良い経営は実現できません。
ツキが逃げていくのです。
ゆえに、ツキを呼び込む習慣を身に付けることです。
ツキを呼び込む習慣とは、
以下の類の行動的・思考的習慣を指します。


 □自分は“運がい良い”と思っている
 □ビジョンが明確である
 □何事にも貪欲
 □経営の軸がぶれない
 □自責思考が強い
 □置き換え能力が高い
 □損得ではなく善悪で判断する
 □変化を好む
 □勉強好き
 □基本的にポジティブ
 □お世話好き
 □人を大事にする
 □コミュニケーションを大事にする
 □聞き上手
 □自分より他人を優先
 □常に謙虚で腰が低い


企業を取り巻く環境は、厳しいというより、
変化のスピードと程度がこれまでにないくらい
大きなものとなる可能性が高いと言えます。
そうした中においても、
企業が勝ち続ける条件は、ただ一つ、
“変化への適応”
しかありません。
そして、その適応行動の陣頭指揮を執るのは、
紛れもなく経営者なのです。
それゆえ、経営者の質が、
直接的に企業の浮沈に決定的な影響を及ぼす
と言っても過言ではありません。
我々は、優れた経営者となるべく、
常に学び、実践し、
ツキを呼び込まなければいけません。
強い使命感を持って経営にあたりたいものです。


例年以上に早いペースで、
学生の内定が決まっているようです。
完全なる売り手市場において、
中小企業の人手不足は
想像以上に厳しいものがあります。
毎年、多くの学生を
採用してきたある製造業を営む会社も、
今年は現時点で内定者ゼロとのこと。
採用に関して、相当の実績とノウハウを
積み上げてきた会社ですらこの状況ですので、
多くの中小企業で大変なご苦労を
されていることは想像に難くありません。

こうした背景において、
企業側ではどのような課題認識をすべきでしょう。
人手不足であるならば、
人を辞めさせないことと、
早期に戦力化を図ることしかありません。
そういう状況を創り出す上で重要なことは、
個々人の“働くことへのモチベーション”
をいかに高く維持できるかどうかです。
モチベーションを高く維持できれば、
離職の可能性が下がるだけでなく、
成長意欲を高め、結果、早期の戦力化が
可能となります。
加えて、人手不足をもう一歩踏み込んで
考えるとすれば、
人がしなくてもよい仕事は、
できるだけ機械化を進めることでしょう。
AIの進歩は、
人から仕事を奪うという側面と同時に、
機械化できる仕事が増えるという側面
もあります。
今後、労働者人口はしばらく(最低15年は)
増加しませんので、
働く人が減るという事実を前提として
考えるのであれば、
人がしなくてもよい仕事は
できるだけ機械化を進め、
人には人にしかできないことをさせるような
体制を構築することが求められます。
これは社員のモチベーションを高める上でも、
効果的なアプローチといえます。

いかがでしょう。
やはり行き着くところは、
社員の“働くことへのモチベーション”です。
社員のモチベーションを高めるために、
我々は何に気をつけ、
何を実行すればよいのでしょう。
そこには様々な手段があるはずです。
もちろん、個々の企業では置かれた環境も
背景もすべてが異なりますので、
これが唯一の正解というものはない
かもしれませんが、原理原則は存在します。
人がモチベーションを高く維持するために
必要なものは何なのか、
それはどのように手に入れることができるのか。
過去の成功体験が通用しない時代
と言われる昨今こそ、
原理原則に基づく様々な事例や研究から
学んでいく必要があるのです。

社員一人ひとりのモチベーションを
極限まで高めることにより、
限られた“人”の能力を
最大限発揮させることができれば、
組織として最大のパフォーマンス
を実現することができます。
これこそが、いますべての中小企業において
求められている最重要なテーマであり、
これから更に進む二極化を
勝ち残るキーワードとなるでしょう。
今こそ、人づくり、組織づくりが重要な時代
となってきています。

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