経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

若手の頃はそこそこの
成果を上げてきたものの、
営業にも慣れ、
数年が経過してきたころに
壁が現れてくるということは、
よくあるケースです。
中堅の営業担当者として、
これまで以上に大きな成果
を期待されているにも関わらず、
いまひとつの成果に
留まってしまっているのです。
“勝ちに不思議の勝ちあれど、
負けに不思議の負けはなし”
などと言われるように、
敗因は必ず存在します。
そこ(敗因)に目をむけ、
自らを変革させていかない限り、
この壁を越えることは出来ません。

営業担当者の成果が
出なくなる要因は、
突き詰めてしまえばただ一つ。
成果を上げるための
好ましい行動習慣が
欠落しているからです。
若いうちは、
会社が提示する営業の
標準モデルを忠実に守り、
そこから成果を
上げてきたのですが、
慣れるに従い、
徐々に自分流になっていく。
それが好ましい方向
に自分流になっていけば
よいのですが、
往々にして好ましくない方向
に自分流になっていくものです。
それは圧倒的な成功体験
の少なさによるものです。
要するに、たいした実力もないのに、
自分流に切り替えてしまうのですから、
好ましくない行動が
身に付いていくのは、
ある意味当り前のことなのです。
こういう癖がつきますと、
言動の一つ一つで
お客様の信頼を失っていく
ことになります。
いいところまではいきますが、
最後の詰めで躓いてしまう。
あるいは早々に罰点
を出されてしまうようなことも・・・。

ここから脱却するには、
改めて自らの問題に気付き、
自己を変革させていくほかありません。
ところが、このレベルの人ですと、
たいした成果が無いにも関わらず、
経験年数程度のプライド
は持っていますので、
無意識が原因を外に向け、
自己の変革を阻害してしまうものです。
それでは改善は期待できませんので、
組織としては意図的に
仕向ける必要があります。
ではどう仕向けるか
ということですが、
そこは多少の工夫が必要でしょう。
そもそも成果が上がらないのは、
行動習慣が好ましくない
と申しましたが、
若い頃に学んだ
正しい考え方や捉え方、
それに基づく言動といったことが、
いつしか出来なくなっている
わけですから、
改めてそういう要素を
身に付けさせる必要があります。
それなら、新人と同様に
教育すればよいではないか
ということになりますが、
社会人の経験もそこそこある
中堅社員ともなると、
先のプライドが邪魔をします。
素直に聞き入れることが出来なければ、
当然今後も成果に繋がる可能性
は低くなるでしょう。
そこで工夫ですが、
例えば若手の指導役
という役目を担ってもらうのです。
建前は“指導のため”に
改めて仕事の基礎を見直し、
“本音のところ”は
自ら気付いてもらえるよう
仕向けるわけです。
ロープレの相手役なども良いでしょう。
すなわち、より良い指導をするために、
自らの仕事の仕方を
振り返るという立て付けにすることで、
心の障壁を取り払うのです。
そこで少しでも素直に
学ぶことができたなら、
そこから自己の革新が
始まる可能性は高いといえます。
管理者は相手の立場や経験を踏まえて、
より好ましい指導
を心がける必要があります。


先に「若手社員を早期に育成するには」
というタイトルで、
2つのポイント(「営業力の底上げ」と
「組織から生まれる創造力の強化」)を
お伝えしました。
今回はそれらを前提として、
具体的にどのように
この2つのポイントを強化するかについて、
教育体制という観点から
お伝えしたいと思います。

前回お話ししたポイント、
「営業力の底上げ」という点においては、
営業の標準モデルを作り上げ、
組織で共有すること、
「組織から生まれる創造力の強化」
という点については、
共通する基本に立脚し、
個々人が更なる想像力を発揮しやすいように
情報を共有することとお伝えしました。
ただし、こうした体制が整ったとしても、
ただそれだけで営業力が
強化されるわけではありません。
そうした体制に基づき、
適切な教育を実施しなければ、
営業力の早期強化は図れません。

