人手不足が更に深刻さを増しています。
実際、我々の仕事場である中小企業経営の現場でも、
多くの企業様において、
本当に人が取れないということで、
様々な支障が生まれています。
特に、仕事はあるのに、
人がいないために受けられないというケース
が続出しています。
残業時間や休日出勤が増えると
離職率が高まるという悪循環で、
解決の糸口が見出しにくい状況です。
短期的には、手段を選ばず人を集めることに
最大限注力することと、
生産性の改善に知恵と工夫を凝らすことしかありません。
人を集めるために、
採用条件の多様化は欠かせないでしょう。
全員一律というやり方では、
優秀な人材を多く集めることは
難しくなっています。
様々な条件に対応できる柔軟な人事制度、
既存社員に不公平感を生まない
公正な人事制度の構築が求められます。
ただ、短期的な対策では抜本的な解決には至りません。
今後、慢性化する人材不足に対応するには、
中期的な観点で人が居なくてもよい状態
を作ることと同時に、
人が本当に「働きがい」や「やりがい」を
感じられるような仕事をつくりだすことだと思います。
前者は省人化ということですが、
これからの時代、
楽しくない仕事に注力してもらうこと自体、
ナンセンスな時代となるでしょう。
どう考えても楽しくない仕事は、
極力、人の手を介することなく、
AIやロボットに置き換えてもらったほうがいいのです。
そのための投資は惜しまず、
自動化、省人化を図っていかなければなりません。
後者は「働きがい」の創出というテーマです。
「働きがい」というものは、
誰もが働くこと(仕事)に求める重要な要素の一つです。
しかし、その正体は漠然としていて、
つかみどころのないものに思えます。
その一方で、豊かになった日本では、
働くことのなかの「働きがい」の存在は、
どんどん大きなものになってきています。
もはや、「働きがい」のない職場には、
人は集まらないばかりか、
どんどん去っていくことになるでしょう。
では、改めて「働きがい」とは何か。それは、
「働くことを通じて得られる自らの存在価値」
そのものです。
そして、この自らの存在価値の高まりを体感した、
正にその瞬間、
より大きな「働きがい」を実感することができます。
こうした「働きがい」を実感しやすい仕事、
より大きな「働きがい」を予感できる仕事だけが、
限られた人材から選ばれる仕事なのです。
それならば、どういう仕事なら、
「働きがい」を感じやすいのでしょう。
実は、これは仕事の種類というより、
仕事のし方(させ方)が大きく影響しています。
できないことができるようになった
(仕事がステップアップした)とか、
少し背伸びした目標が達成できたとか、
自分の創造した以上のアウトプットが
実現できたとかいった、
特別な瞬間に、
こうした気持ちは生まれやすいものです。
よって、そういう仕事のさせ方をすることで、
「働きがい」は生まれやすくなるのです。
冒頭に述べましたように、
人手不足は今だけの問題ではありません。
今後、将来にわたって少なくとも15年は続く問題です。
(その間に外国人労働者が激増でもしない限り・・・)
こうした中で、限られた人材に
選ばれる企業になるためのイノベーション
が求められているのです。