経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

企業の本質はゴーイングコンサーン、
すなわち存続し続けることです。
企業が存続し続けるために、
経営者に求められる機能は、
激変する経営環境を見極め、
自社への影響を察知し、
その変化に適合するための
革新の方向性を決断し、
組織を動機付けて動かしていく・・・。
このように、商売を丸ごと引き受けて、
動かしていくことに他なりません。
この中に“業務の分担”はありえますが、
“責任の分担”は有り得ません。
経営者は全責任を背負って、
商売を丸ごと動かしていかなければ
いけないのです。
そして、その為には、
その企業のスケールに見合った
“器量”と“技量”
が求められることになります。

“器量”と“技量”-
これらを兼ね備えた経営者が、
優秀な経営となる可能性が
高いといえますが、
双方を高いレベルで身に付けるのは、
多くの体験と、そこからの気づきと学び
の連続であり、その経験によって
徐々に形成されていくものだと思います。
一般的に創業経営者は、
器量で経営を伸ばしますが、
技量が制約条件になりやすく、
後継者においては、
技量はあるけれども器量が足らず、
組織が成長しないというケース
が多いように思います。
いずれにせよ、
この器量と技量をバランスよく
伸ばしていくことが後継者育成で
重要なポイントであるといえます。

ここでは後継者育成の要諦として、
経営者の器量をどう広げ、深めるか
ということを考えてみたいと思います。
コンサルタントという仕事をしていますと、
経営者としての器量を広げ、
深めるには何が必要か、
と問われることがよくあります。
色々あるのでしょうが、
突き詰めてしまうと、
本人が経営者として使命感を持つほかない
とう結論に到達します。
それはどういう使命感か。
自分や自分の家族はもちろんのこと、
自社の社員やその家族、
お客様、仕入先・取引先、
地域の住民、国家、地球・環境・・・。
最初は小さな使命感でも、
それを少しずつ周囲に広げ、
より大きなものを受容していくこと
が出来れば、その人の器量は、
その関わりの拡がりにあわせて、
より大きく、深いものとなっていく
ことでしょう。
先にも述べましたように、
これは教えられて
身に付くものではありません。
本人が気づくほかないのです。
周囲、とりわけ譲る側の現経営者
に出来ることは、
そういう気づきを得やすい状況
を作ることです。
どれだけ事の重要性を説いても、
本人に気づきが無ければ、
使命感は生まれません。

では、どういう気づき
が得られればよいのか、
それは“感謝心”と
“体験に裏付けられた自信”
といった類のものだと思うのです。
自らの使命感を考えてみれば
お分かりと思いますが、
使命感の背景には、
必ず相手への感謝心があるはずです。
それと同時に自分ならやれる
という自信も必要でしょう。
強い感謝心を持ち、
相応の自信を持つからこそ、
使命感は生まれやすくなります。
よって、周囲がやれることといえば、
そういう感情が生まれやすい状況や環境
を作ることであり、
そういったことの重要性を
説き続けることでしょう。
そして、より広い範囲に大きなスケールで
感謝の気持ちを持つことができたなら、
それはそのまま大きな使命感となってきます。
その使命感の大きさこそ、
経営者の器量を決定付けてしまう
と思うのです。

経営者2









カスタマー・リレーションシップ・マネジメント
(以下CRM)という言葉を
お聞きになられたことがあるでしょうか。
1990年代前半に米国で誕生した
マネジメント手法の一つで、
日本には1990年代後半に紹介され、
金融機関を中心に一時期ブームになりました。
具体的には、企業が顧客と長期的かつ相互に
利益のある関係を築く手法、とされています。
すなわち、メーカー都合で作ったものを
ただ闇雲に売ればよい(マーケットアウト発想)
という考えではなく、
個々の顧客の特性に着目し、
顧客の望むものを、
望む形で、望むタイミングで
提供していく(マーケットイン発想)
という一連の行動群を
マネジメントすることにより、
顧客と末永い関係を
構築することを狙いとしています。
大量生産大量消費の時代が終わり、
成長しない時代であるからこそ、
一人ひとりの顧客を大切にする
という考え方が取られるようになりました。
ただし、顧客とのやり取りの詳細を
すべて把握するということは、
容易なことではありません。
大掛かりなシステムと資金
を要するものでした。
しかし、昨今のIT技術の発展により、
こうした詳細な情報を比較的簡単に安価で集め、
分析することが可能になりました。
これまでは資金力のある大手企業
でしか導入できなかったCRMも、
いまや町の零細企業でも
簡単に使いこなすことができるようになったのです。

