経営コンサルティングの現場から

名南経営コンサルティング 永井晶也 公式ブログ

先に「若手社員を早期に育成するには」
というタイトルで、
2つのポイント(「営業力の底上げ」と
「組織から生まれる創造力の強化」)を
お伝えしました。
今回はそれらを前提として、
具体的にどのように
この2つのポイントを強化するかについて、
教育体制という観点から
お伝えしたいと思います。

前回お話ししたポイント、
「営業力の底上げ」という点においては、
営業の標準モデルを作り上げ、
組織で共有すること、
「組織から生まれる創造力の強化」
という点については、
共通する基本に立脚し、
個々人が更なる想像力を発揮しやすいように
情報を共有することとお伝えしました。
ただし、こうした体制が整ったとしても、
ただそれだけで営業力が
強化されるわけではありません。
そうした体制に基づき、
適切な教育を実施しなければ、
営業力の早期強化は図れません。

では具体的に、
どのように教育を進めていけば
よいでしょうか。
若手に最も効果的な教育方法は
ロールプレイングです。
ここでは既に、
営業の標準モデルが構築されていますので、
その標準モデルに従い、
実際の営業の場面を想定した
ロールプレイングを徹底して行うことです。
こうして多くの疑似体験を経験することで、
自分の癖やパターンが理解できるでしょう。
好ましい点は伸ばし、
改善が求められる点は、
早期に修正が可能になります。
営業力の強化の要諦は、
実際の体験とそこからいかに多くの気付き
を得られるかにかかっています。
疑似体験ではそうした気付きを得やすい状況
を作ることが出来ます。

次に、出来るだけ早い段階で
実際の成功体験を
経験させることが重要です。
疑似体験(ロールプレイング)
は有効ですが、
実際の成功体験に勝るものはありません。
自分の力で得た成功体験は、
若手社員を意欲的にし、
次なる成功を体験したいという
強い欲求となっていきます。
それには、上長による営業レビュー(面談)
が有効です。
営業活動の事前のチェックと、
事後のフォローを徹底するのです。
営業の標準モデルが確立していますので、
事前のチェックもかなり具体的なチェック
が可能でしょう。
具体的なゴール設定を行い、
そこに確実に到達するための
チェックを行います。
そして事後には、
成果を踏まえたフォローを行います。
若手ゆえ、自分では気付いていない課題
が多く存在するものです。
上長がその点を指摘し、
より多くの気付きとなるように
誘導することで、
一つの経験から効率的に学ぶこと
ができるようになります。

これまでは、どちらかといえば個人任せ
になりがちな営業力の強化ですが、
制度と教育をしっかり組み合わせることで、
組織的な強化が可能になります。
一見、遠回りのようにも感じますが、
早期育成を考えるならば、
こうした仕組みをしっかり構築することが、
結局は一番早い道になるのです。

人手不足が深刻な状況です。
今年4月の求人倍率は、
東京で2倍を超えたとのこと。
全国的にも24年振りの
高水準だったようです。

さて、恒常的な人手不足
という状況を受け、
企業の営業力が
大きな課題となってきております。
組織的な営業力をいかに強化できるか。
不足する人材を補い、
少数精鋭を戦力化する仕組みを持つ企業と
そうでない企業では、
その競争力に圧倒的な相違
が出てきているのです。
競合企業と同じものを
扱っているならなおさら、
個々の営業力の強弱が
競争力に直結していることを
強く認識しなければいけません。

では、どうすれば組織的な営業力
が高まるのでしょうか。
ポイントは2つ。
営業力の底上げと、
組織から生まれる創造力の強化です。
営業力の底上げとは、
基本を共有し、
全体のレベルを向上させることです。
具体的には、営業の標準モデルを作り上げ、
組織で共有することです。
営業という仕事は、
一般的に営業担当者の個人の属性に
依存していることが大半です。
成功体験や失敗体験などは、
随分共有されるようになってきましたが、
それ以外の多くの情報は依然、
個人の中に留まっていることが
多いのではないでしょうか。
営業の標準モデルを構築するとは、
このように営業担当者一人ひとり
の中に留まっている
多くの価値ある情報を引っ張りだし、
統合する中で最良の営業モデルを構築する
ということです。
最も成果を上げる人のモデルを
共有するということでもよいでしょうし、
皆で議論しながら、
そうしたモデルを作り上げる
ということでもよいでしょう。
いずれにせよ、
自社のお手本となる
営業の標準モデルを作り上げることで、
組織全体の営業力の底上げを図るのです。

