経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

“イマドキ社員”
-最近の若手社員のことを、
やや否定的なセンテンスの中で
表現する言葉です。
イマドキ社員の特徴は、
何事に対しても受身で
指示したことしかやろうとしない、
反発係数が低く
厳しく言われるとめげてしまう、
目標達成に奮起するなどの
積極性に欠ける、
対人関係が希薄であり
控え目である、
基本的な読み書きができない、
上昇を目指さずして
ナンバーワンよりオンリーワン
を目指す、
できていないことが多いが
自分に対する自信は
強く持っている(自己評価が高い)、
といったところでしょうか。
こうした行動特性は、
(もちろん個々人の問題でもありますが)
育った時代背景の影響を
大きく受けているといえます。
バブル崩壊後に生まれた世代は、
“失われた20年”の間に、
思春期を過ごし、
大人へと成長してきました。
経済が成長しない時代となり、
頑張っても報われないことも多い
ということを学びました。
そこからは「周囲より個人が大事」
という価値観を持つようになります。
不況や親世代のリストラは、
安定志向・現状維持志向を生み、
挑戦を避け、失敗しない道を
選ぼうとします。
終身雇用が当たり前でなくなり、
転職が当たり前となることで、
会社はスキルアップの場
となったのです。
時代の影響を受け、
多くの若者がこうした価値観
を持つ傾向にあります。
これは良いとか悪いという問題ではなく、
そうした(自分達世代の背景や
価値観とは異なる)価値観を持った若者
がこれからどんどん増えてくる
という事実をしっかり認識することです。

組織において重要なことは、
優秀な社員を育成することであります。
その為に先輩社員は
後輩達にたくさんのことを
教えていかなければいけません。
しかし、これだけ価値観の異なる若者達に、
いったい何を教えることが
できるでしょうか。
単に自分達の価値観を押し付けるだけでは、
到底優秀な社員を育てることは
出来ないでしょう。
では、どうすれば優秀な社員
が育つでしょうか。
優秀な社員とは、
成果に繋がる好ましい行動習慣
を身に付けていることといえるでしょう。
そういう行動習慣を身に付けるには、
2つのアプローチが有効です。
行動の背景には、考え方・捉え方、
その背景に性格などの個性があります。
性格を変えることは難しいですが、
考え方・捉え方を好ましいものに
変えることは可能です。
質の高い仕事をし、
やりがいを実感することが、
どれだけ素晴らしいことかを
認識できれば、
より好ましい思考の習慣
が定着してくることでしょう。
そのために仕事の本質、
働くことの意義といった
精神面での成長を促す教育が有効です。
もうひとつは、行動面の改善です。
逆説的ではありますが、
行動をより好ましいものに
強制することにより、
内面に変化を及ぼそう
というアプローチです。
仕事の基本はいつの時代も同じです。
そういう基本的な
行動パターンを徹底的に仕込むことで、
より好ましい内面の醸成を図るのです。
このアプローチは、
内面への働きかけ(前述)がなければ、
効果は低いものになってしまいます。
最後に組織側の受入れ態勢も
若手育成には重要なテーマとなります。
先のような若者の特性を理解し、
若者のやる気を引き出せるような
組織作りが求められます。
郷に入っては、郷に従え
という言葉もありますが、
組織の側から歩み寄るという姿勢も
重要なのではないでしょうか。


企業会計には、
もっぱら外部への報告を目的
とした財務会計と、
主に内部向けに
経営の意思決定をサポートする
こと等を目的とした
管理会計があります。
外部向けの財務会計は、
厳格なルールに基づいて運用
することが求められていますが、
管理会計は(その目的が内側ゆえ)
共通のルールは存在しません。
「自社の意思決定に有効であること」
という尺度で、
各社が自由に(ルールを)
決めればよいのです。
私どもでも、
多くの企業様にて、
自社独自の管理会計のフレーム作成
のお手伝いをさせていただいております。
その中での率直な感想は、
まさに千差万別。
一社として同じフレームで
やれるところは無い
といっても良いほど、
自社の個別性が
表現されるものになっています。
昨今では、
中堅中小企業においても、
この管理会計を活用し、
有効な意思決定の一助
として活用する向きが
増えてきています。
代表的な管理会計の手法として、
原価計算や予実管理などが
良く知られています。