では具体的に、
どのように教育を進めていけば
よいでしょうか。
若手に最も効果的な教育方法は
ロールプレイングです。
ここでは既に、
営業の標準モデルが構築されていますので、
その標準モデルに従い、
実際の営業の場面を想定した
ロールプレイングを徹底して行うことです。
こうして多くの疑似体験を経験することで、
自分の癖やパターンが理解できるでしょう。
好ましい点は伸ばし、
改善が求められる点は、
早期に修正が可能になります。
営業力の強化の要諦は、
実際の体験とそこからいかに多くの気付き
を得られるかにかかっています。
疑似体験ではそうした気付きを得やすい状況
を作ることが出来ます。

次に、出来るだけ早い段階で
実際の成功体験を
経験させることが重要です。
疑似体験(ロールプレイング)
は有効ですが、
実際の成功体験に勝るものはありません。
自分の力で得た成功体験は、
若手社員を意欲的にし、
次なる成功を体験したいという
強い欲求となっていきます。
それには、上長による営業レビュー(面談)
が有効です。
営業活動の事前のチェックと、
事後のフォローを徹底するのです。
営業の標準モデルが確立していますので、
事前のチェックもかなり具体的なチェック
が可能でしょう。
具体的なゴール設定を行い、
そこに確実に到達するための
チェックを行います。
そして事後には、
成果を踏まえたフォローを行います。
若手ゆえ、自分では気付いていない課題
が多く存在するものです。
上長がその点を指摘し、
より多くの気付きとなるように
誘導することで、
一つの経験から効率的に学ぶこと
ができるようになります。

これまでは、どちらかといえば個人任せ
になりがちな営業力の強化ですが、
制度と教育をしっかり組み合わせることで、
組織的な強化が可能になります。
一見、遠回りのようにも感じますが、
早期育成を考えるならば、
こうした仕組みをしっかり構築することが、
結局は一番早い道になるのです。

人手不足が深刻な状況です。
今年4月の求人倍率は、
東京で2倍を超えたとのこと。
全国的にも24年振りの
高水準だったようです。

さて、恒常的な人手不足
という状況を受け、
企業の営業力が
大きな課題となってきております。
組織的な営業力をいかに強化できるか。
不足する人材を補い、
少数精鋭を戦力化する仕組みを持つ企業と
そうでない企業では、
その競争力に圧倒的な相違
が出てきているのです。
競合企業と同じものを
扱っているならなおさら、
個々の営業力の強弱が
競争力に直結していることを
強く認識しなければいけません。

では、どうすれば組織的な営業力
が高まるのでしょうか。
ポイントは2つ。
営業力の底上げと、
組織から生まれる創造力の強化です。
営業力の底上げとは、
基本を共有し、
全体のレベルを向上させることです。
具体的には、営業の標準モデルを作り上げ、
組織で共有することです。
営業という仕事は、
一般的に営業担当者の個人の属性に
依存していることが大半です。
成功体験や失敗体験などは、
随分共有されるようになってきましたが、
それ以外の多くの情報は依然、
個人の中に留まっていることが
多いのではないでしょうか。
営業の標準モデルを構築するとは、
このように営業担当者一人ひとり
の中に留まっている
多くの価値ある情報を引っ張りだし、
統合する中で最良の営業モデルを構築する
ということです。
最も成果を上げる人のモデルを
共有するということでもよいでしょうし、
皆で議論しながら、
そうしたモデルを作り上げる
ということでもよいでしょう。
いずれにせよ、
自社のお手本となる
営業の標準モデルを作り上げることで、
組織全体の営業力の底上げを図るのです。

次に、こうした基本をベースに、
更なる創造力の発揮を実現することです。
共通する基本に立脚し、
個々人が更なる想像力を
発揮しやすいように
情報を共有することです。
営業に関わるありとあらゆる情報が、
体系的に整理され、
共有され、常に営業担当者の目に触れる
状況にあれば、
そこから個々人が新たな価値ある行動
を生み出す可能性は、
大きく高まるはずです。
更に、そこで得られた成功体験を、
新たな基本に織り込んでいけば、
標準モデルのレベルも
常に向上していくのです。
これらが、社内に仕組みとして
構築できれば、
人材の育成スピードも相当程度
向上させることができるでしょう。
冒頭にも述べましたが、
変化の激しい時代、
勝ち残るために営業人材、
とりわけ若手の営業人材の育成は急務です。
しかし、それを(これまで通りの)
人任せにはしていられません。
自社の中に、人が育つ環境を作り上げ、
持続的革新が生まれやすい状況を
作ることが重要なのです。


このページのトップヘ