人材不足は、今に始まったことではありませんが、
年々その深刻さは増しており、
仕事はあるが人手がないために、
成長機会を逸しているというケースが
そこら中で散見されるようになりました。
こうした傾向はまだしばらく続く可能性が高いといえます。
というのも、現在の日本の人口構造を考えれば、
リタイアする世代の人口と
社会に出てくる世代の人口のギャップが、
まだしばらく続くからです。
この現象は、既に決まった未来です。
新聞報道などによりますと、
来年春の採用計画は、
今年を8%程度上回るという予測も出ています。
(2017年4月現在)
1954年生れ(65歳)の出生数が約177万人であるのに対し、
45歳下の1997年生れ(22歳)の出生数は120万人ですので、
8%で足りるのかとさえ思ってしまいます。
社員は企業にとって、
本当に「宝」といえる時代なのです。
一方で、社員の定着率は厳しいものがあります。
入社3年後に3割は退職するという離職状況
に大きな改善は見られません。
「最近の若いものは辛抱が足りない」
といった類の精神論もありますが、
働く側の選択肢が多様化する中、
採用時点でのミスマッチが解消されないこと、
採用後のキャリアパスが示されないために
将来展望が描きにくいこと、
十分な教育が施されずに成長実感が
得られにくいこと等、
理由は様々です。
しかし、多くの場合、
企業の側に制度的な欠陥があると考えるべきでしょう。
もちろん、社員の側に問題がないとは言えませんが、
それを言っても始まりません。
すべて原因は自分にあると考えて初めて、
改善の糸口が見えてきます。
今回はこうした様々な制度的な欠陥の中で、
教育制度について考えてみたいと思います。
人的、資金的に制約が大きい中小企業では、
社員教育に充分な時間と資金を投下することが
難しいのが現状です。
OJT(On-The-Job Training:職場で実務を
させることで行う職業教育)の名のもとに、
“現場で先輩の背中を見て学べ”と
ほったらかしになっているケースも散見されます。
それでもそこから積極的に何かを学び、
自らの成長に繋げていけるほど逞しい社員は、
もはや少数派です。
もちろん、現場で学ぶことは重要ですが、
現場での学びをより効果的なものとするために、
受け容れる器をつくるという観点が、
“今の若者には”欠かせません。
そのための教育の機会をつくらなければ、
仕事の習熟度も高まらず、
ゆえに“働きがい”も得にくい状況になりがちです。
そうなると徐々にモチベーションが低下し、
仕事が嫌になります。
徐々に隣の芝が青く見えるようになり、
自分に都合のよい解釈をしがちです。
トドメは、理解のある親の
「自分の信じた道を進みなさい」
という後押しです。
こうした傾向をすべて教育で片づけることは
難しいかもしれませんが、
教育をする中でものの考え方、
働くことへの動機付け、
仕事のステップアップの仕方等を
できるだけ早い段階で身に付けさせることができれば、
その後のOJTも専門的な教育も、
より効果的なものになり、
結果的に働きがいも得られやすくなります。
それは仕事へのモチベーションとなり、
自らの成長により、
更に大きな働きがいを得たいという
好循環が生まれます。
こうなればしめたものです。
あとは自律的な成長が期待できます。
ただし、どんなにキャリアを積み上げても、
やはり教育の機会は必要です。
とどまることなく成長を続けるには
常に新たな刺激が必要です。
組織として意図した人材育成を行っていくためには、
緻密に考えられた教育計画に基づき、
着実に教育の機会を提供してくことが必要なのです。