不正と企業の組織風土

日野自動車によるエンジン性能試験
をめぐる不正が発覚し、
厳しい処分が下されました。
調査によると、こうした不正は2003年から
行われていたということです。
その間、2015年のフォルクスワーゲンによる
燃費データ不正、2016年の三菱自動車の
燃費改ざん問題と、新聞紙上を
大きくにぎわせた(同様の)不祥事
が発生しています。
そうした事例が表に出てくる都度、
日野自動車の関係者は
どのような心境でそれらのニュースを
聞いていたのでしょうか。
2011年のオリンパス、2015年の東芝
による大規模な粉飾決算も、
根っこの問題は同じようなところ
にあるといえそうです。
こうした組織による不正と隠ぺい、
これらには組織の風土が色濃く影響
していると思われます。

組織風土とは

組織風土とは、個々の組織が持つ
固有の性格であり、そこに属する人達は
この組織風土の影響を受けることになります。
それは組織における
日常の思考の規範として働き、
社員一人ひとりの言動となって現れます。
企業における不祥事の多くは、
過去から日常的慣習として繰り返され、
おかしいと思うことがおかしくなる
ような状況にあります。
不正を黙認し、ただ指示された通りに
作業に没頭することが正しい
と感じる風土がそこにはあるのです。

風土をつくるのは経営者の責任

企業風土をつくるのは、
紛れもなく経営者です。
先の性能試験の不正や粉飾決算も
根っ子は同じ。
利益至上主義に陥り、
利益を上げるためにはステイクホルダーを
欺くことも仕方なし
という風土が根付いているのです。
ひとたびこうした風土が出来上がれば、
この風土に順応できない社員は
辞めていきますので、
年月の経過により徐々に色濃いもの
となっていくのです。
こうした風土は初めから
あるわけではありません。
組織の歴史の中で、何が正しく、
何が間違っているのか、
何より優先すべきものは何なのか
といった価値観が、
最も大きな権限を持つ経営者の
日常の言動から社員に伝えられることで、
徐々に形成されていくのです。

よって、経営者は常に自身の言動を
戒めなければいけません。
経営者は絶対的な権限を持つがゆえ、
本人に自覚があろうがなかろうが、
無意識の言動が組織に
影響を与えてしまいます。
それゆえ、自分さえよければ
というような小さな考えは、
組織だけでなく、そこに関わる
多くの関係者に好ましくない影響
を与えることを自覚し、
広く社会に貢献するという責務を
常に意識する必要があるのです。