中国の古典「禮記」に、
国の財政のあり方として、
「入るを量りて出づるを制す」
という故事があります。
要するに、収入を計算して、
それに見合った支出にしなければいけない
ということです。
企業経営においても同じことであり、
安定的に利益を上げるには、
しっかりと「入るを量り」、
それに見合った「出づるを制す」
必要があります。
こうした考えは、
企業経営の予実管理
という考え方に共通します。
とりわけ、
建設業の実行予算管理は、
まさしく
「入るを量りて出づるを制す」
そのものであります。
ところが、
この管理が徹底されないことが
多いように思います。
徹底されないばかりか、
利益率の目標すらない
というケースも見受けます。
こういう状態を放置していては、
会社の利益が出ないのは当たり前であり、
仮に利益が出ているとしても、
そこには大きな機会損失
があることは間違いありません。
「出づるを制す」を行わない限り、
目標とする利益は確保できませんし、
確実に計画を割り込むことになります。
赤字になるということも
稀ではないでしょう。

管理の基本は、
計画-組織化-実行-統制-調整
の管理サイクルを回すことです。
先の建設業の例で言えば、
受注が決まる段階で、
見積りの原価を更に詰めて、
業者と交渉した上で予算を決めます。
この段階で想定する利益率を上回る利益
を確保できていなければいけません。
これが実行予算(計画)です。
そしてその計画に基づき、
組織を編成し、
実行に移していくのです。
重要なのはここからです。
実行の段階で、
予算をどのように使っているのかを、
リアルタイムで管理する必要があります。
そこを怠ると、
必ず経費予算を超過することとなり、
利益は圧迫されていきます。
状況を「視える化」し、
予定通りの利益に着地できるように
進んでいるかどうか、
常に注意を払う必要があります。
これが統制です。
そこで予定通りに着地できそうにない
と判断すれば、
そこで諦めてしまうのではなく、
予定通りの利益を獲得するために、
やれることは無いかを検討します。
工事の場合は、
そもそも一定の期間がありますので、
リカバーすることは、
必ずしも不可能ではありません。
予定通りの利益を残す
という強い執念を持って、
不足する分を補う為の
具体的な方策を打つのです。
これが調整という機能です。

このように管理サイクルを
しっかり回すことが、
利益をしっかり残すための基本
となるわけです。
そして、こうした取組みを
組織的に行うことで、
利益に対する認識や仕事への取組み方
に変化が出てきます。
故に利益を意識した風土が
出来上がるわけです。
こうした風土が出来上がれば、
より強いコスト構造を持った
企業体質が生まれ、
ひいてはコスト競争力の強い会社へと
生まれ変わることができるのです。