経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

働くこととストレス。
今も昔も仕事にストレスは付きものです
(ただ生きていくことにすら
  ストレスはあるのでしょう)が、
そのストレスの扱われ方が、
今と昔とでは随分変わってきました。
それには働く人の育った環境の変化
があります。
内面的な環境変化を見ると、
過保護に育つことが多くなり、
辛抱が利かない若者が
増えているという面があります。
甘やかされて育ったために、
ちょっとしたことで
ストレスを感じやすい人が
増えているのです。
また外部的な環境変化では、
会社を含む社会的環境の変化があります。
失われた20年で、
誰もが成果を上げることが
難しい時代となりました。
成長時代であれば、
誰の努力も報われる可能性が高く、
頑張れば成果も上がり、
それに合わせて給料も役職も
上がっていくことになりました。
努力が報われたわけです。
ところが、成長しない時代となり、
努力したからといって
報われる可能性は相対的に低くなりました。
給料も増えなければ、
地位も上がらない。
そういう時代となり、
蓄積されたストレスが
解消され難い環境となっているのです。

こうした傾向が顕著になり、
昨今では企業経営において、
社員のストレス耐性というものに
注目が集まるようになりました。
ストレスへの耐性度合いは、
職場の人間関係、チームワーク、
仕事の成果などに大きく影響するのです。
このストレス耐性は個人差が大きく、
どれほど知識技能が高くても、
それに必ず比例するものとは言えません。
故に、(知識的・技能的な)能力はあっても、
ストレス耐性が低いがために、
成果に繋がらないケースもあります。
よって、組織が現有の社員の能力(知識・技能)
を最大限発揮しようと考えるなら、
社員のストレス耐性の傾向を理解することが、
まずもって必要になります。
社員一人ひとりのストレス耐性を認識し、
どういった傾向を持っているのかを把握できれば、
それにあった仕事のさせ方ができるでしょう。
また、そうした傾向を理解できれば、
その傾向をより好ましいものに
変えていくことも出来ます。
管理者が自分の勝手な基準で、
相手のキャパシティも理解せずに、
無茶な仕事の与え方をすれば、
せっかく能力の高い社員であっても、
潰れてしまう可能性は極めて高いといえます。
そういう状況を避けるには、
管理者が部下のストレス耐性の程度を理解し、
対処することで、
周囲がより柔軟な係わり方ができるようになり、
仕事の与え方にも注意を払うことができます。
このように、長期的な人材育成、
組織力強化を目指すとき、
社員個々人の現状のストレス耐性を
把握できることは組織にとって
極めて有効な手段です。  


企業が自らの「目的」を
より効果的・効率的に達成するためには、
その活動を経営戦略によって
集約しなければいけません。
同時にその経営戦略を、
変化し続ける経営環境に柔軟に適合させ、
着実に実行に移すことにより、
具体的な経営成果として
継続的な成長と発展が約束されるのです。
すなわち、企業とは

□自らの目的(=経営理念・経営ビジョン)
  の達成に向けて、
□中長期的な観点において、環境変化に
  適合するための体系的な方策
 (=経営戦略)を練り、
□その方策を具現化するための、 具体的
  な活動計画(=経営計画)を立案し、
□より効果的なマネジメント(=経営管理)
  を通じて確実に実行に移し、その「目的」
  を達成せしめることを志向するもの

といえます。
こうした会社の「事業に対する考え方」を、
中期的にまとめたものが
いわゆる「中期経営計画書」であり、
この中期経営計画に基づく
単年度の「事業に対する考え方」が、
いわゆる「年度の事業計画」
というもので表現されるのです。

企業経営にはこうした方針・計画が
必要であると考える向きが多い反面、
その方針・計画がなかなか伝わらない
という現状に悩まされる経営者
も非常に多いのが現実です。
この方針・計画が伝わらないのには、
以下のような理由が考えられます。

□そもそも方針が明確でない
 (フォーカスすべき事項が明確でない)
□難解な文章による表現で、
  ただ伝えているだけ(伝達レベル)
□方針に基づくコミュニケーションが
  成り立っていない
 (理解できるが納得していないレベル)
□各組織に与えられた方針が
  大事なことはわかるが、
  事業経営にどのように貢献できるのか
  が分からない
□自分の努力がどのように評価されるか
  が分からない

