経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

叱ること、褒めることは、
部下を動機付けるために、
有効な手段であると言えますが、
ワンパターンでは、
なかなか思うような成果は得られず、
一筋縄ではいかないものです。
そもそも、叱る、褒めるとは、
何のために行うものなのでしょう。
いずれも、それそのものが目的ではなく、
叱ることも、褒めることも、
結果的に相手が(成果に向けて)
好ましい方向に行動を変えること、
あるいは好ましい行動を、
より強化することを目的としています。
その点から言えば、
厳しく叱ったとしても、
相手の行動が変わらなければ、
それは叱ったことになりません。
叱ることとは、
何を実現するための行為なのか。
その点を改めて認識する必要があります。
また、叱ること、褒めることの難しさは、
その対象となる人物が、
これまでにどういう育ち方をしてきたか等、
相手の背景によって
効果が異なるという点にあります。
例えば、昔の人達に比べて、
最近の若い人達は、
反発計数が低いなどと言われます。
昔の人であれば、
厳しく叱れば叱るほど、
「なにくそ」と反発精神を持って
リベンジしようというタイプが多い
といえますが、
最近の若い人達は、
叱れば叱るほど萎縮し、
立ち直れないくらい落ち込んでしまう
というケースもよく聞きます。
親の世代が若くなればなるほど、
相対的に甘やかされて育てられた人達
が多くなるようです。
「僕は褒められて伸びるタイプなんですよね」
などと本気か冗談か分からないようなこと
を平気で口にする社員もいると聞きます。
叱ることも褒めることも、
仕事における重要なコミュニケーションです。
その結果、相手がより好ましい行動に移り、
組織としてより大きな成果を上げること
が組織をマネジメントする管理者の役割です。
相手のタイプが変われば、
それにあわせたマネジメントのスタイル
をとるほかありません。
もはや、こちらのワンパターンな指導方法で、
部下が成長すると思ったら大間違いです。
多様なパターンに合わせて、
最適な叱り方を取捨選択する
必要があります。
相手によっては、
「叱らない」という叱り方
もあるかもしれません。

同時に、褒めることも、
なかなか難しいものです。
明確な根拠が確認できないまま、
安易に褒めては勘違いを生む可能性
が高いといえます。
とりわけ、最近の甘えた若い人達であれば、
かなりの確率で甚だしい勘違い
をする可能性が高いと言えます。
それがよい方向に作用すればよいですが、
それは奇跡に近いといえます。
明確な根拠なくして褒めない。
この点は徹底する必要があるでしょう。
しかし、我々は社員の行動を
より好ましいものにするという目的で、
相手を褒めるのだとすれば、
このように褒める状況
が現れることを待っていては、
いつまで経っても行動の修正(強化)
ができないことになります。
それでは、意味がありません。
それ故、褒める代わりに、
感謝するとか、勇気付けるという行動
が有効といえそうです。
相手の行動をより好ましいものに
変えるために、
あるいはモチベーションを高めるために、
褒めることの代わりに、
相手へ感謝し、相手の行動に
勇気付けをするのです。
そうすることで、
褒められるのと似た効果
を出すことができます。
いずれにせよ、社員を動機付け、
組織の成果をより大きなものにすること
が管理者の役割であります。
変化する若者の特性に合わせた、
最適な叱り方、褒め方を
常に考えなければいけません。

春は新卒の学生が、社会人として
新たな旅立ちをする季節です。
弊社のクライアント様におかれましても、
多くの新卒学生を採用されています。
社会人としての第一歩
を踏み出した多くの若者を、
これからの企業を支え、
成長の原動力となれるような
“人財”として育てて
いかねばなりません。
企業は人なり。
企業の成長の源泉は、
何と言っても人材の成長
に他ならないからです。
さて、いつの時代も
“最近の若者の傾向”
といった言葉で、
若者の可能性をひとくくり
にしようという向きがありますが、
基本的には一人ひとりに個性があり、
それぞれに異なった人であります。
教育の原則は、
一人ひとりの個性に合った指導
が効果的であることは
言うまでもありません。
しかし、多くの管理者が、
自分達の育った背景とは、
あまりに異なった(異次元の)
背景を持った若者達を、
理解することに苦労しているようです。
そういう意味で、
世代の異なる人達が育った背景
を理解しておくことは、
個々の教育を行う上でも有効であり、
自分達の価値観を
押し付けることに比べれば、
数段生産性が高いと思われます。