次に、こうした基本をベースに、
更なる創造力の発揮を実現することです。
共通する基本に立脚し、
個々人が更なる想像力を
発揮しやすいように
情報を共有することです。
営業に関わるありとあらゆる情報が、
体系的に整理され、
共有され、常に営業担当者の目に触れる
状況にあれば、
そこから個々人が新たな価値ある行動
を生み出す可能性は、
大きく高まるはずです。
更に、そこで得られた成功体験を、
新たな基本に織り込んでいけば、
標準モデルのレベルも
常に向上していくのです。
これらが、社内に仕組みとして
構築できれば、
人材の育成スピードも相当程度
向上させることができるでしょう。
冒頭にも述べましたが、
変化の激しい時代、
勝ち残るために営業人材、
とりわけ若手の営業人材の育成は急務です。
しかし、それを(これまで通りの)
人任せにはしていられません。
自社の中に、人が育つ環境を作り上げ、
持続的革新が生まれやすい状況を
作ることが重要なのです。


叱ること、褒めることは、
部下を動機付けるために、
有効な手段であると言えますが、
ワンパターンでは、
なかなか思うような成果は得られず、
一筋縄ではいかないものです。
そもそも、叱る、褒めるとは、
何のために行うものなのでしょう。
いずれも、それそのものが目的ではなく、
叱ることも、褒めることも、
結果的に相手が(成果に向けて)
好ましい方向に行動を変えること、
あるいは好ましい行動を、
より強化することを目的としています。
その点から言えば、
厳しく叱ったとしても、
相手の行動が変わらなければ、
それは叱ったことになりません。
叱ることとは、
何を実現するための行為なのか。
その点を改めて認識する必要があります。
また、叱ること、褒めることの難しさは、
その対象となる人物が、
これまでにどういう育ち方をしてきたか等、
相手の背景によって
効果が異なるという点にあります。
例えば、昔の人達に比べて、
最近の若い人達は、
反発計数が低いなどと言われます。
昔の人であれば、
厳しく叱れば叱るほど、
「なにくそ」と反発精神を持って
リベンジしようというタイプが多い
といえますが、
最近の若い人達は、
叱れば叱るほど萎縮し、
立ち直れないくらい落ち込んでしまう
というケースもよく聞きます。
親の世代が若くなればなるほど、
相対的に甘やかされて育てられた人達
が多くなるようです。
「僕は褒められて伸びるタイプなんですよね」
などと本気か冗談か分からないようなこと
を平気で口にする社員もいると聞きます。
叱ることも褒めることも、
仕事における重要なコミュニケーションです。
その結果、相手がより好ましい行動に移り、
組織としてより大きな成果を上げること
が組織をマネジメントする管理者の役割です。
相手のタイプが変われば、
それにあわせたマネジメントのスタイル
をとるほかありません。
もはや、こちらのワンパターンな指導方法で、
部下が成長すると思ったら大間違いです。
多様なパターンに合わせて、
最適な叱り方を取捨選択する
必要があります。
相手によっては、
「叱らない」という叱り方
もあるかもしれません。

同時に、褒めることも、
なかなか難しいものです。
明確な根拠が確認できないまま、
安易に褒めては勘違いを生む可能性
が高いといえます。
とりわけ、最近の甘えた若い人達であれば、
かなりの確率で甚だしい勘違い
をする可能性が高いと言えます。
それがよい方向に作用すればよいですが、
それは奇跡に近いといえます。
明確な根拠なくして褒めない。
この点は徹底する必要があるでしょう。
しかし、我々は社員の行動を
より好ましいものにするという目的で、
相手を褒めるのだとすれば、
このように褒める状況
が現れることを待っていては、
いつまで経っても行動の修正(強化)
ができないことになります。
それでは、意味がありません。
それ故、褒める代わりに、
感謝するとか、勇気付けるという行動
が有効といえそうです。
相手の行動をより好ましいものに
変えるために、
あるいはモチベーションを高めるために、
褒めることの代わりに、
相手へ感謝し、相手の行動に
勇気付けをするのです。
そうすることで、
褒められるのと似た効果
を出すことができます。
いずれにせよ、社員を動機付け、
組織の成果をより大きなものにすること
が管理者の役割であります。
変化する若者の特性に合わせた、
最適な叱り方、褒め方を
常に考えなければいけません。

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