副業解禁

先日の新聞報道によると、
重工業大手のIHIが正社員約8,000人の
副業を解禁するということ。
他の企業や研究機関などで働き、
自社の既存事業以外の知見を学んだり、
新たな人脈づくりに活かすのが目的とか。
こうした副業解禁の流れは、
大手企業を中心に
徐々に進んでいるようで、
この新聞記事によれば、
ある調査の結果、これまでに
「約3割の企業が副業を解禁した」
とあります。
なるほどそういう潮流かと思いつつも、
副業を容認したとて、
相手(副業したい人を受け入れる企業)
がいなければ成立しない話なので、
それほど簡単に事が進むようには
思えないのは私だけでしょうか。
IHIでは、所定労働時間の半分以上、
週に20時間以上をIHIで働くこと
を条件としているようですが、
残りの20時間近くのパート勤務を
受け入れてくれる企業が
どれほどあるのだろうか
と不思議に思います。
同時に、働く人達の会社への
ロイヤルティはどうなるのか。
また、副業を解禁した経営者の心情は
いかなるものか等、
「?」は後を絶ちません。

ジョブ型雇用への移行

こうした流れは、
これまでの日本型雇用慣行が、
急速に変化している証左といえるでしょう。
働き方改革による
労働(雇用)環境の変化により、
これまでのメンバーシップ型雇用から、
ジョブ型雇用への移行は(コロナ前にも)
徐々に進みつつありました。
それが、昨今のコロナ禍による
テレワークの推進等により、
一気にその勢いを
増そうとしているようです。
ただ、それ(ジョブ型雇用への移行)が
直ちに組織力の強化につながるかといえば、
なかなか難しいのではないでしょうか。
むしろ、多くの混乱を経験し、
そこから試行錯誤で上手くやるためのコツ
のようなものを習得するまでの間は、
組織力はむしろ低下する可能性が
高いといえます。
経営を担う側のパラダイムシフトと、
不退転の決意がなければ、
中途半場に終わってしまう可能性も
高いように思います。

中小企業に浸透するか

もちろん、こうした変化は
中小企業の経営にも大きく影響する
ことになるでしょう。
現段階においては、
大半の中小企業がメンバーシップ型雇用
であると思いますが、
ジョブ型への移行は
よほど慎重に考える必要があると思います。
簡単に制度や教育システムを
変えれば済むというものではありません。
評価をする側の経営陣の頭の切り替えも
相当難儀でしょう。
制度の変更や、
経営陣の言動は組織風土にも
大きな影響を及ぼしますので、
先の通り、経営者の覚悟が
試されることになります。
環境変化への適応行動は必要ですが、
焦りは禁物です。