企業経営を長らく安定的に成長・発展
させることができる経営者は優秀な経営者であるといえます。
そして、そういう経営者に共通することは、
“ツキがあること”だと私は確信しています。
ツキのある経営者の特徴は様々ありますが、
その中の一つに“臆病なほどに慎重である”
という要素があります。
もちろん、その反対の側面、
大きなチャンスを生かすための
“時に大胆”という要素も併せ持っているのですが、
優れた経営者の大半は非常に慎重であるといえます。
そして、その慎重さ故に、
自社の現状をあるべき姿との比較で、正確に認識し、
そのギャップを正しく捉えることで
的確な課題認識をすることができるのです。
これは、プロフェッショナルと呼ばれる人達とも共通しています。
トップアスリート達は、
自分自身のコンディションを慎重に把握することに努めます。
そして、少しの違和感でもあれば、
その状態によって最適な処置を行い
(時に許容範囲内で無理を強いるという選択もしますが)、
長くトップとして君臨し続けるのです。
では、経営者が自社を把握するときに、
何をどう把握すればよいのでしょう。
これを経営の目標に照らし合わせて考えてみましょう。
企業には複数の重要な目標があります。
まずは戦略目標である商品力と販売構造です。
商品力は、一般的にQ(品質)C(価格)Ⅾ(納期)の観点から、
競合商品等との比較で捉えることになります。
これらは、日常で頻繁に比較されていることが多いため、
比較的わかりやすいといえます。
販路構造では、顧客にとってのC(価格)とD(納期)が
最適化されるための販路構造はどうあるべきか
という観点から考察されるとよいでしょう。
同じ品質なら、できるだけローコストで、
短納期に対応できる販路構造を構築したいものです。
まずはこの二つの切り口から、
現状を客観的に把握する必要があります。
次に手段目標(三点)である組織構造、組織風土、人材能力です。
一つ目の組織構造は自社の戦略との合致度
で見ることになります。
経営戦略と合致しない組織構造では、
思ったような成果がなかなか得られないか、
得られたとしてもひどく時間がかかるような事態を招きます。
二つ目の組織風土は、
集団的思考・行動規範が好ましいものになっているか
をチェックすることになります。
風土は、目に見えて存在するものではありませんので、
アンケートや行動観察によって
どういう風土が形成されているかを
推察することになります。
三つ目の手段目標である人材の能力は、
専門的スキルからビジネスパーソンとしての
好ましいマインドの持ち方までを
様々な手法により把握していきます。
そして、最後にこれらの結果として得られるのが、
強靭な財務体質です。
売上や利益、保有資産や自己資本のあり様等、
企業経営の結果として得られる財務体質が
どれだけ強いものとなっているかを
定期的にモニタリングしておく必要があります。
いかがでしょう。
一見、大袈裟に感じますが、
優れた経営者はこうしたチェックを欠かしません。
そして、そこに違和感があれば、
直ちにアクションを起こします。
他社に先んじることで、
企業の優位性を常に保っていけるのです。