経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

組織が有効に機能し、
組織の目的である相乗効果を
最大化するには、
いくつかの重要な要件を
満たさなければいけません。
その要件の中に
「縦横のコミュニケーション」
を円滑に行うというものがあります。
これはいわゆる「報連相(ホウレンソウ)」
を指すわけですが、
この「ホウレンソウ」が円滑に
行われている企業は、
それだけでも組織の相乗効果を
相当程度高めることができます。
反面、「ホウレンソウ」が
円滑に行われていない企業では、
あちこちでロスが生じている
可能性が高いといえます。
二度手間、三度手間が
あちこちで発生し、
それに関わる無駄な時間
にも当然コストがかかります。
収益を圧迫し、
働けど儲からないという悪循環
にはまることになります。
ところが、この「ホウレンソウ」
の懈怠(けたい)による機会損失には、
意外にも皆さん、
大らかというか、鈍いというか・・・。
それほど問題視されることも
少ないように感じます。
それは不良品のように、
直接目に見えるものではないために、
ロスを実感し難い
という側面があるのかもしれません。
実は、組織の目標達成に向けて
高い意識を持てなければ、
「ホウレンソウ」の懈怠による
機会損失にも、
人はそれほど敏感になれないのです。
よって、「ホウレンソウ」が
うるさく言われない会社は、
ほぼ間違いなく組織の目標達成
に向けた意識が、
それほど高くないといえます。
それでも利益が出ているうちは
まだ良いのでしょうが、
徐々に利益が出なくなり、
いよいよ赤字となって
慌てることになります。

ビジネスにおける
「ホウレンソウ」は
基本中の基本です。
この重要性が認識されていない
ということは、
組織で仕事をするということの
基本が理解できていない
ということです。
こういう企業の多くは、
一人親方がそれぞれ勝手に
営業をしているようなものですから、
1+1は2にしかなりません。
上記の通りロスも出ていますので、
2にもなっていないかもしれません。
むしろ、一人でやった方が、
一人当りの効率は高い
可能性さえあります。
これでは、組織で仕事をしている意味
がありません。
組織で仕事をしている意味が無い
となれば、
企業としては致命的な話です。
それほど深刻な問題なのです。
また、組織において
コミュニケーションを
円滑に行うためのツールは、
年々発達していきます。
多くの企業で、
「ホウレンソウ」を促進
するための道具、
例えば携帯電話やPC、
タブレット端末など、
一人が複数のツールを持つ時代
になっています。
こうした時代背景において、
「ホウレンソウ」の重要性を
理解している会社と、
そうでない会社の格差は、
これから広がることはあっても、
縮まることは決してありません。
早々に、自社の課題を明確にし、
改善に向けた活動に取組むべきでしょう。


弊社では、
営業パーソン向けの教育研修を
提供しておりますが、
そこに参加される方の
お話を聞くにつけ、
まだまだ中堅中小企業における
営業パーソンの教育体制は
脆弱であると実感します。
平たく言えば、
ほとんどが個人任せで、
教育らしい教育などは、
まったくと言っていいほど
行われていないのが実情のようです。
学卒の新入社員であれば、
入社直後に、
社会人の基本やマナーを
学ぶ新入社員研修を実施し、
その後、商品知識を学び、
先輩とのわずかな営業同行のみ。
それ以降は、
「お客様に教えてもらえ」
と放りだされることが多いようです。
中途社員に至っては、
社会人の基礎は出来ているだろう
ということで何も教えられず、
まさしく“ほったらかし”
というケースも少なくありません。
営業で成果を上げるには、
それなりの訓練が必要です。
一流のスポーツマンがそうであるように、
基本を身に付け、
勝つための課題を克服するために、
徹底的に訓練してはじめて、
人並み以上の成果を上げる
ことができるのです。
こうした訓練を、
効果的に行うための仕組みが、
組織における教育制度であるのです。

では何を教育すればよいのでしょうか。
大きく言えば2つ。
営業マインドの醸成と
営業スキルの向上です。
この二方向でのアプローチ
を組織的に行うことです。
個人任せでなく、
組織が関与し、
能力強化を見届ける必要があります。

では、営業マインドとは何か。
営業マインドとは、
「お客様のお役に立ちたい」
という顧客志向の気持ちの持ちようです。
数字に貪欲とか、
競争心が強いといったことが
営業マインドと誤解されがちですが、
本当の営業マインドとは、
自社の商品やサービスを通じて、
どのようにお客様のお役に立てるか
を常に考えている姿勢であり、
自分自身の言動によって、
どうお客様に喜んでいただくか
を考え続ける姿勢であるともいえます。
こういうマインドが醸成されると、
営業活動が
お客様の問題解決活動となります。
お客様が満足し、
結果的に数字も上がってくる
というものです。
こうしたマインドは、
始めから持っているものではありません。
本人がいかに“気づく”こと
ができるかどうかなのです。
よって、教育により、
本人の“気づき”が得られやすい状況
を作っていくことが大事なのです。

