“管理する”とは

「管理」という言葉は、誰にとっても
あまりよい響きではないようです。
英語のマネジメントとは
受け止め方も違うのでしょうか。
「管理」という言葉が嫌われる理由は、
人は誰でも物理的にも、精神的にも
「自由」でいたいという本能
があるからであり、
管理はその「自由」を阻害するものだと
勝手に思い込んている
ことによるのだと思います。
管理の目的は、その対象となる組織の
潜在能力を顕在化し、
持てる力を最大限発揮させることです。
その結果、その組織に属する人達が
やりがいと働きがいを感じ、
働くことが楽しいと感じられる状態
を作ることに他なりません。
もちろん、その過程において、
厳しいことを言われることも
あるかもしれませんが、
それ自体が目的ではありませんので、
毛嫌いする必要はないはずです。

管理を理解できない管理者

多くの組織でこうした勘違いにより、
組織は上手く機能するどころか、
機会損失を多発しているようなケース
は少なくありません。
もちろん、多くの人が関わって成り立つ
のが組織ですから、
誰かが一方的に悪い
ということはあり得ません。
一人ひとりが組織の目的や管理の目的を
正しく理解しないことにより、
様々な悲劇が生れているように思います。
特に、管理を理解していない管理者の
いかに多いことか。
これは組織にとっても、
部下にとっても大きな問題です。
管理者の教育は企業の発展に
欠かせない重要な課題です。
管理者が「管理」の目的、
あるべき状態を正しく認識し、
組織の活性化に向けて
取り組んでいく必要があります。

やり方ではなく目的を

管理を考える上で、何より重要なことは
その「目的」です(上述)。
初級管理者はまず、
何のために管理を行うのかを正しく理解し、
肝に銘じなければいけません。
その上で、どういうやり方(手法)で
管理をするのかは、
管理をされる側(部下)のレベルに応じて
使い分ければよいのです。
ベテランが多ければ、放任スタイルの管理
が効果的かもしれません。
若手が中心であれば、
ある程度細かい管理をしなければ、
機会損失を生じる可能性が高いといえます。
部下一人ひとりには(当然)個性があります。
それによっても、どういう管理が良いのか
は違ってくるでしょう。
人間を相手にすることですから、
画一的なやり方はあり得ません。
状況や背景に合わせて、
管理の仕方も違って当然です。
ただ、目的を見失ってはいけません。
目的が違ってしまっては、
どんなやり方も全て間違い
になってしまいます。

経営者、管理者は、管理の本質を
正しく理解し、組織を正しく導いていく
必要があります。
その為の教育を怠ってはいけません。