利益を上げることが、
経営の唯一の目的ではありませんが、
事業を長期的により安定的に運営
していこうと考えるならば、
それに足る利益が計上できる収益構造
が求められます。
また、時に様々な要因で赤字を余儀なくされる
こともあるでしょう。
そうした場合でも、十分に耐えうる財務体質
を持っていなければ、
たちどころに資金に窮し、
経営が立ち行かなくなる
ということにもなりかねません。
それゆえ、経営者は自社の財務状況について、
常に注意を払う必要があります。
また、中長期における財務体質強化の目標
を持つべきでしょう。
「ローマは一日にして成らず」というように、
ちょっとやそっとでは
びくともしない強い財務体質を構築するには、
長い年月がかかるからです。
一般的に企業の財務を把握するための手段として、
財務分析というアプローチがあります。
収益性、安全性、生産性、成長性といった分類で、
様々な観点から企業財務がどういう状況なのか
を指標で示します。
経済新聞などで、ROE(株主資本利益率)、
ROA(総資本利益率)といった記号を
ご覧になったこともあると思いますが、
これなども代表的な財務分析の指標なのです。

さて、経営者はこの財務分析を
どのように活用すればよいでしょうか。
経営者の様々な経営判断(意思決定)は、
すべて企業財務に影響を及ぼします。
値引きを決めれば、
売上高は増える可能性がありますが、
(コスト削減のための何かがされない限り)
利益率は低下するでしょう。
人員を採用すれば、即戦力でない限り、
全体の労働分配率は上昇し、
利益が出にくい体質となるかもしれません。
これほど単純ではありませんが、
あらゆる経営判断が企業財務に影響しますので、
経営者は常に、自身の経営判断が収益構造、
財務構造にどう影響するかを念頭に
おいておく必要があります。
ただし、それには少し訓練が必要に
なるかもしれません。
少なくとも、財務諸表の基本的な見方、
一通りの分析指標の意味と算式を知らなければ、
正しい判断ができません。
経理畑出身の経営者であれば問題ありませんが、
営業、製造等、経理とは無関係の分野が専門ですと、
改めて習得する必要があるでしょう。
そういうことは、税理士に聞けばいい
とお考えの向きもあるかもしれません。
しかし、大きな投資判断等ならいざ知らず、
日々の判断をいちいち税理士に確認
するわけにもいきませんので、
やはり経営者自身が財務の知識を
しっかり身に付けることが大事でしょう。
我々コンサルタントも、まずは財務を学びます。
数字のわからないコンサルタントでは、
正しい経営支援はできないからです。
経営者に財務の知識は必須と考えるべきでしょう。
今からでも遅くはありません。
しっかりと基礎から学び、
ご自身の経営判断に役立てて
いただきたいと思います。