経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

後継者教育は、
企業の永続性を実現するために、
経営者が行うべき最重要の課題であります。
そのためには、
できるだけ早い段階で後継者を決め、
計画的に教育していくことがよいでしょう。
優れた経営を行う上で重要なことは、
経営者としてのスキルを高めると同時に、
経営に対する好ましいマインドを
醸成することです。
そのために、重要なテーマとして、
以下の3点が挙げられます。

1.経営の専門知識・技能の習得
2.経営理念の確立と実践
3.百戦錬磨のトレーニング

創業経営者の方は、
おそらくあらかじめ経営の勉強をされた
というようなことは、
あまりないのではないでしょうか。
創業後、様々なご苦労を経て、
改めて経営を学ぶことの重要性を認識し、
経営について学ぶ機会を持たれた
という方が多いと思います。
まさに必要に迫られて、
ということでしょう。
一方で後継者は、
できるだけ早い段階で経営に触れ、
経営の専門知識を体系的に学び、
技能として身に付けておくことにより、
事業承継をスムーズに進めることができます。

経営理念の確立と実践は、
経営者としての好ましいマインド醸成
のために必須のテーマです。
創業経営者と異なり、
既に会社は会社の体をなし、
ある程度確立した経営理念も存在しますので、
後継者の立場では、
なかなか経営者としての覚悟というか、
企業家精神というものが生まれにくいものです。
よって、現在ある経営理念を
自らのものとして改めて確立し、
実践するという体験が、
企業家精神を高め、
よりよい経営を追求しようという
経営者としての好ましい姿勢を生み出すのです。
自ら、経営理念に向き合い、
その理念をどう解釈し、
自身の思考や言動にどのように
結びつけていくのか、
日々取り組んでいくほかありません。
もちろん、これだけでよい経営者
になれるわけではありません。
学んだだけで、
すべてが上手くいくことなどあり得ません。
これらの実践により得られた成功や失敗、
そこから得た気付きや学びを糧として、
更なる実践によって自らを成長させること
に注力しなければいけません。
まさしく百戦錬磨のトレーニングです。
優れた経営者となるために、
経験ほど重要なものはありません。
一つの事柄から、二つも三つも経験する、
そんな貪欲さが必要なのです。

以上、後継者育成の要諦をお伝えました。
こうした取組みを、できるだけ計画的に
実践させることがよいでしょう。
計画的に実践させることで、
早い段階で後継者としての覚悟
ができてきます。
その覚悟が、経営者としての成長のスピード
を一段と高めることになるのです。

人手不足が深刻化しています。
2017年9月の求人倍率は1.63倍となり、
バブル崩壊以前を上回る水準まで
上昇しています。
この背景となる日本の人口構造を見てみると、
16歳~64歳までの労働力人口は、
2016年から2020年の5年の間に、
340万人もの減少となることが
分かっています。
これは既に確定した未来です。
ちなみに340万人とは、
静岡県一県分の人口に相当する人数です。
それだけ多くの人が、
職場から姿を消していくのです。
これが何を示しているかといえば、
人手不足は一時的な問題ではなく、
これからもずっと続くということです。
よって、いずれ何とかなるだろうという
甘い考えは、もはや通用しません。
働く人が激減していく中、
人手不足は更に深刻な状態になっていくと
理解しなければいけません。
こうした背景を考えれば、
今後、企業側として常に認識すべき課題は、
今いる人材を辞めさせないこと、
今いる人材の生産性を向上させること
の二点となります。
人材の離職に関しては、
入社後3年間で3割が退職する
というデータがあります。
これは雇う側にも雇われる側にも
問題があると思いますが、
改善に向けて考えるべきは、
採用段階でのミスマッチを
最小限に抑えることと、
採用後できるだけ早い段階で
“働きがい”を実感できるよう
仕向けることでしょう。
これらが実現できれば、
ゼロにはできないかもしれませんが、
離職率の大幅な低下が期待できます。
もう一方、生産性の向上については、
適正な投資と社員の仕事に関わる技能の向上
を組み合わせて考える必要があるでしょう。
AIの進展は、今後多くのビジネスパーソンから
仕事を奪うとされていますが、
そうしたものを活用しながら、
人ならではの仕事の質を
高めていくことが肝要です。
こうした課題への方向性を
現実のものとするために、
企業における人材教育機能の強化は
欠かせないテーマとなります。
もう少し具体的に言うとすれば、
今後、自社が成長発展するために必要な
「期待する人材像」の明確化と、
そうした人材を育成するための
体系的な教育制度です。
人材の育成は、
単年度で完結するものではありません。
複数の年月をかけて、
計画的、継続的に教育を施して初めて、
自社が期待する人材へと成長していくのです。
その中で、様々な経験を積み、
気づきを得て、成長を実感することで、
働きがいを感じ、仕事や会社への愛着も
増していくことになるでしょう。
このように考えますと、
教育の範囲もこれまでと比べて、
より広範なものが求められるように
なってきています。
人手不足がそれほど深刻でない時期、
比較的代替が効きやすい時代であれば、
今の仕事に直接的な効果が期待できる技術、
技能の教育を中心に考えておけば
よかったでしょう。
しかし、冒頭の時代背景やそこにおける課題
を考えますと、
教育の幅はどうしても広げざるを得ません。
働く人としての働く意義や
好ましいマインドの持ち方、
有効なコミュニケーションの取り方、
問題形成・解決する力等、
より広くビジネスパーソンとしての可能性を
広げていくための教育を提供することで、
人材の定着化、早期戦力化を
実現していく必要があるのです。

