人手不足が深刻化しています。
2017年9月の求人倍率は1.63倍となり、
バブル崩壊以前を上回る水準まで
上昇しています。
この背景となる日本の人口構造を見てみると、
16歳~64歳までの労働力人口は、
2016年から2020年の5年の間に、
340万人もの減少となることが
分かっています。
これは既に確定した未来です。
ちなみに340万人とは、
静岡県一県分の人口に相当する人数です。
それだけ多くの人が、
職場から姿を消していくのです。
これが何を示しているかといえば、
人手不足は一時的な問題ではなく、
これからもずっと続くということです。
よって、いずれ何とかなるだろうという
甘い考えは、もはや通用しません。
働く人が激減していく中、
人手不足は更に深刻な状態になっていくと
理解しなければいけません。
こうした背景を考えれば、
今後、企業側として常に認識すべき課題は、
今いる人材を辞めさせないこと、
今いる人材の生産性を向上させること
の二点となります。
人材の離職に関しては、
入社後3年間で3割が退職する
というデータがあります。
これは雇う側にも雇われる側にも
問題があると思いますが、
改善に向けて考えるべきは、
採用段階でのミスマッチを
最小限に抑えることと、
採用後できるだけ早い段階で
“働きがい”を実感できるよう
仕向けることでしょう。
これらが実現できれば、
ゼロにはできないかもしれませんが、
離職率の大幅な低下が期待できます。
もう一方、生産性の向上については、
適正な投資と社員の仕事に関わる技能の向上
を組み合わせて考える必要があるでしょう。
AIの進展は、今後多くのビジネスパーソンから
仕事を奪うとされていますが、
そうしたものを活用しながら、
人ならではの仕事の質を
高めていくことが肝要です。
こうした課題への方向性を
現実のものとするために、
企業における人材教育機能の強化は
欠かせないテーマとなります。
もう少し具体的に言うとすれば、
今後、自社が成長発展するために必要な
「期待する人材像」の明確化と、
そうした人材を育成するための
体系的な教育制度です。
人材の育成は、
単年度で完結するものではありません。
複数の年月をかけて、
計画的、継続的に教育を施して初めて、
自社が期待する人材へと成長していくのです。
その中で、様々な経験を積み、
気づきを得て、成長を実感することで、
働きがいを感じ、仕事や会社への愛着も
増していくことになるでしょう。
このように考えますと、
教育の範囲もこれまでと比べて、
より広範なものが求められるように
なってきています。
人手不足がそれほど深刻でない時期、
比較的代替が効きやすい時代であれば、
今の仕事に直接的な効果が期待できる技術、
技能の教育を中心に考えておけば
よかったでしょう。
しかし、冒頭の時代背景やそこにおける課題
を考えますと、
教育の幅はどうしても広げざるを得ません。
働く人としての働く意義や
好ましいマインドの持ち方、
有効なコミュニケーションの取り方、
問題形成・解決する力等、
より広くビジネスパーソンとしての可能性を
広げていくための教育を提供することで、
人材の定着化、早期戦力化を
実現していく必要があるのです。