元には戻らない

緊急事態宣言の終結から
1カ月以上の月日が流れ、
新たな感染者の劇的な減少とともに、
徐々に人の流れも増加しつつあります。
こうした状況ではありますが、
コロナによって大きな影響を受けた飲食、
サービス業を中心に、
それでも「元には戻らない」
という印象が強いように思います。
長きにわたる行動の制限により、
人の活動パターンは大きな変化を強いられ、
結果、そういう状況に
上手く順応してきたとも言えます。
「元には戻らない」とは、
このように変化に順応した消費者が、
意志を持って元に戻すつもりはない
ということのようにも見受けられます。

収益構造を素早く回復する

消費者動向の変化は、
直接的・間接的に企業の収益構造に
影響を及ぼします。
よい方に影響するケースもあれば、
悪い方に影響するケースもあります。
いずれにしても、変化に対して
柔軟な対応が求められますが、
悪い影響に対して短期的に素早く
対応できるかどうかが
非常に重要であると考えます。
やはり、利益が出ていなければ、
打つ手も限られてきますので、
いかにして短期的に収益構造を回復できるか
がポイントになるのです。

損益分岐点比率という指標

管理会計の世界では、損益分岐点比率
という指標があります。
読んで字のごとく、「損」と「益」の分岐点、
すなわち損益収支がゼロとなる
売上高の比率というものです。
何に対する比率かといえば、
実際の売上高に対する
損益分岐点売上高の比率であり、
黒字であれば100%以下になります。
赤字の場合は100%を超えます。
この損益分岐点比率を
できるだけ低く抑えることで、
企業収益の安全度は増します。
この比率を下げるにはどうすればよいか。
(売上が同じならば)損益分岐点を
引き下げれば指標は改善します。
ではどうすれば損益分岐点を
下げることができるでしょうか。
計算式を見れば、明らかです。
損益分岐点の計算は、
固定費÷限界利益率となります。
要するに、①固定費(給料等の固定的経費)
を減らすか、限界利益率を高めるか
のいずれかです。
限界利益率を高めるには、
②販売価格を引き上げる(値上げ)か、
③変動費(仕入等の変動的経費)を引き下げるか
のいずれかしかありません。
損益分岐点を下げる方法は、
この3つしかないのです。
紙に書くのは簡単ですが、
実際にこの3つを実現し、
継続的に売上高を伸ばしてくことは
なかなか大変です。
しかし、逆に考えれば、
方法は3つしかないのですから、
自社の改善のすべての取組みについて、
このいずれに寄与するかを考え、
効果のありそうなものと
そうでないものを選別し、
具体的な成果を見極めながら
改善に取り組むことができれば、
もっとシンプルに改善に
取り組めるかもしれません。