CRMの具体的な考え方は、
(1)個々の顧客との取引・出来事の詳細を
      収集・分析・把握する
(2)それに基づき顧客をグルーピングし、
      グループ毎に基本的な営業方針(大方針)
      を定める
(3)大方針に基づき、個々の取引先に具体的な
      営業方針を定める
(4)営業方針に沿った営業活動を実施する
(5)営業方針に沿った営業活動が実施できているか
      をモニターに、どういう成果に繋がっているか
      を評価し、フィードバックする

こうした一連の活動は、
データ化され一元管理できるよう
システム化することで、
有効に活用できるようになります。
上手く機能すれば、
営業パーソンの営業活動は、
間違いなく効果的・効率的なものになるでしょう。
顧客側にとっても、
自身の事情をそれだけ詳しく理解してくれたうえで、
よりよい提案をもらえるなら、
それほど有益なことはありません。
まさしく、ウィン・ウィンの関係を構築できる
可能性を持ったマネジメント手法といえます。
ただし、先にも述べましたように、
これまでこうした管理を行うには、
相当のコストと手間が
掛かることが当たり前でした。
それゆえ中小企業が手を出すには、
ハードルが高かったといえます。
それが今では簡単でリーズナブルに、
システムを導入できる時代となりました。
後は経営者が本気になって、
導入を推進することが出来れば、
中小企業においても
かなりレベルの高いCRMを
実現することが可能です。

今は市場に選別される時代です。
顧客から必要とされ続けるために、
顧客との関係に目を向けることは
重要な経営課題といえます。


働くこととストレス。
今も昔も仕事にストレスは付きものです
(ただ生きていくことにすら
  ストレスはあるのでしょう)が、
そのストレスの扱われ方が、
今と昔とでは随分変わってきました。
それには働く人の育った環境の変化
があります。
内面的な環境変化を見ると、
過保護に育つことが多くなり、
辛抱が利かない若者が
増えているという面があります。
甘やかされて育ったために、
ちょっとしたことで
ストレスを感じやすい人が
増えているのです。
また外部的な環境変化では、
会社を含む社会的環境の変化があります。
失われた20年で、
誰もが成果を上げることが
難しい時代となりました。
成長時代であれば、
誰の努力も報われる可能性が高く、
頑張れば成果も上がり、
それに合わせて給料も役職も
上がっていくことになりました。
努力が報われたわけです。
ところが、成長しない時代となり、
努力したからといって
報われる可能性は相対的に低くなりました。
給料も増えなければ、
地位も上がらない。
そういう時代となり、
蓄積されたストレスが
解消され難い環境となっているのです。

こうした傾向が顕著になり、
昨今では企業経営において、
社員のストレス耐性というものに
注目が集まるようになりました。
ストレスへの耐性度合いは、
職場の人間関係、チームワーク、
仕事の成果などに大きく影響するのです。
このストレス耐性は個人差が大きく、
どれほど知識技能が高くても、
それに必ず比例するものとは言えません。
故に、(知識的・技能的な)能力はあっても、
ストレス耐性が低いがために、
成果に繋がらないケースもあります。
よって、組織が現有の社員の能力(知識・技能)
を最大限発揮しようと考えるなら、
社員のストレス耐性の傾向を理解することが、
まずもって必要になります。
社員一人ひとりのストレス耐性を認識し、
どういった傾向を持っているのかを把握できれば、
それにあった仕事のさせ方ができるでしょう。
また、そうした傾向を理解できれば、
その傾向をより好ましいものに
変えていくことも出来ます。
管理者が自分の勝手な基準で、
相手のキャパシティも理解せずに、
無茶な仕事の与え方をすれば、
せっかく能力の高い社員であっても、
潰れてしまう可能性は極めて高いといえます。
そういう状況を避けるには、
管理者が部下のストレス耐性の程度を理解し、
対処することで、
周囲がより柔軟な係わり方ができるようになり、
仕事の与え方にも注意を払うことができます。
このように、長期的な人材育成、
組織力強化を目指すとき、
社員個々人の現状のストレス耐性を
把握できることは組織にとって
極めて有効な手段です。  


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