こうした阻害要因を排除するために、
方針・計画に求められる基本的な考えは、
「出来る限り定量化すること」と、
「結果(指標)でなく先行(指標)
 を管理すること」の二点に尽きます。
そして、ここの取り組みと
期待される成果の因果関係を
しっかり結びつけることです。
同時に、誰から見ても分かりやすいように、
全体像が1枚のペーパーで
ビジュアル的に表現できると
なおよいでしょう。
こうして、方針・計画の意図するところ、
プロセス、期待される成果が
明確に腹に落ちれば、
実行される可能性は格段に
改善することでしょう。
方針・計画は、実行に移されて初めて
成果が期待できるのです。
実行性を意識した方針・計画作りが
肝要です。


若手の頃はそこそこの
成果を上げてきたものの、
営業にも慣れ、
数年が経過してきたころに
壁が現れてくるということは、
よくあるケースです。
中堅の営業担当者として、
これまで以上に大きな成果
を期待されているにも関わらず、
いまひとつの成果に
留まってしまっているのです。
“勝ちに不思議の勝ちあれど、
負けに不思議の負けはなし”
などと言われるように、
敗因は必ず存在します。
そこ(敗因)に目をむけ、
自らを変革させていかない限り、
この壁を越えることは出来ません。

営業担当者の成果が
出なくなる要因は、
突き詰めてしまえばただ一つ。
成果を上げるための
好ましい行動習慣が
欠落しているからです。
若いうちは、
会社が提示する営業の
標準モデルを忠実に守り、
そこから成果を
上げてきたのですが、
慣れるに従い、
徐々に自分流になっていく。
それが好ましい方向
に自分流になっていけば
よいのですが、
往々にして好ましくない方向
に自分流になっていくものです。
それは圧倒的な成功体験
の少なさによるものです。
要するに、たいした実力もないのに、
自分流に切り替えてしまうのですから、
好ましくない行動が
身に付いていくのは、
ある意味当り前のことなのです。
こういう癖がつきますと、
言動の一つ一つで
お客様の信頼を失っていく
ことになります。
いいところまではいきますが、
最後の詰めで躓いてしまう。
あるいは早々に罰点
を出されてしまうようなことも・・・。

ここから脱却するには、
改めて自らの問題に気付き、
自己を変革させていくほかありません。
ところが、このレベルの人ですと、
たいした成果が無いにも関わらず、
経験年数程度のプライド
は持っていますので、
無意識が原因を外に向け、
自己の変革を阻害してしまうものです。
それでは改善は期待できませんので、
組織としては意図的に
仕向ける必要があります。
ではどう仕向けるか
ということですが、
そこは多少の工夫が必要でしょう。
そもそも成果が上がらないのは、
行動習慣が好ましくない
と申しましたが、
若い頃に学んだ
正しい考え方や捉え方、
それに基づく言動といったことが、
いつしか出来なくなっている
わけですから、
改めてそういう要素を
身に付けさせる必要があります。
それなら、新人と同様に
教育すればよいではないか
ということになりますが、
社会人の経験もそこそこある
中堅社員ともなると、
先のプライドが邪魔をします。
素直に聞き入れることが出来なければ、
当然今後も成果に繋がる可能性
は低くなるでしょう。
そこで工夫ですが、
例えば若手の指導役
という役目を担ってもらうのです。
建前は“指導のため”に
改めて仕事の基礎を見直し、
“本音のところ”は
自ら気付いてもらえるよう
仕向けるわけです。
ロープレの相手役なども良いでしょう。
すなわち、より良い指導をするために、
自らの仕事の仕方を
振り返るという立て付けにすることで、
心の障壁を取り払うのです。
そこで少しでも素直に
学ぶことができたなら、
そこから自己の革新が
始まる可能性は高いといえます。
管理者は相手の立場や経験を踏まえて、
より好ましい指導
を心がける必要があります。


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