人口の減少、会社数の減少などの影響か、
日本経済全体としては、
それほどぱっとしないのですが、
比較的忙しくしている企業様が
多いように感じます。
遅くまで残業を強いられるケースも
少なくないようです。
忙しいということそのものは、
悪いことではありません。
企業に活気をもたらし、
組織風土の面からも好ましいことと思います。
ただし、それには条件があります。
「ほどほど」であることと、
「利益を伴っている」ことです。
一つ目の条件はともかくとして、
今回は二つ目の条件について
考えてみたいと思います。
バブル崩壊以降、小さな活況は
何度となく経験してまいりましたが、
その都度、忙しいわりに儲からない
というケースを見てまいりました。
仕事はあるものの、
それと同時に厳しい原価低減要請があり、
結果的に年々忙しくなるも、
なかなか儲からないという
切実なケースは後を絶ちません。
どうしてこのようなことになるのでしょう。
それには原因があります。
利益を出すには、
以下の3つの条件が必要ですが、
そのいずれかが上手く機能しないために、
忙しくも利益の出ない体質
になってしまっているのです。

1.正しい原価の把握
2.適正な値決め
3.管理体制の構築

一つ目は、正しい原価の把握です。
売上原価が正確に把握できていないのに、
適切な価格設定ができようはずがありません。
ここが曖昧であるがゆえに、
需要に応じた臨機応変な対応を
取ることができず、
結果的に儲からないという結果
を招いているケースは非常に多い
ように思います。
まずは厳正な原価管理の仕組みが必要です。

二つ目は、適正な値決めです。
価格決定については、
どうしても低い方向へ、
低い方向へと向く傾向にあります。
価格競争が最も簡単で、
分かりやすい競争方法ゆえに、
安易に安値合戦に入り込み、
結果的に業界全体で薄利多売傾向
になっているというケースも
多々見受けます。
企業経営にとって値決めは
“商売の肝”です。
明確な根拠に基づく値決め
のルールが必要です。

三つ目は、管理体制の構築です。
在庫や販売の管理が適切でないために、
個々で見れば、
8割の販売で正しく儲けているのに、
最後の2割の販売で
大きくマイナスを余儀なくされ、
トータルで見た儲けはぱっとしない
ということも多くあります。
中堅中小企業は、
全般的に管理が弱い傾向にありますので、
それによる機会損失は、
思いのほか大きいと認識しておく
必要があるでしょう。
全般的な管理体制の構築は
重要な課題です。

いかがでしょうか。
これら三つのポイントを
十分ご理解いただき、
自社で不足する点を
補っていくことが肝要です。

このページのトップヘ