さて、企業における会計、
すなわち売上や利益というものは、
あくまで結果であって、
目的ではありません。
しかし、ゴール(結果)としての
売上や利益への期待なくして、
効果的な企業運営は行えません。
狙うべきは本来の企業の目的
ではあるけれども、
その目的にたどり付く絶対条件として、
利益を位置付けるべきでしょう。
企業存続の絶対条件としての利益を、
自社の経営の中で、
継続的に獲得するために必要な条件
は何なのか。
そのためにはどういう意思決定
が必要なのかを
明らかにしていくのです。
そうすることで、
企業経営は自社の
目的(経営理念)追求の中で、
しっかりと利益を上げていける体質
が構築されていくのです。
もう少し具体的に
経営に役立てていくには、
予実管理という手法が有効です。
管理会計の手続きで分析された
収益構造をもとに、
単年度の計画を実行するために
どういう予算を編成するか、
新たな期がスタートする前に
計画化します。
この時のポイントは、
意志決定に役立つ計画の立て方
を心がけることです。
例えば、人件費を計画するなら、
現状の総人件費を社員総数で割り、
一人当りの平均人件費
を出したものをベースに、
計画期の昇給率等を鑑みた平均人件費と
予定人員数とを掛け合わせて算出
したものとするのです。
そして、実績と比較する際も、
先の総人員数と平均人件費で
差異分析すれば、
総労働時間のコントロールや
追加人員の必要性などが判断できます。
製造業であれば、
生産量と相関関係のある経費は、
生産単位当りで算出する
ことも有効です。
それにより、
生産効率の良し悪し、
トレンドは概ね見えてきますので、
そうした指標をもとに、
現場に指針を与えることができるのです。

以上のように、
せっかく毎月試算表を作成するのであれば、
自社にあった形で
有効に活用すべきでしょう。
ただ単に結果だけを見て、
一喜一憂するのではなく、
意思を持って
結果を作り出していきたいものです。

「段取り八分の仕事二分」
昔からよく言われている、
仕事術の王道です。
ご存知の通り、
質の高い仕事を効率的に行う上で、
段取りの重要性を説いたものです。
組織の生産性は、
個々人の生産性の合計ですから、
一人ひとりの仕事の質が高まり、
効率的に仕事ができるようになれば、
自ずと組織の生産性は高まります。
加えて、組織全体でも
こうした段取りの共有がなされれば、
組織の生産性は相乗的に
高まる可能性があります。
やはり、仕事をする上で、
段取り上手であることは
必須の課題であるといえます。
これくらい重要な段取りですが、
こうした段取りをする能力(=段取り力)
を組織的に強化しようという取組みは
あまり聞いたことがありません。
もちろん、
仕事の中で(仕事を通じて)
上司や先輩社員から、
段取りの重要性を
教わることがあるでしょうが、
それ以外で改めて
時間をとって訓練するということは
あまり聞きません。
どちらかといえば、
個人が自己啓発で高める部類のもの
とされる傾向にあり、
そこに組織が積極的に関与する
というケースは稀ではないでしょうか。
しかし、組織の生産性に
大きく影響を与えるものだとすれば、
会社としてもっと積極的に
社員の段取り力の向上に
関わっていっても
良いのではないでしょうか。

では、段取り力の向上は、
具体的に社員の仕事に
どのような影響を与えるでしょうか。
同じ成果を上げるとしたら、
段取り力の高い人は、
より短い時間の中で
成果を実現することができます。
段取り力の低い人は、
より多くの時間をかけなければ
同等の成果を得ることができません。
それは何故か。
段取り力を高めることによって
得られる効果の一つは、
成果を生む時間を
より多く確保することができる
ということだからです。
一般的に、毎日2時間程度の残業
をする人であれば、
月間で200~210時間程度の
労働時間になると思います。
この中で、成果を生んでいる時間とは、
一体どれくらいでしょうか。
もちろん、業種や職種によって
異なりますが、
直接的に成果を生む営業職などでも、
業種によっては20%も無い
ということも珍しいこと
ではありません。
様々な仕事に忙殺され、
結局、成果を生むために
使える時間は極めて限られている
というケースが非常に多いといえます。
そう考えると、
改善の余地は極めて大きい
と思いませんか。
先の例で言えば、
成果を生む時間が平均20%ということは、
15%の人もいれば
25%の人もいるわけです。
能力が同じであれば、
25%の時間を確保できる人が
優秀な営業であり、
15%しか確保できない人が
優秀でない営業となります。
これは間違いありません。
こうして15%しか確保できない人の
段取り力を高め、
全体の平均を20%から25%に上げること
ができたなら、
組織の生産性は25%上昇します。
同じ人員で売上高は25%増え、
粗利益も25%増えます。
コストはそこまで増えませんから、
営業利益ベースで考えれば
少なくとも50%以上の増益
が期待できるでしょう。
いかがでしょう。
組織として社員の段取り力向上に
積極的に関わるための、
十分な根拠といえるのでは
ないでしょうか。
成長しない時代であるからこそ、
限られた時間という資源の
有効な活用で、
大きな成果を上げられる
“段取り力”を強化
していかなければいけません。


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