では、営業スキルとは何でしょうか。
こちらは比較的分かりやすいといえます。
営業の専門家としての、
営業のテクニックとでも言えるでしょう。
ただし、気をつけなければいけないのは、
ここでいうテクニックとは、
お客様に“売りつける”テクニック
ではなく、
“買っていただく”テクニック
であるとうことです。
すなわち、お客様自身が、
自分の抱える問題を解決するために、
正しい理解のもと、
正しい判断を行い、
結果的に満足感を得てもらう
という購買の意思決定を、
正しくサポートするテクニックなのです。
もっとも基本的なことで言えば、
自社の商品を正しく知ること、
すなわち商品知識を得る
ということですが、
社内教育のほとんどが
このレベルで終わっている
のではないでしょうか。
本来の営業テクニックが、
先に述べたような意味を持つとすれば、
ここでのテクニックも
更に奥深いものとなります。
お客様の購買心理、
意思決定のプロセスの理解、
またお客様とより良い関係を作る
コミュニケーションスキル・・・、
数え上げればキリがありませんが、
営業パーソンが身に付けるべき
テクニック(技能)も
顧客満足を得るためのものと考えれば、
もっと真剣に考えられるべきでしょう。

社内における営業パーソンの育成には、
こうした観点から内外の
研修プログラム、
OJTによる指導プログラムなどを
効果的に組み合わせることが肝心です。
もはや営業もプロフェッショナル
でなければ、
勝ち残ることはできません。
営業のプロフェッショナルを
養成することも、
企業の重要な機能であるといえます。

「もう少し経営感覚を持って
    仕事をしてくれたら・・・」

こういう愚痴をこぼす経営者は、
決して少なくありません。
変化し続ける厳しい経営環境の中で、
会社の運営に全責任を負っている経営者は、
常にリスクと向き合い、
採り得るいくつもの手段を考え、
そこから最良の手段を選択し、
実行しているのです。
一方で、そこで働く社員達は、
そんな経営者の苦労も露知らず、
ただ漫然と出社し、
就業までの時間をただ過ごす、
といった暢気な働き方をしている人達も
少なくありません。
そういう状況を見るにつけ、
経営者はつい冒頭のような愚痴を
こぼすことになります。

社員に経営者の感覚を持ってもらう。
多くの経営者達が
チャレンジしてきた課題であります。
社員一人ひとりが自分と同様の
問題意識を持ち、
会社のために好ましい意思決定を
積極的に行い、
組織を引っ張っていこうと
奮起してくれたなら、
どんなに素晴らしい会社
になれることでしょう。
そういう感覚を醸成しようと考えるなら、
実際にそういう(経営者に近い)状況に
置かれることが
一番効果的であるといえます。

例えば、京セラという会社は、
アメーバ経営という手法を用い、
社員があたかも町の工場の経営を
行っているような感覚を醸成することに
成功しています。
あるいは、かのソフトバンクでは、
マネジメントゲームを取り入れ、
ゲームを通じて経営感覚を醸成しようと
試みています。
これらに通じることは、
いずれも社員に経営者の
疑似体験をさせるということです。

経営者の感覚を身に付けさせるには、
実際にやらせてみることが一番
ということです。
例えば、マネジメントゲームでは
5~6人の競合が存在する市場で、
自らの意思決定により、
工場をつくり、社員を雇い、
製品を製造し、販売まで行います。
その一連の取引を、
帳簿に記録していきます。
そして一定の区切りで、
帳簿を元に決算まで行います。
自分の判断が、数字(会社の業績)に
どのような影響を与え、
それが決算によってどう表現されるのか
を実際に体験するのです。
儲かっていると思っていたのに、
(決算したら)赤字になっていた。
投資をしようと思ったら、
手元にキャッシュがなかった。
といった具合に、
実際の経営と同じ状況を
ゲームの中で体験するのです。
こうした体験をすれば、
すべての人が経営者感覚を持つ
とは言い切れませんが、
回数を重ねるうちに、
徐々に経営者の感覚が
身に付いてくるのです。

もちろん実際の経験に優るもの
はありませんが、
こうした取組みを通じて、
経営者感覚を醸成することができれば、
組織の推進力が格段に高まることが
期待できそうです。


このページのトップヘ