基本的な姿勢は受身で、
反発係数が低いため、
叱られると奮起する前に落ち込んでしまう。
クールがカッコよく、熱いのはダサい。
言われたことはやるけれども、
言われないことはやらない。
質問の相手は人ではなく、
もっぱらパソコン検索。
できていない割に、
自分に対する自信は強い。
競争を好まず、
ナンバーワンよりオンリーワン・・・。

これは良い悪いではありません。
こういう特徴を持つということであり、
良し悪しを言い始めると、
教育はうまくいきません。
指導する側は、
今どきの社員がこうした傾向を持つ
という事実を理解し、
指導の現場では
個々人の個性に目を向けて、
その可能性を伸ばしていく
というスタンスが重要でしょう。
そして、20代の社員が
身に付けておくべきことは、
一つには信頼される仕事の仕方、
二つ目によりよい人間関係を構築する力、
三つ目に仕事への使命感を高めると同時に
組織へのロイヤルティを高めること
であるといえます。
指導者は、専門分野における
技術面での指導を行うと同時に、
これら3つの観点から
仕事の基本の指導を
行わなければいけません。
こうした基本が身に付かない限り、
いずれ成長は止まることになります。
こうした基本が、
高いレベルで身に付けば、
自ら成長し続ける条件を
手に入れることになります。
そして、その影響力を
外へ外へと広げていき、
いずれ組織にとって、
なくてはならない存在へと
成長していくことでしょう。
そうした社員を育成するには、
そういう基本を徹底的に
植えつけなければいけないのです。
いつの時代も、
優秀な人材に求められる要件は同じです。
それを身に付ける器のタイプが
少し違うだけ。
そうした社員一人ひとりに
理解を示すことが
効果的な社員教育を進める上での
ポイントとなるでしょう。

いわゆる“今どき社員君”。
少子高齢化の流れの中で、
“自分を中心に世界は回る”を、
まさしく実体験してきた人達
が多く存在します。
最近の若い親達は、
子どもの誕生日に会社を休み、
子どもの喧嘩に首を突っ込み、
理不尽な理由で、
叱る学校教師にクレームをつける・・・。
いささか極端な表現をしましたが、
子どもの数が減り、
目や手を掛けられることが多くなった結果、
成長期の子ども達が
世界は自分を中心に回っているのだと
無意識に考えてしまったとしても
無理はありません。
こうした傾向を(多かれ少なかれ)
持つ社員達が、
組織の中で貢献することは、
(生い立ちを考えても)
だんだん難しくなってきている
ように思います。
高度成長時代であればいざ知らず、
成長しない時代において、
このようなタイプの人材が
社会に貢献できようはずも無く、
社会での学び方、
育ち方を改めて身に付けさせない限り、
全くの役立たずとなる可能性も否めません。
入社3年目までに、
こうして身に付いた悪習を脱し、
社会や組織に貢献できる好ましい習慣
(感情・思考・行動)
を身に付けさせなければいけません。
入社3年目までに、
好ましい習慣が身に付けば、
間違いなく社会や組織から
有用な人物として重宝される
ことになるでしょう。
それは、本人の働きがいとなり、
やりがいとなります。
ひいては仕事が生きがい
と言えるまでなれば、
ビジネスパーソンとしては
一人前でしょう。
ところが、多くの若者が
この3年を待たずして
会社を去っていきます。
厚労省の統計によれば、
大卒入社の実に3割が
入社3年目までに会社を去っています。
5人以下の小企業では6割、
30人から100人の中小企業でも
4割の新入社員が会社を去っていくのです。
(厚労省:新規大学卒業就職者
 の事業所規模別離職状況)
これは企業にとっても、
若者にとっても、
不幸なことでしかありません。
社会人として非常に重要な
最初の3年間を有意義に過ごすためには、
やはり企業側の努力がなければいけません。
「最近の若いものは辛抱が足らない・・・」
と愚痴をこぼしても何も改善はありません。
企業側が努力をすることで、
こうした不幸を回避することができるでしょう。
こうした状況へ対応するために、
若手社員の教育は欠かせません。
ただし、単なるマナーや一般常識を教えても、
こうした問題は解決しないでしょう。
また、自社独自の専門技術や技能
を教育しても解決しません。
組織を通じて、
社会に貢献するための
好ましい習慣を身に付けるための教育
が必要なのです。
そうした能力が身について初めて、
社会や組織に貢献することができる
ようになります。
社会や組織に貢献できるようになれば、
先にも述べましたように、
それは自分自身の自信や喜び
に変わっていくことでしょう。
そういうことが実体験できる職場
であると感じたなら、
その職場を離れていく可能性も、
うんと低くなることでしょう。
こうした教育の仕組みを
社内に構築すること。
これは採用する企業側の責任でもあります。


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